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ビジリバ&ふちがみとふなとのレコード
Bidziliba & FuchigamiToFunato Discography
【2000.03.16.】【2002.07.03.追記】

レコード紹介へ→ |ビジリバのレコードふちがみとふなとのレコード古田マリのレコードその他の出演
船戸博史さん、古太郎さん、新谷キヨシさんのトリオ、ウィルキンソン・ブラザーズについては、拙稿「まだ知らない人・新谷キヨシを聴く」をご覧ください。

【2002.07.03.】
・カセット『ビジリバ』について追記。(m. n. さんに感謝)。
・カセット『ふちがみとふなと』について改訂。(k. k. さんに感謝)



公式ページ「ふちがみとふなと へなweb」 http://www.asahi-net.or.jp/~cp3j-fcgm/
最新のライブスケジュールはこちらで。 渕上さんと船戸さんのそれぞれのコーナーのほか、日替わりコメントが読めます。



公式ページ「2nd-notes」 http://www.2nd-notes.com/
ビジリバ、ウィルキンソン・ブラザーズのギタリスト、古太郎さん制作による、ビジリバ、古田マリさん、ウィルキンソン・ブラザーズのページ。
ビジリバのページでは、カセットやCDに収められた曲について、それらに掲載さけていなかった作詞者・作曲者の名前が記されています。



ファンページ「ふちふな通信」 http://www.sol.dti.ne.jp/~shayol/
ディスコグラフィ、ライヴ記録、レパートリー解説などもりだくさんです。(パプリカさん作成)



 
 



 
大きなおんがくかい 小さなおくがくかい
どこでもござれのぼく

まままりんば まりんばひけたらいいな
まるいばちを うんとじゆうにあやつり
いろんなうたを ひびかせてゆくのさ

          ビジリバ 「まりまりんば」


「ビジリバ」は、渕上純子さん (vocal.) 、船戸博史さん (bass) 、古太郎さん (guitar) 、古田マリさん (percussions, marimba, vibraphone) の4人組です。
長い旅から帰国した渕上さんが結成し、1991年頃から活動しているそうです。
「ふちがみとふなと」は、その渕上さんと船戸さんのデュオ。お二人は、旅行先のアフリカで知り合い、帰国後、偶然再会されたのだとか。
こちらも、活動開始は同じ頃のようですが、最初は飲み屋やパーティでの演奏が主だったらしい。
1993年頃から、ライヴハウスに出演するようになり、現在に至っているとのこと。

先に聞いたのは、ふちがみとふなとです。
ウッドベースと唄(ときどき、ピアニカ)というシンプルな編成で、叙情的なバラッドからパワフルなソウルナンバーまでを演奏します。
唄(声)もベースも、表情がひとつではなく、いろいろなキャラクターが登場するお芝居のごとき変幻自在さです。
オリジナルのほか、採りあげられるカバーは、「伊達男」や「美しき天然」といった旧い歌謡曲、ルー・リードやキンクス、浅川マキなど、さまざま。
ときに唄のなかにはさみこまれる渕上さんの語りも、むちゃくちゃ楽しい。
ふたりだけの演奏ばかりでなく、時には、大熊亘氏(clarinet, soprano sax)、千野秀一氏(piano)といった人たちと共演されることも。
2000年7月に、この、大熊氏・千野氏を加えた“ふちがみとふなとカルテット”による演奏を収めたアルバム『博学と無学』が発売されています。

ビジリバを聞いたのは、ふちがみとふなとを体験してから、すぐ。タイミングよく、CDが出て、その発売記念ライヴがあって。
予備知識なしで見に行って、古田さん(当時、恵良さん)のマリンバ&パーカッションに度肝を抜かれ、見とれてしまいました。
ざっくりとしたストロークと滑らかなリードを使い分けるギターにも、うっとり。
端正なアンサンブルで、不定形の、枠に収まらないロックを演奏するという点で、イギリスのヘンリー・カウを少し連想しました。
でも、日常的な動作や会話や景色が紡ぐ、さまざまな感情が詰まった唄は、ふちがみとふなとと同様です。
「複雑でも、優しい、POPな唄」(『ビジリバ宇宙』の帯より)。そう、まさに、その通り!
先日、ひさしぶりに見た『ビジリバ宇宙』発売記念ライヴでは、清清しい浮遊感に包まれて、1曲目から、胸にこみ上げてくるものがありました。
ちなみに、作詞はすべて渕上さん、作曲は、メンバーそれぞれが担当しているそうです。

船戸さんは、ジャズのベースプレイヤーとして、多くのバンドやセッションに参加されています。
レコード化されているものは、そのごく一部ですが、「へなweb」の船戸さんのコーナーにリストがあります。壮観です。

古田さんは、クラシックのパーカッションプレイヤーとして、また作曲家として活動されています。
古田マリさんの作曲作品は、『古田マリ打楽器作品』(2000年)、『クロッシング・ゼア』(2001年)の2枚のCDで聞くことができます。

レコード(CD)は、レコード店では「インディーズ」の扱いになっていることが多いと思います。
一部の作品は、吉田ハウスレーベルからの通信販売で、入手可能です。
取り扱い商品については、吉田ハウスレーベル発行「稀刊・ふなととふちがみ」をご覧ください。

<参考>
・吉田ハウスレーベル発行「稀刊・ふなととふちがみ」
    ※ライヴ日程を掲載した新聞「ふなととふちがみ」は、共演者のこと、対バンのこと、演奏する店のことなどが紹介されていて、楽しいです。
    ※お問い合わせは、上記「へなweb」または吉田ハウスレーベルまで。メール版もあります。
・胡散無産社発行「胡散無産」vol.5(1998年12月)
 
 


 

ビジリバのレコード

*

『ビジリバ』 Cassette
(F.M.N. Sound Factory FSF-007)
1994年発売? 絶版

Side A
1. 宇宙人に会えるかな
2. モノリス
3. 泪の葵橋
4. 夏が来た
5. スキップ

Side B
6. 図鑑の旅
7. 宗教が街にやってきた
8. ウラシマ強盗ファーザー
9. 妻の云い分
10. ハルマゲドン


ライヴ感覚の演奏が収められたカセット。
多くの曲がのちにCDに再録されていますが、恵良(古田)真理さんがマリンバやヴィブラフォンではなく、ドラムセットを中心に演奏されている点が異なるところです。
とくに「図鑑の旅」は、『ビジリバ宇宙』ではヴィブラフォンが静寂感を醸し出していたのに対して、パーカッションとエレクトリックベースのノイズィなせめぎあいが生命のうごめきを感じさせます。。
「宗教が街にやってきた」と怒りがこめられた「ハルマゲドン」は、今のところ、ここにのみ収録されています。
(2002年7月3日追記。m. n. さんに感謝)
 

* *

オムニバス 『RIDDLE OF LUMEN』 CDLP
(F.M.N. Sound Factory FNC-001)
1994年12月1日発売

1. アリベデルチ  [ドリルマン]
2. ペテン師#1  [P.O.N.]
3. フェイス,フェイス,フェイス  [有]
4. ハルシネーション  [ペレグリーニ]
5. N.N.Scum  [大友良英]
6. 笛ピー〜夫婦ヴァージョン  [ソープ嬢変死]
7. サリン  [O.A.D.]
8. SIFT84  [ソルマニア]
9. 最後の1コ  [ビジリバ]
10. メロディコ・アタック  [ROMP]
11. ル・チャンプ  [EQ]
12. インターナショナル・ショート・ミックス・フォー・T.S.  [大友良英]
13. ペテン師#3  [P.O.N.]
14. ハイ・センター  [ライヴアンダーザスカイ]


激しい演奏が多く収録されているオムニバスアルバム。ビジリバの曲は、パーカッションを中心にスキャット、ギター、ベースが絡んで、静かな緊張感があります。
なお、11曲目に収録されているEQは、ビジリバの船戸博史さん、恵良真理さんが内橋和久さんと組んでいる即興演奏グループです。
 

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『ビジリバ』 CDLP
(F.M.N. Sound Factory FNC-002)
1995年7月25日発売 現在品切れ中

1. 手品
2. 勇者マカラニアセブン
3. モノリス
4. まりまりんば
5. しなやかなおつきあい
6. 三丁目の夕日
7. 宇宙人に会えるかな
8. 夏が来た
9. 小冒険王
10. 妻の云い分
11. 魚つり
12. スキップ
1994年11月〜1995年1月にかけて、レコーディングされました。
CDなので、AB面の別はないのですが、なんとなく、半分ずつで片面が構成されているように聞いています。
ゆっくりゆっくり熱を帯びてくる「三丁目の夕日」は、曲が描いている空気が、とても懐かしく、わたしはそこで(頭の中で)いったん針をあげます。
「しなやかなおつきあい」などの大人の歌もあるのですが、休みの残りを数えなくてもいい夏休みの感覚がよみがえってくる曲がたくさん入っています。
 

* * * *

『ビジリバ宇宙』 CDLP
(F.M.N. Sound Factory FNC-017)
2000年1月30日発売

1. 船舶往来
2. ウラシマ強盗ファーザー
3. シェルタリングTV
4. 赤毛のマリー
5. シグナル
6. Broadcasted Graffiti
7. 泣く女
8, Yes, Sir ! (沿岸警備隊のテーマ)
9. ビジリバのテーマ
10. エジソン
11. 図鑑の旅
1999年9月〜1999年11月にかけて、レコーディングされたセカンドCD。
1曲目の「さあ」という声で、ぱぁーっと、景色が広がっていきます。ものすごく、開放感があります。
前作でのマリンバに代わる、ヴィブラフォンの包み込むような余韻のある響きが、瑞瑞しい。
楽しい曲、涙を湛えた曲、異世界のごとき不思議な歌、いろいろ入っていますが、一気に聞いてしまいます。
 
 

* * * * *

『ロッキュ RocQ』 CDLP
(F.M.N. Sound Factory FNC-017)
2001年10月23日発売

1. アポロ11
2. ロト
3. ペット哲学
4. 最後の1コ
5. はな子;ぞう
6. 恋の終わり
7. 買い物ブギー
8. 人魚の国
9. うれしいな
10. わるいことはできない
11. 青空
12. 泪の葵橋
ロックバンド、ビジリバの「ロック」、気持ち控え目で、「ロッキュ」。でも、ロック。
制作中から予告されていたロックっぽさは、かわいらしくもエロティックな「ペット哲学」、ライヴで最後に演奏されると盛りあがる「恋の終わり」、おだやかな「人魚の国」、人力ダブ「泪の葵橋」で聞けます。
「恋の終わり」の作曲が、シリアスというか、アカデミックというか、現代音楽(どれも適切でない表現ですが、思いつきません、すみません)の作曲家でもある古田さんの作曲であることが楽しい。
今回のアルバムでは、初めて、ひとつひとつの曲について、作曲者名が明記されています。
いままでクレジットがなかったのは、どの曲も「ビジリバ」の曲として聞いて受け取ってもらえばいいということだと思いますが、それでもたずねられることが多いので、明記することにされたようです。
第2期キング・クリムゾンやヘンリー・カウに通じる変幻自在のロックも、「はなこ; ぞう」、「買い物ブギー」(ライヴでは、主婦プログレと紹介)、「わるいことはできない」で健在です。
「アポロ11」、「ロト」、「最後の1コ」(オムニバスアルバム『RIDDLE OF LUMEN』収録曲の再録音)の昔ばなし語りのような感触にも、ビジリバらしさがあります。
そして、「青空」。風景を、ひとつひとつつなぎとめるように、言葉、ヴィブラフォン、エフェクトのかかったベースとギターが鳴っています。
2001年6月〜8月にかけて、レコーディングされています。
 


 

ふちがみとふなとのレコード

*
『ふちがみとふなと』 Cassette
(吉田ハウス → まぼろしの世界)
発売年月不明 絶版

Side A
1. Walk on the Wild Side
2. テキサス
3. 丘のくうき
4. Long Tall Sally
5. ダイナ
6. 恋はやさし野辺のバラよ

Side B
7. I Can't Turn You Loose
8. はる
9. アフリカのお手伝いさんのうた
10. Sumahama
11. So Long
12. バラが咲いた

『日曜日ひとりででかけた』以前に、カセットのみで発表されたアルバムです。ライヴ録音のようです。
CDにも収録されている曲のほかでは、まず、ライヴで必ず盛りあがる "I Can't Turn You Loose" が楽しい。
オーティス・レディングの、と言うよりも、映画『ブルース・ブラザーズ』での強烈な場面を思い出す人が多いかもしれません。
船戸氏が好きなキンクス・ナンバー "So Long"、ビーチボーイズの "Sumahama" のカバーとともに、『アワ・フェイバリット・ソングス』で再演されています。
「ダイナ」(2002年1月に亡くなられた井上敬三さんがクラリネットでゲスト参加)、「恋はやさし野辺のバラよ」といって旧い歌謡曲の収録もうれしい。
(2002年7月3日 改訂。k. k. さんに感謝)
 

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『日曜日ひとりででかけた』 CDLP
(吉田ハウス YHL-001)
1997年2月25日発売 2001年11月26日再発

1. テキサス
2. 日曜日ひとりででかけた
3. 上海
4. あじさい
5. 美しき天然
6. Tiger's Son
7. Nalala
8. さらばジャマイカ
9. Walk on the wild side
10. ケセラセラ
11. アフリカのお手伝いさんのうた
12. 丘のくうき
13. 百万円
1996年9月11日に、神戸のライヴハウス、ビッグ・アップルで録音されたファーストアルバム。
渕上さん作詞・作曲によるオリジナル、東西南北新旧とりまぜたカバー(Tr.3, 5, 8, 9, 10, 11, 13)を収録。
叙情的な「Nalala」は、初めて見たライヴで聞いて、とても感激した曲。
激しい「テキサス」のような曲があれば、タイトル曲や「さらばジャマイカ」のような、のんびりした気持ちになれる曲もあります。
最後の「百万円」には、なんというか、自然と顔がほころんでしまうというか・・・、日本の旧い歌謡曲はこわいです。
 

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『バブの店さき』 CDLP
(吉田ハウス YHL-002)
1998年9月発売 限定再プレス盤あり(詳しくは、「へなweb」でご確認ください)

1. イワンの水
2. バブの店さき
3. はる
4. ニワ・ニワ・ニワ
5. Go! Go! マングース
6. せんたくおひさま
7. 坂をのぼる
8. ガラスと夕焼け
1998年6月18日に、神戸のライヴハウス、ビッグ・アップルで録音された、全曲オリジナルのセカンドアルバム。
前作に引き続き、録音を担当している内橋和久氏(guitar etc.)が、演奏にも参加されています。
タイトル曲に登場するバブ(スワヒリ語でおじいさんの意)については、ライヴで話されていますが、文章にもなっています。
機会があれば、雑誌「胡散無産」Vol.5(1998年12月発行)に掲載された渕上さんによる同名のエッセイを読んでみてください。
ハブとマングースのショーを唄った楽しい「Go! Go! マングース」、叙情的な「坂をのぼる」と「ガラスと夕焼け」、こわい話がはじまりそうな「イワンの水」など8曲を収録。

【2001.05.02.追記】
「稀刊・ふなととふちがみ」13号によると、事故で原盤が紛失してしまい、とても残念なことに、追加プレスができなくなってしまったそうです。
工場に残っていた「型」で行われた追加プレス分が、最後です。
 

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ふちがみとふなとカルテット
『博学と無学』 CDLP
(吉田ハウス YHL-003)
2000年7月31日発売

1. フミオさんへ
2. 汚ない言葉で
3. 宮大工の孫
4. ゴミの日
5. 都会のカラス
6. キリギリス楽士
7. ふくよかな女
8. 博学と無学
9. ナ・ララ
大熊亘氏 (clarinet, alto sax etc.)、千野秀一氏 (piano) との共演から、さらに踏み込み、両名を加えたカルテットとして制作されたサードアルバム。
2000年3月20日〜21日の二日間で録音されました。
ふちがみとふなとカルテットの初ライヴは、1999年4月10日、京都・拾得にて。大熊氏との共演を果たしたのち、大熊・千野デュオとの遭遇から実現したそうです。
この共演は一度きりに終わらず、9月18日、吉祥寺・MANDA-LA2で、2回目のライヴが行われ、さらにレコーディングへと発展したようです。
入手したばかりなので、内容については、機会をあらためて書きたいと思います。
(2000.07.31.記)

2000年8月26日に、大阪・梅田のハードレインで行われた、ふちがみとふなとカルテットを見ました。
千野秀一氏のピアノは力強く弾み、大熊亘氏のクラリネットは川の源泉のように流れて止まない。
ふちがみとふなとは、絡み合うのでも、対決するのでも、寄り添うのでもなく、それらと同じ速度で併走する。緊張感はあるのに、強いられない、不思議な空間でした。
『博学と無学』でも、その不思議な、開放的な緊張感を聞くことができます。
物悲しい「キリギリス楽士」、楽しい「ゴミの日」、山之口貘の詩に曲をつけた「博学と無学」など、カルテットになっても、ますます変幻自在です。
『日曜日にひとりででかけた』収録の「ナ・ララ」の再演バージョンは、千野秀一氏のピアノだけをバックに歌われます。
(2000.11.16.記)
 

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オムニバス 『ソー・ファー・ソングス so far songs』 CDLP
(OZ Disc EHE-024)
2000年9月30日発売

1. − introduction − 水車  [村上ゴンゾ]
2. コスモス・デッド  [ラブクライ]
3. あなたを捨てる  [渚にて]
4. 港の見える丘  [浜田真理子]
5. もうすぐ  [パパボックス]
6. cyan  [スパロウズ・スクーター]
7. オブラブ  [タナカ]
8. スプリング(ハズカム)  [ボルゾイ]
9. 砂の人  [シネルパ]
10. 彼女は太陽  [フリーボ]
11. 波間の愛好者  [朝生 愛]
12. ひとつの音  [ヒヤシンス]
13. サヨナラの砂  [田中亜矢]
14. 悲しいだけ  [コモンビル]
15. ママの山羊は10匹(できたて version)  [ふちがみとふなと]
16. サマーワルツ  [OKミュージック・ホール]
17. 不在のうた  [山本精一 with RASHINBAN]


「どこか遠いところへ運んでくれる」うたものをコンセプトに、新曲や未発表曲を集めたオムニバスアルバム。
ふちがみとふなとは、2000年3月9日、渋谷・アピアでのライヴ録音で参加しています。
「ママの山羊は10匹」は、アフリカから日本に戻る渕上さんの姿でしょうか。「バブの店さき」のバブと同じように、日々をしっかり生きている様子が伝わってきます。
ブックレットには、参加バンドのプロフィールとともに、お気に入りについてのメッセージが掲載されていて、楽しい。(紙がうすいのは扱いづらいですが)。
 

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『アワ・フェイバリット・ソングス』 CDLP
(吉田ハウス YHL-004)
2001年11月26日発売

1. Paisley Park [Prince]
2. おおシャンゼリゼ (Les Champs-Elysees) [Joe Dassin / 越路吹雪]
3. Don't Think Twice, It's Alright [Bob Dylan / 友部正人]
4. The James Bond Theme [映画音楽]
5. Somebody To Love [Queen]
6. Sumahama [The Beach Boys]
7. I Can't Turn You Loose [Otis Redding]
8. Martha [Tom Waits]
9. So Long [The Kinks]
10. 愛はどこへ (I'll Be There) [Jackson Five / フィンガー5]
11. トライ・トゥ・リメンバー (Try to Remember) [ミュージカル "FANTASTICKS" / 越路吹雪]
12. Smoke On The Water [Deep Purple]
13. Fairytale Of New York [Pogues / ふちがみとふなと]
ふちがみとふなとのライヴでは、オリジナルとともに、さまざまなカバーが歌われますが、その中から外国曲を選りすぐったカバーアルバム。
『日曜日ひとりででかけた』でも、「ケセラセラ」や「Walk On The Wild Side」を取り上げていますが、古今東西を問わず、好きな歌を歌っている様子は選曲からうかがえると思います。
ビーチボーイズの「Sumahama」、オーティス・レディングの「I Can't Turn Your Loose」、キンクスの「So Long」は、カセットにも収録されていました(今回はスタジオでの新録音)。
ブックレットには、愛唱ぶりがうかがえる、渕上さん、船戸さんの各曲についてのコメントが掲載されています。

[参考](ファンページ「ふちふな通信」掲示板でのパプリカ氏による回答を一部参考にしています。)

Paisley Park
プリンス&レボリューションとしてのアルバム "AROUND THE WORLD IN A DAY"(1985年4月発売)に収録。イギリスでは、シングルとしても発売され、ヒットしています。

おおシャンゼリゼ 日本語詞
Micheal Wilshaw作詞、Michael Antony Deighan作曲による "Walterloo Road" という曲に、ジョー・ダッサンが1969年にフランス語詞をつけてカバーしたものが原曲、らしい。
日本では、「街を歩く・・・」で始まる安井かずみの訳詞が知られていますが、ここに収められているのは、越路吹雪が歌っていた、岩谷時子の訳詞によるもの。
歌詞カードでは、「おおシャンゼリゼ」ではなく、「オー・シャンゼリゼ」となっています。ちなみに、原曲は、Aux Champs-Elysees で、「シャンゼリゼでは」という意味です。

Don't Think Twice, It's Alright 日本語詞
「くよくよするなよ」の邦題で知られるボブ・ディラン作品。1965年の時点では、「風に吹かれて」に次いで、たくさんのミュージシャンに取り上げられていたらしい。
ディラン自身の演奏は、1963年5月27日発売のセカンドアルバム "THE FREEWHEELIN'" に収録されています。
友部正人がライヴで演奏している日本語詞バージョンをもとにしているそうです。
[2002.02.15.追記]
不明だった友部さんによる録音について、潤一郎31000氏より、情報をいただきました。
1992年1月21日発売のシングル「ラヴ・ミー・テンダー」に、収められているそうです。併録は、トム・ウェイツのカバー「ジャージー・ガール」。

The James Bond Theme
イギリスのスパイ映画、007シリーズの第一作、『殺しのライセンス(ドクター・ノオ)』(1962年)のテーマ曲で、その後、シリーズ共通のテーマ曲となったもの。
どのようにカバーしているかは、聞いてのお楽しみ。

Somebody To Love
クィーンの1976年11月のシングル曲で、翌月発売のアルバム "A DAY AT THE RACES" にも収録されています。
日本で発売されたシングルは、B面が "White Man" ではなく、日本語による詞が入っていることで話題を呼んだ "Teo Torriate (Let Us Cling Together)" だったそうです。

Sumahama
1979年4月発売のアルバム "L.A. (LIGHT ALBUM)" の収録曲。須磨のことなのか、砂浜のことなのか、ビーチ・ボーイズ研究家にたずねてみたい気がします。

I Can't Turn You Loose
オーティス・レディングの1965年11月発売のシングル "JUST ONE MORE DAY" のB面に収められている曲。イギリスでは、翌年8月に、AB面を入れ替えて発売され、ヒットしています。
オリジナルアルバムには収録されていませんが、ほとんどのベスト盤に収録されている代表曲のひとつです。

Martha
1973年5月発売のトム・ウェイツのデビューアルバム、"CLOSING TIME" の収録曲。

So Long
1965年3月5日発売のセカンドアルバム "KINDA KINKS" の収録曲。 船戸さんは大のキンクスファンで、ライヴでは他に "Sunny Afternoon" なども演奏されています。

愛はどこへ (I'll Be There) 日本語詞
ジャクソン5の1970年9月発売のシングルですが、ここに収められているのは、フィンガー5の1973年のデビューアルバム『個人授業』収録の日本語バージョン。
「日本のジャクソン5」としてデビューしたフィンガー5ですが、アルバム『個人授業』は、収録曲の半分がジャクソン5関係です。
その中には、ふちがみとふなとのライヴでも取り上げられているマイケル・ジャクソンの「ベンのテーマ」(1972年8月発売のシングル)も含まれています。

トライ・トゥ・リメンバー (Try to Remember) 日本語詞
1960年初演のミュージカル「ファンタスティックス Fantasticks」の劇中歌。ブラザーズ・フォーやナナ・ムスクーリが取り上げて、ヒットさせています。
ここに収められているのは、「おおシャンゼリゼ」と同様、越路吹雪が歌っていた、岩谷時子の訳詞によるものです。

Smoke On The Water
ディープ・パープルの1972年4月発売のアルバム "MACHINE HEAD" の収録曲ですが、よく知られるようになったのは、1973年5月に、ライヴバージョンがアメリカでシングル化されてから。
日本では、ロックバンド初心者たちの必須レパートリーになっていました。どういうわけなのか、調べてみると面白いかもしれません。船戸さんも「最初にエレキギターで弾いた曲」と証言されています。

Fairytale Of New York 日本語詞
1987年11月発売のシングル曲で、1988年1月発売のアルバム "IF I SHOULD FALL FROM GRACE WITH GOD" にも収録されています。
2000年12月18日に不慮の事故で亡くなったカースティ・マッコールのヴォーカルをフィーチャーしたデュエットソングの傑作です。
アイルランドから移民としてニューヨークに渡った男女を主人公に、まるで一編の映画のように、過去と現在を交錯させて、夢と現実への失望を描いています。
ふちがみとふなとは、オリジナルの訳詞をほどこし、もとの意味と勢いを損なわないように、日本語に移し替えています。
(2001年12月09日記)
 


 

古田マリのレコード

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『古田マリ打楽器作品 Works for Percussion』 CDEP (CD-R)
(fulls mfg. fulls-001)
2000年発売

1. 黒い光景 ヴィブラフォン・マリンバのための (1995.10.)
2. 眠る島 5人の打楽器奏者のための (2000.2.)


パーカッション奏者、古田マリさんの作曲作品を集めたCD-Rです。
いずれも初演時のライヴ録音です。
「黒い光景」は、1995年11月17日に京都「青山音楽記念館バロックザール」で行われた「第1回個展」での演奏で、古田マリさんのヴィブラフォンと関谷康子さんのマリンバによるもの。
「眠る島」は、打楽器アンサンブル P. A. N. Klang の委嘱作品で、2000年4月13日に京都「京都府民ホール ALTI」で行われたP. A. N. Klangのコンサートで披露されました。
このときのP. A. N. Klangは、上中あさみさん、関谷康子さん、長田千草さん、山内利一さん、越川雅之さんの6人です。
 

* *

『古田マリ作品集 I /クロッシング・ゼア Crossing There』 CDLP
(CORart 001)
2001年10月28日発売

1. クロッシング・ゼア 環境音と打楽器アンサンブルのための (2001)
2. 3つの印象 フルート、オーボエ、マリンバのための (1995)
   I  dolente
   II  tranquillo
   III  leggiero
3. オシロスケープ 3つのギターのための (2001)
4. ディスタンス バスマリンバとヴィブラフォンのための (2001)


古田マリさんの作曲作品を集めたアルバム。2001年8月と9月に録音されています。
「3つの印象」は、1995年11月17日に京都「青山音楽記念館バロックザール」で行われた「第1回個展」で初演された曲。
初演時と同じ福留敬さん(flute)、福田淳さん(oboe)、古田さん(marimba)で録音されています。
「オシロスケープ」は、2001年1月18日にマンチェスターで行われた「Japanorama Concert」で、大友良英さん、杉本拓さん中村としまるさんの3人のギターで初演されたもの。
ここでは、ビジリバの古太郎さんが、多重録音により、ひとりで演奏しています。
現実の環境音との共演、「クロッシング・ゼア」と、「ディスタンス」は、このアルバムで初めて発表されたものです。
 
 
 

ウィルキンソン・ブラザーズのレコード

ビジリバの船戸博史さん(bass)、古太郎さん(guitar)、はじめにきよし等でも活動している新谷キヨシさん(piano, accordion, pianica)のトリオ。
拙稿「まだ知らない人・新谷キヨシを聴く」をご覧ください。
 


 

その他の出演

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オムニバス(監修・高田渡) 『貘 −詩人・山之口貘をうたう』 CDLP
(B/C Records BCD-4)
1998年

1. 年輪・歯車  [高田渡・佐渡山豊・石垣勝治]
2. 結婚  [高田渡]
3. 深夜  [高田渡]
4. たぬき  [つれれこ社中]
5. 座蒲団  [大工哲弘]
6. 告別式 I  [高田渡・石垣勝治]
7. 玩具  [石垣勝治]
8. 第一印象  [石垣勝治]
9. 鮪に鰯  [ふちがみとふなと with 高田渡]
10. 頭をかかえる宇宙人  [ふちがみとふなと with 高田渡]
11. 貘  [佐渡山豊]
12. 会話  [佐渡山豊]
13. 紙の上  [佐渡山豊]
14. 告別式 II  [嘉手刈林次]
15. ものもらい (原題・ものもらいの話)  [大島保克&オルケスタ・ボレ with 高田渡]
16. 石  [大島保克&オルケスタ・ボレ with 高田渡]
17. 夜景  [高田渡]
18. 生活の柄  [大工哲弘・高田渡]
沖縄の詩人、山之口貘(1903〜1963)の詩に、ブルーズやフォークの曲をつけて歌ってきた高田渡さんが中心になって、編まれたトリビュート・アルバム。
高田渡バージョンのリメイクのほかに、参加メンバーによる新しい曲がついた作品もある。
演奏には、渋谷毅さん、関島岳郎さん、中尾勘二さん、ローリーさん、内田勘太郎さんら、錚錚たるメンバーが参加しています。
ふちがみとふなとは、高田渡氏との共演で、2曲参加。船戸さんは、オルケスタ・ボレでも演奏されています。
また、このCDを取り上げたTBS系「ニュース23」に出演したり(ただし、渕上さんのみ&関西では流れず)、大阪城野外音楽堂でのライヴ版(1998年10月4日)に参加するなどされていました。
 
[参考]高田渡バージョン収録盤
『ごあいさつ』(1971年) 年輪・歯車、鮪に鰯、生活の柄
『石』(1973年) ものもらい、石
『FISHIN' ON SUNDAY』(1976年) 頭をかかえる宇宙人
その他、「春一番」、「全日本フォーク・ジャンボリー」などのライヴ盤に、「生活の柄」、「深夜」、「頭をかかえる宇宙人」、「結婚」、「石」、「年輪・歯車」等が収録されています。
 

* *

雑団(声の出演=片岡ちよ、雑団衆/演奏とうた=ふちがみとふなと) 『知らない唄を憶えているよ!』 CDEP
(μ[mju:] pro.  001)
1999年9月発売

1. 魚の樹
  〜1998年10月上演 『魚の樹』より〜
2. 岩でもいいわ
3. ティアーズ・オブ・ストーン〜子守唄
  〜1999年4月上演 『名前のない夜に』より〜
4. キノコ祭の唄
  〜1999年9月上演 『ソーマの森へ』より〜


劇団・雑団の劇中歌を集めたCD。お芝居は見たことがないのですが、ふちがみとふなとの音楽も、お芝居といっしょに、舞台で生演奏されるそうです。
歌だけでなく、BGMも担当されているそうです。作詞は、雑団の尾崎隆夫氏。
 

* * *

趙博 『ソリマダン』 CDLP

※未見ですが、1曲参加されているそうです。記憶にまちがいがあってはいけないので、詳しくは書きませんが、以前、ある野外コンサートで拝見したことがあるはず。
 

【2002.07.03.】
・カセット『ビジリバ』について追記。(m. n. さんに感謝)。
・カセット『ふちがみとふなと』について改訂。(k. k. さんに感謝)

【2002.02.15.】
・ふちがみとふなと『アワ・フェイバリット・ソングス』収録の「Don't Think Twice, It's All Over」の友部正人バージョンについて、潤一郎3100氏からの情報を得て、追記(感謝)。

【2001.12.30.】
・ビジリバ『ロッキュ』について、追記。
・古田マリさんのソロアルバム『古田マリ打楽器作品』、『クロッシング・ゼア』について、追記。
・ビジリバ、古田マリさん、ウィルキンソン・ブラザーズの公式サイト「2nd-notes」をご紹介。

【2001.12.09.】
・ふちがみとふなと『アワ・フェイバリット・ソングス』について、追記。

【2001.5.02.】
・ふちがみとふなと『バブの店さき』限定追加プレスについて、追記。
・公式ページでの通販告知にともない、「吉田ハウスレーベル通販要領」を、外しました。

【2001.3.22.】
・ふちがみとふなと公式ページ「へなweb」をご紹介。

【2001.02.20.】
・パプリカさん作成のファンページ「ふちふな通信」をご紹介。

【2001.01.15.】
・「ふなととふちがみ」12号にもとづいて、スケジュール、CD品切れ状況を掲載。

【2000.11.16.】
・ふちがみとふなとカルテット『博学と無学』について、さらに追記。
・オムニバス『ソー・ファー・ソングス』について、追記。
・通販取り扱い商品を、「ふなととふちがみ」11号にもとづいて、アップデート。

【2000.07.31.】
・ふちがみとふなとカルテット『博学と無学』、カセット『ふちがみとふなと』について、追記。

【2000.05.26.】
・吉田ハウスレーベルの通信販売について、追加。
・ふちがみとふなとカルテットの『博学と無学』の発売予定情報を追加。
・『RIDDLE OF LUMEN』について、追記。
 
 

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