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オリジナル盤もどき調理法
CD Programming Guide For "Original" Lovers
【2001.10.21.】【2002.01.14.改】 追加・修正点については、末尾をご覧ください。


 
編集盤CDから、「オリジナル盤もどき」をでっちあげるための曲順プログラムを紹介します。
いろんなソースが混ぜ合わされた編集盤から、混ぜ合わされる前のソースを取り出してみようというわけです。
オリジナル盤が簡単に安く手に入るのなら、それに越したことはないのですが、なかなかそういうわけにはいきません。
まずは、できるところから、曲順だけでも、それなりに。


第11回 後期マンフレッド・マン


 
 

[イギリス盤] [仕様が異なる各国盤(イギリス未発売曲など)] [CD収録の活動当時の未発表曲] [材料の内訳]





[はじめに]

1963年7月にHMVからデビューしたマンフレッド・マンは、ポール・ジョーンズ脱退とともに、HMVを離れます。
マイク・ヴィッカーズに代わって参加していたベースのジャック・ブルースが前後して脱退。
マンフレッド・マンは、ヴォーカリストにマイク・ダボ、ベーシストにクラウス・ブーアマンを迎えて、新編成となります。
フォンタナレコードと契約を結んだ新生マンフレッド・マンは、1966年6月からレコーディングを開始し、 "Just Like A Woman" でデビューしました。
ラインナップは、Manfred Mann (keyboards)、Mike Hugg (drums)、Tom McGuiness (guitar)、Michael D'Abo (vocal)、Klaus Voorman (bass) の5人。

ところで、「マンフレッド・マン」は、バンド名であると同時に、リーダーのキーボード奏者の名前(ニックネーム)でもあります。
以下、キーボード奏者個人については、マンフレッドと呼ぶことにします。なれなれしくて、すみません。

フォンタナ時代のマンフレッド・マンは、HMV時代の男っぽい骨太のリズム・アンド・ブルーズから変わって、フォークロック感覚のポップソングが主です。
アコースティックギターの力強い響きとフルートやオーケストラの代用品でない独特の使い方によるメロトロンとの絡みが耳に残ります。
リリースの様子を見ていると、シングルは、あっけらかんとしたポップソングでいいという割切りのようなものを感じます。
かといって、アルバム作りにこだわりがあるかというと、レコード会社の意向が強く感じられ、あまりこだわっているようにも見えません。
クールだったのか、思うままにならなかったのか、そのあたりも気になります。

この時期のマンフレッド・マンは、2枚のオリジナルアルバムを出していますが、残念ながら、オリジナルアルバムはCD復刻されていません。
オリジナルの状態を、もっとも多くの曲を収録している1997年発売の2枚組の編集盤 "THE ASCENT OF MANN" を材料に、復元してみようと思います。
イギリスでのリリースを基本に、イギリス未発売曲を収録している盤については、各国盤も復元します。
これも残念なことに、たくさんの未発表曲を収録した好盤でありながら、抜けている曲があり、完全復元とは行かないのですが、しかたがありません。
なお、"THE ASCENT OF MANN" に1曲だけ収録されている "UP THE JUNCTION" のサウンドトラックアルバムは1998年にrpmからCD復刻されています。

"THE ASCENT OF MANN" は、発表順でも録音順でもない、独自の曲順で構成されています。
そのことは、編集盤にはよくあることなのでよいのですが、デザインやブックレットの編集がいまひとつなのが少々難点です。
パッケージ裏面に記されている曲目は、太めの書体で、横にずらずらと流してあり、読みやすいとは言えません。
また、作者のクレジットは、CDの盤面にのみ記載され、しかも、トラック番号で参照するようになっています。
出典も、発表年月も記されていません。

・・・聞いていて、いい曲だと思ったとします。
曲名を確認しようとすれば、パッケージ裏面で眩暈をおこすことを覚悟しなければなりません。
次に、誰が作った曲なのか知りたくなっても、CDをかけているあいだは、CDの盤面を読むことはできません。
動体視力に優れ、78回転のSP盤でも、盤面の文字を読むことができたと言われるベーブ・ルースでも無理だったろうと思います。
聞き終わってから、CDを取り出して、やっとこさ確認します。小さな字を追いかけて、番号合わせ。あれ、何曲目だったっけ。
パッケージ裏面に戻って、さっき確認した曲名を見つけようとすると、またまた眩暈をおこしそうになるのでした。

記憶容量には限りがありますし、聞くたびにいらいらしたくないというのも、整理と復元の動機のひとつです。
ありがたいCDなのですけれど。(イギリス盤を買ったので、日本盤にどのような解説が付いているかは知りません。)

資料面は、グレッグ・ルッソの資料本 "MANNERISM: The Five Phases of Manfred Mann"(Crossfire Publications、1995年8月)を参考にしています。
マンフレッド・マンを中心として、参加メンバーのソロ活動までを範囲に収めたもので、レコーディングセッションの記録を含む労作です。
"INSTRUMENTAL ASSASSINATION" しかオリジナル盤を持っておらず、実際の盤で確認できていないため(申し訳ないです)、大いに活用しました。

"Just Like A Woman" や "Mighty Quinn"の作者、ボブ・ディランについては、パフォーマーとしての彼にあまり興味が持てないため、詳しいことを知りません。
ディラン作品についての記述は、三橋一夫さんの『60年代のボブ・ディラン』(シンコーミュージック、1991年9月)に頼っています。
もともと『ボブ・ディランの軌跡』(主婦と生活社、1972年8月)として発売されたものらしく、古典といってもよいかもしれませんが、門外漢にはありがたいです。
紹介と評論と資料をかねそなえた丁寧な本として、重宝しています。
 

[メニュー]

[材料]
Manfred Mann  "THE ASCENT OF MANN: The Fontana Years 1966-1969"  (Mercury/Fontana 534 806-2), compilation CD, 1997
 

[作り方]

[注] 既発表曲の再録の場合、「*」印をつけています。


 
イギリス盤

イギリス盤を発売順に並べています。
初出ということでは、アメリカ盤のほうが、数日から一週間ほど早い場合がありますが、仕様が同じ場合は問題にしなくてもよいかと思います。
イギリスでの未発表曲を含むなど、仕様が異なる例については、別にまとめました。
 

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Just Like A Woman (Fontana TF 730) single, 1966.7.29.
cd-program: 1-1 / 1-2

Side 1
1. Just Like A Woman   (Bob Dylan)

Side 2
2. I Wanna Be Rich   (Mike Hugg)

フォンタナ移籍後の最初のシングル。イギリスよりも一日だけ早く、アメリカでも同じカップリングで発売されています。
"Just Like A Woman" は、ボブ・ディランの1966年5月16日発売(アメリカ)のアルバム "BLONDE ON BLONDE" に収録されていた曲のカバー。
"Just Like A Woman" は、1966年10月21日発売のオリジナルアルバム "AS IS" に収録されました。

"I Wanna Be Rich" は、1966年6月8日に行われた新生マンフレッド・マンの最初のレコーディングセッションで録音されたもののひとつ。オリジナルアルバムには未収録です。

フランスでは、1966年9月に、エヴァリー・ブラザーズのカバー "Let It Be Me"("I Wanna Be Rich" と同日の1966年6月8日録音)とイギリスではアルバム "AS IS" に収録される "Trouble And Tea" が追加収録された4曲入りEPの形で発売されました。"Let It Be Me" は、イギリスでは未発表に終わっています。

録音: 1966年6月30日(1)、1966年6月8日(2)


 

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Semi-Detached Suburban Mr. James (Fontana TF 757) single, 1966.10.21.
cd-program: 1-5 / 1-6

Side 1
1. Semi-Detached Suburban Mr. James   (Geoffrey Stephens/John Carter)

Side 2
2. Morning After The Party   (Mike Hugg)

アルバム "AS IS" と同時発売されたフォンタナ第二弾シングル。A面の "Semi-Detached Suburban Mr. James" は、ニュー・ヴォードヴィル・バンドの仕掛人としても知られるソングライターのジェフ・スティーヴンスとやはりヒットメーカーとして活躍していたジョン・カーターの共作。もともと Mr. Jones というタイトルだったのを、脱退したポール・ジョーンズを指していると受け取られるのを避けるため、Mr. James に変更したらしい。
B面の "Morning After The Party" は、アルバム "AS IS" にも収録されました。A面の "Semi-Detached Suburban Mr. James" は、イギリスではオリジナルアルバムに収録されませんでした。

"Semi-Detached Suburban Mr. James" は、アメリカではやや先行して、1966年10月7日に、この時点ではイギリスで発売されていなかった "Each And Every Day" とのカップリングで発売されています。
"Each And Every Day" は、イギリスでは、1968年6月28日発売のアルバム "MIGHTY GARVEY!" で初めて日の目を見ました。なお、同アルバムのアメリカバージョンにあたる "MIGHTY QUINN" には、"Semi-Detached Suburban Mr. James" と  "Each And Every Day" がともに収録されています。

録音: 1966年8月22日(1, 2)


 

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AS IS (Fontana TL/STL 5377) lp, 1966.10.21.
cd-program: 1-3, 1-19, 2-9, 1-7, 2-15, 1-6 / 1-20, 2-8, 1-12, 1-15, (not included), 1-1

Side 1
1. Trouble And Tea(*)   (Mike D'Abo)
2. A Now And Then Thing   (Tom McGuiness/Charles Perrett)
3. Each Other's Company   (Mike Hugg)
4. Box Office Draw   (Mike D'Abo)
5. Dealer, Dealer   (Mike Hugg/Manfred Mann/Thomas)
6. Morning After The Party*   (Mike Hugg)

Side 2
7. Another Kind Of Music   (Manfred Mann/Mike Hugg)
8. As Long As I Have Loving   (Mike D'Abo)
9. Autumn Leaves   (Joseph Kosma/Jacques Prevert/John Mercer)
10. Superstitious Guy   (Manfred Mann/Mike Hugg)
11 You're My Girl
12. Just Like A Woman*   (Bob Dylan)

1966年8月録音のオリジナルアルバム。当時、アメリカでは発売されていません。
先行シングルの "Just Like A Woman"、同時発売のシングルB面曲 "Morning After The Party" を収録しています。また、1曲目の "Trouble And Tea" は、フランスではEP "JUST LIKE A WOMAN" に収録されて、1966年9月に発売されていたもの。

CD "THE ASCENT OF MANN" には、1966年11月にスウェーデンではシングルとしても発売された "You're My Girl" が収録されていません。

録音: 1966年6月30日(1, 12)、1966年7月20日(5, 10)、1966年7月22日・8月12日(4)、1966年8月22日(2, 3, 6, 7, 8, 9, 11)


 
 

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INSTRUMENTAL ASSASSINATION (Fontana TE 17483) ep, 1966.12.2.
cd-program: 1-26, 1-27 / (not contained), (not contained)

Side 1
1. Sunny   (Bobby Hebb)
2. Wild Thing   (Chip Taylor)

Side 2
3. Get Away   (Clive Powell)
4. With A Girl Like You   (Reg Presley)

マンフレッド・マンのジャズバンドとしての顔を見せるインストゥルメンタル集。オリジナルメンバーのデイヴ・リッチモンドがダブルベースでゲスト参加しています(クラウス・ブーアマンはリコーダーを担当)。HMV時代の "INSTRUMENTAL ASYLUM"(1966年6月17日発売)と同様、他のバンドのヒット曲をカバーしています。"Sunny" はボビー・ヘブ、"Wild Thing" と "With A Girl Like You" はトロッグス(1966年4月と7月)、"Get Away" はジョージー・フェイム&ザ・ブルー・フレイムズ(1966年6月)のヒット曲として知られています。("Sunny" は、ジョージー・フェイムも、"Getaway" に続くシングルとしてカバーしています。)

オリジナルアルバムには収録されませんでしたが、1968年3月に発売された編集盤 "WHAT A MAN" には全曲収録されています。このEPは、当時、アメリカでは発売されませんでした。

CD "THE ASCENT OF MANN" には、B面の2曲が収録されていません。

録音: 1966年10月


 

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Ha! Ha! Said The Clown (Fontana TF 812) single, 1967.3.23.
cd-program: 1-21 / 1-13

Side 1
1. Ha! Ha! Said The Clown   (Anthony Hazzard)

Side 2
2. Feeling So Good   (Mike Hugg/Manfred Mann)

ソングライター、トニー・ハザードの作品を取り上げたシングル。マンフレッド・マンはデモテープを聞いて、最初は気に入らなかったそうですが、周囲の猛プッシュに根負けした形で録音したらしい。メロトロンを多用した音作りを行っています。
マンフレッド・マンのバージョンがヒットしたため、同じくこの曲をレコーディングしていたヤードバーズは、イギリス発売を見送り、アメリカでのみ発売(1967年6月)することにしたと言われています。

"Ha! Ha! Said The Clown" は、のちにアルバム "MIGHTY GARVEY!" に収録されます。マイク・ダボ以外のメンバーがヴォーカルをとるB面の "Feeling So Good" は、オリジナルアルバムには収録されませんでしたが、1968年3月に発売された編集盤 "WHAT A MAN" には収録されました。

"Just Like A Woman" と同様、フランスでは、4曲入りEPとして発売されました。アメリカでは1966年10月7日発売のシングル "Semi-Detached Suburban Mr. James" のB面として発売された "Each And Every Day" と、"Feeling So Good" と同じ1967年1月25日に録音された "All I Wanna Do (All I Want To Do)" が追加収録されています。

なお、CD "THE ASCENT OF MANN" 収録の "Ha! Ha! Said The Crown" は、ミックスにミスがあり、日本盤発売の際には、正常のものに差し替えられたとのことです。手持ちのイギリス盤では、ミスしたもので収録されており、扉の向こうで鳴っているような感じで、とても聞きづらい。音響に詳しくないので、技術的にうまく説明できないのですが。
 

録音: 1967年2月10日(1)、1967年1月25日(2)

[2002.01.09.] 「Dead funny.」 http://www31.ocn.ne.jp/~deadfunny/ の高取さんより、ミックスのまちがいについて、情報をいただきました。


 

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Sweet Pea (Fontana TF 828) single, 1967.5.5.
cd-program: 2-10 / 2-23

Side 1
1. Sweet Pea   (Tommy Roe)

Side 2
2. One Way   (Mike Hugg/Manfred Mann/Tom McGuiness/Klaus Voorman)

AB面にインストゥルメンタル曲を収録した異色のシングル。"Sweet Pea" は、トミー・ロウが1966年に出したヒット曲のカバーです。
AB面とも、オリジナルアルバム未収録。1968年3月に発売された編集盤 "WHAT A MAN" にはAB面とも収録されています。

この頃の録音データを見ると、モンキーズの "Last Train To Clarksville"、ドノヴァンの "Sunshine Superman" や "Mellow Yellow"、スペンサー・デイヴィス・グループがヒットさせた "Keep On Running" などのインストゥルメンタルを多数録音しています。インストゥルメンタル集のEP、あるいは、"INSTRUMENTAL ASSASSINATION" の4曲をあわせたアルバムの計画でもあったのでしょうか。
未発表だったモンキーズの "Last Train To Clarksville" とドノヴァンの "Sunshine Superman" は、CD "THE ASCENT OF MANN" に収録されました。

このシングルは、当時、アメリカでは発売されませんでした。

録音: 1967年3月8日・4月20日(1)、1967年5月4日(2)


 

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So Long, Dad (Fontana TF 862) single, 1967.8.25.
cd-program: 2-3 / 1-23

Side 1
1. So Long, Dad   (Randy Newman)

Side 2
2. Funniest Gig   (Mike Hugg)

レコードデビュー前のランディ・ニューマン作品を取り上げたシングル。アラン・プライス・セットが、ニューマン作品 "Simon Smith And His Amazing Dancing Bear" をヒットさせた直後だったのにもかかわらず、このシングルはあまり売れなかったようです。その結果、録音してあった別のニューマン作品 "I Think It's Gonna Rain Today" はお蔵入りになってしまいました(CD "THE ASCENT OF MANN" に収録)。ピアノやメロトロンを駆使した、ユーモラスで小粋なものに仕上っているので、ヒットしなかったのは不思議な気がします。
"So Long, Dad" のニューマンによる演奏は、1968年6月発売のデビューアルバム "RANDY NEWMAN CREATES SOMETHING NEW UNDER THE SUN" に収録されています。また、アラン・プライス・セットも、"Simon Smith And His Amazing Dancing Bear" に続いて、ニューマン作品を7曲も取り上げているアルバム "A PRICE ON HIS HEAD" で、"So Long, Dad" を取り上げています。

ファンタジックな "Funniest Gig" には、Funniest Gig の場面描写として、"Ha! Ha! Said The Clown" と "So Long, Dad" が挿入されています。1994年にアメリカで編集されたベスト盤 "CHAPTER TWO: THE BEST OF THE FONTANA YEARS" は、この曲を最後にもってくることで、フォンタナ時代をファンタジックなものとして位置づけたかのようです。

AB面とも、オリジナルアルバム未収録。1968年3月に発売された編集盤 "WHAT A MAN" にはAB面とも収録されています。

このシングルは、当時、アメリカでは発売されませんでした。

録音: 1967年6月22日・6月23日・7月21日(1)、1967年5月11日(2)


 

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Mighty Quinn (Quinn The Eskimo) (Fontana TF 897) single, 1968.1.12.
cd-program: 2-5 / 1-25

Side 1
1. Mighty Quinn   (Bob Dylan)

Side 2
2. By Request - Edwin Garvey   (Mike D'Abo)

1966年7月に交通事故で重傷を負ったボブ・ディランは、回復後の1967年春から秋にかけて、ザ・バンドのメンバーたちと発売を前提としないセッションを行っています。ディランは、このときに録音したテープ(地下室テープと呼ばれる)からアセテート盤を作り、そのうちの一枚をマンフレッド・マンに送っています。マネージャーが、ディラン作品のイギリスでの管理を行っていた関係で、早くから交流があったようです。
"The Mighty Quinn" は、そのアセテート盤に収録されていたと思われるもので、ディランの「地下室」テープをもとに作られたという有名な海賊盤 "GREAT WHITE WONDER" にも収録されています。ディランによる公式録音は、1970年6月発売のアルバム "SELF PORTRAIT" で発表されました(ライヴ録音)。
マンフレッド・マンによる演奏は英米で大ヒットしたため、この曲をフィーチャーしたアルバム "MIGHTY GARVEY!"(1968年6月、イギリス発売)と "MIGHTY QUINN"(1968年5月、アメリカ発売)が発売されました。

マンフレッドは、マンフレッド・マンズ・アース・バンドとして、1971年8月発売のシングルで、地下室テープの "Please Mrs. Henry" を "Mrs. Henry" と題してカバーしていますが、CD "THE ASCENT OF MANN" には、未発表曲として、グレッグ・ルッソの録音日データにも見当たらない、マンフレッド・マン版の演奏が収められています。

B面の "By Request - Edwin Garvey" に登場するエドウィン・ガーヴィーは、マイク・ダボ扮する架空のジャズ歌手で、この曲は、20年代のダンス音楽のフェイクになっています。ボンゾ・ドッグ・バンドに通じるものがあります。
最初の「エドウィン・ガーヴィー」ものは、1966年12月に録音された "Happy Familes" シリーズで、アルバム "MIGHTY GARVEY!" に登場しますが、この "By Request - Edwin Garvey" はアルバムには収録されていません。
なお、タイトルは、CD "THE ASCENT OF MANN" では、"By Request By Edwin Garvey" と表記されています。

録音: 1967年10月26日・11月2日・12月(1)、1967年8月30日(2)


 

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Theme - "Up The Junction" (Fontana TF 908) single, 1968.2.23.
cd-program: (not contained) / 2-12

Side 1
1. Theme - "Up The Junction"
  (Mike Hugg)

Side 2
2. Sleepy Hollow   (Tom McGuiness)

サウンドトラック盤と同時発売で、テーマ曲 "Up The Junction (1)" を短くしたバージョンがシングルとして発売されました。

CD "THE ASCENT OF MANN" にはアルバムと同じバージョンが収められています。1曲だけ採るのであれば、シングルバージョンのほうがよかったのではないかとも思います(1994年にアメリカで編集されたベスト盤 "CHAPTER TWO: THE BEST OF THE FONTANA YEARS" に収められている3分40秒のものがシングルバージョンと思われます・・・シングルそのものは聞いたことがないので、推測です。すみません)。

"CHAPTER TWO" 収録の短いバージョンは、演奏は基本的には同じのようですが、間をうまく詰めた編集になっていて、単純にイントロやエンディングをカットしたものではありません。

B面は、映画とは関係がないようです。オリジナルアルバムには未収録。CD "THE ASCENT OF MANN" の他、"UP THE JUNCTION" の復刻CDにボーナストラックとして追加されています。

このシングルは、当時、アメリカでは発売されませんでした。

録音: 1967年11月

[2002.01.09.] 「Dead funny.」 http://www31.ocn.ne.jp/~deadfunny/ の高取さんより、タイトルについて情報をいただき、"Theme from Up The Junction" から、訂正しました。また、シングル盤で実測していただいたところ、シングルバージョンは、3分39秒とのことです。


 

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UP THE JUNCTION: Original Soundtrack Recording (Fontana TL/STL 5460) lp, 1968.2.23.
cd-program: 2-19, (rest of all: not contained)

Side 1
1. Up The Junction (1)   (Mike Hugg)
2. Sing Songs Of Love   (Mike Hugg/Brian Hugg/Mick Gill)
3. Walking Round   (Mike Hugg)
4. Up The Junction (2)   (Mike Hugg)
5. Love Theme (1)   (Mike Hugg/Manfred Mann)
6. Up The Junction (3)   (Mike Hugg)
Side 2
7. Just For Me   (Mike Hugg)
8. Love Theme (2)   (Mike Hugg/Manfred Mann)
9. Shella's Dance   (Mike Hugg/Manfred Mann)
10. Belgravia   (Mike Hugg/Manfred Mann)
11. Wailing Horn   (Mike Hugg/Manfred Mann)
12. I Need Your Love   (Mike Hugg)
13. Up The Junction (4)   (Mike Hugg)
ピーター・コリンソン監督の映画『アップ・ザ・ジャンクション』のサントラ盤。作曲、歌と演奏のすべてを、マンフレッド・マンが担当しました。1、2、3、7、13曲目以外は、インストゥルメンタル。ムーディな「映画音楽」やジャズっぽいもの、効果音的なものなどさまざまな演奏を聞かせてくれます。
整理の便宜上、同じタイトルに、勝手に番号をつけています。もとのアルバムには、番号は付いていません。
"Shlla's Dance" と "I Need Your Love" は同じ曲のバージョンちがいです。

映画は見たことがありません。出演しているスージー・ケンドール(主役)とエイドリアン・ポスタは、『いつも心に太陽を』にも揃って出ています。当時は、青春スター(言い方が古いか)だったのでしょうか。その後は、お色気お姐ちゃん路線に行ってしまうようですが。
ケン・ローチ監督が、前年に、同名のテレビドラマを制作しているので、もしやと思いましたが、どうやら別作品のようです。こちらも見たことがありません。

CD "THE ASCENT OF MANN" には、1曲目しか収録されていませんが、サントラ盤自体は、rpmレコードから1998年に復刻CD化されています。

録音: 1967年11月

[2002.01.09.] 「Dead funny.」 http://www31.ocn.ne.jp/~deadfunny/ の高取さんより、アメリカでの発売について指摘をいただき、確認したところ、記載ミスでした。アメリカでも発売されています。


 

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WHAT A MAN (Fontana SFL 13003) compilation lp, 1968.3.16.
cd-program: 1-23, 1-26, (not contained), (not contained), 2-10, 1-27, 1-6, 1-13, 2-23, 2-3

1. Funniest Gig*
2. Sunny*
3. Get Away*
4. With A Girl Like You*
5. Sweet Pea*
6. Wild Thing*
7. Morning After The Party*
8. Feeling So Good*
9. One Way*
10. So Long Dad*   (Randy Newman)
シングル盤やEP盤で発表された曲を集めたイギリスのみで発売された編集盤。2枚のシングルのAB面4曲、シングルB面2曲、インストゥルメンタル集EP全曲の10曲を収録していますが、"Semi-Detached Suburban Mr. James" やちょうどヒットしたばかりであったろう "Mighty Quinn" が外されているなど、いまひとつ地味な印象の選曲になっています。謎の一枚。

次のアルバムの構想はちゃんとできていて、そこに入れる予定がないシングル曲を先にまとめておいた、ということなのでしょうか。

※AB面の分け方は、未確認です。5曲・5曲ではないかと推測していますが、確認できたら、また修正します。


 

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My Name Is Jack (Fontana TF 943) single, 1968.6.7.
cd-program: 2-11 / 2-21

Side 1
1. My Name Is Jack (UK version)   (John Simon)

Side 2
2. There Is A Man(n)   (Tom McGuiness)

A面は、サークルを手がけてプロデューサーとして知られていたジョン・サイモンが、バリー・ファインスタイン監督のドキュメタンリー映画 "YOU ARE WHAT YOU EAT"(1968年6月にアメリカで公開)に提供した曲のカバー。マンフレッド・マンのシングルは公開と同時に発売されているので、サウンドトラック盤は公開よりも先に発売されていたのかもしれません。映画では、ジョン・サイモン自らが歌っています。歌詞に出てくる「気まぐれな男の子と女の子のためのグレタ・ガルボ・ホーム」は、映画に登場する実在したヒッピー向けの宿泊施設のことだそうです。

"My Name Is Jack" は、同じカップリングで発売されたアメリカ盤シングル(1968年6月14日発売)では、"Super Spade" の語に問題がある(spade は黒人に対する蔑称として使われることがある)として、"Superman" に変更されています。イギリス編集のCD "THE ASCENT OF MANN" では原詞どおり "Super Spade"、アメリカ編集のCD "CHAPTER TWO: THE BEST OF THE FONTANA YEARS" では確かに "Superman" になっていました。グレッグ・ルッソの本で解説されていなければ、きっと気がつかなかったと思います。
アメリカで発売されたジョン・サイモンのオリジナルバージョンは、"Super Spade" になっているのですが。同曲を含む映画のサウンドトラック盤は、1997年12月に、日本の Sony からCD復刻されています。・・・で、ジョン・サイモンはどんな意味で "Super Spade" と言っているのだろう。

AB面とも、オリジナルアルバムには収録されませんでした。

録音: 1968年春(1、2)


 

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MIGHTY GARVEY! (Fontana TL/STL 5470) lp, 1968.6.28.
cd-program: (not contained), (not contained), 1-4, 2-18, 1-18, (not contained),  2-5 / 2-7, 1-10, 2-16, 2-22, 1-21, 2-13, (not contained)

Side 1
1. Happy Families (by Eddie "Fingers" Garvey)   (Mike D'Abo)
2. No Better, No Worse   (Mike D'Abo)
3. Each And Every Day(*)   (Mike Hugg)
4. Country Dancing   (Mike D'Abo)
5. It's So Easy Falling   (Mike Hugg)
6. Happy Families (shown as Ed. Garvey & The Trio)   (Mike D'Abo)
7. Mighty Quinn*   (Bob Dylan)

Side 2
8. Big Betty   (trad arr: Manfred Mann/Mike Hugg/Tom McGuiness/Mike D'Abo/Klaus Voorman)
9. The Vicar's Daughter   (Mike D'Abo)
10. Every Day Another Hair Turns Grey   (Mike Hugg)
11. Cubist Town   (Tom McGuiness/Charles Perrett)
12. Ha! Ha! Said The Clown*   (Anthony Hazzard)
13. Harry The One-Man Band   (Mike Hugg)
14. Happy Families (by Edwin O'Garvey And His Showband)   (Mike D'Abo)

"Mighty Quinn" のヒットを受けて、"AS IS" から1年半ぶりに発売されたオリジナルアルバムですが、収録作品の録音期間は長い。アメリカではシングル "Semi-Detached Suburban Mr. James" のB面として1966年10月7日に発売されていた "Each And Every Day" や同日(1966年8月22日)録音の "The Vicar's Daughter" をのぞいても、1967年の初めから1968年の春まで、断続的に収録作品の録音が行われています。これらの録音が、最初から一枚のアルバムを企図して行われていたのか、その希望通りの結果になっているのかどうかが気になります。

"Happy Families" を配すことで、統一感のあるアルバムに仕上げられていますが、アメリカでは、収録曲はほとんど同じなのに、曲順が異なる "MIGHTY QUINN" が発売されるなど、アルバム制作について、バンドの主導権がどのくらいあったのか謎に思う一枚です。

CD "THE ASCENT OF MANN" では、3つの "Happy Families" と "No Better, No Worse" が割愛されています。"No Better, No Worse" は、幸い、1994年にアメリカで編集されたベスト盤 "CHAPTER TWO: THE BEST OF THE FONTANA YEARS" に収められています(シングル曲ではないのに、何故か選ばれています)。

録音: 1968年3月5日(1)、1968年春(2, 5)、1966年8月22日(3, 9)、1967年1月10日(4)、1968年3月12日(6)、1967年10月26日・11月2日・12月(7)、1967年1月16日(8)、1967年5月18日・22日(10)、1968年1月2日(11)、1967年2月10日(12)、1967年3月3日・1968年3月5日(13)、1966年12月19日(14)

[2002.01.09.] 「Dead funny.」 http://www31.ocn.ne.jp/~deadfunny/ の高取さんより、AB面の区分をお聞きしました。


 

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Fox On The Run (Fontana TF 985) single, 1968.11.29.
cd-program: 2-17 / 2-24

Side 1
1. Fox On The Run   (Anthony Hazzard)

Side 2
2. Too Many People   (Mike Hugg)

"Ha! Ha! Said The Clown" に続いて、トニー・ハザード作品をA面で取り上げています。

優しいタッチのピアノで歌われる儚げなバラードから、エレクトリックギターのスリリングな展開へ移るB面の "Too Many People" は、それまでのマンフレッド・マンの作品と比較すると、異色の作品になっています。

イギリスでは、同じカップリングのアメリカ盤(1968年11月20日発売)よりも、わずかに遅れて発売されました。
AB面とも、オリジナルアルバムには未収録です。

録音: 1968年秋(1、2)


 

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Ragamuffin Man (Fontana TF 1013) single, 1969.4.19.
cd-program: 2-25 / 1-28

Side 1
1. Ragamuffin Man   (Peter Callander/Mitch Murray)

Side 2
2. A 'B'side   (Manfred Mann/Mike Hugg)

イギリスではヒットするものの、アメリカでは芳しくなくなっていたマンフレッド・マンは、ライヴ活動をしないことを宣言したり、マイク・ダボがイミディエイトレコードとソロ契約を結んだりする中で、解散を決めます。
最後のシングルも、これまで通りのポップ路線でいこうと、ジェリー&ザ・ペイスメイカーズやフレディ&ザ・ドリーマーズなどのヒット曲を書いていたミッチ・マレイの作品が選ばれています。実際に解散が発表されたのは、1969年6月になってからだったそうです。

B面の "A 'B' side" は、エフェクターを通したオルガンのリフレインがメインになっているヘヴィなブルーズで、バンドの解散後に、マンフレッドがマイク・ハグとともに結成するマンフレッド・マンズ・チャプターIIIのサウンドを思わせる・・・などと思っていたら、実際に、チャプターIIIのデビューアルバム "MANFRED MANN'S CHAPTER III"(1969年11月発売)で、"Travelling Lady" として再演されているそうです。迂闊でした。持っていましたが、手放してしまっており、確認しませんでした。きっと、聞いたときの記憶が残っていたのでしょう。

イギリスでは、同じカップリングのアメリカ盤(1969年4月17日発売)よりも2日遅れて発売されました。
AB面とも、オリジナルアルバムには未収録です。

録音: 1969年春(1、2)

[2002.01.09.] 「Dead funny.」 http://www31.ocn.ne.jp/~deadfunny/ の高取さんより、"A 'B' Sides" についての情報をいただき、修正しました。


 
 
 


 
仕様が異なる各国盤(イギリス未発売曲など)

 

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JUST LIKE A WOMAN (Fontana 465.320 ME) French ep, 1966.9.
cd-program: 1-1, 1-2 / 1-3, 1-8

Face 1
1. Just Like A Woman   (Bob Dylan)
2. I Wanna Be Rich   (Mike Hugg)

Face 2
3. Trouble And Tea   (Mike D'Abo)
4. Let It Be Me - Je t'appartiens -   (G. Becaud/P. Delanoe/Mann)

イギリスで、1966年7月に発売されたシングルに、2曲を加えた4曲入りのEP。フランスでは、2曲入りのシングル盤よりも、4曲入りのEPのほうが標準的なリリース形態だったそうです。
追加されたのは、オリジナル曲の "Trouble And Tea" とエヴァリー・ブラザーズが1960年に出したヒット曲のカバー "Let It Be Me"。 "Trouble And Tea" は、翌月発売のアルバム "AS IS" に収録されましたが、このEPが初出です。"Let It Be Me" は、当時イギリスでは未発表のままでした。

"I Wanna Be Rich" と "Let It Be Me" が録音された1966年6月8日は、新生マンフレッド・マンの最初のレコーディングセッションでした。

"Let It Be Me" (邦題「恋の願い」)は、エヴァリー・ブラザーズ版自体が、ジルベール・ベコーのシャンソン "Je t'appartiens" (邦題「神の思いのままに」)の英語詞によるカバーです。ということは、作者名としてクレジットされている Mann は、バリー・マンでしょうか(未確認)。

録音: 1966年6月30日(1, 2)、1966年6月8日(3, 4)

[2002.01.14.] 犬伏功さんに、実物を見せていただき、AB面と曲順、"Let It Be Me" の原題を確認し、追記しました。実物のクレジットを見て、作者の Becaud が、ジルベール・ベコーであることに気づき、調べ直して、説明を修正しました。


 
 

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HA! HA! SAID THE CLOWN (Fontana 465.76 ME) French ep, 1967.4.
cd-program: 1-21, 1-13 / 1-4, 1-9

Face 1
1. Ha! Ha! Said The Clown   (Anthony Hazzard)
2. Feeling So Good   (Mike Hugg/Manfred Mann)

Face 2
3. Each And Every Day   (Mike Hugg)
4. All I Want To Do   (Mike Hugg)

フランスの標準フォーマットにしたがって、イギリス発売のシングルに2曲を加えた4曲入りEPです。"Each And Every Day" と "All I Want To  Do" (CD "THE ASCENT OF MANN" では、"All I Wanna Do" と表記)が追加されています。
 "Each And Every Day" は、アメリカでは、シングル "Semi-Detached Suburban Mr. James" のB面として、1966年10月7日に発売されていたもの。この時点でも、まだイギリスでは未発表のままでした。
"All I Want To  Do" は、"Feeling So Good" と同じ1967年1月25日に録音されたもので、当時イギリスでは未発表のままでした。

録音: 1967年2月10日(1)、1967年1月25日(2, 4)、1966年8月22日(3)

[2002.01.14.] 犬伏功さんに、実物を見せていただき、AB面と曲順を確認・追記しました。


 

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MIGHTY QUINN (Mercury SR 61168) American lp, 1968.5.6.
cd-program: 2-5, 1-21, 2-16, 1-18, 2-7, 2-22 / 2-18, 1-5, 1-10, 1-4, (not contained)

Side 1
1. The Mighty Quinn*
2. Ha! Ha! Said The Clown*
3. Every Day Another Hair Turns Grey
4. It's So Easy Falling
5. Big Betty
6. Cubist Town

Side 2
7. Country Dancing
8. Semi-Detached Suburban Mr. James*
9. The Vicar's Daughter
10. Each And Every Day*
11. No Better, No Worse

"Mighty Quinn" がヒットしたことに応えてアメリカで発売されたアルバムで、イギリスで発売された "MIGHTY GARVEY!" のアメリカ盤にあたるものですが、曲順がちがっているうえに、アルバムに統一感を持たせていた "Happy Families" と力作 "Harry The One-Man Band" が収録されていません。代わりに1年半前に発売されたシングル曲 "Semi-Detached Suburban Mr. James"が収録されています。

"Each And Every Day" は、アメリカでは "Semi-Detached Suburban Mr. James" のB面として1966年10月7日に既に発表されていました。

ジャケットデザインには、顔が「エスキモー」になっている梟(?)があしらわれているなど、なんとなく、レコード会社が勝手に作ったかのような印象を受けます。長い期間をかけて録音した作品がそんなふうに扱われて、バンドとしてはどうだったのだろうかと考えさせられてしまいます。

[2002.01.09.] AB面の区分を追記。


 
 


 
CD "THE ASCENT OF MANN" に収録された活動当時の未発表曲

CD "THE ASCENT OF MANN" に収録された「未発表曲」を、あわせて聞いてみたい既発表作品ごとに整理してみました。

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"Just Like A Woman / AS IS" days

1-22. (Star Of) Eastern Street   (Pete Cowap)
録音日: 1966年6月28日
 
CD "THE ASCENT OF MANN" では、作者不詳(Unknown)の "Eastern Street" と記されている曲は、正しくは、"Star Of Eastern Street"。ハイ・ソサエティ(High Soceity)が1966年に、マンフレッド・マンと同じフォンタナから発売したシングル "People Passing By" (Fontana TF 771) のB面に収録されている曲のカバーです。作者は、メンバーのひとり、ピート・コワプ。
ハイ・ソサエティは、ヴォーカリストのフライデー・ブラウン、A面曲の作者であるグレアム・グールドマン、B面の作者であるピート・コワプのマンチェスター出身トリオによるスタジオ・プロジェクトで、録音にはクレム・カッティーニやジョン・ポール・ジョーンズも参加しているらしい。1967年1月13日には、マンチェスター・モッブの名で、パーロフォンからシングル "Bony Malony At The Hop / Afro-Asian" (Parlophone R 5552) を出しています。

[2002.01.14.] 犬伏功さんから、情報をいただき、Unknown とされていた作者名を訂正し、原曲を演奏しているハイ・ソサエティについて、ヴァーノン・ジョインスン編 "THE TAPESTRY OF DELIGHTS" を参照して、追記しました。

1-14. Mohair Sam   (Dallas Frazier)
録音日: 1966年8月12日

1-16. Lovebird   (unknown)
録音日: 1966年8月12日

1-24. Miss J.D.   (Mike Hugg)
録音日: 1966年8月22日
 


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"MIGHTY GARVEY!" preproductions ?

1-11. I Love You   (unknown)
録音日: 1967年1月10日

1-17. Brown And Porter's (Meat Exporters) Lorry   (Geoffrey Stephens/John Carter)
録音日: 1967年1月10日
 


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"Sweet Pea" sessions

2-1. Last Train To Clarksville   (Tommy Boyce/Bobby Hart)
録音日: 1967年3月8日

2-6. Sunshine Superman   (Donovan Leitch)
録音日: 1967年3月8日
 


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"So Long Dad" days

2-2. Budgie   (Mike D'Abo)
録音日: 1967年5月11日・8月29日

2-20. I Think It's Gonna Rain Today   (Randy Newman)
録音日: 1967年6月15日・8月29日
 


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"UP THE JUNCTION" session ?

2-14. Sitting Alone In The Sunshine   (unknown)
録音日: 1967年11月14日・20日

 

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"Mighty Quinn" or "Mrs. Henry" ? (from the Dylan's basement tapes)

2-4. Please Mrs. Henry   (Bob Dylan)
録音日: 不明

 


 
材料の内訳  "THE ASCENT OF MANN: The Fontana Years 1966-1969"

Manfred Mann  THE ASCENT OF MANN: The Fontana Years 1966-1969  (Mercury/Fontana 534 806-2), 1997

Disc 1

01. Just Like A Woman   (Bob Dylan)
     Just Like A Woman (Fontana TF 730) single, 1966.7.29. → B side / Disc 1 - 2
     AS IS (Fontana TL/STL 5377) lp, 1966.10.21.

02. I Wanna Be Rich   (Mike D'Abo)
     Just Like A Woman (Fontana TF 730) single, 1966.7.29. → A side / Disc 1 - 1

03. Trouble And Tea   (Mike D'Abo)
     AS IS (Fontana TL/STL 5377) lp, 1966.10.21.

04. Each And Every Day   (Mike Hugg)
     Semi-Detached Suburban Mr. James (Mercury 72629) American single (B side), 1966.10.7. → A side / Disc 1 - 5
     MIGHTY GARVEY! (Fontana TL/STL 5470) lp, 1968.6.28.

05. Semi-Detached Suburban Mr. James
     Semi-Detached Suburban Mr. James (Fontana TF 757) single, 1966.10.21. → B side / Disc 1 - 6

06. Morning After The Party   (Mike Hugg)
     Semi-Detached Suburban Mr. James (Fontana TF 757) single (B side), 1966.10.21. → A side / Disc 1 - 5
     AS IS (Fontana TL/STL 5377) lp, 1966.10.21.

07. Box Office Draw   (Mike D'Abo)
     AS IS (Fontana TL/STL 5377) lp, 1966.10.21.

08. Let It Be Me   (Becaud/Delanoe/Mann)
     JUST LIKE A WOMAN (Fontana 465.320 ME) French ep, 1966.9.

09. All I Wanna Do [All I Want To Do]   (Mike Hugg)
     HA! HA! SAID THE CLOWN (Fontana 465.76 ME) French ep, 1967.4.

10. The Vicar's Daughter   (Mike D'Abo)
     MIGHTY GARVEY! (Fontana TL/STL 5470) lp, 1968.6.28.

11. I Love You   (unknown)
     Previously unreleased

12. Autumn Leaves   (Joseph Kosma/Jacques Prevert/John Mercer)
     AS IS (Fontana TL/STL 5377) lp, 1966.10.21.

13. Feeling So Good   (Mike Hugg/Manfred Mann)
     Ha! Ha! Said The Clown (Fontana TF 812) single (B side), 1967.3.23. → A side / Disc 1 - 21

14. Mohair Sam   (Dallas Frazier)
     Previously unreleased

15. Superstitious Guy   (Manfred Mann/Mike Hugg)
     AS IS (Fontana TL/STL 5377) lp, 1966.10.21.

16. Lovebird   (unknown)
     Previously unreleased

17. Brown And Porter's (Meat Exporters) Lorry   (Geoffrey Stephens/John Carter)
     Previously unreleased

18. It's So Easy Falling   (Mike Hugg)
     MIGHTY GARVEY! (Fontana TL/STL 5470) lp, 1968.6.28.

19. A Now And Then Thing   (Tom McGuiness/Charles Perrett)
     AS IS (Fontana TL/STL 5377) lp, 1966.10.21.

20. Another Kind Of Music   (Manfred Mann/Mike Hugg)
     AS IS (Fontana TL/STL 5377) lp, 1966.10.21.

21. Ha! Ha! Said The Clown   (Anthony Hazzard)
     Ha! Ha! Said The Clown (Fontana TF 812) single, 1967.3.23. → B side / Disc 1 - 13
     MIGHTY GARVEY! (Fontana TL/STL 5470) lp, 1968.6.28.

22. Eastern Street [Star Of Eastern Street]   (Pete Cowap)
     Previously unreleased

23. Funniest Gig   (Mike Hugg)
     So Long, Dad (Fontana TF 862) single (B side), 1967.8.25. → A side / Disc 2 - 3

24. Miss J.D.   (Mike Hugg)
     Previously unreleased

25. By Request - Edwin Garvey   (Mike D'Abo)
     Mighty Quinn (Quinn The Eskimo) (Fontana TF 897) single (B side), 1968.1.12.

26. Sunny   (Bobby Hebb)
     INSTRUMENTAL ASSASSINATION (Fontana TE 17483) ep, 1966.12.2.

27. Wild Thing   (Chip Taylor)
     INSTRUMENTAL ASSASSINATION (Fontana TE 17483) ep, 1966.12.2.

28. A 'B'side   (Manfred Mann/Mike Hugg)
     Ragamuffin Man (Fontana TF 1013) single (B side), 1969.4.19. → A side / Disc 2 - 25
 

Disc 2

01. Last Train To Clarksville   (Tommy Boyce/Bobby Hart)
     Previously unreleased

02. Budgie   (Mike D'Abo)
     Previously unreleased

03. So Long. Dad   (Randy Newman)
     So Long, Dad (Fontana TF 862) single, 1967.8.25.

04. Please Mrs. Henry   (Bob Dylan)
     Previously unreleased

05. Mighty Quinn   (Bob Dylan)
     Mighty Quinn (Quinn The Eskimo) (Fontana TF 897) single, 1968.1.12.
     MIGHTY GARVEY! (Fontana TL/STL 5470) lp, 1968.6.28.

06. Sunshine Superman   (Donovan Leitch)
     Previously unreleased

07. Big Betty   (trad arr: Manfred Mann/Mike Hugg/Tom McGuiness/Mike D'Abo/Klaus Voorman)
     MIGHTY GARVEY! (Fontana TL/STL 5470) lp, 1968.6.28.

08. As Long As I Have Loving   (Mike D'Abo)
     AS IS (Fontana TL/STL 5377) lp, 1966.10.21.

09. Each Other's Company   (Mike Hugg)
     AS IS (Fontana TL/STL 5377) lp, 1966.10.21.

10. Sweet Pea   (Tommy Roe)
     Sweet Pea (Fontana TF 828) single, 1967.5.5.

11. My Name Is Jack (UK version)   (John Simon)
     My Name Is Jack (Fontana TF 943) single, 1968.6.7.

12. Sleepy Hollow   (Tom McGuiness)
     Theme from Up The Junction (Fontana TF 908) single (B side), 1968.2.23.

13. Harry The One-Man Band   (Mike Hugg)
     MIGHTY GARVEY! (Fontana TL/STL 5470) lp, 1968.6.28.

14. Sitting Alone In The Sunshine   (unknown)
     Previously unreleased

15. Dealer, Dealer   (Mike Hugg/Manfred Mann/Thomas)
     AS IS (Fontana TL/STL 5377) lp, 1966.10.21.

16. Every Day Another Hair Turns Grey   (Mike Hugg)
     MIGHTY GARVEY! (Fontana TL/STL 5470) lp, 1968.6.28.

17. Fox On The Run   (Anthony Hazzard)
     Fox On The Run (Fontana TF 985) single, 1968.11.29.

18. Country Dancing  (Mike D'Abo)
     MIGHTY GARVEY! (Fontana TL/STL 5470) lp, 1968.6.28.

19. Up The Junction (1)   (Mike Hugg)
     UP THE JUNCTION: Original Soundtrack Recording (Fontana TL/STL 5460) lp, 1968.2.23.

20. I Think It's Gonna Rain Today   (Randy Newman)
     Previously unreleased

21. There Is A Man(n)   (Tom McGuiness)
     My Name Is Jack (Fontana TF 943) single (B side), 1968.6.7.

22. Cubist Town   (Tom McGuiness/Charles Perrett)
     MIGHTY GARVEY! (Fontana TL/STL 5470) lp, 1968.6.28.

23. One Way   (Mike Hugg/Manfred Mann/Tom McGuiness/Klaus Voorman)
     Sweet Pea (Fontana TF 828) single (B side), 1967.5.5.

24. Too Many People   (Mike Hugg)
     Fox On The Run (Fontana TF 985) single (B side), 1968.11.29.

25. Ragamuffin Man   (Peter Callander/Mitch Murray)
     Ragamuffin Man (Fontana TF 1013) single, 1969.4.19.
 
 
 

【2002.01.14.】 犬伏功さんから、情報をいただき、追記・修正しました。
                     ・フランス盤EP "JUST LIKE A WOMAN"、"HA! HA! SAID THE CROWN" のAB面区分と曲順
                     ・"Let It Be Me" の原題と作者クレジット
                     ・作者不詳となっていた "Eastern Street" の原曲の演奏者、収録レコード

【2002.01.09.】 「Dead funny.」 http://www31.ocn.ne.jp/~deadfunny/ の高取さんから、情報をいただき、修正しました。
                     ・シングル"Ha! Ha! Said The Crown" のイギリス盤でのミックスまちがい収録について
                     ・シングル"Theme - 'Up The Junction'" の表記とランニングタイム
                     ・アルバム "UP THE JUNCTION" のアメリカ発売について
                     ・アルバム "MIGHTY GARVEY !" のAB面の区分
                    ・"A 'B' Sides" が、マンフレッド・マンズ・チャプターIIIで、"Travelling Lady" として再演されていることについて

【2002.01.09.】 アメリカ発売のアルバム "MIGHTY QUINN" のAB面の区分

【2001.10.23.】 「CD "THE ASCENT OF MANN" に収録された活動当時の未発表曲」の「"MIGHTY GARVEY!" preproductions ?」の録音日を訂正。(誤)1966年 → (正)1967年
 
 

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