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オリジナル盤もどき調理法
CD Programming Guide For "Original" Lovers
【2001.09.23.】【2002.05.02.訂正】


 
編集盤CDから、「オリジナル盤もどき」をでっちあげるための曲順プログラムを紹介します。
いろんなソースが混ぜ合わされた編集盤から、混ぜ合わされる前のソースを取り出してみようというわけです。
オリジナル盤が簡単に安く手に入るのなら、それに越したことはないのですが、なかなかそういうわけにはいきません。
まずは、できるところから、曲順だけでも、それなりに。


第10回 レフト・バンク

レフト・バンクは、ピアノやハープシコードをフィーチャーし、ストリングスアレンジを施した、甘く典雅な響きを聞かせたポップバンドです。
1966年6月に発売したデビュー曲 "Walk Away Renee" の大ヒットで知られています。
1969年半ばの解散まで、3年間の短い活動期間でしたが、メンバー間の分裂や和解があったため、ややリリース状況が不可解でした。

公式に発表された曲は、すべて、一枚のCD "THERE'S GONNA BE A STORM: The Complete Recordings 1966-1969"で聞けます。
このCDに添付された解説を読んで、不可解なリリース状況を紐解きながら、発売順に聞いていくのが、このページの目的です。

日本では、2枚のオリジナルアルバムの復刻CDは発売されましたが、この編集盤は、発売されませんでした。
ボーナストラック等もなかったため、実質的にはマイケル・ブラウンのソロとは言え、"Ivy Ivy" セッションの3曲がもれています。
先に、編集盤CDのほうが出ているので、なんでわざわざ不完全な復刻盤を出すのか、わからんことするなぁと思いました。

"Ivy Ivy" は、FM大阪で上柴とおる氏がやっていた番組「ポップス・ア・ゴー・ゴー」の“バロックロック”特集で、もっとも印象づけられた曲でした。
レフト・バンクのアルバムを中古盤で見つけても、この曲は入っていないので、謎の1曲でした。
(シングル盤を探すという考えは、その頃はなかった)。

今回は、分裂・和解とリリース状況の関係をみるために、年譜を最初に置きました。
年譜は、CD "THERE'S GONNA BE A STORM" に添付されたアンドリュー・P・サンドヴァル氏の解説をもとにしています。
発売年月など、不明点については、マーティン・C・ストーン編 "THE GREAT PSYCHEDELIC DISCOGRAPHY"(1997年)を併せて参照しました。
モンタージュについては、ヴァーノン・ジョインスン編 "AFTER THE ACID TRIP: THE FLASHBACK"(1988年)で初めて知り、探し回りました。
いま、手元にあるのは、1986年に、英バム・カルーゾが再発したものですが、2001年になって、ようやく、サンデイズドからCD化されました。

このページを準備していたら、スティーヴ・マーティンやモンタージュの曲が流れるという映画 "HOT PARTS" を観てみたくなりました。
ウルトラ・ヴァイオレット(アンディ・ウォーホールの取り巻きのひとり)が出演しているらしいのですが、彼女の出演作品を調べても、見当たりません。
タイトルから艶笑コメディではないかと想像していましたが、サントラ盤に記された説明やスタッフを見ても、どうもそのようです。

(資料整理・文: きじま こう)
 

[レフト・バンク年譜]
 

【1964年】

キャッスルズのトム・フィン、同じ会社に所属しているモーティシアンズのジョージ・キャメロンと知り合う。
【1965年】
トム・フィン、マジック・プランツに参加。
ハリー・ルーコフスキィのプロデュースによるレコーディングを行い、ルーコフスキィの息子で、スタジオ・エンジニアのマイケル・ブラウンと知り合う。

トム・フィン、ジョージ・キャメロン、マイケル・ブラウン、キャメロンの友人でスペイン・マドリッド出身のスティーヴ・マーティンが意気投合。
ルーコフスキィのスタジオで、セッションを開始する。(マーティンは、プエルト・リコ出身説もあります。)
ビートルズの "Good Day Sunshine"、ゾンビーズの "Woman" などをレパートリーとする一方で、オリジナル曲を作り始める。
Michael Brown: keyboards
George Cameron: vocals, drums
Tom Finn: vocals, bass
Steve Martin: vocals

トム・フィンが、ガールフレンドのルネー・フレイデンを、メンバーに紹介する。
ルネーに強く印象づけられたマイケル・ブラウンは、"Walk Away Renee"、"She may Call Your Up Tonight"、"Pretty Ballerina" の3曲を作る。
 

【1966年】
オリジナル曲 "I Haven't Got The Nerve" と "I've Got Something On My Mind" をレコーディングする。
プロデューサーは、ハリー・ルーコフスキィ、スティーヴ&ビル・ジェローム。レコーディングには、ウォーレン・デヴィッドがドラムスで参加している。
Michael Brown: keyboards
George Cameron: vocals
Tom Finn: vocals, bass
Steve Martin: vocals
+Warren David: drums
 

レコーディングした2曲をもって、レコード会社と交渉するが、レコーディング契約を結ぶことができず、バンドは解散した。
このとき、"Walk Away Renee" の録音をすすめていたが、ヴォーカルを残して、レコーディングは中断。
ブラウンは、ウォーレン・デヴィッドとともに、カリフォルニアに旅行に出る。
ちなみに、"Walk Away Renee" のドラムは、ウォーレン・デヴィッドではなく、キャメロンが担当。

フィン、キャメロン、マーティンの3人で、ヴォーカルトラックを録音し、"Walk Away Renee" を完成させる。
"Walk Away Renee" は、マーキュリーレコードの興味をひき、傘下のレーベル、スマッシュからの発売が決まる。

7月、デビューシングル "Walk Away Renee" が、先に録音されていた "I Haven't Got The Nerve" とのカップリングで発売される。

レコード発売を機にバンドが再編され、ライヴ活動をスタートさせる。演奏面での強化のため、ギタリストのジェフ・ウィンフィールドが加入する。
Michael Brown: keyboards
George Cameron: vocals, drums
Tom Finn: vocals, bass
Steve Martin: vocals
+Jeff Winfield: guitar

12月、2枚目のシングル "Pretty Ballerina"、 "Lazy Day" をレコーディングし、発売する。
プロデューサーは、ハリー・ルーコフスキィ、スティーヴ&ビル・ジェローム。


【1967年】

1月、ライヴ演奏に不安のあったウィンフィールドに代わり、元スパイダースのリック・ブランドが加入する。

2月、追加レコーディングを1月に行ったデビューアルバム "WALK AWAY RENEE / PRETTY BALLERINA" 発売。
先行発売のシングルAB面4曲、レコード会社売り込み用に録音した "I've Got Something On My Mind"を含む。
もともと収録予定でなかったデモ録音 "Let Go Of You Girl" も収録された。
追加分のプロデューサーは、ハリー・ルーコフスキィ。
Michael Brown: keyboards
George Cameron: vocals, drums
Tom Finn: vocals, bass
Steve Martin: vocals
+Rick Brand: guitar

ライヴ活動の結果、ブラウンは、バンドの演奏能力に不満を持ち、作曲やレコーディングに専念したいと考えるようになる。
残りのメンバーは、ブラウンの父親、ハリー・ルーコフスキィの意向やマネージメントに疑問を持ち、バンドは分裂状態になる。

2月、ブラウン、"Ivy Ivy"、"And Suddenly"、"Men Are Building Sand" をレコーディング。プロデューサーは、ハリー・ルーコフスキィ。
レフト・バンクのメンバーは参加しておらず、実質的にはブラウンのソロ。レコーディングには、トム・フェール、バート・ソマーが参加した。
トム・フェールは、デビューアルバムの "Barterers And Their Wives" や "Evening Gown" を、ブラウンと共作したソングライター。
"Ivy Ivy" も、ブラウンとフェールの共作。また、残りの2曲は、ブラウンとソマーの共作。
この中から、"Ivy Ivy" と "And Suddenly" を、3月に「レフト・バンク」のシングルとして発売。他のメンバーとの溝がさらに深まる。
Michael Brown: keyboards
Tom Feher: vocals
Bert Sommer: guitar

5月、"Ivy Ivy" の売れ行き不振のため、レコード会社がデビューアルバムから2曲をピックアップして、急遽、シングルとして発売。
シングル化されたのは、"She May Call You Up Tonight" と "Barterers And Their Wives"。

6月、ブラウンと残りのメンバーが和解し、"Desiree" と "In The Morning Light" をレコーディングする。
プロデュースは、初めてブラウンとバンド自身が行った("Desiree" は、ブラウン単独プロデュース)。
"Desiree" は、デビューアルバム収録曲 "I've Got Something On My Mind" とのカップリングで、シングルとして発売される。
Michael Brown: keyboards
George Cameron: vocals, drums
Tom Finn: vocals, bass
Steve Martin: vocals
+Rick Brand: guitar

ブラウン、渾身の力作 "Desiree" が、"Ivy Ivy" に続いて売れなかったため、バンドとしての活動に失望し、脱退する。
リック・ブランドも、"Desiree" でのアレンジ面での貢献が、他のメンバーに評価されなかったため、脱退。
レフト・バンクは、フィン、キャメロン、マーティンのトリオとなる。


1968年

レフト・バンクを脱退したブラウンが、4人編成のバンド、モンタージュに、楽曲提供を行う。また、録音に、キーボードで参加。
3月、シングル "I Shall Call Her Mary" b/w "An Audience With Miss Priscilla Gray"でデビュー。
Vance Chapman: drums
Lance Cornilius: bass
Mike Smyth: guitar
Bob Steurer: vocals

5月、トリオとなったレフト・バンク、メンバー共作の "Dark Is The Bark"、フィン作 "My Friend Today" をレコーディングする。
プロデュースは、アレンジも担当したアーサー・シュロークとジーン・ラディス。2曲はAB面に収められ、6月に発売される。
しかし、売れ行きは伸びず、レコーディングからしばらく遠ざかる。
George Cameron: vocals, drums
Tom Finn: vocals, bass
Steve Martin: vocals

6月、モンタージュが第2弾シングル "Wake Up Jimmy" b/w "Tinsel And Ivy" を発売する。

10月、レフト・バンク、レモン・パイパーズの "Green Tambourine" で知られるポール・レカのプロデュースで、レコーディングを行う。
このセッションから、11月に、新生レフト・バンクの第1弾シングル "Goodbye Holly" b/w "Sing Little Bird Sing" が発売される。
AB面とも、デビューアルバムで数曲をブラウンと共作し、"Ivy Ivy" に参加したトム・フェールの作品。フェールは、ギタリストとしても参加している。
また、"Goodbye Holly" では、キャメロンがリードヴォーカルを担当した。途中の囁きは、キャメロンのガールフレンド、リンダ・ヒルズ。
George Cameron: vocals, drums
Tom Finn: vocals, bass
Steve Martin: vocals, drums (Goodbye Holly)
+Tom Feher: guitar
+Linda Hills: voice


【1969年】

1月、モンタージュ、唯一のアルバム "MONTAGE" を発売する。
レフト・バンク時代に発表した "Desiree"、レコーディングしながらお蔵入りとなった "Men Are Building Sand" のリメイクを含む。

2月、レフト・バンク、ポール・レカ・セッションからの第2弾シングル "Bryant Hotel" b/w "Give The Man A Hand" を発売。

3月、レフト・バンク、セカンドアルバム "THE LEFT BANKE TOO" を発売。
分裂後の3枚のシングルAB面すべてを含む。
また、ブラウン在籍時の最後のシングル "Desiree"、同じく1967年6月のセッションで録音された "In The Morning Light" も収録された。

レフト・バンク、セカンドアルバム発売後、解散。

6月、セカンドアルバム "THE LEFT BANKE TOO" から、"Nice To See You" b/w "There's Gonna Be A Storm"がシングルとして発売される。

マーティン、プロデューサーのトム・ケイのレコーディングセッションに参加、ケイ作品 "Pedestal" と "Foggy Waterfall" でヴォーカルをとる。
マーティンとブラウンは、この頃、"Myrah" を共作し、トム・ケイ・セッションにブラウンも参加して、レコーディングされる。
"Myrah" は、B面に "Pedestal" を収録して、レフト・バンク名義のシングルとして、11月に発売される。
"Foggy Waterfall" は、のちに発売されたレフト・バンクのベストアルバムに、未発表曲として収録され、日の目を見ている。


その後

マーティンは、ブラウン作、ブラウン、フィン、キャメロン参加によるシングル、"Love Songs In The Night / Two By Two" (Buddah 219) を1971年に発売。
これらは、ウルトラ・ヴァイオレット出演映画 "HOT PARTS"のサントラ (Kama Sutra KSBS 2054) に、モンタージュの曲とともに収められています。
"HOT PARTS" (Kama Sutra KSBS 2054)
Side 1: 1. Two By Two [Steve Martin] / 2. Love Songs In The Night [Steve Martin] / 3. Jennifer [Bert Sommer] / 4. She's Just A Girl [Bert Sommer] / 5. And When It's Over [Bert Sommer] :: Side 2: 6. Mama If You're Able [Bert Sommer] / 7. Bad Lady [Alan Nicholls] / 8. Tinsel & Ivy [Montage] / 9. My Love [Montage] / 10. The Doctor Song [Alan Nicholls]

ブラウンは、1972年、ストーリーズを結成。シングル6枚とアルバム2枚を発表したのち、脱退した。
ストーリーズは、1973年にブラウンが離れたあと、ホット・チョコレートのカバー "Brother Louie" を大ヒットさせている。
ブラウンは、その後、ベッキーズを結成するなどして、活動を続けた。

フィン、キャメロン、マーティンの3人は、1978年にレフト・バンクを再結成した。
1978年9月に、シングル "Queen Of Paradise" b/w "And One Day" を発売したが、アルバムは発売が見送られた。
アルバム用の録音は、1986年3月に英バム・カルーゾが "VOICES CALLING" として、8月に米レリックスが "STRANGERS ON A TRAIN" として発売した。


 

[メニュー]


[材料]
The Left Banke "THERE'S GONNA BE A STORM: The Complete Recordings 1966-1969" (Mercury 848 095-2) compilation CD, 1992
 

[作り方]

[注] シングル、アルバム両方に収録されている曲には、「*」印をつけています。
 
 

Walk Away Renee (Smash 2041) single, July 1966
cd-program: 1 / 2

A
1. Walk Away Renee*

B
2. I Haven't Got The Nerve*

 
デビューシングル。AB面とも、翌年発売のアルバム "WALK AWAY RENEE / PRETTY BALLERINA" に収録。
"Walk Away Renee" は、トム・フィンのガールフレンドに寄せて作られた。"I Haven't Got The Nerve" は、レフト・バンクとして最初に録音された曲のひとつ。


Pretty Ballerina (Smash 2074) single, December 1966
cd-program: 3 / 10

A
1. Pretty Ballerina*

B
2. Lazy Day*

 
セカンドシングル。AB面とも、翌年発売のアルバム "WALK AWAY RENEE / PRETTY BALLERINA" に収録。
"Pretty Ballerina" は、"Walk Away Renee" 同様、トム・フィンのガールフレンドに寄せて作られたもの。ジェフ・ウィンフィールドが参加した唯一の録音で、"Lazy Day" では、ヴォーカルも聞こえるらしい。


WALK AWAY RENEE / PRETTY BALLERINA (Smash SRS 67088) lp, February 1967

cd-program: 3-4-6-5-7-9 / 1-8-11-2-10

Side One:
1. Pretty Ballerina*
2. She May Call You Up Tonight*
3. Barterers And Their Wives*
4. I've Got Something On My Mind*
5. Let Go Of You Girl
6. Evening Gown

Side Two:
7. Walk Away Renee*
8. What Do You Know
9. Shadows Breaking Over My Head
10. I Haven't Got The Nerve*
11. Lazy Day*

 
それまでに発売されたシングル2枚のA面曲をタイトルにしたデビューアルバム。先に発売された2枚のシングルに収録の4曲は、すべて収められています("Walk Away Renee"、"Pretty Ballerina"、"I Haven't Got The Nerve"、"Lazy Day")。
アルバム発売後に、"She May Call You Up Tonight"、"I've Got Something On My Mind"、"Barterers And Their Wives" がシングル化されています。

[2002.05.01.追記]
このデビューアルバムについて、2種類の曲順を掲載していましたが、ひとつは連絡過程での勘違いがもとになった誤解でした。すみません。オリジナル盤についての情報をいただいた桂牧さん、上柴とおるさんに感謝いたします。


Ivy Ivy (Smash 2089) single, March 1967
cd-program: 12 / 18

A
1. Ivy Ivy

B
2. And Suddenly

 
バンドの演奏力に疑問を持っていたマイケル・ブラウンが、メンバー抜きで、共作者のトム・フェール、バート・ソマーとともに録音したシングル。
当然、マイケル・ブラウン脱退後のアルバム "THE LEFT BANKE TOO" には、AB面とも収録されていません。


She May Call You Up Tonight (Smash 2097) single, May 1967
cd-program: 4 / 6

A
1. She May Call You Up Tonight*

B
2. Barterers And Their Wives*

 
マイケル・ブラウンのソロとも言うべき、"Ivy Ivy" の売れ行き不振を挽回すべく、レコード会社がデビューアルバム "WALK AWAY RENEE / PRETTY BALLERINA" からピックアップして、投入した4枚目のシングル。


Desiree (Smash 2119) single, June 1967
cd-program: 14 / 5

A
1. Desiree*

B
2. I've Got Something On My Mind*

 
"Ivy Ivy" の発売をめぐり、分裂状態にあったマイケル・ブラウンと他のメンバーが和解し、制作された新曲をA面に収録した5枚目のシングル。B面の "I've Got Something On My Mind" は、レフト・バンクとして最初に録音された曲のひとつで、デビューアルバム "WALK AWAY RENEE / PRETTY BALLERINA" に収録されていたもの。
A面は、のちに、セカンドアルバム "THE LEFT BANKE TOO" に収録されました。

"Desiree" の売れ行き不振にショックを受けたマイケル・ブラウンは、レフト・バンクを脱退。楽曲提供を行ったバンド、モンタージュで、"Desiree" に再挑戦しています。


Dark is the Bark (Smash 2165) single, June 1968
cd-program: 15 / 16

A
1. Dark Is The Bark*

B
2. My Friend Today*

 
マイケル・ブラウン脱退後、1年間のブランクを経て、発売された6枚目のシングル。AB面とも、のちにセカンドアルバム "THE LEFT BANKE TOO" に収録されました。


Goodbye Holly (Smash 2198) single, November 1968
cd-program: 19 / 17

A
1. Goodbye Holly*

B
2. Sing Little Bird Sing*

 
セカンドアルバムのためのセッションからの最初のシングル。AB面とも、セカンドアルバム "THE LEFT BANKE TOO" に収録。マイケル・ブラウンのソロ "Ivy Ivy" に参加していたトム・フェールが作品を提供し、ギターでも参加しています。


Bryant Hotel (Smash 2209) single, February 1969
cd-program: 22 / 21

A
1. Bryant Hotel*

B
2. Give The Man A Hand*

 
7枚目のシングルと同様、AB面とも、セカンドアルバム "THE LEFT BANKE TOO" のためのセッションから。トム・フェールが提供した "Bryant Hotel" は、ニューヨークに実際にあったホテルを題材にしているらしい。"Goodbye Holly" と同じ1968年11月に発売されたという説もあります。


THE LEFT BANKE TOO (Smash SRS 67113) lp, March 1969
cd-program: 19-24-17-23-22 / 21-14-15-20-16

Side A:
1. Goodbye Holly*
2. There's Gonna Be A Storm*
3. Sing Little Bird Sing*
4. Nice To See You*
5. Give The Man A Hand*

Side B:
6. Bryant Hotel*
7. Desiree*
8. Dark Is The Bark*
9. In The Morning Light
10. My Friend Today*

 
4枚の先行シングルのAB面すべて("Desiree" はA面のみ、7、8、10、1、3、5、6)を含むセカンドアルバム。アルバム発売後、もう一枚シングル化され(4、2)、アルバム収録曲のほとんどがシングルとしても発売されることになってしまいました。1968年11月に発売されたという説もあります。"Desiree" と、"Desiree" セッションで録音された "In The Morning Light" は、マイケル・ブラウン在籍時の録音。
もともと、"DRESS REHEARSAL" というタイトルになるはずだったらしく、ジャケットは、それにもとづいて作られています。


Nice To See You (Smash 2226) single, June 1969
cd-program: 23 / 24

A
1. Nice To See You*

B
2. There's Gonna Be A Storm*

 
AB面とも、セカンドアルバム "THE LEFT BANKE TOO" 収録曲。9枚目のシングル。


Myrah (Smash 2243) single, November 1969
cd-program: 26 / 25

A
1. Myrah

B
2. Pedestal

 
解散後に、ヴォーカリストのスティーヴ・マーティンが参加していたセッションから生まれたレフト・バンク最後の作品。A面は、マイケル・ブラウンの作品で、キーボードでも参加している。AB面とも、アルバム未収録。

 

[参考 未発表(だった)曲]

活動当時、未発表だった曲が、のちに発売された編集盤に収められています。
 

Men Are Building Sand unreleased track, recorded on February 1967
cd-program: 12

1967年2月の "Ivy Ivy" セッションで録音されたもの。マイケル・ブラウンのソロのようなもので、他のメンバーは参加していません。
1992年発売のCD "THERE'S GONNA BE A STORM" が初出。
レフト・バンクでの録音がお蔵入りになったため、マイケル・ブラウンは、レフト・バンク脱退後に結成したモンタージュで再録音しています。

THERE'S GONNA BE A STORM: The Complete Recordings 1966-1969 (Mercury 848 095-2) compilation CD, 1992

1. Walk Away Renee
2. I Haven't Got the Nerve
3. Pretty Ballerina
4. She May Call You Up Tonight
5. I've Got Something on my Mind
6. Barterers and Their Wives
7. Let Go of You Girl
8. What Do You Know
9. Evening Gown
10. Lazy Day
11. Shadows Breaking Over My Head
12. Ivy Ivy
13. Men are Building Sand
14. Desiree
15. Dark is the Bark
16. My Friend Today
17. Sing Little Bird Sing
18. And Suddenly
19. Goodbye Holly
20. In the Morning Light
21. Bryant Hotel
22. Give the Man a Hand
23. Nice to See You
24. There's Gonna Be a Storm
25. Pedestal
26. Myrah
今回のオリジナル盤もどきを作成するための材料でもあります。全てのシングルAB面曲、アルバム収録曲が収められたCD。これ一枚で、レフト・バンクの公式録音がすべて聞けます。

 
Montage  "MONTAGE" (Laurie LP-2049) lp, January 1969

1. I Shall Call Her Mary
2. She's Alone
3. Grand Pianist
4. Men Are Building Sand
5. Desiree
+++
6. The Song Is Love
7. Tinsel & Ivy
8. An Audience With Miss Priscilla Grey
9. My Love
10. Wake Up, Jimmy (Something's Happening Outside)
マイケル・ブラウンが、レフト・バンク脱退後に参加したバンドの唯一のアルバム。ただし、メンバーとして加入したわけではなく、楽曲の提供とレコーディングへの参加のみだったようです。
1968年3月と6月に発売した2枚のシングルAB面のすべて(1、8、10、7)を含んでいます。レフト・バンクではお蔵入りになった "Men Are Building Sand"、不振におわった "Desiree" の2曲のレフト・バンク作品のリメイクを含んでいます。
2001年、サンデイズドから、ボーナストラックを追加して、CD化されました。追加されたのは、未発表曲の "The Mirror" と "Thor And Or"、インストゥルメンタルバージョンの "The Song Is Love" と "Desiree"。"Thor And Or" は、インストゥルメンタルです。

 

 
Foggy Waterfall unreleased track, recorded in 1969
cd-program: not contained

レフト・バンク解散後に、スティーヴ・マーティンが参加した、プロデューサーのトム・ケイのセッションでレコーディングされたもの。
同時に録音された "Pedestal" はレフト・バンクのシングルとして発売されましたが、トム・ケイもしくはマーティンのソロというべき録音です。
1982年2月にイギリスのバム・カルーゾが編集・発売したベストアルバム "... AND SUDDENLY IT'S THE LEFT BANKE" が初出。
ライノが1985年8月に編集・発売したベストアルバム "THE HISTORY OF THE LEFT BANKE" にも収録されています。
1992年発売のCD "THERE'S GONNA BE A STORM" には収録されていません。

...AND SUDDENLY IT'S THE LEFT BANKE (Bam-Caruso KIRI 021) compilation lp, February 1982

1. Walk Away Renee
2. There's Gonna Be A Storm
3. Desiree
4. Myrah
5. Shadows Breaking Over My Head
6. Let Go Of You Girl
7. Sing Little Bird Sing
8. I Haven't Got The Nerve
9. Goodbye Holly
+++
10. Dark is the Bark
11. I've Got Something on My Mind
12. Pretty Ballerina
13. In The Morning Light
14. She May Call You Up Tonight
15. My Friend Today
16. Barterers And Their Wives
17. Pedestal
18. Foggy Waterfall
マニアックな再発・復刻を行うイギリスのバム・カルーゾが編集・発売したベストアルバム。2枚のオリジナルアルバムに収録されなかったシングル曲 "Myrah"、"Pedestal" を収録するとともに、その2曲と同じセッションで録音された "Foggy Waterfall" を、未発表曲として収録しています。

 
THE HISTORY OF THE LEFT BANKE (Rhino RNLP 123) compilation lp, August 1985

1. Walk Away Renee
2. Pretty Ballerina
3. She May Call You Up Tonight
4. Ivy Ivy
5. Desiree
6. Goodbye Holly
7. Foggy Waterfall
+++
8. Love Songs in the Night (Steve Martin)
9. Two by Two (Steve Martin)
10. Myrah
11. Pedestal
12. And Suddenly
13. I'm Coming Home (The Stories)
14. Brother Louie (The Stories)
バム・カルーゾに対抗するかのように、やはりマニアックな再発・復刻で知られる本国アメリカのライノが編集・発売したベストアルバム。バム・カルーゾ盤で日の目を見た "Foggy Waterfall" を収録しているほか、2枚のオリジナルアルバムに収録されなかったシングル曲 "Ivy Ivy"、"And Suddenly"、"Myrah"、"Pedestal" を収録しています。
また、解散後に、マイケル・ブラウンが曲を提供したスティーヴ・マーティンの1971年のシングルAB面、マイケル・ブラウンがプロデュースしたバンド、ストーリーズが収められている点が面白い。ただし、ストーリーズ最大のヒット曲、"Brother Louie" は、マイケル・ブラウンが離れてからの作品であり、曲もブラウンの曲ではありません(ご愛嬌?)。
ディスコグラフィ等を掲載した解説が付いているらしいのですが、わたしが買ったカットアウト盤には付いておらず、内容が気になっています。

 
Things Go Better With Coke unreleased track
cd-program: not contained

清涼飲料水「コカ・コーラ」のCMソング。「コカ・コーラ」のCMソングは、その時々の人気歌手・人気バンドを起用しているので、顔ぶれが豪華です。
どれも、それぞれのレパートリーを少し変えて、"Things go better with coca-cola" のフレーズを織りこんだ歌詞をつけるというもの。
「コカ・コーラ」のCMソングを集めたレコードは、あやしげなものが数種類出ていますが、手元にあるものには残念ながら、レフト・バンクは入っていません。
ただ、オムニバスにクレジットなしで入っているものが、どう聞いてもレフト・バンク。
これがレフト・バンクでなければ、ラトルズ賞ものです(それはそれで楽しい)。
オムニバスは、"FROM THE NEW WORLD: American Folk-Rock, Vol.1; 1965-69" というもので、A面の最後に問題のミステリー・トラックが入っています。
演奏は "She May Call You Up Tonight"を、メロディは "Desiree" を思わせます。

FROM THE NEW WORLD: American Folk-Rock, Vol.1; 1965-69 (Strange Things Are Happening STZ 5004) compilation lp, 1990

1. You Pretty Fool  [The Web]
2. Take A Giant Step  [Fountain Of Youth]
3. Ring Around The Rosie  [The Shaggs]
4. All Night Long  [The Palace Guard]
5. I'm Not The Same  [Corporate Image]
6. They Just Don't Care  [Christopher & The Chaps, written by M.Lookofsky/B.Jerome]
7. Forever Eyes  [Peabody]
8. Baby You Come Rollin' Across My Mind  [The Peppermint Trolley Company]
9. Mystery Track (Things Go Better With Coke  [The Left Banke] ?)
+++
10. When Johnny Comes Marching Home  [The Sheppards]
11. I Feel Teardrops  [The Onion Ring]
12. Hold On  [Uncle Sam & The War Machine]
13. I Ask You Why  [Dave & The Customs]
14. In His Shadow  [The Penthouse Five]
15. How She's Hurtin' Me  [The Jagged Edge]
16. All I Really Wanna Do  [Evil Incorporated]
17. How Many Times  [The Chozen Ones]
18. A Girl You Can Depend On  [The Palace Guard]
ストレンジ・シングス・アー・ハプニングは、バム・カルーゾの運営者であったフィル・スメーがやっていた雑誌です。フィル・スメーは、レフト・バンクの熱狂的なファンなのかもしれません。
ちなみに、このオムニバスには、マイケル・ブラウンが、レフト・バンクのデビュー前に、クリストファー&ザ・チャップスに提供した曲 "They Just Don't Care" も収録されています(マイケル・ルーコフスキィの名で、初期レフト・バンクのプロデュースにも参加していたビル・ジェロームとの共作。1966年2月発売。)

 

【2002.05.02.】
・アルバム "WALK AWAY RENEE / PRETTY BALLERINA" の曲順について、勘違いにもとづく誤記だったので、訂正しました。申し訳ありません。

【2002.04.19.】
・アルバム "WALK AWAY RENEE / PRETTY BALLERINA" の曲順について、上柴とおるさんより情報をいただき、追記。
・再結成アルバム "STRANGERS ON A TRAIN" について、"THE GREAT PSYCHEDELIC DISCOGRAPHY" にもとづいて、ライノからとしていましたが、上柴さんからの情報により、レリックスからに訂正。
・モンタージュについて、サンデイズドからの復刻CDの解説にもとづいて、訂正。マイケル・ブラウンは、メンバーではなかったようです。
・スティーヴ・マーティン、モンタージュが楽曲を提供しているサントラ盤 "HOT PARTS" について追記。

【2002.01.09.】
・アルバム "WALK AWAY RENEE / PRETTY BALLERINA" の曲順について、桂牧さんより情報をいただき、訂正。

【2002.01.09.】
・モンタージュのアルバム "MONTAGE" の復刻CDについて、追記。
 
 

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