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オリジナル盤もどき調理法
CD Programming Guide For "Original" Lovers
【2001.08.04.】


 
編集盤CDから、「オリジナル盤もどき」をでっちあげるための曲順プログラムを紹介します。
いろんなソースが混ぜ合わされた編集盤から、混ぜ合わされる前のソースを取り出してみようというわけです。
オリジナル盤が簡単に安く手に入るのなら、それに越したことはないのですが、なかなかそういうわけにはいきません。
まずは、できるところから、曲順だけでも、それなりに。


第8回 ジョアン・ジルベルト 最初の3枚

1990年に発売された "THE LEGENDARY JOAO GILBERTO" は、ジョアン・ジルベルトがオデオンに残した38曲を収録したアメリカ編集のCDです。
3枚のアルバムがすべて入っている、という。
ところが、どの曲が、どのアルバムに、どの順番で入っていたかは、CDの解説では触れられていない。
せめて当時衝撃を与えた記念碑的なデビューアルバム "CHEGA DE SAUDADE"(想いあふれて)くらい、オリジナルの曲順で聞いてみたい。
そう思って、オリジナル盤の曲目を調べることにしました。

CD発売当時はてがかりがなく、オリジナル盤は見ることもないので、おてあげでしたが、いまは下記の資料があります。
1) エレーナ・ジョビン著 『アントニオ・カルロス・ジョビン ボサノヴァを創った男』(国安真奈訳、青土社、1998年) 巻末資料
2) アントニオ・カルロス・ジョビン研究サイト "CLUBE DO TOM" http://www.jobim.com.br/

【注1】
"THE LEGENDARY JOAO GILBERTO" は、ジルベルトとレコード会社がもめているため、現在は廃盤状態です。
中古盤を探すか、再発売を待つしかありません。
ジャケットがちがう同内容のCDを見かけたこともありますが、正式に再発売されたものかどうか、わかりません。
そんな状態のものを紹介するのは申し訳ないのですが・・・。

【注2】
ポルトガル語のアクセント記号(トサカにチョンマゲ、ニョロやアゴヒゲ)は、日本語といっしょに表示させることができないため、省略しています。
名前からして、ジョアンの Joao の a の上には、~ がついているのです。
正しい表記は、ジャケット写真ともども、参考にした上記ポルトガル語のサイトを参照してください。

【注3】
曲名には、"THE LEGENDARY JOAO GILBETO" の日本盤に記されている邦題と録音年月日(らしきもの)を添えました。
 

[メニュー]


[材料]
Joao Gilberto  "THE LEGENDARY JOAO GILBERTO" (World Pacific 93891) 1990年発売、廃盤
※国内盤(東芝EMI  TOCP-7874)は、1993年発売。廃盤。
 
 

[作り方]
 

CHEGA DE SAUDADE (Odeon MOFB 3073) lp, 1959
cd-program: 1-9-18-11-19-24 / 2-22-23-10-12-13

A
1. Chega de saudade (想いあふれて) 1958/7/10
2. Lobo bobo (ロボ・ボボ) 1959/2/4
3. Bringas, nunca mais (喧嘩にさようなら) 1959/1/23
4. Ho-ba-la-la (オバララー) 1958/11/10
5. Saudade fez um samba (サウダージがサンバを作った) 1959/2/4
6. Maria ninguem (マリア・ニンゲン) 1959/2/4

B
7. Desafinado (デサフィナード) 1958/11/10
8. Rosa morena (ホーザ・モレーナ) 1959/2/4
9. Morena boca de ouro (黄金の口のモレーナ) 1959/1/30
10. Bim bom (ビン・ボン) 1958/7/10
11. Aos pes da cruz (十字架のもとで) 1959/2/4
12. E luxo so (エ・ルッショ・ソー) 1959/2/4

 
1958年発売のデビューシングルでボサノヴァ第1号となった "Chega de saudade" / "Bim bom"、セカンドシングル "Desafinado" / "Ho-ba-la-la" を含むデビューアルバム。
アントニオ・カルロス・ジョビン作品(1, 3, 7)のほかに、ジルベルトの新しい音楽を最初に受け入れた若手グループのひとりであるカルロス・リラ作品が3曲(2, 5, 6)が取り上げられています。
 


ORFEU (Odeon BWB1092) cassette, 1959
cd-program: 37-38

1. Manha de carnival (黒いオルフェ) 1959/7/2
2. Medley: O nosso amor / A felicidade (二人の愛〜フェリシダージ) 1959/7/2
 
3枚のアルバムに入っていないので、シングルとして発売されたものではないかと推測していましたが、エレーナ・ジョビンの本の巻末に、ジョアン・ジルベルトの作品として、このカセットがあげられていました。ただし、収録曲は、1. A felicidade、2. Manha de carnaval、3. O nosso amor、4. Frevo の4曲で、"O nosso amor" と "A felicidade" がメドレーになっていない点がちがっています。このカセットから、さらにシングル化されたのかもしれません。
AB面とも、1959年の映画『黒いオルフェ』の挿入曲。ジルベルトは、サントラ盤には参加していないので、競作盤のようなものかもしれません。
ジルベルトは、主役が歌うシーンの吹き替えに名乗りをあげたものの、監督のイメージとちがうということで不採用になったという話もあります。
 


O AMOR O SORRISO E A FLOR (Odeon SMOFB 3151) lp, 1960
cd-program: 3-33-30-7-35-36 / 31-4-29-34-20-14

A
1. Samba de uma nota so (ワン・ノート・サンバ) 1960/4/4
2. Doralice (ドラリッシ) 1960/4/1
3. So em teus bracos (あなたの腕の中で) 1960/3/28
4. Trevo de quatro folhas (I'm looking over a four leaf clover) (四つ葉のクローバー) 1960/4/8
5. Se e tarde me perdoa (遅かったならごめんなさい) 1960/3/28
6. Um abraco no bonfa (ボンファに捧ぐ) 1960/4/1

B
7. Meditacao (メデテーション) 1960/3/28
8. O pato (アヒル) 1960/4/4
9. Corcovado (コルコヴァード) 1960/3/30
10. Discussao (口論) 1960/3/30
11. Amor certinho (ぴったりの恋) 1960/4/1
12. Outra vez (もう一度) 1960/4/5
 

 
アレンジを前作に続いて、アントニオ・カルロス・ジョビンが、プロデュースを、のちにエレンコ・レーベルを興すアロイジオ・ジ・オリヴェイラが担当したセカンドアルバム。
"Samba de uma nota so" や "Meditacao"、"Corcovado" といったボサノヴァの人気曲を含むジョビン作品が半分の6曲を占めています。"O pato" は、ジルベルトが、ボサノヴァを生み出す以前に参加したことがあるコーラスグループ、ガロットス・ダ・ルアのレパートリーだった曲。カルロス・リラ、ジルベルト本人の作品も1曲ずつ収録されています。
 


JOAO GILBERTO (Odeon MOFB 3202) lp, 1961
cd-program: 27-8-5-28-25-6 / 32-17-15-26-21-16

A
1. Samba da minha terra (我が祖国のサンバ) 1961/3/10
2. O barquinho (小舟) 1961/8/2
3. Bolinha de papel (紙風船) 1961/3/9
4. Saudade da bahia (バイーアの郷愁) 1961/3/10
5. A primeira vez (はじめての時) 1961/9/22
6. O amor em paz (平和な愛) 1961/8/16

B
7. Voce e eu (あなたと私) 1961/9/14
8. Trem de ferro (Trezinho) (汽車) 1961/8/16
9. Coisa mais linda (もっと美しいもの) 1961/8/16
10. Presente de Natal (クリスマスのプレゼント) 1961/3/11
11. Insensatez (インセンサテス) 1961/8/2
12. Este seu olhar (まなざし) 1961/9/28

 
オルガンに、ワルター・ワンダレイを迎えて制作されたサードアルバム。
ジョビン作品は、"Insensatez" など3曲になり、ドリヴァル・カイミやカルロス・リラなどの作品がまんべんなく並んでいます。"O barquinho" は、カルロス・リラの盟友で、ジルベルトが生み出した新しい音楽を広めるのに多大な貢献をしたホベルト・メネスカルの代表作のひとつ。
 

 
※材料の内訳
Joao Gilberto  "THE LEGENDARY JOAO GILBERTO" (World Pacific 93891), 1990
01. Chega de saudade (想いあふれて) 1958/7/10
02. Desafinado (デサフィナード) 1958/11/10
03. Samba de uma nota so (ワン・ノート・サンバ) 1960/4/4
04. O pato (アヒル) 1960/4/4
05. Bolinha de papel (紙風船) 1961/3/9
06. O amor em paz (平和な愛) 1961/8/16
07. Trevo de quatro folhas (I'm looking over a four leaf clover) (四つ葉のクローバー) 1960/4/8
08. O barquinho (小舟) 1961/8/2
09. Lobo bobo (ロボ・ボボ) 1959/2/4
10. Bim bom (ビン・ボン) 1958/7/10
11. Ho-ba-la-la (オバララー) 1958/11/10
12. Aos pes da cruz (十字架のもとで) 1959/2/4
13. E luxo so (エ・ルッショ・ソー) 1959/2/4
14. Outra vez (もう一度) 1960/4/5
15. Coisa mais linda (もっと美しいもの) 1961/8/16
16. Este seu olhar (まなざし) 1961/9/28
17. Trem de ferro (Trezinho) (汽車) 1961/8/16
18. Bringas, nunca mais (喧嘩にさようなら) 1959/1/23
19. Saudade fez um samba (サウダージがサンバを作った) 1959/2/4
20. Amor certinho (ぴったりの恋) 1960/4/1
21. Insensatez (インセンサテス) 1961/8/2
22. Rosa morena (ホーザ・モレーナ) 1959/2/4
23. Morena boca de ouro (黄金の口のモレーナ) 1959/1/30
24. Maria ninguem (マリア・ニンゲン) 1959/2/4
25. A primeira vez (はじめての時) 1961/9/22
26. Presente de Natal (クリスマスのプレゼント) 1961/3/11
27. Samba da minha terra (我が祖国のサンバ) 1961/3/10
28. Saudade da bahia (バイーアの郷愁) 1961/3/10
29. Corcovado (コルコヴァード) 1960/3/30
30. So em teus bracos (あなたの腕の中で) 1960/3/28
31. Meditacao (メデテーション) 1960/3/28
32. Voce e eu (あなたと私) 1961/9/14
33. Doralice (ドラリッシ) 1960/4/1
34. Discussao (口論) 1960/3/30
35. Se e tarde me perdoa (遅かったならごめんなさい) 1960/3/28
36. Um abraco no bonfa (ボンファに捧ぐ) 1960/4/1
37. Manha de carnival (黒いオルフェ) 1959/7/2
38. Medley: O nosso amor / A felicidade (二人の愛〜フェリシダージ) 1959/7/2

 

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(c) 2001 Kijima, Hebon-shiki