編集盤CDから、「オリジナル盤もどき」をでっちあげるための曲順プログラムを紹介します。
いろんなソースが混ぜ合わされた編集盤から、混ぜ合わされる前のソースを取り出してみようというわけです。 オリジナル盤が簡単に安く手に入るのなら、それに越したことはないのですが、なかなかそういうわけにはいきません。 まずは、できるところから、曲順だけでも、それなりに。 |
2001年2月2日〜2月4日(東京・高田馬場AREA)、2月6日(大阪・心斎橋MUSE
HALL)の4日間、ニール・イネスのソロコンサートが行われました。
最初は、2月4日の東京公演しか発表されておらず、どうしようか迷っていたのですが、2月2日の追加公演が決まった時点で腹を括りました。
その後、大阪公演が決まったために、また迷うことになるのですが、動機をかき集めて遠征したのは、正解でした。
ニール・イネスの中で大きな割合を占めるコメディの要素はコトバの問題が壁になるんじゃないか、というのが心配だった。
近年のライヴはひとりで弾き語りをするという話も耳に入ってきていたので、それならなおのこと、コトバが重要なのではないか。
でも、それは、ステージに、アヒルの被りものをしたニールさんが現われて歌い始めたとたん、杞憂のものとなった。
だって、あの表情、そして声。しっかりした演奏と歌。それ以外に何が必要だと思っていたのだろう?
「日本語、ほとんどわからへんけど、堪忍してや」と前置きし、くるくると表情を変えて、観客の反応をつかんでいく。
スタッフが教えたのであろう日本製のギャグ「ガチョ〜ン」をかまし、小芝居を繰り出す。ものすごく機転が利くひとなのだ。
そして、何よりも、音楽。贋カントリー、贋ブルーズ、贋シャンソン、贋エルトン・ジョン、そして、贋ビートルズの代表であるラトルズの名曲の数々はメドレーで。
「贋」ではあるけれど、抜群の親しみやすさは天性のものだし、面白おかしく見せながら、ひとつも貶めることがない。「贋」だけど、騙しではない。
ユーモアをもって、洒落のめすって、こういうことなのかと、あらためて惚れ直してしまった。
ステージを見ながら、「水戸黄門音楽漫遊記、ただし印籠は出しません」というタイトルが浮かんだ。
会場で、すでに廃盤になっているCD "RE-CYCLED VINYL BLUES" が販売されていた。
1994年に、イギリスのEMIがボンゾ・ドッグ・バンドの復刻CDに続いて発売したもので、1973年のファーストアルバム全曲に、シングル曲を加えた編集盤です。
デッドストックをかき集めて、今回のライヴのために持ってきてくれたのだろうかと思っていたら、招聘元である「VINYL」が復刻したものらしい。
表紙の色目がきつくなっていて、複写であることを物語っているけれど、なにはともあれ、再び入手しやすくなったことは喜ばしい。
この編集盤、ファーストアルバムを全曲収録していることはありがたいのだけど、あいだにシングル曲をはさむ形で並べられているのがちょっとだけ残念。
ええねんけどね、並べ直したらいいだけのことだから。
なお、カバーについては、ニール・イネス関連作品を集めたファンページ "A
pint of beer" (Osamu氏作成)がお薦めです。
オモテ面もウラ面も掲載されています。それらを見ながら曲順を並べなおして聞くと、いっそう楽しめると思います。
"A pint of beer" http://www.ah.wakwak.com/~idiot/
[メニュー]
ニール・イネスのファーストソロアルバム "HOW SWEET TO BE AN IDIOT" と関連シングル
[材料]
Neil Innes "RE-CYCLED VINYL BLUES"(EMI CZ536/7243 8 30071 2
7) 1994年発売
※Vinyl Japanより、復刻CDが発売されています。
[作り方]
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The World single, ANGELINA (Liberty
LBF15402), 25/9/1970
cd-program: 2 / 3
Side A:
1. AngelinaSide B:
2. Come Out Into The Open
ボンゾ・ドッグ・バンド解散後に、ボンゾズのデニス・カーワンらと共に結成したザ・ワールドのアルバム未収録シングル。B面の "Come Out Into The Open" は、別バージョンがアルバム"LUCKY PLANET" (Liberty LBG83419) に収められている。
The World: Neil Innes (guitar, keyboard, vocal), Dennis Cowan (bass), Roger McKew (guitar), Ian Wallace (drums)
"LUCKY PLANET" includes: 1. Not The First Time, 2. Sail Away, 3. 9-5 Pollution Blues, 4. Lead Us, 5. Things I Could Have Said, 6. Come Into The Open II, 7. Godzilla's Return
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Neil Innes single, HOW SWEET TO
BE AN IDIOT (United Artists UP35495), 16/2/1973
cd-program: (not included on cd,
different version of 11) / 8
Side A:
1. How Sweet To Be An Idiot (single version)Side B:
2. The Age Of Desperation
アルバムに先がけて発売されたシングル。A面は、ピアノの弾き語りで歌われるアルバムバージョンとは異なり、バンドバージョンになっている。B面もアルバム未収録曲。
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Neil Innes lp, HOW SWEET TO
BE AN IDIOT (United Artists UAS29492), 3/1973
cd-program: 4-5-7-9-10 / 11-12-13-14-15-17
Side A:
1. Prologue
2. Momma Bee
3. Immortal Invisible
4. Topless-A-Go-Go
5. Feel No ShameSide B:
6. How Sweet To Be An Idiot (album version)
7. Dream
8. L'Amour Perdu
9. Song For Yvonne
10. This Love Of Ours
11. Sining A Song Is Easy
グリムズとしての活動と平行して作られたファーストソロアルバムで、グリムズ参加メンバーがバックアップしている。タイトル曲は、代表曲のひとつで、モンティ・パイソンの映画で演奏を観ることもできる。"L'Amour Perdu" は、のちに、エリック・アイドルとの30分番組 "RUTLAND WEEKEND TELEVISION"(BBC、1975年〜1976年) で使用された。 また、5曲目の "Feel No Shame" も映画のために作られた曲らしい。なお、7曲目の "Dream" は、CD "RE-CYCLED VINYL BLUES" では、"Dream On" と記されている。
このCDには全曲収録されているけれど、アヒルの被りものをしたオリジナルデザインのカバーもいいので、その形での復刻を希望したいところ。その際には、アルバムとはバージョンのちがう、タイトル曲のシングルバージョン追加収録を是非に。
Neil Innes (vocal, guitar), Andy Roberts (guitar), Mike Kellie (drums), Dave Richards (bass), Ollie Halsall (guitar, organ), Gerry Conway (drums on 2, 3, 9, 10), The Mucrons (backing vocals)
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Neil Innes single, MOMMA BEE (United
Artists UP35639), 22/2/1974
cd-program: 5 / 7
Side A:
1. Momma BeeSide B:
2. Immortal Invisible
AB面とも、アルバム"HOW SWEET TO BE AN IDIOT"(United Artists UP35495) 収録曲。
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Neil Innes single, RE-CYCLED VINYL
BLUES
(United Artists UP35679), 26/4/1974
cd-program: 1 / 16
Side A:
1. Re-Cycled Vinyl BluesSide B:
2. Fluff On The Needle
AB面ともアルバム未収録曲。A面は、「ホワイト・クリスマス」や「イン・ザ・ムード」を織りこんだメドレーによるパロディソング。
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Neil Innes single, LIE DOWN AND
BE COUNTED (United Artists UP35745), 7/1974
cd-program: 6 / 18
Side A:
1. Lie Down And Be CountedSide B:
2. Bandwagon
AB面ともアルバム未収録曲。
※材料の内訳
"RE-CYCLED VINYL BLUES" (EMI CZ536/7243 8 30071 2 7) 1994
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(c) 2001 Kijima, Hebon-shiki