「Close Up! アーティスト・インタヴュー〜Part 11・手工芸テクノ歌姫、RIKAさん」 (2002年3月6日更新より) http://allabout.co.jp/entertainment/technopop/ |
15年前のこと、レコード店でもらった新譜案内の小冊子をぱらぱらとめくっていて、おや?と目にとまる記事がありました。
正確なところは覚えていません。「テクノポップ」、「大阪出身」、「不思議少女」といったキーワードと「RIKA」という名前。
ひょっとして。もしや。ちょっとあれだけど。まさか。
発売日に、レコード店に寄り、シングル盤コーナーをぱたぱたとめくっていったら・・・あった。「ファイブ・シャドウ」。
ジャケット写真の姿には、見覚えがあるような、ないような。
B面の曲名を見て、息を飲んだ。
店頭でペラのジャケットをひっぱりだして(むかしはそういうことができたのです)、歌詞をたどったら、もう、あきません。
知ってるひとの知ってる曲、でした。
知ってるといっても、ほんの数回、お目にかかったことがあるだけで、話らしい話をかわしたこともありません。
ただ、共通の知り合いを通じて、自宅録音で作られた曲をいくつか聞かせてもらい、その音楽のファンだった、のです。
シングルのB面に入っていたのは、そうした自宅録音テープで聞いた曲のひとつでした。
(あ、あと、RIKAさんが編集されたあがた森魚ファンジン「すみれ団 第5号」の製本丁稚でした・・・)。
「テクノポップ」と「不思議少女」というキーワードは、1986年には目新しいものではなくなっていました。
ポプコン/キャニオンの文脈では、やっと取り入れることができたというかんじだったかもしれません。
RIKAさんの音楽は、テクノポップの語法を持った「シンガーソングライター」の音楽でした。
「好きな音楽」としては、コックニー・レベル、ミシェル・ポルナレフ、ビートルズ、バグルズ、プラスティックス、ヒカシューなどがあげられています。
音楽に興味を持つきっかけは、「グリーン・スリーブス」。ダンスリー・ルネサンス合奏団など中世音楽も聞かれていました。
郷愁をさそうセンチメンタルなメロディ、世界の可能性にかすかな糸口を見出すファンタジー、かたわらの小さなものを楽しむココロ。
それらは、テクノポップ用の意匠ではなかったものです。
自宅録音テープに収められた演奏は、シンセサイザーの多重録音でしたが、薄く儚げな音色がたくさん使われています。
雪降る空を見上げていると感じる、自分が昇っていっているようなかんじがありました(中島らも「微笑家族」より)。
テクノポップという語法の中に、そうした、儚いものをつなぎとめるしっかりした「力」を見つけたのではないか、と思います。
薄く、儚げでしたが、それをつなぎとめる言葉と音には、力強さがありました。
レコードでは、薄明るい雰囲気が少なくなり、ポプコン/キャニオンのドメスティックな歌謡曲の方向でまとめられてしまったな、と感じていました。
正直なところ、少々がっくりきてしまい、声が低い、音が硬い、自宅録音テープの良さが出ていない、うんぬんかんぬん言い放題。
勝手なものです。いま聞くと、そんなにちがっているわけではないのですが、その時はそう感じてしまったのでした。
でも、レコードで初めて接したとしても、きっと気に入っただろう、と思います。そう思いたいです。
多くのひとが、レコードで初めてRIKAさんの音楽に接して、その良さを発見されたはずですから。
デビューシングルの「ファイヴ・シャドウ」から、アルバム『ロマンチック』までは、栗原正己さんが編曲を担当されていました。
栗原さんがバンマスを務める栗コーダーカルテットの資料本『栗Q本』(2000年12月)によれば、栗原さんにとってもCM以外の初めての仕事だったようです。
レコードに不満を持ち、編曲の栗原さんをワルモノ扱いしていたわたしですが、栗コーダーカルテットを聞いて、ファンになってしまいました。
それで、公式サイトの掲示板で、RIKAさんについて、いちど思いきって、というか、おずおずと、旧悪の白状ついでに、たずねてみたことがあります。
ぶしつけで失礼な感想に、駆け出しのアレンジャーだった頃のことや自宅録音テープについて、親切に答えてくださいました(1997年11月27日)。
RIKAさんとの仕事は、その後のさねよしいさ子さんとの仕事に、きっと活かされているにちがいない、と勝手に思っています。
栗コーダーカルテットは、「ロマンチック」と「その年いちばん寒い日」をライヴでカバーしています。
シングル「アルファベット」と「ようこそシネマハウスへ」の編曲は、ムーンライダーズのかしぶち哲郎さんです。
からっと乾いた音色を使い、弾むようなポップさを、すくいとっています。
当時の雑誌インタビューで、RIKAさんは「ようこそシネマハウスへ」を含むアルバム『月光倶楽部東京騎士団』の構想に触れています。
残念ながら、セカンドアルバムは実現しませんでしたが、かしぶちさんとの共同作業をもっと聞いてみたかったという気がします。
1999年4月に、かしぶち哲郎さんにお話をうかがう機会を得ました。
このときも、思いきって、というよりも、おずおずと、RIKAさんについて、たずねてみました。
覚えているということ、デモテープを聞いて才能があると感じたということなどを話していただき、胸をなでおろしました。
ライヴは、そんなに数多くはされていないと思います。わたしが見たのは一回だけ、あがた森魚氏とミンカパノピカのライヴのゲスト出演でした。
東京では、メトロファルスのライオン・メリィさん、光永巌さんとのトリオで、四谷の「フォーバレー」などで、ライヴをされていたようです。
ライオン・メリィさんとは、『ドラゴンショック』という富士通FM
TOWNS用ゲームのための音楽を、一緒に作られています。
メリィさんのコメントが、メトロファルス公式サイト内「ライオン・メリィの部屋」
http://www.metrofarce.com/member_info/merry/
で読めます。
「possible and impossible」第5回をご覧ください。我がことではないのに、読んでいて、涙が出そうになりました。
現在、RIKAさんのレコードを耳にすることは困難ですが、どこかで目にし、耳にされたときのために、メモを残しておきたいと思います。
(資料整理・文: きじま こう)
[参考]
・「RIKAちゃん新聞 第1号」 (RIKAちゃん倶楽部、1988年2月4日発行)
・「テッチー 1988年4月号」 (音楽之友社、1988年3月発行) ※インタビューを掲載。
・「すみれ団 第六號」 (大阪すみれ団、1988年4月9日発行) ※関西RIKAちゃん援護会制作の全面勝手広告を掲載。
・栗コーダーカルテット監修『栗Q(コーダー!)本』 (栗コーダー財団、2000年12月31日発行)
スペシャルサンクス:
石井章さん(神戸鶴亀本舗/関西RIKAちゃん倶楽部西岡本営業所所長)
BUGGLEさん(POP ACADEMY http://www.bb.wakwak.com/~buggle/)
1985年8月 | 東京・四谷「フォーバレー」でライヴ。 |
1985年10月 | ヤマハ・スタジオで、「雨の中で僕は」、「ファイヴ・シャドウ」、「その年いちばん寒い日」のデモ録音。 |
1985年10月6日 | 第30回ポピュラーソングコンテスト(ヤマハ主催、通称ポプコン)で、「雨の中で僕は」が優秀賞を受賞。 |
1986年10月21日 | シングル「ファイヴ・シャドウ」でレコードデビュー。 |
1986年10月 | 朝日放送ラジオ「ケラとRIKAのヤングプラザ」にて、パーソナリティーをつとめる。
1986年10月11日〜1987年5月9日まで、毎週土曜日深夜25:35〜27:00放送(放送時間は、のちに変更)。 |
1987年2月5日 | シングル「雨の中で僕は」発売。 |
1987年2月21日 | アルバム『ロマンチック』発売。 |
1987年4月3日 | 大阪・曽根崎「アムホール」で、朝日放送ラジオ「ケラとRIKAのヤングプラザ」イベント(招待ライヴ)。
この模様は、翌日、番組で放送された。 |
1987年6月1日〜6月5日 | FM大阪「夢のひととき〜オリジナル音楽物語・あがた森魚ソングブック/永遠の遠国」(ラジオドラマ)に出演。
共演・林隆三、あがた森魚。 |
1987年6月21日 | シングル「アルファベット」発売。 |
1988年2月4日 | 東京・四谷「フォーバレー」でライヴ。「月光倶楽部2・4」 |
1988年2月21日 | シングル「ようこそシネマハウスへ」発売。 |
1988年3月28日 | 東京・四谷「フォーバレー」でライヴ。 |
1988年5月23日 | 東京・四谷「フォーバレー」でライヴ。「RIKA演奏会 海ニスム人・空をユク人」 |
1988年6月26日 | 東京「インクスティック六本木クラブ」での「菫フューチャリズム・セクション1」に出演。
ほかの出演は、三橋美香(三橋美香子)、あがた森魚。 |
1988年7月28日、29日 | 大阪「ミューズホール」、京都「CBGB」で行われたあがた森魚/ミンカパノピカのライヴに、ゲスト出演。 |
1988年9月11日 | 東京「インクスティック六本木クラブ」でライヴ。 |
1988年10月30日 | 東京「インクスティック六本木クラブ」でライヴ。 |
1988年12月24日、25日 | 東京・「池袋サンシャイン・プラネタリウム」でのあがた森魚「プラネッツアーベント」に、コーラスで参加。 |
1989年 | FM TOWNS用ゲームソフト『ドラゴンショック』に作品を提供。 |
1989年7月8日 | 東京・渋谷「クロコダイル」でライヴ。 |
Side A:
1.ファイヴ・シャドウSide B:
2.Bye Bye Bad Girl作詞・作曲: RIKA、編曲: RIKA・栗原正己
仕事帰りのOLのつぶやきを歌にした、懐かしい歌謡曲を思わせるところのあるデビュー曲。
デビュー曲にしては、すこし寂しいのではないか、と気になりました。
社会人生活に埋没していく自分たちの姿の描写に、当時、歌の主人公と同世代だったわたしは思わず「そんなやつおらんやろ」とツッコミを入れてしまいました。
B面の「Bye Bye Bad Girl」は、自宅録音テープで聞いたことがあった曲。沢田研二の「勝手にしやがれ」に似たシチュエイションの歌ですが、もっと気弱です。こちらも、寂しげな曲ですが、レコードバージョンでは強がっているようにも。
AB面とも、アルバム未収録。A面は、「アルファベット」とともに、1987年発売のキャニオンのオムニバスアルバム『五線譜の女たち』に収録されていました。
『五線譜の女たち』 (Canyon D32P6118)
1. Somebody Loves You〜明日の恋人(BaBe)/2. 砂の城(斉藤由貴)/3. ONLY HE(岩崎良美)/3. MAGICAL MOONLIGHT(上田浩恵)/5. アルファベット(RIKA)/6. SORAMIMI(谷山浩子)/7. そっと “I love you”(尾崎亜美)/8. I Don't Know !(BaBe)/9. 眠り姫(斉藤由貴)/10. オ・ニ・ヴァON Y VAS(岩崎良美)/11. 夢追いスナイパー(上田浩恵)/12. ファイヴ・シャドウ(RIKA)/13. MAY(谷山浩子)/14. 流れ星が好き(尾崎亜美)
Side A:
1. 雨の中で僕はSide B:
2. 幻の夏作詞・作曲: RIKA、編曲: RIKA・栗原正己
第30回ポピュラーソングコンテスト優秀賞受賞曲。男の子が主人公のうたが、RIKAさんにはいくつかありますが、そのひとつです。「サルビアの花」や「ルビーの指輪」の系統に属する失恋ソング。間奏のサイケデリックロックのような展開を含めて、ドラマティックで映像的な作品です。アルバム『ロマンチック』にも収録されています。シングル盤のジャケットデザインも、アルバムジャケットのバリエイションになっています。
B面は、照りつける太陽の光に幻惑される心を描いた異色作品。アルバム未収録です。
Side A:
1. 地下水道を走れ!
2. それでも君は眠れない
3. ひまわり
4. 雨の中で僕は
5. 恋人Side B:
6. 東京オクトパス
7. ロマンチック
8. 日曜日の悲劇
9. タダノトモダチ
10. 海百合の庭園で作詞・作曲: RIKA、編曲: RIKA・栗原正己
ファーストアルバム、と帯にはシンプルに記されています。いまのところ、唯一のアルバム。先行シングル「雨の中で僕は」を含む10曲。明るい曲や叙情的な曲が含まれており、シングル盤で感じた歌謡曲/フォーク/ニューミュージック的なまとまり感は、気にならなくなりました。オープニングの「地下水道を走れ!」(とB面の「日曜日の悲劇」)の、「日曜洋画劇場」のようなアクション路線には、びっくりさせられたものですが。 「それでも君は眠れない」は、「だから 踊ろう」の歌詞が「師匠」あがた森魚氏を連想させますが、この1ヶ月前に、あがた森魚氏の『バンドネオンの豹(ジャガー)』が発売されており、師弟テクノタンゴ対決として、ひそかに楽しんだものでした。
現在、栗コーダーカルテットを率いる栗原正己さんのリコーダーに導かれて始まる「ひまわり」は、明るい可愛らしさを代表する曲です。こういう曲を、シングル盤としてクローズアップしてほしかったのにと、当時、思っていました。
しかしながら、「恋人」のシックな陰影は、きちんとしたレコーディングならではの仕上がりと言えるかもしれません。
「東京オクトパス」は、ジョージ・ハリスンを思わせるギターがビートルズの「オクトパスガーデン」を連想させますが、実は、「ポプコン」同期のてつ100%のレパートリー、「Tokyo Taco Blues」を念頭に置いたものだとか、そうでないとか。
栗原さんのリコーダーが切ないタイトル曲「ロマンチック」は、やはり、代表曲といっていいと思います。愛読書という森雅之の『夜と薔薇』(清彗社、1980年6月)に通じる、大切なことを伝える手紙のような歌です。
栗原さんは、この曲を、のちに、栗コーダーカルテットでカバーしています。「タダノトモダチ」は、情けない男の子シリーズですが、いくつかの場面をかさねる抒情が、とても好きな曲です。
おだやかな東洋調の「海百合の庭で」では、エキゾティックで懐かしい風景が広がります。「あお あお」という繰り返し(ごく一部で有名な「アオアオコール」との関係や如何に)や、謎の海生物の鳴き声が楽しい。
Side A:
1. アルファベットSide B:
2. ファイト!作詞・作曲: RIKA、編曲: かしぶち哲郎
ムーンライダーズのかしぶち哲郎氏編曲によるシングルの1枚目。明るい曲が選ばれて、ホッとしました。リフレインには、少し(あがた森魚氏ゆずりの?)泣きがはいります。
B面の「ファイト!」も、明るい曲です。AB面とも、アルバム未収録。
(A面は、1987年発売のキャニオンのオムニバスアルバム『五線譜の女たち』に収録されていました。)
Side A:
1. ようこそシネマハウスへSide B:
2. 星空のパイロット作詞・作曲: RIKA、編曲: かしぶち哲郎
SEが効果的に挿入されるスペクタクル感あふれる曲です。B面の「星空のパイロット」ともども、恋愛ソングの枠組を外して、コミカルなファンタジーという面がやっと出てきたように感じていました。残念ながら、このシングルが最後のリリースになってしまうのですが、これらの曲を含むセカンドアルバムを聞いてみたかったと思います。
AB面とも、アルバム未収録。「ようこそシネマハウスへ」は、ムーンライダーズのメンバーがスタッフとして関わった作品を集めたオムニバスアルバム『ムーンライダーズのイイ仕事!Vol. 1/ポニー・キャニオン編』(2001年11月25日発売予定)に収録が予定されていましたが、残念ながら、シリーズ中、この盤のみ発売が無期延期となってしまいました。
幻の1枚になる可能性がありますので、広告に掲載された曲目を写しておきたいと思います。『ムーンライダーズのイイ仕事! Vol. 1 ポニー・キャニオン編』
(P-VINE PCD-1455)発売無期延期
1. いまのキミはピカピカに光って [斉藤哲夫]
2. 途中にしてね [チロリン]
3. ワープロデイト [平野文]
4. なれた手つきでちゃんづけで [いとうせいこう&Tinnie Punx]
5. おーいツッパリたいやつみんなこい [ロカビリーキャッツ]
6. 幸運序曲 [時代錯誤]
7. 火の玉 Kiss [陣内孝則]
8. DEAD OR ALIVE [秩父山バンド]
9. ルール違反 [岩田麻里]
10. 夏のコラージュ [上田浩恵]
11. ようこそシネマハウスへ [RIKA]
12. 悲しき Radio [Lady, Oh!]
13. モノローグ・・・春 [生稲晃子]
14. もう一つの明日 [かしぶち哲郎]
15. AREA CODE 001 [政風会]
1. OVERTURE
2. 龍的衝撃(DRAGON Shock)
3. プロペラ天使
4. G線王子
5. GIRLS, BE AMBITIOUS!
6. ガーネット・ガーネット作詞・作曲: RIKA、編曲: ライオン・メリィ
ライオン・メリィ氏が、「possible and impossible」第5回で触れている富士通FM TOWNS用の麻雀牌ゲームCD-ROM。サウンドトラックとして、RIKAさんの歌が収録されています。収録曲の一部は、ライヴ録音などで聞いたことがありましたが、FM TOWNSでないと再生できないと思い込み、探すことすらしていませんでした。未入手です。
収録内容は、テクノポップ総合サイト「POP ACADEMY」からの引用です。CDプレイヤーでも聴けるそうです。ライオン・メリィ氏(keyboards)、光永巌氏(guitar)というライヴと同じ布陣で制作されたようです。聞いたことがある曲の印象では、自宅録音テープに近い雰囲気で、もっともテクノポップ的な作品です。同時に、ゲーム用ということもあってか、これまでのレコード作品ではあまり表に出ていなかったコミカルな面(「GIRLS BE AMBITIOUS!」)やファンタジックな物語が展開されるもの(「G線王子」)が、収録されています。
「ガーネット・ガーネット」のおだやかで優雅な唱歌のような感触も、何故か、これまでレコードになっていませんでした。「君の住む町」という歌詞のあたりで、ぐっと来てしまいます。このタイトルも、森雅之の自選作品集『夜と薔薇』(清彗社、1980年6月)に収められた「ガーネット」を連想させます。すっかりうれしくなって 考えたこともない神さまにお願いする。
「神さま どうかこのガーネットのようなロマンチックが いつまでもつづきますように。」
「遠方から遠方へのロマンチックが つづきますように。」
(森雅之 「ガーネット」)
RIKAさんの作品には、コミカルな面や、聖歌や唱歌を思わせるものなど、さまざまな要素がありますが、レコードでは、その一部しか聞けませんでした。
自宅録音テープやライヴ演奏などで耳にすることができた未レコード化曲を紹介することで、そうした世界の一端をメモしておきたいと思います。
また、これらの他に、シャープのX68000といった初期のパソコンのCMソングを手がけられています。
一秒きざみで
えせGSナンバー、と言いますか、和製ポップスの雰囲気を再現した曲です。美しきかな四月
唱歌、あるいは架空の校歌。美しき自転車部隊
ノスタルジックな行進曲風の曲です。
月光倶楽部
ノスタルジックな雰囲気のタンゴ。素敵なものを、ひとつひとつ定着させていく様子は、「ロマンチック」の続編のようです。、恋のクロスロード
さわやかな青春ポップス。恋人達の庭
未聴。コヨーテの唄
剥製にされた孤独なコヨーテの独白。
シガレット一箱
小粋なジャズ小唄の香りがします。ジェラシー
不倫ソング(ミもフタもない言い方ですみません)。曲やサウンドは、ヒカシューに通じるものがあります。ストロンチウム
スリリングでモダンなロック。ロキシーミュージックを思わせるところもあります。その年いちばん寒い日
1985年10月に、栗原正己氏のアレンジで、デモレコーディングされながら、レコード化されませんでした。あがた森魚氏の「象ねずみの校庭」と並ぶ、校庭ソングの名曲。
アルバム『ロマンチック』が復刻されるようなことがあれば、ぜひ、ボーナストラックとして追加してほしいと思います。
この曲は、栗コーダーカルテットのライヴで、カバーされたことがあります。
台所の情事
どことなく、初期のヒューマン・リーグを思わせるお色気H系ホラー作品。サンプリングで、台所の混乱が描写されています。たのしいジャングル探検
モノクローム・セットの「モノクローム・セットのテーマ」に触発されたと思われる野獣な曲。ダルケダモス
ルイス・フューレイかスパークスか、という趣きの退廃的な匂いを漂わせたタンゴ曲。
働くデパートガール
可愛らしいテクノポップ。でも、どこか昭和30年代の日本映画を思わせます。8月のプラネタリウム
はじめて聞いたRIKAさんの曲。もとはフランス語の歌詞がついていたらしい。壮大なのに、閉じられた空間であるプラネタリウムの儚さ、切なさを感じます。ペパーミント・スタア
「ようこそシネマハウスへ」の続編のような曲。ヒコーキ野郎が主人公です。星に願いを
未聴。星の剣
グリークの「ソルヴェイグの歌」や、音楽に興味を持つきっかけになったという「グリーンスリーブス」を思わせる、聖歌のような曲です。
マニキュア
お色気Hもの路線。コミカルなかんじは、レコードではあまり聞けませんでしたが、楽しくてよいです。水の中の天使
柔らかなシンセサイザーの音色が、壊れやすい情景をかたちにしていて、とてもやるせない。
RIKAさんの歌の中で、いちばん好きな曲です。この曲のことをとどめておきたくて、この「未レコード化曲」の項目を作ったようなものです。
翼竜プテラノドン
プテラノドンへの憧れを歌った曲。
【2002.04.19.】
・リンク等、手直し。
【2002.03.05.】
・「All About Japan/テクノポップガイド Close Up! アーティスト・インタヴュー〜Part
11・手工芸テクノ歌姫、RIKAさん」公開のお知らせ。
・「谷山浩子101人コンサート」、オムニバスアルバム『五線譜の女たち』について追記。
・「ロマンティック」→「ロマンチック」に訂正。
【2002.03.01.】
・石井章さん(神戸鶴亀本舗/関西RIKAちゃん倶楽部西岡本営業所所長)からの追加情報で、略年譜を増補。
(c) 2002 Kijima, Hebon-shiki