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やぎのレコード
Yagui Discography
【2001.09.27.暫定版】【2001.11.07.】【2003.07.23.追記】【2005.12.04.追記】【2023.01.20 古い情報を削除】


 

1983年に札幌で結成されたバンド、「やぎ」のレコードを紹介します。
やぎについて、くわしいことはわかりません。
てがかりと言えば、野田努氏が発行していたミニコミ「東京音楽」4号(1989年6月20日発行)に掲載された記事「やぎの夢」(野田氏執筆)くらいのものです。

野田氏の「やぎの夢」によれば、やぎの歴史は、1983年に、今井雅幸さんが少女倶楽部というバンドを見たことに始まります。
少女倶楽部のヴォーカル、松林亜弥さんの書く詞とパフォーマンスに感動した今井さんは、松林さんにバンドを組むことを提案。
こうして、「曲がつくれればうれしかった」今井さんと、雑踏が透けて地の果てまで見渡せるような言葉を持つ松林さんが中心となり、「やぎ」が結成されます。
「やぎ」という名前は、居酒屋にちなんでつけられたと聞いたことがありましたが、松林さんのお話では、バンドが先だったとのこと。
居酒屋「やぎ」は、今井さんのご家族で経営されていたお店だったそうです。
野田氏は触れていませんが、「東京音楽」4号には、「やぎ」と書かれた大きな提灯に照らされた今井さんと思しき人物が写った写真が掲載されています。

1980年代の札幌の音楽シーンについては、噂でしか知りません。
札幌駅近くにあった「駅裏8号倉庫」というフリースペースが、演劇、映画、音楽など、さまざまな自主的な創作活動の舞台となっていた、ということは聞いています。
やぎもまた、クォーテーションズ(和田博巳氏、三上敏視氏ら)やみかんむくっ(ことぶき光氏、三橋美香子氏)らと共に、こうした場所で演奏していたそうです。
演劇や映像との交流もあったようで、三上敏視氏とともに担当した「青き零年」(1985年)を始めとして、多くの山田勇男監督作品に参加しています。
山田勇男氏の盟友、山崎幹夫監督作品の音楽を担当していたデフォルメ(勝井祐二氏のバンド)を含め、さまざまな交流がうかがえるようです。
そんな「駅裏8号倉庫」について、手元にあるガイドブック「札幌青春地図」(1988年版、「プロジェクトハウス亜璃西」編)を見てみましたが、見当たりません。
途中で移転もあったようですが、1986年には閉鎖されてしまったそうです。(「居酒屋やぎ」も探してみましたが、掲載されていませんでした。)

やぎは、1986年に、のちにジョー・ダウン・スタジオを設立する富井氏の手を借りて、5曲入りの自主制作テープ『月世界旅行』を制作します。
つづいて、同じフォーマットで、1988年に『iL NEiGE』を札幌で制作します。
このデビューアルバムは、あがた森魚氏の助力で、東京でさらに手を加えたのち、ヴィヴィッド・サウンドから全国発売されました。
今井さんは、アルバム発売の前に単身、東京に移り、あがた森魚氏のバンドに参加します。
やぎとしては、東京のミュージシャンを加えた形でライヴを時折行っていたとのこと。松林さんは、ライヴのときにだけ、札幌から通っていたそうです。
1992年にはCDでセカンドアルバム『POOL』を発表。
その後、1993年に松林さんが脱退し、以降は「やぎら」と名を変えて活動。
今井さんは、シーサーズなどで活動したあと、1998年に札幌に戻られ、一旦、やぎ〜やぎらの活動は休止状態になったようです。

2000年になって、「やぎ」は復活します。
松林さんが『地下幻燈劇画・少女椿』のCDに参加したことから、「闇夜幻燈逆説華祭」(下北沢、1月)とその後夜祭(渋谷、2月)で復活ライヴが行われました。
このときは、松林さんと『POOL』に参加していた藤木弘史さんとのデュオだったそうです。
さらに、2000年11月、世田谷区青年文化祭(下北沢)で、松林さんが単独で出演。1986年のライブ音源を再生・再現する試みだったとか。

【2023.01.20追記】
その後、2004年に、カセット「月世界旅行」、CD「POOL」の全曲に、「iL NEiGE」から4曲を収録した全20曲の『やぎ選集』がリリースされましたが、
やぎとしての活動は立ち消えになったようです。

(資料整理・文: きじま こう)

Special thanks to I.Y.さん(札幌)、M.A.さん(東京)、M.S.さん(東京)、K.M.さん(横浜)、T.T.さん(Paris)、Y.I.さん(東京)、Phantasmsさん(兵庫)。
※やぎの松林さんからいただいた情報にもとづいて、加筆訂正を行いました。[2001.11.18.]


やぎディスコグラフィ


●月世界旅行  Les Voyage Dans La Lune
Cassette, Hong Key HK-102  (1986年発売?)
Side A:
1. 真昼の月(I)
2. からす

Side B:
3. 西郷星
4. 真昼の月(II)
5. 月世界旅行


作詞: 松林亜弥 / 作曲: 今井雅幸

今井雅幸: 作曲、キーボード
松林亜弥: 作詞、ヴォーカル
小林恵美: キーボード
佐々木拡: ギター、マンドリン
チャーリー高橋: リコーダー、フルート
今井美奈子: ヴォーカル
帯野郁乃: ヴォーカル
野村武史: ドラムス

エンジニア: TOMY BROTHERS
 
タイトルは、「つきせかいりょこう」と読みます。

あがた森魚ファンクラブ会報『菫外國』第2号(1986年12月発行)に、あがた氏のもとに届いた「漂着物」として紹介されているのを見たのが、「やぎ」の名を見た最初でした。いま読み返してみたら、札幌のバンドから届いた、と書いてあるだけなのに記憶に残ったのは、山田勇男氏の手になるカバーデザインとレタリングが印象的だったからかもしれません。「月まで 歩いて行けば 百年かかる 走って行っても 途中で転んで 百年かかる」というタイトル曲の一節が、カセットの表紙に引用されています。(あがた氏とは、この頃の札幌でのライヴで、共演されているようです。)

それからしばらくして、山田勇男作品上映会で販売されていたこのカセットを友人が購入し、聞かせてくれました。夕暮れ時の色の濃い、やわらかな音楽でした。アコースティックで繊細な音色や、民俗音楽的なリズムとコーラスは、マイク・オールドフィールドのアルバム『呪文』を思わせます。
一回で、とても気に入りました。
せつない、あたたかい音だけど、どこか鉱物的な、何百年も前からそうしてあるようにも聞こえます。

山田勇男作品の上映会があると、このカセットが販売されていないものかと行ってみましたが(本末転倒で申し訳ない)、それ以降はめぐりあえずじまい。A面の最後に、「針をあげるような音がする!」などと言って、オリジナルはレコードなのではないかと妄想したりしたものでしたが、どうやら、カセットのみの発表だったようです。

なお、アマチュアの録音を積極的に紹介していたNHK-FMの坂本龍一氏の番組「サウンドストリート」の1985年12月17日放送分(札幌での公開録音)で、「真昼の月(II)」が紹介されたようです。
※放送日は、Webサイト「1983アルコ堂EX」で確認しました。



●イル・ネージュ  iL NEiGE
LP, Vivid Sound/Jala Jala JL-002  (1989年10月15日発売)
0. 弥勒(6月の夜の都会の空)

Side A:
1. 没落遊園地(夢の果てまで連れていって)
2. 思想戦争(Seesaw Game / She saw GAME)
3. 収穫祭

Side B:
4. 月世界旅行
5. 真昼の月 part 3
6. IL NEIGE
7. 百合COLLECTION


作詞: 松林亜弥 / 作曲: 今井雅幸
(「百合COLLECTION」は、作詞・作曲: 雪山A児=あがた森魚)

今井雅幸: キーボード、S. サックス、A. ギター、コーラス
松林亜弥: ボーカル、ナレーション、すず
チャーリー高橋: リコーダー、フルート、T. サックス
佐々木拡: E. ギター、A. ギター、ハモニカ、コーラス
服部卓: ベースギター
田中啓滋: E. ギター
杉沢達也: ドラムス

小林恵美: ピアノ(on 没落遊園地)
田中圭右: E. ギター(on 百合COLLECTION)、A. ギター(月世界旅行)
藤森かつお:: ハモニカ(on 百合COLLECTION)
浅川みか: ボーカル(on 月世界旅行)
今井美奈子: コーラス
帯野郁乃: ボーカル(on 収穫祭)
笠原まこと: コーラス
金子智美: コーラス
小林加奈: ボーカル(on 収穫祭)、コーラス
平山おりえ: コーラス
本間小夜子: コーラス
まひる: ボーカル(on 月世界旅行)
雪山走郎(あがた森魚): コーラス
湯沢深雪: コーラス


プロデューサー: あがた森魚
ディレクター: 広川孝(VIVID SOUND)
レコーディング: 富井昭次(JOE DOWN STUDIO)
ミックス: 藤井暁

イラストレーション: 太田蛍一
デザイン: 本宮香
 
札幌・JOE DOWN STUDIOでレコーディングされたマスターテープをもとに、東京で追加録音とミックスを行って完成されたデビューアルバム。1988年暮れにはほぼ完成していたらしい。
前作の「月世界旅行」のリメイク、「真昼の月」の続編が含まれています。「百合COLLECTION」は、A児こと、あがた森魚氏率いるヴァージンVSが1983年に制作したアルバム『羊ヶ丘デパートメントストア』(発売は1987年)収録曲のカバーです。また、「弥勒(6月の夜の都会の空)」は、詞のみが、歌詞カードに掲載されています。

アコースティックなサックスやドラムなどの余韻がカットされ、その結果、硬質なテクノポップに似た感触でコーティングされた、疾走感あふれる作品になっています。
リコーダーやフルートのほのぼのとした響きは、前作と同じですが、そこに絡んでくるエレクトリックギターが思いの外ブルージーなのが面白い。
発売当時はすでにCDが基本フォーマットになりつつありましたが、このアルバムは、アナログ盤のみの発売でした。このことには、あがた森魚氏の意向がはたらいていたとか。

なお、アルバム発売前に北海道のFM放送でかかった「収穫祭」と「イル・ネージュ」は、アルバム収録のものとはバージョンがちがうらしいので、エアチェックされている方は貴重です。

ちなみに、レーベル名は、「ハラ・ハラ」と読みます。元はちみつぱいの和田博巳氏がコーディネイトしていたレーベルだそうで、第一弾(JL-001)は、和田氏のプロデュースによるオリジナル・ラブのデビューアルバム(1988年6月発売)でした。これも、当時はアナログ盤のみだったと記憶しています。さらに3枚目 (JC-003) は、やぎと同じ札幌で活動していたバンド「みかんむくっ」の三橋美香子さんのソロアルバム『Grace』(1990年発売)で、やはり、和田氏のプロデュースによるものでした。やぎとみかんむくっは、対バンしたこともあるそうです。



●プール  POOL
CD, Vivid Sound/Jala Jala JC-004 (1992年発売)
1. COMPUTER LOVE
2. プール
3. てんしのたまご
4. たまごのてんし
5. 弥勒 #1
6. 乗物百科
7. MONSTER LOVE
8. 弥勒 #2
9. マリリン・モンローの生まれた日
10. 没落遊園地
11. 弥勒 #3


作詞: 松林亜弥 / 作曲: 今井雅幸

今井雅幸: synthesizers、programming
松林亜弥: vocal
浜田康史: bateria
二宮純一: guitar、mandolin
矢野伸行: bass
藤木弘史: piano、trombone

VIVID GANG(早川ゆきえ、早川ともえ、長野めいこ、長野しんたろう、安田まさのぶ): chorus
表 繁美: saxophone


プロデューサー: 今井雅幸
ディレクター: 広川孝(VIVID SOUND)
エンジニア: 松鶴秀一(VIVID SOUND)

録音、ミックス: VIVID SOUND STUDIO、1991年10月〜1992年1月


カバーアート: 松林亜弥
ブックレットカバーアート: 今井雅幸
アートディレクション: 末永靖子
 
山口百恵の「横須賀ストーリー」を思わせるイントロや沢田研二の「危険なふたり」みたいなブレイクが飛び出す軽快なサウンドの1曲目、「COMPUTER LOVE」が、アルバムの姿を予告しています。「ピコピコじゃないテクノポップ」的なアルバム。
メンバーは、今井氏、松林氏を残して、一新され、シンプルに。演奏も、シンプルなものに。これまでの特徴であった演劇的なコーラスもほとんど聞かれず、松林さんのソロヴォーカルを際立たせたものになっています(コーラスは、「MONSTER LOVE」で聞けますが、歌っている VIVID GANG は、合唱団経験のない身近にいた子供たちだそうです)。ロシア民謡を思わせるメロディをのぞけば、民俗音楽的な部分はおさえられ、楽しいポップに徹した演奏がなされています。「乗物百科」というタイトルや「サブマリン」そっくりなイントロの「てんしのたまご」など、ヴァージンVSのパロディのようなところも。

「没落遊園地」は、前作の1曲目に収められていた作品のリメイクですが、ブックレットには歌詞が掲載されておらず、ボーナストラック的な扱いなのかもしれません。でも、「マリリン・モンローの生まれた日」の最後に、前作の「収穫祭」が出てきたり、前作では詞のみが歌詞カードに掲載されていた「弥勒」が収録されていることを考え合わせると、環を閉じるために置かれているような気もします。
「弥勒」は、短く3つに分けて幕間的に挿入されているインストゥルメンタルですが、もともとは、前作の歌詞カードに掲載されていた詞が朗読される長い曲なのだそうです。朗読は、最後の「弥勒 #3」でわずかに聞くことができます。
「記録せよ レンズ 記憶せよ フィルム」。

ドラムの浜田康史氏は、元VOICE、元パール兄弟、元ヴァリエテですが、この時期、遠藤賢司バンドやあがた森魚バンドにも参加しており、今井氏とは、あがた森魚バンドでご一緒されていたように記憶しています。
ピアノ、トロンボーンの藤木弘史氏は、野田努氏がいたバンド「マッチ売りの少年」のメンバーだったミュージシャンで、山田勇男監督の映画『ロング・グッドバイ』の音楽を今井氏とともに担当したり、2000年のやぎ復活ライヴに参加するなど、現在も交流が続いているようです。現在さかなで活動している鈴木POP氏とのユニット、シナプスでも活動されているとのこと。


 


やぎメンバー参加作品


 


●シーサーズ/桑木の下でーびる
CD, 満月レコード  MR1001 (1996年2月11日発売)
1. 桑木の下でーびる
2. 花の風車
3. 米挽き唄
4. 雨乞い唄
5. 夜明け前に
6. 童謡メドレー(三良まーらー〜三良叔父〜じんじん〜山原船〜あっとーめ)
7. かえる
8. 沖永良部の子守唄
9. といちんさ
10. 鳥刺舞
11. シーサーズのテーマ


持田明美: 唄、三線
宇野世志恵: 唄、三線、太鼓

服部夏樹: エレキギター
大熊亘: クラリネット
木村真哉: サックス・ドラムス
関島岳郎: チューバ
今井雅幸: マンドリン

 
今井雅幸氏は、シーサーズ・デラックスのメンバーとして、ライヴにも参加していた模様。



●地下幻燈劇画「少女椿」名曲集
CD single, 霧生館 R-9930277 (1999年発売)
1. 紅い下着
2. 迷い子のリボン
3. 少女椿のテーマ (Instrumental)
4. 紅い下着 (伴奏のみ)


作詞: 丸尾末広 / 作曲: JAシーザー

ジーコ内山: うた (on 紅い下着)
松林亜弥: うた (on 迷い子のリボン)

明け乃荒月
唐沢敏之: トランペット
瀬川健一: トロンボーン
伊藤文隆: ギター
舟橋 陽: ソプラノサックス
東 武志: キーボード
穐田浩一: 大太鼓
山田たくみ: 小太鼓


プロデュース: 原田 浩
霧生館大道具美術倉庫(1、4)、下北沢某劇場畳部屋(2)、NAKANO STUDIO MUSEUM(3)にて録音
 
丸尾末広漫画作品をアニメ化した1992年作品『少女椿』を再上映するにあたり、使用曲を新録したもの。
松林さんは、オリジナルの映画版では歌っていませんが、新録バージョンに、ヴォーカリストとして起用されたとのこと。

このCDの関連で、下北沢スズナリ劇場での上映期間中(2000年1月と2月)に、“テクノ童謡バンド「やぎ」復活ライヴ”が行われたそうです。



●SACRA/ついのすみか
CD, Sony SRCL-2131 (1991年9月1日発売)
1. 南冥行/蘭の舟/ケシの花
2. ナーダムがやってきた
3. 馬車夫の恋/お姫さま/ふらり/春来ませり
4. ガブリエルのラッパ
5. チベットワルツ
6. 夢の秘密
7. 雲南の風
8. 基隆で
9. さくらさくら
10. トラジ
12. わーい



小畑香: Vocal
高橋裕: Guitar
小松崎健: Hammer Dulcimer
 
「チャーリー高橋」こと、高橋裕さんのユニット。この後、メンバーチェンジがあり、ヴォーカルが小山市子さん(現こやまあきこさん)になります。
現在は、ソロやおちあいさとこさんら、さまざまなユニットを組んで活動されています。こやまさんとも、「yugaapuamii」という名のユニットを組んでいたことがあります。

●yugaapuamii/yugaapuamii
CD-R, こやまあきこ事務所 (2001年12月14日発売)
1. 水
2. 夜の海
3. 巡礼
4. ここに幸あり
5. ケンチャナヨ



こやまあきこ: Vocal
高橋裕: Guitar, Vocal
 
「sacra」として活動していた、こやまあきこさんと高橋裕さんのデュオが、休止期間をへて、「yugaapuamii」として復活しました。公式サイトによれば、ユニット名の「yugaapuamii」は、沖縄の今帰仁方言で「慈雨」のことで、「世果報雨」と書いて、"ゆがぁぷぁみい"と発音する、そうです。
この5曲入りのEPは、大津美子の歌唱で知られる映画『ここに幸あり』(番匠義彰監督、1956年)の主題歌「ここに幸あり」をのぞき、全曲、高橋裕さんの作詞・作曲によるもの。sacraのライヴでも演奏されていた作品のようです。
高橋裕さんのアコースティックギターを伴奏に、こやまあきこさんの端正で、冷たい水の流れのような、すーっとした歌が聞けます。ボサノヴァを、日本的な文脈に置き直したような感触があります。

 
 


映画音楽、映像音楽

やぎは、活動の初期から、同じ北海道の映像作家、山田勇男さんの作品で音楽を担当しています。

この部分を作成するにあたり、次のものを資料として参考にしました。
・「山田勇男全貌映画上映会 IN 京都(1978年〜現在)」(京都・四条大宮「スペース・ベンゲット」)チラシ (1994年7月)
・「YAMAVICA★KALEIDOSCOPE 星は北にたんだく夜」パンフレット (2001年10月6日) 制作:ファンタスムス
・「ムエン通信」Webページ http://www.ne.jp/asahi/muen/press/ (上映スペース「ラ・カメラ」の上映記録)
・「日本映画データベース」Webページ http://www.jmdb.ne.jp/
 


●山田勇男監督作品
 

●青き零年 Yamavica Film (1985年/8ミリ/30分/カラー)
出演: たえ、姉、祖父母、友人
音楽: 湊谷夢吉、三上敏視、やぎ
 
ずいぶん前に見たきりなので、細かいところは記憶していません。自らカメラを持ち、撮影されたプライベート・フィルム的な作品。やぎの他に、銀河画報社の共作者・故湊谷夢吉氏、クォーテーションズの三上敏視氏が音楽を担当しています。

 

●わが解体 Yamavica Film (1986年/8ミリ/15分/カラー)
音楽: やぎ
 
自らの「影」を撮影した一連の作品のひとつ。やぎのアルバム『iL NEiGE』に収録されている「収穫祭」にうながされるように、移り変わる風景の中にたたずむ「影」を追いかけてしまいます。

 

●降誕祭 Yamavica Film (1986年/8ミリ/15分/カラー)
音楽: やぎ
 
サンフランシスコからニューヨークまでのアメリカ横断旅行の記録である『ライオンと菫』の姉妹編。東京に到着してから、実家に帰るまでのスケッチ。移り変わる風景に、やぎのまどろむような音楽と朗読が重なります。

 

●水晶 (1988年/16ミリ/12分/カラー)
原案: 石丸裕子、森雅之
出演: 石丸裕子
音楽: 今井雅幸
 
未見。
札幌の劇団「デパートメントシアター・アレフ」主催の複合メディアイベント参加作品。原案の森雅之氏は、『夜と薔薇』でデビューし、『ポケットストーリー』で人気を得た漫画家です。
[2005.12.04.追記] この映画のための音楽が、『POOL』に収録された「弥勒」のもとになっているそうです。

 

●FLAMME ─焔 Yamavica Film (1989年/8ミリ/9分/カラー)
出演: 翠あけみ
音楽: チャーリー高橋
 
未見。

 

●古風記 Yamavica Film (1994年/8ミリ/30分/カラー)
出演: 小林由起子、堤広志、葛西愛
音楽:今井雅幸(「太宰治」、「芸者のワルツ」)
 
太宰治の短篇『秋風記』を映像化した作品。言葉がすっと入ってくるように、映像と音が構成されています。

 

●アンドロギュノスの裔(ちすじ) (1995年/8ミリ/20分/カラー)
出演: 工藤瑞保
音楽: 今井雅幸
 
室内で撮影された耽美的な映像。音楽は、登場人物の気配にあわせるかのような、シンプルな音のつらなりになっています。

 

●マッチ譚 (1996年/8ミリ/80分/カラー)
出演: キミズカシゲキ、伽井丹弥、末永靖子、山田勇男
音楽: 今井雅幸
 
未見。

 

●ロング・グッドバイ (1997年/16ミリ/32分/モノクロ)
出演: 吉本裕美子、吉田風記、山田米子、山田勇男
音楽:今井雅幸、藤木弘史、勝井祐二
 
未見。
今井氏とともに音楽を担当している藤木弘史氏は、やぎのアルバム『POOL』にも参加しています。また、ヴァイオリニストとしてROVOやボンデージ・フルーツ等で活動している勝井祐二氏は、同じ北海道出身の山田勇男氏の盟友・山崎幹夫氏の映像作品で音楽を担当しています。

 
 


●吉雄孝紀監督作品
 

さんびゃくろくじゅう5日のダンス (1988年7月8日/8ミリ+16ミリ/60分/カラー)
出演: 吉留ゆかり、小林千鶴、土畠美香、石丸ひろ子
音楽: 今井雅幸

 
へのじぐち (1990年7月21日/92分/カラー)
出演: 小林千鶴、鈴井貴之、木村純一、稲野繁美、伊藤亜由美、滝沢修
音楽: 今井雅幸(やぎ)
演奏: 今井雅幸、佐々木拡(guitar)
 
毎日に退屈していた女の子が出会う、日常から少しずれた出来事を描いたドラマ。今井氏によるエンディングテーマは、ビデオでは、ステレオで収録されています。「ミスターどうでしょう」こと、鈴井貴之氏の若き日の姿が見られます。

 
食器を洗う男 (1996年3月9日/46分/カラー)
出演: 井上哲、寺西冴子、原田太志、小林千鶴、篠永千香、木村純一
音楽: 佐々木拡、今井雅幸、山田栄一
 
 
 


●一瀬晴美監督作品
 
2005年1月急逝。

 

●夢の仕立て屋(1990年/16ミリ/5分)
音楽: 今井雅幸
 

●雨ふり(1993年/16ミリ/5分)
音楽: 今井雅幸
[2005.12.04.追記] 「横浜トリエンナーレ2005」参加プログラム「リオリエンティング・アートアニメーション」にて上映された(企画:正木基+山崎幹夫)。
「横浜トリエンナーレ」公式サイトに掲載された作品解説には、次のように記されています。
「手作りのほのぼの感が持ち味の作家だが、あらためて見てみると今井雅幸(やぎ)のオリジナル音楽にきちんとシンクロさせてつくられていることに驚く。
丁寧な創作の姿勢からこの楽しさが生み出されたのだろう。」(2005年12月4日現在)。

●歩く人(1993年/16ミリ/8分)
音楽: 今井雅幸

●一枚の絵葉書(1995年/16ミリ/5分)
音楽: 今井雅幸

正木基+山崎幹夫
 


●その他
 

●すけべ温泉 お座敷裸舞 (1995年11月10日/57分/カラー)
監督: 佐々木正則
出演: 吉行由美、下元史朗、三上勝由、環、河名麻衣
音楽: 佐々木拡、佐々木佳久
 

●天使の体温 (2001年3月/カラー)
監督: 鈴木章浩
出演: 黒岩アキラ、土本ひろき、細江祐子、杉山和彦、末広あきら 他
音楽: 藤木弘史
 

【2023.01.20.】 リンク切れなど古い情報を削除しました。
【2005.12.04.】 アンソロジーCD-R『やぎ選集』、今井雅幸さんのサイトについて追記。
【2003.07.23.】 「星のシガレット〜山田勇男全映像展 2003〜」(2003年7月19日〜8月1日、神戸アートビレッジセンター)告知。
【2002.06.07.】 「ピロスマニアの部屋」での松林亜弥さんソロライヴの映像(2002年4月28日収録)公開を告知。
【2002.04.19.】 2002年4月27日〜4月29日に行われる劇団「三日月少年」公演へのゲスト出演(松林亜弥さんソロによるミニライヴ)の告知を掲載。
【2002.01.30.】 「映画音楽、映像音楽」に、藤木弘史氏担当の『天使の体温』を追加。
【2002.01.30.】 「となりの映像作家 山崎くんと山田さん/山田さんオールナイト」終了。告知を削除。
【2001.12.30.】 yugaapuamii のCD-Rを追記。「やぎ」ミニライヴ終了。
【2001.11.18.】 2001年12月29日、東京・東中野「BOX東中野」での「となりの映像作家 山崎くんと山田さん/山田さんオールナイト」イベントでの、「やぎ」ミニライヴ告知を追加。
【2001.11.18.】 松林亜弥さんからの情報にもとづいて、加筆訂正。アルバム『iL NEiGE』発売後の活動、2000年の復活、藤木弘史氏について。
【2001.11.07.】 上映会スケジュールを削除し、代わりに、やぎの簡単なプロフィールを掲載。
【2001.09.27.】 2001年10月3日、6日、7日に大阪「扇町ミュージアムスクエア」で行われた山田勇男作品上映会にあわせて、暫定版として公開。
 
 

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