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ヤング・マーブル・ジャイアンツの小さな歴史
Little History of the Young Marble Giants
【2000.04.29.】【2000.05.02.追記】

はじめにトゥルー・ウィールYMG結成"IS THE WAR OVER?"に参加デビューアルバム "COLOSSAL YOUTH"

シングル "FINAL DAY"BBCラジオに出演アメリカツアー/"LIVE AT THE HURRAH !"YMG解散シングル "TEST CARD E.P."

その後のスチュワート・モクスハムその後のアリソン・スタットンデモ録音集 "SALAD DAYS"編集盤 "NIPPED IN THE BUD"

Cardiffians: the Young Marble Giants web archive



Introduction はじめに

「その頃よく聞いていたのがヤング・マーブル・ジャイアンツというイギリスのモックスハム兄弟とアリソン・スタットン嬢という何となく奇妙な三角関係を思わせる3人のユニットのレコードで、このヘンテコな3人組のつくりだす、そのあまりにつたないちせつさと、そのあまりにゆうがな何もなさにずいぶん勇気づけられたものです。
ぴろぴろのオルガンにベースライン、安っぽいリズム・ボックス・リズムに申し訳程度のギターの音、その上のへたくそでつぶやくようなささやくようなスタットン嬢のうた。
世の中には色んな方法があって、こういうやり方でも大丈夫、O・K。ノージャンル、または千の方法。
その頃の音楽はそういうことを教えてくれました。感謝しています。」
(岡崎京子『バージン』再発に際して書かれたあとがきより)
 

この一文のために、最初に出た版を持っているのに、再発版も買ったのだった(わたしは、高校生の岡崎さんが雑誌にカットを投稿していた頃からの岡崎京子ファンだ)。
岡崎作品とヤング・マーブル・ジャイアンツなどの「その頃の音楽」を、無理に結び付ける必要はないのだけれど、「こういうやり方でも大丈夫」という感触が確かにあった。約束事をなしにして、自分なりに好きなように、作ってみることが示されていたと思う。ニューウェイヴと括られることが多かったけれど、それが「新しい」ものであるかどうかは、ほんとうはどうでもよかったのかもしれない。

このページは、クレプスキュール版CDとライヴビデオが発売された頃に、ミニコミとして出そうと作りかけたものを元にしています。何にもとづいて書いたのか忘れてしまっている部分もあるのですが、デモ録音集発掘の報を聞いて、こちらもデータを発掘してみました(それ以降、彼らにもほとんど動きがありませんでしたし)。
いまなら、海外のYMGファンサイトが見られるし、それらを見ると「謎だ」と思っていたことがあっさり解決されていたりするので、用無しなんやけどね。
年代記的な記述は、編集盤"NIPPED IN THE BUD"に添えられた "The Story So Far"と題された短いメモを基本とし、George Gimarcの "POST PUNK DIARY" で補足しました。
 


1976 イギリス、カーディフのバンド、トゥルー・ウィールに、スチュワートとフィリップのモクスハム兄弟、アリソン・スタットンが加入する。

トゥルー・ウィールは、「ぼくらは801」というキーフレーズが入っているイーノの『智取威虎山 Taking Tiger Mountain (By Strategy) 』(1974年)の収録曲にちなんだものかな。
同時期に活動し、のちにライヴで共演しているア・サートゥン・レイシオのバンド名も、この曲の歌詞から採られていました。

YMGのプロフィールには、影響を受けた音楽として、イーノの名前があげられています。ほかには、ブッカー・T・ジョーンズ、デュアン・エディ、クラフトワーク。YMGの音楽から逆算すると、わからなくないけど、素で足し算しても、YMGにはならなかったろうなと思う。

トゥルー・ウィールは、コピーバンドだったらしいけれど、やはりイーノの曲を演奏していたのだろうか。
パブバンドだったという説もあり、1974年頃、イーノのバックで演奏していたウィンキーズを連想してしまう。ウィンキーズは聞いたことがないのだけれど、ラジオで、リーナ・ラビッチの "Home" がかかったとき、「ウィンキーズがイーノと一緒にやっているやつを彷彿とさせる」とラジオで言っていたので、それを信用して、ああいうかんじかなと想像しています。

最初にスチュワートが参加し、弟のフィリィップが入り、フィリィップのガールフレンドだったアリソンがついで加入したということらしい。ところで、モクスハム、で読み方はOKなのだろうか。
 


1978 トゥルー・ウィール解散。スチュワート、ソロシングルやフィリップとのデュオシングルをリリース(未確認)。

トゥルー・ウィールが解散して、すぐにYMG結成となったわけではなく、ソロシングルを出したという。
雑誌で、そんな記事を読んだ覚えがあるのだけれど、ほかでそんな話を聞いたことはないので、半信半疑です。まさか、ジストのシングルのことを言ってたんぢゃあ・・・・。

【2001.05.02.追記】
YMG以前のスチュワートのソロシングル、スチュワート&フィリィップによるデュオシングルについて触れているのは、「フールズ・メイト」1981年4月号に掲載された関根次郎氏による "COLOSSAL YOUTH" 日本盤レビューでした。


1978.11 モクスハム兄弟とアリソンの3人で、ヤング・マーブル・ジャイアンツ結成。グループ名は、ギリシャ彫刻にちなんだもの。

ギリシャ遺跡の彫刻につけられた美術書の解説にちなんで、「若き大理石の巨人」。彫刻につけられたタイトルが "colossal statue of youth"(若者の巨像)で、アルバムタイトルの元になっている。
この彫刻の写真と解説は、のちにシングル盤 "FINAL DAY" のジャケットに掲載されています(アルバムのCDにも転載)。

1979.10.12 カーディフのコーヒー・バー「グラス・ルーツ」出演バンドを集めたオムニバスアルバム"IS THE WAR OVER?"に参加。

 


「グラス・ルーツ」の出演バンドのひとつ、レプタイル・ランチがオムニバスアルバムを企画し、YMGの演奏も2曲収録されることになった。録音はすべて、ライヴ録音だったという。
他に収録されている7つのバンドも「グラス・ルーツ」の出演バンドだったとのこと。

レプタイル・ランチは、のちにアリソン・スタットンとウィークエンドを組むスパイク・レプタイルのバンド。アルバム "IS THE WAR OVER?" は、レプタイル・ランチが運営するZブロック・レコードから発売された。デスペレイト・バイシクルズのD.I.Y.的なやりかたに影響されたらしい。
(そう言えば、同じウェールズ出身のスクリッティ・ポリッティも、デスペレイト・バイシクルズの影響を受けていたらしい。どんなバンドだったのだろう。資料によれば、1977年3月に結成され、4枚のシングルと1枚のアルバムを自分たちのレーベルから出している。)

2曲のうち、アルバムに採用されなかった"Ode To Booker T." は、クレプスキュール盤CDにボーナストラックとして収められている。もうひとつの "Searching For Mr.Right" は、アルバムに収められているため、割愛されているけれど、録音がちがうのなら、入れておいて欲しかったな。
 


1980.03.17 デビューアルバム  "COLOSSAL YOUTH" を、ラフトレードから発売。

"COLOSSAL YOUTH"
(Rough Trade ROUGH8)

Side A:
1. Searching For Mr.Right
2. Include Me Out
3. The Taxi
4. Eating Noddemix
5. Constantly Changing
6. N.I.T.A.
7. Colossal Youth

Side B:
8. Music For Evenings
9. The Man Amplifier
10. Choci Loni
11. Wurlitzer Jukebox !
12. Salad Days
13. Credit In The Straight World
14. Brand - New - Life
15. Wind In The Rigging

【再発CD】
1. 1980年 ラフ・トレードから発売
"TEST CARD E.P."の6曲を収録。タイトル曲のみ歌詞を掲載。
2. 1994年 クレプスキュールから発売
現在も店頭で見かけます。
"TEST CARD E.P."の6曲、"FINAL DAY"から3曲、"IS THE WAR OVER?"から1曲を追加。
「ボーナストラック4曲収録」としているのは、ラフ・トレード盤CDと比較しているため。
全曲の歌詞を掲載。
 

【この時期のライヴ】
February 14, 1980
London, Deptford Albany Empire (w/ The Raincoats, Necessary Girl, Stepping Talk)
February 23, 1980
London, Moonlight Club (w/ The Raincoats)
 


"IS THE WAR OVER?" を耳にしたラフ・トレードから、レコード制作がもちかけれたとき、YMGの面々は「なんで私らが」というとまどいがあったらしい。レーベルのカラーに合っていないように思われたからです。

1976年2月に設立されたラフ・トレードは、この頃には、大きくはないけれど明確なポリシーを持った独立レーベルとして、リスナーに信頼されていたと思う。
その頃の「ラフ・トレード・サウンド」は、型にはまっていないフリーキーなポスト・パンクが多かった。例をあげようとすると、好きなバンドばかりなのでキリがないけれど、キャバレー・ヴォルテールやポップ・グループを出していたから、過激なイメージがあったのかもしれない。

そんなに違和感がないように思えるのは、わたしがその頃の「ラフ・トレード・サウンド」のファンだからかもしれないけれど、アルバム発売に合わせて行われたライヴで共演したレインコーツなどにあった柔らかな雰囲気は、YMGに近しいものだったと思います。

録音は、ウェールズのフォーエルスタジオ。5日間で完了したらしい。YMGと共同でプロデュースしているデイヴ・アンダーソンは、フォーエル・スタジオのひとです。ヒア&ナウの "GIVE AND TAKE" もここの録音で、やはりアンダーソンさんのプロデュースなので、たぶんそうなんだろうなと思っていました(同スタジオのWebページで確認しました)。

耳にしたのは、FM大阪で夕方やってた「ミュージック・ネットワーク」での"N.I.T.A" が最初かな。スージー・アンド・バンシーズの "Christine" に続けて流れたように記憶している。夕方によく似合っていた。好きな音を聞いたときはいつものことだけど、「これこそ、聞きたかった音だ」と思った。選曲は、出演していた桑原茂一氏。

日本盤は、1年後、ジャパン・レコードによるラフ・トレード第1回配給の1枚として出ました。その頃には、イギリス盤を持っていたのだけど、日本盤には歌詞がついていて、よっぽど買い直そうかと思った。
それ以降、いろんなとこがラフ・トレードと配給契約を結んでいるけど、日本盤は出たことがない。最も有名なラフ・トレード作品のひとつなんやけどね。

衝撃的だった要素のひとつ、ドラム・マシンには、「ニクソン」て名前がついていた。いま入手可能なクレプスキュールからの再発盤では、この表記は削除されています。
"Include Me Out"でスライドを弾いてるデイヴ・ディアーナリィ氏(のちにジストにも参加)の存在が謎だったのだけど、YMGファンサイト "CARFIDIANS" によれば、 "IS THE WAR OVER?"に収録されているバンドのひとつ、ビーバーのひとなのだそうです。
 


1980.06.07 シングル "FINAL DAY" を発売。スチュワートは、この頃から、自身のユニット、ジストとしても活動を開始する。

"FINAL DAY"
(Rough Trade RT043)

Side A:
1. Final Day
2. Radio Silents

Side B:
3. Cakewalking
4. Colossal Youth (demo)

【収録アルバム、CD】
1. "NIPPED IN THE BUD" 1983年 ラフ・トレードから発売
"Final Day"、"Radio Silents"、"Cakewalking"の3曲を収録。CD化されていません。
2. "COLOSSAL YOUTH" CD 1994年 クレプスキュールから発売
"Final Day"、"Radio Silents"、"Cakewalking"の3曲を収録。歌詞付き。

【この時期のライヴ】
May 23, 1980
London, Nashville (w/ Essential Logic)
June 10, 1980
London, Rock Garden
June 15, 1980
London, Lyceum (w/ Toyah, Au Pairs, A Certain Ratio)
June 19, 1980
London, Rock Garden (w/ The Combo)
July 18, 1980
London, Moonlight Club (w/ TV Personalities, Furious Pig)
 


このシングルが、結局、3人で作った最後のレコードになった。この時点では、最後になることを意識していなかったようだけど、同時期に、スチュワート・モクスハムがYMGではできないレパートリーを自分で歌うために、併行してジストを始めていることを思うと、因縁を感じさせるタイトルである。
(ギャラクシー500がこの曲をカバーしていますが、その時が、結果的に、彼らの最後のセッションになったらしい。でも、やはりこの曲をカバーしているスピード・ザ・プルーは、その後も活動を続けているので、"FINAL DAY" 伝説はあくまでも迷信です。安心して、カバーしましょう。)

当時はラジオでかかった "Cakewalking" しか聞けなかったのだけど、のちにYMG関係のアルバム未収録曲を集めたアルバム "NIPPED IN THE BUD" に3曲が収録されて、初めて聞くことができた。現在は、クレプスキュールからの"COLOSSAL YOUTH"再発CDにも収録されている。

【2001.05.02.変更】
そんなわけで無理してシングルを買わなくてもいいと安心していたら、英国レコード・コレクター誌のプライスガイドに、表記されていない曲がひとつ入っているとあった。
なんだろう、聞いてみたら、よぉわからんノイズもんだったり、喋ってるだけだったりすることも多いしなぁ、と悶悶とさせられたのだけど、先にも触れたYMGファンサイト "CARDIFFIANS" で判明したけれど、によれば、デモ録音集 "SALAD DAYS" にも収録されていない "Colossal Youth" のデモ録音だという。やっぱりシングルを手に入れるしかないと探していて、やっと手が届く盤を見つけた。
聞いてみると、音の悪いデモが、ブツッと始まり、ブツッと終わる。ヴォーカルは音が割れてしまっている。これでは、CDに収録されなかったのも無理はない。でも、オルガンの演奏はいいかんじ。やっぱり、隠しトラックとして入れておいてもよかったような気がする。


1980.08.26 BBCのラジオ番組に出演。
録音は、8月18日。のちに、CDが発売された。

"THE PEEL SESSIONS 1980"
(WMD/Strange Fruit WMD 672025)
Released 1991

1. Posed By Models
2. Searching For Mr.Right
3. N.I.T.A.
4. Brand - New - Life
5. Final Day

【収録アルバム】
1. "THE PEEL SESSIONS: THE SAMPLER" 1988年
"Final Day"を収録。

【この時期のライヴ】
August 1, 1980
London, Clarendon Hotel (w/ This Heat, Furious Pig)
September 10, 1980
Edinburgh, Nite Club (w/ Thompson Twins, Local Heroes)
September 17, 1980
London, Rock Garden (w/ TV21)
October 3, 1980
London, N London Poly (w/ Liliput, Essential Logic)
 


ケン・ガードナーの『IN SESSION TONIGHT』で調べてみたけれど、意外なことに、YMGは、BBCのラジオ番組に、この一回だけしか出ていない。ジョン・ピールが好きそうなかんじがするのだけど。

選曲が、ベスト盤と言うか、コンパクトなサンプル盤みたいでおもしろい。
アルバムから3曲、シングルから1曲、約半年後に発売されるシングルから1曲。
1988年のピール・セッションのサンプラーアルバムに1曲だけ入っていて、よろこんで買ったら、盤のラベルから彼らの名前が抜けていて焦った。ちゃんと入っていましたが。
そのアルバムの添付パンフレットに、完全版の発売が予告されていましたが、発売されるまで、3年待たされました。

この時点で、"TEST CARD E.P." に入るインスト曲をやってるのを意外に思った。てっきり、アリソンさんがいなくなってから作った曲だと思っていたから。デモ録音集 "SALAD DAYS" にも、"TEST CARD E.P." 収録曲は入っているし、そういうものではなかったようです。


1980.10/11 アメリカ・ツアーを行う。のちに、このツアーでの演奏を収録したビデオ "LIVE AT THE HURRAH !" が発売された。

"LIVE AT THE HURRAH !"
(Visionary Communications JE265)
Released 1994

November 21, 1980:
1. N.I.T.A.
2. Choci Loni
3. Radio Silents
4. Colossal Youth
5. Credit In The Straight World
6. Brand - New - Life
7. Include Me Out
8. Wurlitzer Jukebox !
9. Salad Days
10. Final Day
November 22, 1980:
11. Music For Evenings
12. Searching For Mr.Right
13. Cakewalking
14. Credit In The Straight World
15. Final Day

【その他の映像】
1. "UNDERGROUND FORCES 2" (Target Video)
"Include Me Out" を収録。
このオムニバスビデオは、1983年に発表されたものらしい。

 


このアメリカでのライヴから帰国して、疲れのためか、アリソンさんが倒れてしまい、翌年の早々にYMGは解散することになる。
ビデオに収められているニューヨークのクラブ、ハラー!でのライヴは、YMGの最後の演奏でもあるらしい。家庭用ビデオカメラで撮影したような映像だけど、残してくれたことに感謝したいと思います。

初めてこのビデオを見たとき、スチュワート氏は無愛想だし、アリソンさんは目を潤ませている(ように見える)ので、彼ら自身、これが最後だとわかっていたのではないかと思った。見直してみると、「ありがとう」と話すアリソンさんの表情は暗くないので、単なる思い込みなのですが。

YMGの演奏を収めたビデオがもう一本あります。"UNDERGROUND FORCES 2" と題された、収録日も場所もわからない、あやしいオムニバスビデオです。
手に入れたのは、"LIVE AT THE HURRAH!" よりも前だったように記憶しているのだけど、さていつだったか。
 
 
 
 
 
 
 
 

 


1981.01.13 ヤング・マーブル・ジャイアンツ解散。スチュワートは、ジストとして活動を続ける。
アメリカ・ツアー後に体調を崩したアリソンは、しばらく休養することになった。


1981.03.18 6曲入りのEP "TEST CARD E.P." を、ヤング・マーブル・ジャイアンツ名義で発売。

"TEST CARD E.P."
(Rough Trade RT059)

1. This Way
2. Posed By Models
3. Clock
4. Clicktalk
5. Zebra Trucks
6. Sporting Life

【収録アルバム、CD】
1. "NIPPED IN THE BUD" 1983年 ラフ・トレードから発売
2. "COLOSSAL YOUTH" CD 1994年 クレプスキュールから発売
 


インストゥルメンタル集。テレビのテストパターンの背景にかかってるような音楽ということで、カバーデザインも、テストパターンをあしらったものだった。
この中から数曲をラジオで聞いたとき、まだYMGが解散したことを知らなかった。アリソンさんの声は聞こえないし、気の抜けたようなインストゥルメンタルばかりなので、番外編だと思っていた。

YMGの解散を知ると、今度は、"TEST CARD E.P." がYMG名義で出ていることが不思議に思えてきた。この頃のラフ・トレードは、ノルマを課すような契約ではなかったので、別にジスト名義で出してもいいのではないか、と。
でも、ピール・セッション盤に "Posed By Models" が入っていたり、デモ録音集 "SALAD DAYS" に "Zebra Trucks" が入っていることから、もともとYMGで演奏していた曲だったということがわかって、ちょっと安堵しています。
 
 

 


S. Moxham スチュワートは、1980年〜1983年、フィリィプ・モクスハムらと共に、ザ・ジストとして活動。
1992年、ソロアルバムを発表し、ソロ活動を開始

The Gist:
THIS IS LOVE single (Rough Trade RT058), 1980
C81 cassette(NME), 1981, (incl. "Greener Grass")
LOVE AT FIRST SIGHT single (Rough Trade RT085), 1981
EMBRACE THE HERD lp (Rough Trade ROUGH 25), 1983
FOOL FOR A VALENTINE single (Rough Trade RT125), 1983

Stuart Moxham:
SIGNAL PATH lp (Feel Good All Over FGAD 15), 1992 
RANDOM RULES lp (Peak Records PEAK 1), 1993 
CARS IN THE GRASS lp (Vinyl Japan ASKCD 35), 1995 
FINE TUNING lp (Feel Good All Over F7003), 1995
 


YMGが解散を発表する前月の1980年12月に、ジストとしての初めてのシングル、"This Is Love" が出ている。
このシングルは、1981年1月に、"COLOSSAL YOUTH" の日本盤と同時に発売されたサンプラー的なオムニバスアルバム "CLEAR CUT" に収められているけれど、その解説では解散については触れられていない。まだ伝わっていなかったのだろう。わたしも、スチュワート氏がヴォーカルをとる別ユニットだと思い、YMG解散など想像もしなかった。

ジストは、シングル3枚とアルバム1枚を出して、活動を停止。アルバムには、アリソン・スタットンや、ウィークエンドのカバーイラストをてがけているウェンディ・スミスがゲスト参加している。ウィークエンドとの競作 "Carnival Headache" も聞きもの(両バージョンとも、フィリィップ・モクスハムが参加)。
また、アルバムは、CD化もされず、長らく廃盤状態になっていましたが、去年ようやく、ライコディスクUKからCDが出ました。
2曲の未発表曲、アルバムにも収録されているシングル曲のデモバージョン、そのシングルのB面がボーナストラックとして追加されているのだけど、2枚のシングルとオムニバスカセット収録の1曲がまだ残っている。なんとか出てほしいと思います。

ジストとしての活動を停止した後、長い間、消息が不明でしたが、1992年にソロアルバム "SIGNAL PATH" を発表して、カムバックしました。
このアルバムが発売された頃に、YMGの再結成ライヴが日本で企画されたけれど、結局、実現しなかった(代わりに、スタットン&スパイクが来日した)。
その後は、フィリィップ・モクスハムやルイ・フィリィップらとともにマイペースでアルバムを発表していますが、わたしは、とくに、"CARS IN THE GRASS" が気に入っています。

いまのところの最新作 "FINE TUNING" は、出版社に楽曲を管理してもらうためのデモ録音が元になっているようですが、それまでの作品をアコースティックギターの弾き語りでリメイクした、モクスハム版「アンプラグド」になっています。
 


A. Statton 1981年〜1983年、ウィークエンドで、ヴォーカルとベースとして活動。
ウィークエンド解散後は、イアン・ディヴァイン(1988年〜1990年)や元ウィークエンドのスパイク(1993年〜)とのデュオで活動。

Weekend:
THE VIEW FROM HER ROOM single (Rough Trade RT097)
PAST MEETS PRESENT single (Rough Trade RT107), 1982
DRUMBEAT FOR BABY single (Rough Trade RT116), 1982
LA VARIETE lp (Rough Trade ROUGH 39), 1982
LIVE AT RONNIE SCOTTS ep (Rough Trade RTM139), 1983
THE '81 DEMOS ep (Vinyl Japan TASKCD47), 1995

Divine And Statton:
THE PRINCE OF WALES lp (Disques du Crepescule), 1988
BIZARRE LOVE TRIANGLE ep (Disques du Crepescule), 1988
HIDEAWAY single (Disques du Crepescule), 1990
CARDIFFIANS lp (Disques du Crepescule TWI906-2), 1990

Alison Statton & Spike:
WEEKEND IN WALES ep (Vinyl Japan TASKCD19), 1993
TIDAL BLUES lp (Vinyl Japan ASKCD37), 1994
MAPLE SNOW: LIVE IN JAPAN lp (Vinyl Japan 59), 1995
THE SHADY TREE lp (Vinyl Japan 69), 1997
 


病から回復したアリソン・スタットンは、YMG時代のように、ただ歌うだけではなく、演奏に参加することを希望した。
ベースを学んだアリソンさんは、旧知のスパイク、ジャズ志向のギタリスト、サイモン・ブースとともに、ジャズ/ボサノヴァスタイルの新しいバンド、ウィークエンドを結成する。3枚のシングルと、1枚のアルバム、キース・ティペットをゲストに迎えたミニライヴアルバムを発表しています。
アルバム "LA VARIETE" は、早くにCD化されていたけれど、ボーナストラックにシングル曲を追加しているものと、ミニライヴアルバムを追加しているものの2種類があり、どちらも決定打にかけるので、結局、手に入れずじまいです。
その後、1981年に録音されたデモ録音集が出ました。

1988年、イアン・ディヴァインとデュオを結成し、クレプスキュールからデビューするのだけど、あまり良いとは思わなかった。ディヴァイン氏の作る曲に、ピンとくるものがなかったのだ。でも、セカンドアルバム "CARDIFFIANS" には、好きな曲もあります。カバーデザインは、カーディフの名所を写した絵葉書をコラージュしたもの。友人がイギリス旅行したときに、カーディフからハガキをくれたことがあって、そこには、ちゃんとアルバムカバーと同じ建物がありました。ミーハーな話だけれど、こういうのは、とてもうれしい。

ディヴァインとのデュオを解消したあと、再び、スパイク氏と組む。デビューレコードのタイトルが、"WEEKEND IN WALES"。ウィークエンド、アゲイン!です。
1994年には来日してライヴを行い、その模様は、翌年、ライヴアルバムとして発表されました。
いまのところの最新作、"THE SHADY TREE" はテクノっぽい音を導入するなど新しい試みがなされています(なぜだか、"MAPLE SNOW" がオマケで付いていました。既に持っていたので、友人にあげましたが、なんだか情けなくなってしまった)。

 


Postscript サラダの日々

"SALAD DAYS"
(Vinyl Japan  ASKCD113), 2000

1. Have Your Toupee Ready
2. N.I.T.A.
3. Brand - New - Life
4. Zebra Trucks
5. Choci Loni
6. Wind In The Rigging
7. The Man Shares His Meal With His Beast
8. The Taxi
9. Constantly Changing
10. Music For Evenings
11. Credit in the Straight World
12. Eating Noddemix
13. Radio Silents
14. Hayman
15. Loop The Loop
 


デモ録音集 "SALAD DAYS" が発売されました。
入手したばかりなので、簡単にメモだけ。

YMGファンサイト "CARFIDIANS" によれば、この1979年録音のデモは、当時、カセットテープで販売されていたらしい。今回のCDは、そこから "Wurlitzer Jukebox !" と "Colossal Youth" を割愛し、"Loop The Loop" を新たに追加しています。
15曲のうち、"COLOSSAL YOUTH" に収められたものが9曲、シングルで発表されたものが2曲、残り4曲が今回初めて正式に発売されたものになります。
未発売曲のうち、アリソンさんのヴォーカルが聞けるのは "Loop The Loop" のみ。あとの3曲は、インストゥルメンタルです。
 

 


The End Of Affair 蛇足的に

"NIPPED IN THE BUD"
(Rough Trade ROUGH 57), 1983

Young Marble Giants:
1. Final Day
2. Radio Silents
3. Cakewalking
4. This Way
5. Posed By Models
6. Clock
7. Clicktalk
8. Zebra Trucks
9. Sporting Life
The Gist:
10. Greener Grass
11. This Is Love
12. Love At First Sight
Weekend:
13. The View From Her Room
14. Leaves Of Spring
15. Midnight Slow
16. Past Meets Present
17. Drumbeat For Baby
18. Sleepy Theory
 


この編集盤 "NIPPED IN THE BUD" は、YMGとその分派のシングルやオムニバスカセット提供曲を集めただけなのだけど、1983年の発売当時、シングルを買えなかったわたしには、とてもありがたいアルバムでした。
YMGのシングル曲は、クレプスキュール版CDに収録されましたが、ジストの "Greener Grass" などがこれからも聞けるように、拡張版のCDを切望しています。

ちなみに、日本盤には、『早春』というタイトルが付けられていました。イェジー・スコリモフスキー監督の映画をちらっと連想することも含めて、彼らのその時期の作品にぴったりの言葉だと思います。
 



YMGファンサイトは、"SALAD DAYS" のブックレットでも紹介されていますが、アクセスしてみると、もう引っ越していました。
新しいURLを紹介しておきます。

Cardiffians: the Young Marble Giants web archive
http://appelstein.com/ymg/
 

【2001.05.02.】
・シングル "FINAL DAY" 入手にともない、シークレットトラックの "Colossal Youth" デモバージョンについて追記。
・YMG以前のシングルという未確認情報について触れた雑誌記事を追記。
 
 

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