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2025年8月3日〜2025年8月9日


8月3日(日) 【▼ぐりぐらメモ/2025年8月3日】
 引き続き、一日一回15分の母との面会を軸にして過ごす日々。リハビリを兼ねて、車椅子に座った状態で面会することもあり、復帰レベルをどこに設定するかというような話が出始めていた、のだけど、木曜日に訪ねたら、病院の事情で、金曜日から面会できないことになってしまった。3年前の新型コロナウイルス院内感染の発生で退院が大幅に遅れたことが頭をよぎる。あの頃はまだ母は携帯電話のメールを読むことができたし、許可を得て、電話してきたこともあった。会わないでいると、ぼんやりが進んでしまうのではないか、とも思う。
 面会の再開は病院ウェブサイトで知らせるということなのだけど、現時点で面会制限のお知らせも出ていないし、状況の把握は、とりあえず現地に行ってみるしかないか、と思っている。3年前は、携帯電話のメールに加えて、新聞を作って、荷物のやりとりに添えて渡していたのだけど、また作ってみようかとも考えている。

 という訳で、金、土、日と、用事がない三日間。金曜日は、午前中、体温越えの気温が続いている中、郵便受けにアナログ盤を長時間置きっぱなしにするのは怖いと、cornets + yumbo「ながれる / とかげ」の到着を待ち構えていたのだけど、昼食後、郵便受けを覗いたら、届いていた。配達にまったく気が付いていなかった。とほほ。午後からは、半年ぶりに散髪。まだ作っていないけれど、母に渡す新聞のネタ作りのような気がしなくもない。土曜日は、午後から買い物にしか出ていない。それも、朝の食パンを切らしていたからで、それがなければ、出なかったかもしれない。熱中症のおそれと腰の痛さも理由としてあるにはあるのだけれど。糸は切れたが、足の重みでふらふらと漂っている凧のような気分。

 日曜日は、思い立って、「雲州堂」での「名阪双六の旅支度」大阪編に。双六亭(ニシイケタカシ、中原由貴、時光真一郎)と冬支度の名阪ツアーの二日目です。去年の8月31日、9月1日に予定されていたものの、台風接近に伴い、延期になったツアーを、仕切り直して実現された(ものすごい量のメールのやりとりがあったとニシイケさんが話されていた)。ニシイケさんと中原さんがやられていたタマコウォルズは聞いたことがあったし、ラジオ番組『囲碁お見知りおきをラジオ』(むさしのFM、毎週火曜日23時)も時々聞いているけど、双六亭はあまり聞いていなかった。どうしようか迷ったのだけど、母の面会に行けないのをいいことに、ではあるけれど、昼公演だし、行ってみよう、と。
 しかし、出るタイミングや持って出かけるものの準備など、すっかり忘れてしまっている。面会は一日一回15分なので、ライヴに出かける時間の余裕はあるにはあるのだけど、気持ちがどうにも宙ぶらりんで、出かける気力が沸かないでいる。先日、NRQの夜ライヴに試しに行ってみたけれど、演奏は楽しかったのだけど、帰ってからぐったりしてしまった。昼ならどうだろう、という気持ちもあった。

 電車に乗ってから、梅田で書店を覗く時間がとれそうだとわかり、直行の予定を変更して、梅田に。申し訳ない話だけれど、書店で無料配布されている販促誌、新潮社の「波」と岩波書店の「図書」をもらいに。地元の書店で見つけられなかったので。駅中の二軒では見つけられなかったので、少し離れた三軒目に行き、ようやく「波」2025年8月号を入手。特集のひとつが、「戦後八十年と『火垂るの墓』」で、南陀楼綾繁さんも記事を執筆しているということなので。それにしても、三軒目。グッズ売り場の面積が拡大しているのでは。フロアがまるまるセコハン屋になっていたし、時間がなくて見て回れなかったけど、エスカレーター乗降口上の案内板に「芸術」の文字がなかったような気がするし。いつもの一階集中レジでの長蛇の列もなく、それもやむなしかと思ったり(他の時間と比較していないので、ほんとの原因はわからないが)。販促誌は、他に紀伊國屋書店の「scripta」の2025年春号と夏号。ジュンク堂書店の「書標(ほんのしるべ)」2025年8月号を。

 暑さと腰の痛みに耐えながら、急いで、地下鉄東梅田駅に向かい、一駅だけ乗って、南森町駅へ。駅でしばらく涼もうとも思ったけど、時計を見ると、歩き始めたほうがよさそうだった。

 「雲州堂」に着くと、既に入場待ちのひとたちがたくさん並んでいた。整理番号は36と遅いのだけど、とりあえず並ぶ。暑い夏の必須グッズ、「段ボールを入れたレコード袋」を忘れたことに、電車に乗ってから気付いて、「もうダメだ」と思ったのだけど、「雲州堂」軒先に、崩した段ボールを差してある箱があったので、一枚拝借して、日除けにすることにした。急遽、冬支度に参加することになり来阪されていた河合愼五さんが外に出てきておられたので、話をしながら、開場を待った。冬支度の演奏の際の安田さんの話で判明するのだが、実際は河合さんが大阪編も見に行くと話されたら、「では演奏にも」となったということらしい。冬支度と河合さんの共演も楽しみでした。

 整理番号36で入場すると、満席で、もう前のほうしか空いていない。席を確保してから、テーブルは片付けられていたので、隣の「iori」で、昼食に唐揚げ定食を食べたのだけど、ふと時計を見ると、開演間近。前のほうの席で、開演に遅れるのはまずい。若干急いで、開演前に戻った。オープニングは、以前は「謎のユニット」と称されていた千と無。冬支度・渡瀬千尋さんと双六亭・中原由貴さんのパーカッショニストデュオです。フロアタムで会話するような趣き。スティックを交換し、ぐるっと回って、ドラムも交換して。謎のセリフを発していたので、そのような場面がある映画か何かがあるのかな。前のほうの席だったので、どかどかと音を浴びながら、スティックの残像を眺めておりました。
 冬支度は、北里さん参加のカルテット編成。しばらく聞けていない間に、初めて聞く曲もいくつか。コーラスの配分がよいかんじの曲あり。なんとなく話少なめだったけど、そうとは見せずに、緊張感を保っていたのかもしれない。二曲で河合さんがコントラバスで参加。弓弾きでの「草スケート」で、より広々とした景色が味わえました。「コンビニコーヒーブルース」では、とんとんとんとんとんとピースがしかるべきところに嵌るような心地でした。
 双六亭。セミアコであんな太い音のアンサンブルになるなんて。どっしりとした音を奏でながら、一糸乱れぬハーモニーが放たれることにも、感嘆。「雲州堂」に合う、ってどの角度から言うてるのだかですが、合うバンド、だと思った。ニシイケさんは、大阪出身なのですね。先日、YouTubeでたまたまというかおすすめされたインタビュー番組で知ったところでした。セロファンは名前しか知らなかった。ティーンエイジ・ファンクラブは大好きだったけど、グラスゴーのバンドの影響下にあると当時言われていた90年代の日本のバンドは聞こうとしてなかったのでした。でも、そうしたひとたちがいまもバンドを続けていて、後続のバンドにも影響を与え続けているところがあるのだろうな。そんな手応えを感じた。

 自転車で毎日、面会には行っていたけれど、あまり歩いていなかったからか、衰えていることを実感させられたけど、帰り、気分がよかったので、つい天六まで歩いてしまった。古本屋に寄るという用事もあるにはあったけれど。「天牛書店」で、1979年1月、3月、4月の「プレイガイドジャーナル」、読めもしないのにデザインがよいかんじだったので、台湾の雑誌「秋刀魚」第33号(2021年秋号)を購入。予想はしていたけれど、棚を見ていたら、たちくらみが…。衰えている。いかん。
 天六のスーパーで買い物して、しばらく外の石ベンチで休憩してから、帰宅した。外だったけど、ビルのおかげで陰ができていて、風も吹き渡っていて、よかった。

 月曜日、大西礼芳主演で、デイサービス施設が舞台ということで気になった西田宣善監督『また遭いましょう』を見に、初めて「アップリンク京都」へ。いちどレコードのイベントで行った烏丸御池「新風館」の地下にあった。ちょっと早く着いてしまったけれど、ずっと予告編を流している待合コーナーで長居してしまった。映画は11時半から13時過ぎまで。映画は、前半のおそるおそる施設のひとたちのことを知るところはよかったけれど、後半は急に距離が近くなって困惑。レクリエーションで演劇に取り組むところはちょっと。モデルになった施設の方針のベースになっているというハイデガーの引用も消化不良の感が否めなかった。演劇でやろうとしていた内容を、NHK教育の番組みたいなアニメーションでやって挿入するのがよかったのでは、などと考えてしまった。
 終映後、暑いけど、地上に。「NHK京都局」って、二条になかったっけと思ったら、10年前に移転していたらしい。知らんかった…。「大垣書店」烏丸三条店も近く。四条よりも落ち着いていて、見やすい。思い出して、福岡風太『自由っていうのは失うものがなにもないことさ 「春一番」を生きて』(東方出版、2025年5月)を購入。

 火曜日、過日のCT検査の結果を聞きに、駅前のクリニックへ。再発の兆候なし、腎機能も横ばい、いまは心配なし、また半年後、となった。自転車を駐輪場に預けたまま、電車で移動して、居住市中心部で書店めぐり。前述の販促誌探しをしたけど、空振りでした。マーカス・オデア著、須川宗純訳『ロバート・ワイアット』(国書刊行会)、わたしが買った書店に、二冊、棚に縦置きの面出しで置かれていた。わたしが早々に買ったことで「これは売れる」と思われた、なんてことはないか。うちの市にはワイアットファンが多いのかもしれない、まぁ、そう思とこ、思とこ(「デイリースポーツ」のテレビCMの真似ですよ)。

 水曜日、ひさしぶりに洗濯機の洗濯槽洗浄。少し前には湯沸かしポットの洗浄もやった。どちらも、前回も、母が入院したときにやったような気が。

 今週のテレビやラジオ。●朝の連続テレビ小説2本を見るのを止めた。『チョっちゃん』は主人公の夫の言動に耐えられず。『あんぱん』は、やなせたかしをモデルにした人物の「誰かが何か言ってくれる/やってくれる」待ちの姿勢、にもかかわらず事が成るや、急に強気で乱暴な態度をとるのが目に余り。キャラクター設定や演出の問題かもしれないけど、どこに主人公が好きになる要素があるのかわからないので、そういう成行きになる前に見るのを止めた次第。もともと主題歌が、「たかし」目線で主人公を讃えるというものなのに、照れや惚けの表現のつもりなのだろうけど、口調がふざけていて、痛々しくて、聞いちゃいられなかった。いままでは歌のときだけ音を消して、見ないようにしていた。本編が始まっていることに気付かずにしばらくそのままにすることもよくあった。●ラジオの「まいにちハングル講座 あなたと語る100のことば」、このところ、すっかり聞いて、振仮名を見ながら読むだけになっていたけれど、そうした怠け者を見越してか、義務教育とちゃうねんから置いていきますよとばかり、今週からテキストの振仮名が消えてしまった。ああ。●その他、見ているドラマは変わらず。『ひとりでしにたい』は最終回。●BS松竹東急を引き継いだJ:COM BSで、『64 ロクヨン』前編、後編。映画版は見たことあったっけと思いながら見ていたのだけど、柄本佑が記者会見で記者たちに責められて倒れる場面で、見たことを思い出した。どうもドラマとごっちゃになってしまう。ついでに配役が被っている『クライマーズ・ハイ』ともごっちゃになることがある。●『櫻の園』もやっていて、見るつもりだったのだけど、「ブラタモリ」がスペシャルで時間拡大だったことに気付かず、後半だけに。いいのだ、何度も見て、覚えているから。●NHKのドキュメンタリー。『映像の世紀「ヨーロッパ 2077日の地獄」第2部  独ソ戦 悲劇のウクライナ 1941-1943』、『小さき声に向き合う「誇りうるもの?部落問題の100年」』、『ETV特集「火垂るの墓と高畑勲と7冊のノート」』。

 「note」で、ときどきコメントをくださるnaoto_motonaga(福岡ロック研究所)さんが「渋谷さんの番組を聴いて知ったアーティスト、好きになった曲を集めてプレイリストを作った」と "プレイリスト「こんばんは渋谷陽一です」" を投稿されているのを読んで、真似したくなり、Apple Musicは何故かリンクがとれなかったので、Spotifyで一時間のプレイリストを組んで、思い出を書いて、"NHK-FM「ヤング・ジョッキー」オンエア曲選 1977〜78年" として投稿した。配信のリンク埋め込みの試験も兼ねて。メモを残してある1980年前半までの範囲で書き出しをしようとしたら、案の定、一時間ではまったく収まらなかったので、1978年11月の「ヤング・ジョッキー」時代で区切った。

 cornets + yumbo「ながれる / とかげ」、待望の7インチシングル。予約と同時に、ボーナストラックの「何か心配事あるの」「鬼火」(2023年4月15日のライヴ録音)含む配信版が聞けるようになっていたのだけど、もったいなくて、7インチの到着を待っていた。まだ添付の対談も読めていないので、改めて書くことにします。

8月4日(月)
[一回休み]
8月5日(火)
[一回休み]
8月6日(水)
[一回休み]
8月7日(木)
[一回休み]
8月8日(金)
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8月9日(土)
[一回休み]

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