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2024年8月18日〜2024年8月24日


8月18日(日) 【▼ぐりぐらメモ/2024年8月18日】
 母がデイに出ている間に、行ける範囲の場所、時間帯での上映がなかったアレクサンダー・ペイン監督『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ The Holdovers: They're all alone in this together』が、「扇町キネマ」で昼に上映していると知り、母に留守番を頼んで、行ってきた。10時半出発、上映は12時半から14時45分、16時半帰宅。
 「扇町キネマ」は初めて。念のため、オンラインチケットを取っておこうと思ったら、Yahoo ID取得強制の「PassMarket」経由だったので、断念。ふだん「Yahoo」をまったく利用していないので、登録されたくないのだ。以前は、「PassMarket」でも、一見さんも行けたはずだけど、仕組みが変わったのだろうか。

 天神橋筋商店街に着き、扇町まで歩き、昼食をとってから、「扇町キネマ」に。病院の中にあるのが不思議。当日券は上映開始25分前から、入場は10分前からのオンラインチケット購入者が入場したあと。「劇団新感線」の舞台を映像化したものの予告編をずっとやっていて、演劇とのつながりが強かった「扇町ミュージアムスクエア」をちょっと思い出すところがあった。

 『ホールドオーバーズ』は、足止めされた者たちということかな。1970年、アメリカの寄宿制高校。クリスマス休暇でほとんどの生徒が家族と休暇を過ごすために学校を離れるが、事情があって残る者が数名おり、その監督のため、教師が任命される。もとより、頑迷さで生徒たちから嫌われていた教師は、居残り組にも厳しくあたり、反発をくらう。なんやかやあり、結局、成行きで突然居残ることになった生徒ひとり、教師、ベトナム戦争で戦死したかつての卒業生の母親で、食堂で働いている女性の三人が残ることになる。争いや失敗を経て、打ち解けてきた三人は、「社会見学」という名目で、学校を離れ、ボストンに向かい、それぞれが抱えていたものと向き合うのだけど、それは代償を伴うものだった。

 1970年ということで、生徒の部屋にはジェファーソン・エアプレインやフーのポスターが貼ってあったり、食堂ではバッドフィンガーが流れたりする(選曲が "No Matter What" というのが絶妙)。という親近感もあるけれど、ほんとに少しずつ、少しずつ、出来事の積み重ねで、気持ちが変わっていく描写を追うばかりだった。教師が、クリスマスプレゼントだと、マルクス・アウレリウスの『自省録』を二人に渡すところで声が出てしまった。
 予告編では、トラフィックの "Glad" が流れるのだけど、本編では流れなかった。どういうことなのだろう。主人公のひとり、アンガスは、若いときのスティーヴィー・ウィンウッドにちょっと雰囲気が似ていたけれど、関係あるのかどうか。音楽は、弾き語り的なアコースティックギターが特に印象的だった。

 今週も暑くて、あまり動けず。熱中症の前兆ではと思う軽い頭痛もあった。母のデイ日も、遠出はしないで、もっぱら近所の開拓。行ったことがないカフェに行ってみたり、行ってみたが休みだったのでその近くのラーメン店にひさしぶりに行ってみたり。あまりニュースになっていないのが不思議なのだけど、スーパーからコメが消えていて、確かに予告はあったのだけど、今週に入って、本格的に消えてしまった。うちのお櫃も水曜日には尽きてしまい、それ以降は、麺への依存率が高まるとともに、コメはスーパーの弁当やおにぎりでしのいでいる。それにしても、昔のタイ米輸入のような対策は打たれないのか。

 今週のテレビ。●『オードリー』『虎に翼』『馬医』『篤姫』『西園寺さんは家事をしない』『GO HOME』『マル秘の密子さん』『わたしをもらって 追憶編』。単発で、『昔はおれと同い年だった田中さんとの友情』。「TVer」の再放送配信で『僕の姉ちゃん』は、ニュースでは見かけていたけど、関西では放送がなかったみたい。あと…『機動戦士ガンダム』はつい見てしまうな。『水星の魔女』もついに見始めてしまった。●「YouTube」配信で、『サイボーグ009』(1968年)も見続けているけれど、歌は強烈に記憶にあるのに、話はまったく覚えていない。どういうことなのだろう。サイボーグにまったく関係ない話があったり、基本、009、003、007、006の4人なのに、急に全員揃ったり。話によって波がある。●きょうの朝、NHKの朝のニュースが森田茉里恵アナ担当だ、と思って見始めたら、またもや(またって言うなー)チューリップ最後のツアーが最終日を迎えたというレポートをやっていた。森田さんに、チューリップを知っているかどうか訊いてほしかったな。

 今週のラジオ。●8月13日(火)、NHK-FM夏休み特番「FMシネマサウンズ」。春に続いて、今回は一日だけだけど、ホラーとサスペンスの特集。洞口依子さんの語りで、テーマ曲だけでなく、いろんな場面の音楽が紹介されるのがいい。『エクソシスト』では、マイク・オールドフィールドの他、ペンデレッキやクラムもかかった。『異人たちとの夏』もさまざまな場面が紹介されていた。●8月11日放送のTBSラジオ「松本隆 風街ラヂオ」をradikoの後追いで。鈴木慶一さん、博文さんがゲスト。『The Worst Of Moonriders』からの「大寒町」がかかったことで、Discogsを見てしまい、あちこちいろいろ誤記があることに気付いてしまい、訂正した。ちゃんと実物を確認しながらやらないといけない(はずな)ので面倒だし、ライダーズのようにマニアが多いバンドについて勝手にいじって怒られやしないか、いろいろひやひやしながら。●NHK-FM夏休み特番「石若駿 即興と対話」角銅真実さんゲストで、スタジオに楽器を並べての即興演奏。映像で見たくなった。

 きょう、帰ったら、通販で頼んでいたものが届いていた。トーキング・ヘッズ Talking Heads "STOP MAKING SENSE" とマイク・ウェストブルック Mike Westbrook "LIVE 1972"。"STOP MAKING SENSE" は、映画の再上映に合わせて発売された新装版で、1984年10月発売のオリジナル版からすると、9曲追加の全18曲。海外では、LPとCD+BDの2種類であるところ、日本盤ではBDを外して、CD2枚になっているのがありがたい。それに、先日、Nさんに会ったときに聞いていたように、おそらくLPに同梱されているブックレットがCDサイズに縮小されて添付されていること。Nさんは、ブックレットの添付があまり謳われていないことが解せないと言っていたけど、そう思います。マイク・ウェストブルックのライヴ録音は、自主レーベル Cadillac による発売の50周年記念盤で、気になっていたところ、ちょっと安くなっていたので、注文した。

 ところで、土曜日の夕方、突然、Bluetoothマウスが反応しなくなった。マウスの電源を切ったら、直ちにタッチパッドに切り替わる訳でもなく、マウスが使えない状態でタッチパッド有効に設定を切り替えるのも一苦労だった。いま現在、タッチパッドでなんとかやっているけれど、使いにくいこと、このうえない。依存しすぎか。

8月19日(月)
[一回休み]
8月20日(火)
[一回休み]
8月21日(水) 【▼ぐりぐらメモ/2024年8月21日】
 若い頃というか、子供の頃というか、十代半ばから親しんでいたひとたちの訃報が続いた。高石ともや、田名網敬一、松岡正剛。

 高石ともやさんは、なんといっても、初めてコンサートというものに行ったひと、です。先週も、母がケアマネさんらに「自分の世話のために、息子が好きな音楽を聞きに行くことができなくて、申し訳ない」と話していたのだけど、そのあとで、「今でもコンサートに行ってるやろ?高石ともやとか?」と訊かれて、笑ってしまった。中三の秋の話やん。よほど強い印象だったのか。「まだやってはんの?」「(いまはもう聞きに行っていないけど)やってると思うで」という会話があった。
 そのコンサートは、「FM大阪」の番組、「ニューミュージックフォーラム」の公開録音として行われた「BACK YOU UP CONCERT」。1977年9月28日(水)に、大阪「厚生年金会館大ホール」で行われた。小学生のとき仲良かったけど、その頃はあまり行き来がなかった高石ともやファンのTくんが誘ってくれたのだ。第1部が、森園勝敏抜きの四人囃子をバックにした茶木みやこさん。第2部が高石ともや&ザ・ナターシャー・セブン。フォークやカントリーのレパートリーを集大成した「107ソングブック」シリーズをリリースしていた頃で(77年9月20日発売の4枚目『きれいな娘さん』まで出ていた)、ラジオでもよく聞いていたし、コンサートもそのレパートリーが中心だった。カーターファミリー奏法の説明のときだったか、ギターを聞いてくれと観客が手拍子するのを制したのを覚えている。終盤は、番組の出演者(「自切俳人の幻の放送局」というコーナーがあった)であり、当日の司会であった自切俳人(北山修)を交えて、その自切俳人とヒューマンズーとの競作でリリースしたばかりの「孤独のマラソンランナー」、1977年4月25日に引き揚げられた「ニューネッシー」にちなんで作られた「ユメカシーラ」の、たぶんリリース前の初披露などもあり、楽しかった。アンコールでは、これもリリース前の初披露だった杉田二郎との共作「八ヶ岳」が歌われた(杉田二郎版は78年2月発売)。公開録音なので、ラジオで放送されたのだけど、残念ながら、エアチェックは失敗し、残っていない。
 あまり聞かなくなってからも、「107ソングブック」シリーズは、ちょこちょこ買っていた。2015年4月5日、加藤千晶ガッタントントリオプラスを聞きに行った「絹延橋うどん研究所」2階の本棚に、「107ソングブック」の本があったのはうれしかった。ライヴが始まるまで、しげしげと眺めてしまった。
 いちばん最近は、『宇野誠一郎作品集II』で初めて知った『東風』。LPもCDも探して、買った。

 田名網敬一さんは、横尾忠則さんらと同様、60年代からの奇妙で禍々しいグラフィックデザインに親しんでいた。モップスとか西岡たかしのレコードもあった。可笑しかったのが、Super Furry Animals "HEY VENUS" のときで、店頭で聞いて、いいなと思ったものの、禍々しいジャケを見て、躊躇してしまった。なんだか、田名網敬一っぽいな、と思っていた。我慢して買ったら、本人だった、という。当時の画風はあまり知らなかったのだ。

 松岡正剛さん。「遊」を高校1年の冬に初めて買った。「rock magazine」経由で知ったのだけど、「なんかしらんけどむつかしくてすごそうなことがたくさんのってる」というかんじだったと思う。高校生には、厳しい値段だったけど、通学路にあった、「rock magazine」とともに置いてくれている書店が、同級生の女の子の家だったこともあり、見栄を張ったことも否めない。載ってる文章や情報は刺激的だった。杉浦康平さんらのデザインも刺激的だった。でも、阿木さんに対するのと同様に、松岡正剛氏については、うさんくさいイメージを持っていた。面白そうと思って買っても、読んだら、なんだか物足りなかった。父が、わたしが読んでいることを知っていて、「もったいぶって、あれはなんだ」とくさしたことがあったけど、わたしもうさんくさいと思っていたので、「効かなかった」。生意気だったから鼻っ柱を折るつもりだったのかな、小野洋子や矢野顕子についてもいろいろ言われた。

 無線マウスが壊れたので、月曜日、少し離れた電器量販店に買いに行った。予備として、有線マウスも買った。壊れたマウスは、PCに付属していたもので、コネクトスイッチがあることからBluetoothだと思っていたのだけど、レシーバーが内蔵されているというだけでBluetoothではなかった。マウスが壊れたのか、レシーバーが壊れたのか、いまとなってはわからないけれど、壊れたマウスは「もっとく」ことなしに捨てなければ。で、新しく買った無線マウスは、レシーバーのためにUSBコネクタがひとつつぶれる。ハードディスクなど付け替えながら使えばいいかと思ったのだけど、きょう、再び電器量販店に行き、USBハブを買った。バックアップ用、映像用、音楽用と分けて、付け替えて使っていたけれど、ハブで全部、同時に使えるようになった。もっと早くにそうするべきだった。
 マウスを買い替えたときに、自分でも笑ってしまったのが、マウスが壊れて二日しか経っていないのに、もうタッチパッド操作が癖になっていたこと。あんなに苦労していたのに。

 今週はテレビで映画をよく見ている。『ダンケルク』は、わたしには退屈だった。映画館で見ていないから、という気もする。小さな画面、小さな音で追っていただけだから。『舞妓はレディ』は再見。上白石さん、根性が座ってる、としか言いようがない。『拝啓天皇陛下様』、『続・拝啓天皇陛下様』、『拝啓総理大臣様』。「続」はあまり覚えていなかったけど、小沢昭一や宮城まり子が演じるひとたちの哀しさは「赤子」の哀しさではないように思った。初めて見た「総理大臣様」はつらかった。経済成長に取り残されたひとびと、乗っかろうとしておかしくなっているひとびとを描こうとしたのだろうけど、哀れさはなく、ただ酷いひとたちだったから。

 テレビは、レギュラーの『オードリー』『虎に翼』『篤姫』『西園寺さんは家事をしない』の他、『アンナチュラル』再放送を見てしまっている。石原さとみと市川実日子のコンビが楽しい。物語は段々陰惨になっていくのがつらいけれど。石原さとみは特になんということはないのだけど、『地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子』とか『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』といった、仕事面で暴走する役どころはええねんな。
 テレビは他に、朝、連蔵テレビ小説2本が終わったあとに、「自転車旅 ユーロヴェロ90000キロ ミニ」スペイン・ポルトガルEV1編。月曜は、急に母に呼び出され(ラジオ、というかラジオとも思っていなかったのだが、とにかくうるさいのを止めてくれ、と)、火曜は、ゴミ出しの準備で見逃して、今朝、やっとゆっくり見ることができた。また面白い曲がかかるといいなと思う。

 火曜日、先週、休みだった近所のカフェに、昼食がてら行ってみた。MPBが流れるシンプルな佇まいだったけど、平日の昼間では、高齢者ばかりになるのはいたしかたなし。自分も含めて。ええねんけど、病院の話題でも。

 フェアーグラウンド・アトラクションの記事が出ていることもあり、ジョン・レノン「失われた週末」特集の「レコードコレクターズ」2024年9月号を買った。

 コメは引き続き、店頭になし。きょうは、ついに、素の白ごはんを買ってしまって、なんとなく敗北感。丼ものや味付きが続いて、ネタ切れで。いまは思い切りシチューが食べたいけれど、具を用意することに頭を悩ませている。余らせることができないので。そう言えば、先週、賞味期限切れで「すって」しまった生姜を、今週はちゃんと(地震対策で包丁を直したときに見つけた)おろし器で擂って、そうめんを食べた。課題クリア、です。

8月22日(木)
[一回休み]
8月23日(金)
[一回休み]
8月24日(土)
[一回休み]

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2024 Kijima, Hebon-shiki