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2024年6月2日〜2024年6月8日
6月2日(日) | 【▼ぐりぐらメモ/2024年6月2日】
木曜日、母のデイ日。「京都桂川イオンシネマ」で、ジョナサン・グレイザー監督『関心領域』(11時35分〜13時30分)。「洛西口駅」に11時11分着で、ふつうに歩いて、10分くらいかかるので、ちょっと小走りで。癌の診断確定が去年の5月29日なので、ヘンな一周年のタイミングだけど、小走りできるくらい元気でいます。 「関心領域 The Zone Of Interest」(Interessengebiet)という語にピンとこなかった。アウシュビッツ収容所を含むナチスドイツにとっての国家戦略特区のようなニュアンスと思われるのだけど、いままで遭遇してこなかったと思う。ぼーっと読み飛ばしていたのだろうか。アウシュビッツ収容所についてはいくらか読んできたはずなのだけど。関心領域と訳されてきたのだろうか。この邦題で映画が公開された今となっては検索で確認することはむずかしい。疎開先にある手持ちの本を確かめないと。きょう、図書館に行くことを考えたけれど、天候が不安定で、雨に降られたので、断念した。 囲まれた音で遮断される映画だった。まっくらな画面が延々と続く冒頭に、昔、目をつむって、暗さに目を慣らしてから上映会場に入ったことを思い出したけれど、「入っていく」感覚が強く、怖かった。「関心領域」という語ではピンと来ず、収容所所長ルドルフ・ヘスの一家を描いたものということで見ることにしたものの、予備知識は入れないようにして見たのだけど、淡々と、説明なしに、風景を重ねていくので、勘違いしていたところがあるかもしれない。収容されているひとたちのために、夜中にりんごを収容所の作業場に埋めに行く少女(アレクサンドラという実在のひとらしい)が居るのだけど、ヘス家の使用人(ポーランド人でおそらくユダヤ人)の娘のように思っていたのだけど、どうなのだろう。「領域」外の近隣に住むポーランド人かもしれない。収容されているひとに向けるようにピアノを弾く場面もあり、ヘス家の敷地内に住んでいるのであれば、ばれると命の危険すらある。そんなかんじはなかったから。 登場人物たちは、ほぼドイツ人なので、あたりまえのことだけど、イギリス/ポーランド/アメリカ映画だけど、ドイツ語で話す。ということは、英語圏で上映されるときは英語字幕がついていたのだろうか。特に不思議に思ったのは前述のピアノの場面で、歌はないけれど、歌詞が字幕で表示された(収容されているひとに向けたものかと思ったけれど、収容されているひとの詩らしい)。その字幕も英語で表示されたのだろう。(あるいは、わたしが声を聞き落としていたか)。 収容所内の惨劇は、音でしか伝えられない。伝える、のでもないか。所長の官舎とは言え、そんな、塀を隔てて、すぐ隣にあったなんて。親衛隊に属するひとたちやその家族への配慮もほぼなかったということか。タイトルの関心が、収容されているユダヤ人や収容所内の出来事に対するものを指しているとは思えない。彼らへの無関心を突き付けてくる作品でもなかった。おかしくなっているのにおかしくなっていることに気付けなくなっているひとたちを描いたものだった(気付いたひとたちも描かれている)。 見落としもいろいろありそうなので、パンフレットで補いたく、今回は買うことにしたのだけど、不思議なことに、上映終了後、木曜日の昼にしてはたくさんのひとが一緒に見ていたけれど、パンフレット売り場に向かったのはわたしだけだった。もしかしたら、開始前に買ったひとも居たかもしれないけれど。レジには誰もおらず、呼び鈴で呼んで、『関心領域』のパンフレットを、と告げたけど、レジのひとはすぐにはピンと来ていないようだった。棚を見たが、在庫が見当たらず、ウインドウに展示されているものを出してもらうことになった。ウインドウを開けるのに四苦八苦しているところに、もうひとり、『関心領域』のパンフレットを買いに来たひとが居られたのだけど、わたしが買うものが、その日、最後の一冊になってしまった。申し訳ない。
見落としていたかもしれないことは、また見直さないといけないか。 「京都桂川イオンシネマ」は、毎回、帰りに迷ってしまい、思わぬところに出てしまう。今回、それを反省して、事前に確認しておいた。それでも、「こっちで合っているのか」と思いながらだったけど。パンフレット売り場で思わぬ足止めをされたので、帰りも小走りに。 「洛西口駅」からは各駅停車ということもあり、「水無瀬駅」で途中下車した。15分しか居られないけれど、「長谷川書店」に寄ることにした。まず「パオ」で昼食(摂ってなかった)のパンを買い、それから「長谷川書店」へ。長谷川さんに、「今日は時間がないのですみません」と断ってから、店内をざざっと。ざざっと見ただけど、「これ気になってたやつだ」と思い出す本が見つかるのがありがたい。岩瀬成子『まだら模様の日々』(かもがわ出版、2024年4月)、柴崎友香『あらゆることは今起こる (シリーズ ケアをひらく)』(医学書院、2024年5月)、レジにあったいかめがねすーすー『お願いです。とにかく3回聴いてください。』(ギューンカセット、2024年2月)を買った。ホームで、パンを食べて、昼食として、降りてから20分後の便に乗って、帰った。 母のデイ日、火曜日は雨だったので、片付けとひさしく投稿していなかった「note」投稿記事の執筆。水曜日に、カラワン楽団『人と水牛』についてのメモを投稿した。土曜日は、ちょっと出遅れて、午後、母が戻るまであと一時間半というところで、自転車で片道30分の隣市の「GU」まで、Public Image Ltd.のティーシャツを見に行った。出かける口実みたいなものだったけど、買ってしまいました、シングル "Public Image" の新聞紙を模したジャケの紙名ロゴを流用したやつを。他にあれこれ見る余裕はやはりなくて、ひさしぶりに「おでかけリハビリ」みたいだった。 母は、少し復調したと思う。よく眠れているようだし、朝は起き出して、朝食の準備をしたり。でも、相変わらず、デイ以外、外に出ることを拒否していて、車椅子デビューはまだ。家に居る日に雨だったり、クリニックが休みだったりということも重なって。そう言えば、金曜日、よく寝ているので、起きてくるまで待っていよう、と待っていて、ゴミ出しの日であることをすっかり忘れていたということがあった。回収車の音がして思い出して、急いで、外に出たけれど、回収車は出発するところだった。仕事が早い。 4月以降、片付けと「note」への投稿への意欲が失せていたので、取り組むようにしている。 今週のテレビ。●BS松竹東急『わが子は他人』(1974.4.3 - 9.25)、水曜日が最終回。二つの家族の父親たちが、図らずもそれぞれ、血の繋がりが「わが子」の根拠ではない、育ての子、生みの子を選ぶことはできないという気持ちに至るところで終わった。母親たちは割り切れていないが、選べないという点では同じ。描かれていないけれど、おそらく、付き合いを続けたまま、子どもたちが成長したときに話して、子どもたちがどう考えるにせよ、受け入れるということになりそうだった。最後は子どもたちが雑踏の中に走っていってしまうところで終わっていた。取り違えた病院による賠償、家族1の浪人生(喜久川清)の家族2の女子大学生(高沢順子)への恋の顛末ははっきりしないまま。解決の兆しがあったのは、母親の再婚による義理の父への不信から家出した家族2の父親(教師)の生徒が将来的に義理の父と話すことに前向きになったことくらい、か。●「木下恵介アワー」再放送シリーズは、木曜日から『幸福相談』(1972.6.6 - 9.26)。まだ登場人物の顔見せ段階。横浜が舞台。●「Youtube」で、不正規のものではあるけれど、NHK少年ドラマシリーズ『その町を消せ!』(1978.1.30 - 2.23)が薦められたので見てみた。ちゃんと見た記憶がなかったのだけど、それもそのはず、高校受験直前だった。原作(のひとつ)の秋元文庫、光瀬龍『その花を見るな!』は読んだ記憶があるけれど、細かいところは覚えていない。見続けることにしたのは、始まりが「音楽好きの中学2年生がレコード店にレコード針を買いに行く」だったから。主人公はレジでレコードのパンフレットが欲しい、ビートルズが載ってるやつと言って、受け取るも、帰りに雨に降られる。そこに同学年の少女が助けを求めて現われるところから事件が始まる。彼らは、少女の家に現われる幽霊、失踪した父親の謎を追って、資源枯渇、気候変動、食料不足から独裁政府による管理社会と化したパラレルワールドに迷い込む。そこでは、ビートルズは危険思想であるとして発禁になっていた(と第2話で描かれているらしい)。彼らを匿ってくれた家族は、没収に抗して、ビートルズのレコードを隠しもっており、彼らを歓迎するためにそのレコードをかけてくれる。レコード針まで没収されていたのだが、主人公が買ったばかりのレコード針があり、聞くことができた。家族の父親がいちど本部に捕まって釈放されたあとや、主人公が元の世界にいちど戻ったときも、レコードを聞く場面が出てくる。自由と安堵の象徴になっていた。Youtubeにあがっているものは、製品化されたDVDによるものだろう。音楽は差し替えられていたけれど、元は本物(!)が使われていたのだろう。隠しもっていたのは "Yesterday" のようだけど、レコード店でかかっていた曲や主人公が戻ってきたときに聞く曲がなんだったか。そや、主人公が少女に出会う前に、雨に濡らしてしまったレコードのパンフレットを捨てるのだけど、それはその後、なにもなかったです。注目していたのだけど。 |
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