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2024年1月14日〜2024年1月20日


1月14日(日)

●『パーフェクト・デイズ Perfect Days』 車中音楽
"The House of the Rising Sun" The Animals (1964)
"Redondo Beach" Patti Smith (1975)
"Walkin' Thru The Sleepy City" The Rolling Stones (1964)
"Perfect Day" Lou Reed (1972)
"Pale Blue Eyes" The Velvet Underground (1969)
"(Sittin' On) The Dock of the Bay" Otis Redding (1968)
"青い魚" 金延幸子(1972)
"Sunny Afternoon" The Kinks (1966)
"Brown Eyed Girl" Van Morrison (1967)
"Feeling Good" Nina Simone (1965)

【▼ぐりぐらメモ/2024年1月14日】
 月、火、金と出かけたけれど、水、木、土に特に何もしなさすぎて、ぼんやりしてしまっている。母の話題は、日付の確認とデイに行くことの確認ばかりになっている。「十津川さんを見ても、もう面白くない」とも。実際にはなく、なにより母自身が反証例になっている「根拠」をあげて、ネガティヴな物言いを繰り返すので、金曜日の朝、何をどうすればいいのかわからなくなり、つい、キレてしまった。腹の立つ、と言ったら、腹は横にして、と返されてしまったけれど。
 このところ、母は、暖まるまで時間がかかるということと、寂しいからだろう、部屋にひきあげて寝ることはなく、ずっと、うずくまるようにして、居間にいる。居間に母を残して、作業部屋で作業すると、またネガティヴにとったり、不安にさせたりするので、できることは限られるけど、わたしも居間にいる、かんじ。きょうは、午後いっぱい、わたしも眠ってしまった。

 書き出したら、キリがなくて、抜けていたらそのことに申し訳なくなってしまうことばかりで、心は晴れない。行政都合による言葉(によって認識される事態)のねじ曲げの横行にもうんざりしている。行政に憑依するひとたちにも。

 月曜日、2024年のライヴ初め。15時からの菅原町「雲州堂」の店企画(小谷さん企画)「SONORAMABOX」を聞きに。出演は、山下凡情nard、長野友美、painful、よしこストンfam。去年聞きたかったけど、行けなかった長野さんソロ、painful、famという名義を使うようになってからは初めて(ようやく)のよしこストンペアのバンド編成、に初めて聞く山下凡情nardという、とてもありがたくうれしいラインナップなので、なんとしてでも、でした。母の夕食の準備もして、「8時頃に帰ります」と紙に大きく書いて、居間のテレビ前に貼って、出かけた。

 山下凡情nardは、ギター、ヴォーカルの山下凡情さんに、お名前失念、というか、あとでウェブで調べようと思ったら見当たらない、京都精華大で作品展示していると話されていたフルートのひととピアノのひとを加えたトリオ編成。肩の力を抜きつつ、はっとさせる展開もある。残響のないぴしっとたピアノは光の反射のごとく、ふわっとしたコーラスとフルートはカーテンを揺らす風の如く、歌に合っていました。
 長野さんソロ、ひさしく聞けていなかったので、感無量でした。「めばるつり」は、『時のたてがみをつかんで』でのバンドサウンドもいいけれど、ギター弾き語りバージョンも、「潜る」感覚がして、よいです。聞けて、よかった。
 painfulも、聞きたいと思いながら、機会が合わなくて。新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着いてきた(各自の感染防止対策の結果だと思うけど)と思ったら、こっちが夜遅くになることがむずかしくなってきてしまって。ベースが入ったことで、間奏の自由度が増したような気がした。多少崩れても大丈夫、なかんじ。
 よしこストンfamは、トランペットの道下さん、ベースの加藤さんに加えて、クラリネット(加藤増美さん)も!の5人編成。歌はもともと馴染みがあるものばかりだけど、とんとんと歩調を刻むベースと影のように歌のあとを追いかけるトランペットとクラリネットもとても自然だった。
 新年会という言葉が出たけれど、よい新年会になりました。

 20時ちょっと過ぎには帰宅したのだけど、母はやはり不安になっていたようで、「いつになったら帰ってくるのかと待っていた」と言われてしまった。貼り紙作戦もあまり効果がないか。不安になるのは、時間の長さの問題ではない、のであれば、夜遅くなっても、アフターケアをちゃんとすればよいとも思うが、そのケアができる範囲かどうかがわからない。

 火曜日と金曜日の母のデイの日は、「京都シネマ」で映画を見た。母のデイは10時からで、その少し前に迎えが来る。送り出してから、洗濯物を干す等、ちょっと片付けをしてから、すぐに出て、駅まで歩いて、電車に乗って、駅に着くのが11時台前半。11時台後半上映開始、14時までに上映終了の映画を見て、すぐに帰って、母がデイから戻る15時過ぎまでに戻る。大阪でも、京都でも、一時間くらいの距離であれば、そのようにして見ることができる。問題は、その時間帯に見たい映画がかかるかどうか。今週は、賞もとってる作品なので、回数があり、この時間帯にも上映回があった、のでした。
 火曜日は、アキ・カウリスマキ監督『枯れ葉』。カウリスマキ監督の映画は、みなが垂直だ、といつも思う。男がダメダメやん、と思えど、見捨てるでも、見守るでも、寄り添うでもない、女(と犬)のありかたが不思議だけど、よかった。唐突に出てくるデュオ Maustetytot が歌う ”Syntynyt suruun ja puettu pettymyksin" の垂直ぶりがよかった。

 金曜日は、ヴィム・ヴェンダース監督『パーフェクト・デイズ Perfect Days』(英字のみで書きたくない)。主人公が車に乗り込むときのドアの音に、見ていて、同期してしまった。仕事場に向かう車の中でかかるのは、アニマルズ、パティ・スミス、ローリング・ストーンズ、ルー・リード、ベルベット・アンダーグラウンド、オーティス・レディング、金延幸子、キンクス、ヴァン・モリソン、ニーナ・シモン(あ、ラストシーンまで行ってしもた)。カセットの音ではなかったけれど。ミュージックカセットであったことにも少なからず驚いた。「昔」買ったことが推測されるけれど、いつなのか。明確に描かれていないけれど、主人公は過去に家族と行き違いがあり、おそらくいちど壊れてしまい、世捨て人のように暮らしてる。ときおり漏らす微笑が壊れてしまったことを示すように見えた。壊れていてもいいんだよ、という風にも見えて、そこにもやもやしてしまった。壊してしまったのは何か、誰か。責めたいのではないし、逃げてるとも思わないけれど、そう言われるだけのことは読み取れなかった。彼は、彼が蒔いたものを刈り取っているのだろうか。パティ・スミスを気に入って、カセットをいちどはパクったものの返しに来た若い女の場面がよかった。返しにくるというところが。

 動けない、と言ってはいけないか。居間にいる間、逃避のように、先週から始めた片付けメモ拡大版としての「note」投稿を続けた。片付けた成果を発表しているのか、発表するために片付けているのか、わからんかんじになりそうだけど。記録の校閲と記憶の補完。ルー・リードやジョン・ケイルの『ライヴ・フロム・ザ・ボトムライン』放送ライヴの日にちを推測したり、改めて演奏者を特定したり。

 今週の音楽。大好きなバンド、veg(ベジ)の新しいシングル「砂漠の夜」。デジタルリリースのみなので、Bandcampで購入。Sakasano Kasaさんのイラストもよいかんじで、紙にしたら、手触りがよいかんじになりそうなのだけど。しっとりした粘っこいリズムに、淡々と沈むようなギター。キーボードも橋野さんが弾いているのかな。よいかんじ。

1月15日(月)
[一回休み]
1月16日(火)
[一回休み]
1月17日(水)
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1月18日(木)
[一回休み]
1月19日(金)
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1月20日(土)
[一回休み]

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