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2023年11月5日〜2023年11月11日


11月5日(日) 【▼ぐりぐらメモ/2023年11月5日】
 妙に暖かった「三連休」は、母がデイケアに行く金曜日だけ外出した。恵文社一乗寺店での山川直人さんの原画展「音楽の聴こえる街」を見に行った。恵文社一乗寺店に行ったのは、4年前の「ぽかん」のイベント以来。意識していなかったけれど、やはり、新型コロナウイルス禍でイベントもなく、ということなのだろう。
 漫画の原画と小さな彩色画の展示。吹き出しのセリフが鉛筆で書かれていて、それがよいかんじの文字で。あまり修正した跡もなく、手描きの線を、なぞるように見ていると、描かれたものなのだということを実感して、物語の中に入り込んでいくかんじがした。山川さんの絵を元にした恵文社スタンプが置かれていたので、ポストカードを買って、それに押してきた。山川さんにも挨拶することができた。じっと読んでいたひとと「雲遊天下」で「共演」できたのはうれしかった。

 山川直人さんの原画展会場に入ったとき、入れ違いになったひとが「吉上さん」と話されているのを耳にして、あっと思ったけど、後ろ姿しか見られなかった。来訪者ノートを見ると、16年前、吉上さんを紹介くださった方だった。その時以来。
 山川直人さんが表紙と扉を描かれている吉上恭太さんの『ぼくは「ぼく」でしか生きられない 役に立たない"人生論"』(かもがわ出版)は、「本職というものがないような気がする」と書かれている吉上さんの様々な仕事遍歴が書かれている。出会うひとたちや場所、経験は、傍目にはとても濃密なものに思えるけれど、流れに乗っからず、(もしかしたら誰にでもある種類の)経験にとどめて、心残りを交えて話されている。それが吉上さんにとっての実感なのだろうなと思いながら、読んだ。ええっ、そうだったのですか、と思ったことがたくさん出てくるけれど、吉上さんが触れた現場を伝えるものではあれ、むしろ、読者にとっての現場に思いを寄せるきっかけになるのではないかな、と思います。

 ひさしぶりの恵文社一乗寺店では目移りしすぎて、結局…「CYAN」38号(2023年秋号)だけ。吉岡里帆特集。書店では、たまに、色っぽいものを買いたい、と思うのだけど、結局いつも、音楽関係のエッセイやら資料本やらを買ってしまうので、えいやっ、で。きれいなひとを見るのは好きだけど、肌の露出や妙な場面設定やポエムは困る。きれいで、かっこいい装いで居るのを見たいと思うので、ファッション写真がいいのだ。なんのカミングアウトや。
 そのあたりで、昼食をと思ったのだけど、ちょうど昼どきでどこもいっぱいだった。気になっていた古書店を探していたら、バス停を見つけた。「一条寺高槻町」停留所。見ると、四条まで直通で行けるやん。直通の系統があるとは、知らなかった。ただ、一時間に一本。その時刻まで、古書店を覗いて、それでバスに乗って、四条烏丸まで帰った。「プロント」で昼食をとり、階下の「十字屋」に寄ったけれど、「レコードの日」ということに気付かず、さらっと見て、めあてのものが見つからなかったので、何も買わずに出た。前日の夜に発表になったばかりのビートルズの "NOW AND THEN" の12インチと7インチが並んでいて、びっくりした。

 ビートルズの "NOW AND THEN" は、うっかりすると、テレビのニュースワイドで聞いてしまいそう("Free As A Bird" はそうだった)なので、Apple Musicで聞いた。第一印象を書いておく。映画の冒頭に流れる曲のようだった。エンディングに雑踏の喧騒がオーバーラップして、物語に入っていくかんじ。エンディング曲ではない。あと、待ち構えて聞いた、ので、どうしてもチェックするように聞いてしまっていたかもしれず、できれば、不意に、大きな音で、どこかの店でばーんと流れてくれたら、と思っている。「十字屋」はたくさんディスプレイしていたのに、流れていなくて、ちと残念でした。

 今週のその他の音楽。●カセット整理で、シッカロール、ヴェ・ラ・ボン、水銀ヒステリアを聞いて、記録をとるなどした。●カセット整理というか、ずっと気になっていたyojikとwanda『フィロカリア』(2015年9月4日発売)購入特典カセットに付いていたBandcampのデータをやっとダウンロードした。通信環境が貧弱で、ダウンロードを避けていた(中断したり、エラーが起こって、ダウンロード権も失う可能性があった)頃のもの。ちゃんとダウンロードできた。カセットも、同封の新聞からインデクスを作って、改善の余地はあるけれど、ひとまずカセットに付けた。背表紙と曲目を一緒にしておかないと、カセットだけではわからなくなるから。●大好きな橋野桃子さんがGuitarとVocalで参加しているバンド、Veg(べじ)の新しい配信シングル「S.U.V.」が11月4日にリリース。デイヴィッド・ボウイ "STATION TO STATION"、パンタ&ハル『1980X』を連想する、硬くて、ストイックなファンク。ロバート・パーマーの "PRIDE" もちらっと。●2023年11月2日のNHKラジオ第一『ふんわり』六角精児さん担当回で、ふちがみとふなと、ライ・クーダー、鈴木常吉さんがかかった。モバイルスピーカーに飛ばして、作業部屋で聞いていたのだけど、ニュースでガザ地区の惨状を伝えるところで、突然、ジョン・レノンの "Mind Games" が背景に流れたので、びっくりした。PCで確認したら、起動していたSpotifyが何の拍子か鳴らしたみたいだった。それにしても。●退院後、遠のいていた「二階」に復帰しつつあり、ひさしぶりに、アナログプレーヤーの前へ。スピーカーが壊れていて、ヘッドホンでしか聞けず、前に正座しなくてはならないのだが。最近入手したシングルやEPをやっと聞けた。●ダリル・ホールの動画番組 "DARYL'S HOUSE" の新シリーズがYouTubeのおすすめに出てきた。予告では、ロバート・フリップがゲストの回もあるらしい。ニック・ロウ、グレン・ティルブルック、ベン・フォールズ、キティ・デイジー&ルイスなどを聞いた。

 今週のその他。●母のレンタルシルバーカーを、買い物にも便利なタイプに替えられないかとサンプルを持ってきてもらって、試して、ひとつ決めて、実地でトライアルしてみたのだけど、ハンドルがバーではないことから、途中で休めず、手も痛くなるということで、懸念していたところではあったのだけど、却下することに。入院していたときからずっと借りているものと、入院前から持っている小さいタイプのものがあるのだけど、どちらもバーになっていて、それにもたれかかることができる。ただ、借りているものは、スーパーのカゴが置けないので、買い物には小さいタイプのもので行っていた。その小さいタイプのものはほんとうは歩きにくいはずだし、経年劣化で車輪がへたっていて、あぶなっかしかったので、なんとかしたいと思っていたのだけれど。カゴは置けないけれど、借りているもので買い物することを試みることになった。なかなか付いていかせてくれないのだけれど。●肩があがりにくい。●自転車が寿命かもしれない。●阪神タイガース、日本シリーズに勝利。

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