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2023年10月22日〜2023年10月28日


10月22日(日) 【▼ぐりぐらメモ/2023年10月22日】
 今週は、金土日と、おでかけリハビリ三連ちゃんでした。相変わらず、時間が経つにつれて、背中が保たなくなってくるけれど、背中に来て、ぐったりして、翌日、腰に来るというセットが、少しは軽くなっていれば、と思う。

 今週のおでかけリハビリ、その一。金曜日(2023年10月20日)、昼12時からの真保安一郎『初盤道 』発売記念トーク(ディスクユニオン大阪店)に。少し前に友人Nさんの投稿で開催を知り、昼の間なら、母のデイケアの間の行き先としてもよいということで、行くことにした。『初盤道』は、「レコードコレクターズ」の連載記事をまとめたもので、広く聞かれ、現在も版を重ねる盤の初版とはどういうものか、それを知るためにどこを見るかということを綴ったエッセイです。資金に限りがある中で、できるだけ、いろいろ触れたいほうなので、初版や稀少性にこだわりはないのだけど、違いがあるのなら、知りたい。安く手に入れた手元のものに欠けているものがあれば、なおさら知りたい。だから、そうしたことをちゃんと調べて、確かめて、伝えてくれるのはとてもありがたいと思っています。

 という訳で、母がデイケアに出発したら、すぐに出るつもりにしていたのだけど、朝、トイレットペーパーの予備がなくなっていた。予想よりも早かった。午後から雨の予報が出ているし、先に確保しておかねばならない。それで、まず、スーパーCへ。トイレットペーパーとともに、Cでないと調達できないものを買って、外出途中で寄ろうと思っていたコンビニに先に寄って用事を済ませた。ううむ、意外と時間を費やしてしまった。ぎりぎりや。しかも。電車が少し遅れていた。これは、もう、目的地途中で寄り道もできない。
 会場の「ディスクユニオン」に着いたら、ゆるい列ができていて、イベントを教えてくれたNさんの姿を見つけた。知らなかったけど、もともと12時開店なんやね。開場には間に合ったけど、席にはありつけなかった。リハビリにはよいか。

 トークは、連載と本の成り立ちについての話が中心。この連載は、文章もぴりぴりしたところがなくてよいけれど、ジャケットや盤の刻印の写真がちゃんとしてることが肝だと思っていたので、刻印はiPhoneで撮っていて、機能があがっているので、連載時から撮り直したものがあるとか、ジャケのスキャンを「セブンイレブン」で撮る苦労話を聞くことができて、よかった。文章と同様、真保さんも、盤についての数々のしのぎを経験うしているだろうに、ぴりぴりしたかんじが皆無でした。そうしたところも含めて、『初盤道』を買うことにして、サインもいただきました。
 終わってから、店内をひとまわりしたあと、Nさんと休憩と交換会を兼ねて、ドトールに。そこを出て、解散し、母の好物のラスクを阪神百貨店で押さえてから、早々に帰った。自宅最寄駅に着いたら、予報どおり、雨が降っていた。スーパーBに寄って、帰宅した。

 今週のおでかけリハビリ、その二。土曜日(2023年10月21日)、16時からのでの『ピントがボケる音』(国書刊行会)刊行20周年記念の集い(Bonjour!現代文明)に。トークは16時からだけど、開場は12時で、それまでの間、「100000tアローントコ」のレコード販売、辻井タカヒロさんのリクエスト絵馬、金岩幸也氏のBGMが行われているとのこと。12時に阪急河原町駅に到着、いつもなら歩くところ、背筋(はいきん)温存のため、京阪で二駅移動、まず「かもがわカフェ」で昼食、「誠光社」を覗いてから、15時少し前に会場に着いた。出かける前に、『ピントがボケる音』を持っていこうと思ったら、片付けの甲斐なく、見当たらない。しかたがないので、代わりに『図書刊行会50年の歩み』を持っていったのだけど、「誠光社」の軒先にも、会場の受付にも積んでありました。受付で来場記念に配布されていたようです。

 「Bonjour!現代文明」は、畳敷きのたぶん襖をとっぱらった大広間。「100000tアローントコ」出張ブースで、ケイト・ブッシュ Kate Bush の12インチEPを2枚、フィッシャーZ Fischer-Z の7インチシングルを1枚購入。ケイト・ブッシュは、"THIS WOMAN'S WORK (Single Mix)" Limited Edition includes Free Poster (c/w "Be Kind To My Mistakes"、"I'm Still Waiting")、"HOUNDS OF LOVE" ("Alternative Hounds Of Love"、"Jig Of Life"、"The Handsome Cabin Boy")。えー、特に、"THIS WOMAN'S WORK" はジャケ買いです。憧れでした。あ、でも、"The Handsome Cabin Boy" は、non-LP集 "THE OTHER SIDES" には入ってなかった。伝承曲だからだろうか。フィッシャーZの "Remember Russia" b/w "Bigger Slice Now" も、エアチェックテープしかないけれど残してある好きな曲だけど、カバーイラストを Ralph Steadmanが描いているので、手に取った次第。ジャケ買いです。

 キンパとコーヒーを頼み、BGM(最近、洞口依子さんがツイッターで話題にされていた「チャッカリ夫人とウッカリ夫人」がかかっていた)を聞きながら、しばし、休憩。辻井さんにお願いしたいが、お題が思い付かない。
 開演時間が近づくにつれて、三々五々集まりだして、法事感漂う空間に。辻井さんにお願いするお題も思い付いて、頼みました。「BsAs」。ブエノスアイレス。今週、ピアソラ三昧の日があったこともあったけど、略しかたがとても好きで。As & Bs(シングルA面B面を集めた編集盤によくあるタイトル)にもかかってる。

 『ピントがボケる音』(国書刊行会)刊行20周年記念トークは、安田さんが、担当編集者で数々の映画本編集でも知られる樽本周馬さんに話を聞く前半、ゲストのカニコーセンのライヴを挟んで、樽本さんが安田さんの活動を辿りながら、安田さんの編集者としての側面を訪ねる後半という構成。出会いから作品を生む交流までのエピソードを交えながら、編集についての考えかたや取り組みが、笑ってしまう話と共に、聞けて、楽しかった。混み混みで、メモをとる余裕がなかったけれど。カニコーセンのライヴも、ひさしぶりだったけど、とてもよかった。樽本さんが、文章に着目されていたことにちょっと期待してしまうな。

 行きは、背筋(はいきん)温存のため、電車に乗ったけど、帰りは、つい歩いてしまった。気分がよくて。でも、それで思い出して、寄れた。「誠光社」には入っていなかったけれど、「丸善ジュンク堂」には入っているかも、ということで、吉上恭太さんの『ぼくは「ぼく」でしか生きられない 役に立たない“人生論”』(かもがわ出版、2023年10月)を購入。店内のカフェで、早矢仕ライスを食べて、夕食にした。

 今週のおでかけリハビリ、その三。今日は、水無瀬での「しまもと秋の古本さんぽ 2023 一箱古本市」。駅周辺と藤の木公園にいくつか集まってる他、あちこちにブースが散らばっているので、住宅街をひたすら、ぐるっと散歩することになり、なんでもないところをひたすら歩くのが趣味だった身には、それがとても楽しい。駅に戻ってきたときには、案の定、へろへろだったけど。吉田日出子『オォ・ミステイク!』(LP)と栖来ひかり『日台万華鏡 台湾と日本のあいだで考えた』(書肆侃侃房、2023年5月)を購入。栖来(すみき)さんは、前日の『ピントがボケる音』20周年記念トークでお名前が出たということもあり。Y字路についての本が気になっているのだけど、見つけてしまったので、すみません、だけど、先に。

 今週の片付け(カセット整理編)。●おでかけリハビリにがんばったこともあり、あまりこっちは進まなかったけれど、懸案だったNHK-FM「ポップス・グラフィティ」(1997年3月11日(火)、16:00-17:45)、竹村淳さん担当回の「誕生日におくる自作自演によるピアソラの歴史&'96年ピアソラ追悼ライブ」特集の内容を確認できて、よかった。これは友達に録ってもらったものだけど、当時聞いていても、曲名や楽団名、演奏メンバーをメモできたとはとても思えない。今回、アナウンス→走り書き→曲がかかっている間に斎藤充正さんの『アストル・ピアソラ 闘うタンゴ』の「曲名索引(欧題)」で曲名と出典を確認→Discogsで検索してテキストをコピーという手順でなんとかメモできた。'96年の追悼ライヴは、レコード化されていないのか、Discogsで見当たらないのが不思議。VHSビデオは出ていたようだけど、放送用録音がNHKに入ってきていたのだろうか。●ちょっと好きな曲がいくつかあったトイ・マチネー Toy Matinee のライヴ録音、クレイジー・ケン・バンドのNHK-FM「ライブビート」2000年8月2日(水) 放送のライヴ録音なども確認できた。

 今週のその他の音楽。●10月21日(土)、コルネッツのウェブラジオ「らじこる」第13回、「養老院」について。ついにこの回が来てしまった。実は、この曲が取り上げられる回をおそれておりました。1993年のメトロトロン・ワークスで聞いて、感激して、ずっときちんとした形で聞きたいと思い続けていて、その呟きが、コルネッツのみなさんに届いて、活動再開にあたってのレパートリーとして見直していただいた、のだけど、その際に、小熊さんにとって、とてもつらい思い出だったという話を聞いて、申し訳なく。当時、難しい曲なのに、準備も十分できないまま、演奏することになったのだそうです。その話を聞いて、93年の録音を聞くと、小熊さんの緊張が改めてわかるようで、。それでも、『濯う』に収録され、聞くと、新たなパートが付け加えられた改訂版だったのだけど、その部分にほろりとさせられ、当時の物足りなさを取り返されたと感じていたのでした。今回の「らじこる」では、小熊さんが、つらい思い出のはずのオリジナル版の良かった点を挙げられていて、メンバーと作品への敬意を感じて、襟を正す思いがした。93年版をコルネッツファンのひとたちに聞いてもらえて、よかった。●10月18日(水)、カーラ・ブレイ Carla Bley さんの訃報。●10月19日(木)、財津一郎さんの訃報。

 先週の書き忘れ。●エアチェックの確認のために、NHKのテレビ・ラジオの過去の番組表を検索できる「NHKクロニクル」ページを活用しているのだけど、ありこれ検索してみて、ラジオについては、AM、FMとも1992年4月1日以降であることがわかった。「わたしのエアチェック時代」が終わり、記録が疎かになるのが1990年くらいからなので、番組がわからない時期が2、3年あるということになる。検索可能時期にしても、全曲があがっている訳ではないので、ひっかからないものもあるけれど。いや、ほんまに「博士はどうしてこうちゃんとメモしてくださらなかったんですか。一点一点に採集地と日付をちゃんとメモしておいていただけたら、こんなことには」(NHK朝の連続テレビ小説『らんまん』のセリフより)。●「BS松竹東急」での「木下惠介アワー」再放送シリーズは、先週の火曜日(2023年10月10日)で『おやじ太鼓(第二部)』が終わり、水曜日から、津坂匡章、秋山ゆり、あおい輝彦、沢田雅美の主演による『兄弟』(1969年10月21日 - 1970年4月14日)。当時も『おやじ太鼓(第二部)』に続いて放送されていた。脚本は山田太一さんがメインみたい。男たちが、心の声がだだ漏れ状態で、情けなさ全開だけど、それぞれ、折り合えるように描かれていくのだろうか。第4回の、事故で閉じ込められた満員電車の中で、乗客たちが話をしないのはどうしてだろう、という問いかけは、山田太一さんらしい、と思った。

 起きている惨状に対して、止める有効な手段も知識も持っていないわたしは、おかしな受け取りかたを招く言葉のおかしさを伝えたいと思う。

10月23日(月)
[一回休み]
10月24日(火)
[一回休み]
10月25日(水) 【▼ぐりぐらメモ/2023年10月25日】
 今年に入って、「フリー」(not …ランス)になって、思っていた以上に身についていないのが、時間の配分です。「いつでもできる」から、その時に切羽詰まっているものから手をつけて、終わると、一仕事終えた感で、のんびりしてしまって。先日、終了したドラマ『わたしの一番最悪なともだち』で、主人公、笠松さん(蒔田彩珠)の母親(紺野まひる)に「読書の時間」があり、その間は、父親(マギー)もひとりで居るという描写があった。自分らしさに悩む娘に対して、お母さんという役割に満足していると話す母親だけど、役割に飲み込まれない時間配分をしていることがうかがえた。読む時間、聞く時間を作らなあかんかもしれない。課題です。

 日記を書く時間というのも、かつてどうだったか、忘れてしまっている。忙しかった時期の最低限の更新タイミングに合わせて、すっかり週一回、日曜日の夜に、とにかく出来事だけはメモとしておこうというかんじになっている。一方で、今年から、Excelで一行メモを始めて、ほんとうの「日記」はそっちになっている。ウェブで発表することを前提としていないので、場所も人も実名で書いているし、外では話せないことも書いている。文章も、時間と同じく、体裁を考えないでよいメモ、受けを多少は意識したツイート、記録でいっぱいいっぱいのウェブ日記の配分ができなくて、言葉がすんなり出てこないかんじが、このところ、している。

 昨日(2023年10月24日)、朝から、先々週受けた検査の結果を聞きに、病院へ。結果良好、でした。アレは消えています、と。はー。山西惇さん似の担当医とも最後、以降は家に近い専門クリニックでの経過観察となった。

 福岡のタカクラさんから、現在、福岡で行われている「ブックオカ」のパンフレットと、タカクラさんも参加されているミニコミ「読婦の友」9号を送っていただいた。座談会とメンバーそれぞれが担当するページで構成されていて、今号は図らずも、か、それぞれが「書く」ということを振り返る内容になっています。福岡で仕事をしていた頃から既に四半世紀以上経っていて、離れてからは一度も行けていない(離れた直後はまたちょくちょく来れると思っていた)けれど、わかるところはまだあるし、親近感もある。

 シングル盤が2枚、届いた。NRQ「あの丘のむこうがわへ (remixed by VIDEOTAPEMUSIC)」b/w「lament」、GO TO HELL「俺は横丁が好きなんだ」b/w「壁」。聞いてから、書くべきといつも思っているのだけど、まだ聞けていない。このところ、レコードプレーヤーがある作業部屋にも行けてなかったから、片付けに復帰して、レコードも聞くようにしたい。

 本日の片付け(カセット整理編)と先週の書き忘れ。●種ともこさんの1990年2月7日、大阪「サンケイホール」で行われたコンサートを放送した特別番組『マクセル・アーバン・ライブ』(1990年2月12日放送)。日立マクセルの企画コンサートで、テープを買って、応募する招待制だった。行ってないのは、応募し損ねたのかな。1400名様ご招待なので、外れたということはないような気もする。2月21日のアルバム『うれしいひとこと』発売直前で、「笑顔で愛してる」がラストで、アンコールの1曲目が「ダイエット・ゴーゴー」。アンコール2曲目の「ゲンキ力爆弾」では、「ゲンキ力踊り」踊り納めと告げられている。番組は、メンバーの自己紹介から始まり、種さんのコメント、観客のコメントも収録されている。種さんのコメントの背景には、「雲に映る歌」と「うれしいひとこと」「笑顔で愛してる」のインストゥルメンタルが流れているのが気になる。番組用に用意されたものだろうか。●ほいで、今日やっと聞けたのだけど、先週から機会をうかがっていて、その過程で、えらいポカに気付いてしまった。2017年の『バトン』は、30周年記念ツアーの録音を収めたCDと本のセットで、本に収録された年表確認のため取り出したのだけど、付いていたハイレゾ音源のダウンロードを忘れていたのだ。当時、通信環境がいまいちで、改善したらアクセスしようと考えて…そのまま忘れてしまっていた。それで、アクセスしてみたら、各曲のダウンロードページまでは行けたのだけど、ダウンロードはできなかった。6年も経っているしなぁ。でも、問い合わせ先が記されていたので、ダメ元で連絡してみたところ、管理会社が変わっており、サービスも3年前に終了したとのことだった。でも、会社都合なので、特別にファイルを送っていただけることになった。ダウンロードしてないもの、他にもある、きっと。

 本日のアルバム。David Bowie "STAGE" (2017 Edition)。ボックスセットのバラ売りとして出たのかな。1978年4月、5月のツアーでの演奏を収めたライヴアルバムで、元は1978年9月に発売されている。当時は、ラジオでかかったものをエアチェックして、それで聞いていた。RykoからのCDでやっと手元に。これは曲順は元のままで、"Alabama Song" を追加したものだった。元は、"ZIGGY STARDUST"(A面)、"YOUNG AMERICANS"/"STATION TO STATION"(B面)、"LOW"/"HEROES"(C面、D面)という構成でわかりやすかったけど、実際の演奏順ではなかった(NHKで放送された日本公演の模様でそのことを知った)。2017年版は、曲順を実際のものに戻し、曲がさらに追加されている。買い直しを躊躇しておきながら、同じツアーの6月、7月の録音を収めた "WELCOME TO THE BLACKOUT (LIVE LONDON '78)" を買ったときは買い直しの代りと嘯いていた。Nさんのおかげで2017年版を聞くことができて、"The Jean Genie" に新鮮な思いがして、曲順に翻弄されても、聞いたことがないものはわかるよなぁと自惚れていたのだけど、"WELCOME TO THE BLACKOUT" を聞いたときは、それが"STAGE"未収録曲であることには気付いていなかった。"Suffragette City"も。このあたりの収録内容を精査する能力が落ちていることも実感しています。実際の曲順は、"Fame" のあとで休憩が入るようなことを告げているので、おおむね "LOW"/"HEROES"が第一部、おおむね "ZIGGY STARDUST" が第二部、どちらも、"YOUNG AMERICANS"/"STATION TO STATION" 曲で締めるという構成になっている。

10月26日(木)
[一回休み]
10月27日(金)
[一回休み]
10月28日(土)
[一回休み]

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2023 Kijima, Hebon-shiki