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2023年9月10日〜2023年9月16日


9月10日(日) 【▼ぐりぐらメモ/2023年9月10日】
 なかなか秋の気配は来ず、日射しはきつく、溜められた気温は高いままの日々。片付けを再開させて、ぼちぼちとやっているのだけど、さっそく、ヘンなものを踏んづけて、足の裏に傷を作ってしまった。
 一方で、天気は不安定でもあり、雨が降ったり、土砂降りになったりして、それが出にくい理由でもある。様子を見ているうちに、ぐったりとしてしまうこともしばしば、でした。

 先週の書き忘れ。●2023年9月3日(日)、大貫妙子さんのシングル「朝のパレット」b/w「ふたりの星をさがそう」が届いた。配信のみでリリースされていた最新の2曲を、AB面に収めたもの。●2023年9月3日(日)、「季刊ゆうびんくろねこ」1号も届いた。●いろいろ考えていたこともあるはずなのだけど、思い出せない。書き忘れではなくて、ほんとうに忘れてる。

 支払いや引き取りなどのコンビニ利用の利用料のつもりで、中沢啓治『はだしのゲン』(「週刊少年ジャンプ」連載版)を収録したコンビニ本2冊を購入。読むのは、中学生のとき以来。勧善懲悪ではまったくなく、反体制礼賛物語でもないのに、行政都合至上主義のひとたちが忌み嫌う理由がわからない。ひとりとして、「いいひと」は居ない。被害を受けたひとにも。「ただのひと」がいるだけだ。

 関東大震災の記録を検証する番組をいくつか見たということもあり、金曜日(2023年9月8日)、森達也監督『福田村事件』を「シネ・リーブル梅田」に見に行った。母をデイケアに送り出してから、思い立って、ウェブでチケットをとり、出かけたのだけど、梅田駅から「シネ・リーブル梅田」まで結構歩くことを忘れてた。着いたら、開場10分前だった。発券して、すぐにパンフレットを確認したけど、売り切れていた。
 『福田村事件』は、関東大震災のあと、遠く離れた千葉県の福田村でも起こった「不逞鮮人が害をなす」というデマによる余所者の大量殺害を描いたもの。疑心暗鬼に至る日露戦争後の村の空気と、村々を口八丁手八丁で渡り歩く行商団の置かれた位置を前半で描き、後半で、間違いが積み重なり、恨みや不満とともに増幅して暴発が起こるのだが、横溝正史のようなサスペンス的展開は避けられていたと思う。
 わずか、と平常なら思える違いが、排除しようとしたときに増幅される。違いが増幅されるとともに、排除する要素が結びつけられてしまう。言葉が「違い」を結びつけ、違いの化身のようになる。内実、検証がどうでもよくなってしまう。「朝鮮人だろ」と糾弾されることに対して、「(実際にはちがうのだが)朝鮮人だったら何が悪いのか」という正当な回答が成り立たない。外部に居る人間だけが固着してしまった言葉を解毒することができ、それゆえに主人公であり得ることが哀しい。結末には、事件後、内部に居た人間たちには言葉が持ち得なかっただろうという絶望も感じられた。

 母のデイケア帰りには間に合わないので、あきらめて、母へのみやげを阪神百貨店で調達してから、大きな書店ふたつと大きなレコード店ひとつを覗いた。探しものは見つけられなかったけれど。

 ヴァージンVSのシングル、「星空サイクリング」「ヌーベル・シンデレラ」「ねじ切れた夜」が届いた。ライヴ録音集『モンテクリスト・ファンクラブ』の番外編で、上下巻に入らなかった「星空サイクリング」のライヴバージョンと、上巻に収録されたものとは別の日の「ヌーベル・シンデレラ」、それと久保田さちおさん作「ねじ切れた夜」のデモを収録。ライヴ録音はアナログ7インチAB面に、デモはライヴ録音とともにCDに収められている。CDは付録という訳ではなく、2曲入りアナログ盤と3曲入りCDのセットになっている。
 作詞・作曲の名義が、いままではVirgin VS名義だったのが、個人名になっていることに気付いたけれど、それは『モンテクリスト・ファンクラブ』でも同じだった。ライナーノートで触れてないな、不覚。そう言えば、書店の坂本龍一さんの追悼コーナーに、「レコードコレクターズ」7月号があったので、確かめた。わたしの名前が「レココレ」に載ってました。買わなかったけど。

 いしいひさいち『花の雨が降る ROCAエピソード集』。吉川ロカ、柴島美乃のふたりの間には、本編に出てきた他にも、いろんなことがあっただろう、そんないろんなことが描かれた一冊でした。柴島さん、どうしているだろう。元気にされているだろうか、と、表紙のロカさんの姿を見ながら、思う。

 今週のラジオ。●澁谷浩次さんのnoteラジオ yumboトークシリーズ。皆木大知さん、芦田勇人さん、高柳あゆ子さん、工藤夏海さん。面談みたい。高柳さんの回では、高柳さんの歌を初めて聞いた三角フラスコ+yumbo『これが現実だ』公演のことを思い出しながら、聞いていました。●2023年9月8日(金)、アルファステーション(FM京都)「NICE POP RADIO」は「ニュー・ウェーヴ、あるいは1977年から1982年の音楽」特集。XTC、レッド・クレイオラ、スクイーズにまじって、すきすきスウィッチがかかっていた。

 ジャニーズ事務所の会見が開かれたけれど、会社名を存続し、タレントを守ることよりも会社を守ることを優先(当人達は同じだと考えているかもしれないが)することにおいて、何の改善にもなっていない。謝罪は、ジャニー喜多川の所業についてだけでなく、それよりも、防げなかった、防ごうとしなかったことに対して行わなければならないのに、そうした話も聞こえてこなかった。いまとなってはもう遅いけれど、タレント、特に年長のタレントが声をあげるべきだったと思う。未成年のタレントを守れ、と。それが会社を救うことにもなったはずなのに。

 今週は、『わたしの一番最悪なともだち』の(主人公にとっては大きな、でも、ほんとうのところは些細な)課題に取り組む様子だけが救いやったわ。

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