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2022年12月4日〜2022年12月10日


12月4日(日) 【▼ぐりぐらメモ/2022年12月4日】
 訳あって、メモがいま手元にないので、思い出しながら、簡単に…と言いつつ、うだうだ。

 就寝前映画。週前半は、大九明子監督『私をくいとめて』。のんさんは、外れることを選んでいるようで、流されるままになっているかもしれない、ぶっきらぼうな役がとても合っていた。週後半は、鈴木卓爾監督『ゲゲゲの女房』。結婚当初の苦労期を描いていて、漫画史ではなく、ふたりのパーソナリティが中心になっている。妖怪との遭遇は、やや唐突で、ふたりのことを知らないとわからないかんじになっていた。安来言葉が懐かしかった(テレビドラマ版で親しんでいただけだけど)。土曜の夜、配信最終日と勘違いして、横になり布団かぶって見始めたのだけど、案の定、途中で眠ってしまった。起きてから見直したら、最後の場面までちゃんと見ていた。のだが、ムーンライダーズと小島麻由美によるエンディングの歌の記憶はなかった。そんなタイミングで入眠したのか…。

 火曜日、雨の予報。午後の小休止を含めて、予報どおりだったけど、仕事場を出たときは止んでいて、もしかしたら、家から遠いほうのスーパーに寄れるかもと思っていたら、乗換駅で、電車を待っている間に、突然激しく降り出した。自宅最寄駅に着いて、なんとか駐輪場に駆け込んだものの、全力で降っていて、出るに出られない。しばらくおさまるのを待つことにした。よく考えてみれば、ベンチと自動販売機のある駅のホームのほうが雨宿りにはよかったかもしれない。本を読んでいたのだけど、音がおさまったのを感じて、駐輪場を脱出。あわてて出たので、老眼鏡のまま走り出してしまった。自宅までの距離2/3ほどでまた激しくなってきたけど、自宅近所のスーパーに滑り込めた。買い物して、出入口の脇にある通販受け取りロッカーで、CDを2枚受け取って、帰宅したら、駅に着いてから、一時間経っていた。

 受け取ったのは、優河『めぐる』とマウンテン・シティ・フォー Mountain City Four "MOUNTAIN CITY FOUR"。優河さんの2019年5月22日発売のミニアルバムは出ているのを知らなくて、機会があればと思いながら、機会がなかった。実際はどうかわからないのだけど、ご本人の公式サイトの販売ページで売り切れとなっていたのが、通販サイトにはまだあったので、つい。ケイト&アンナ・マッギャリグルがデビュー前に参加していた4人組フォークグループ、マウンテン・シティ・フォーの録音は、映画に使われたものなど、いくつか聞いているけれど、これは1964年、1965年のライヴ録音を中心に、1969年のライヴ録音、1970年のデモを加えたもの。最後に、ケイトさんが亡くなったあとの2012年にファミリーをまじえて行われた演奏が収められている。自作曲はなく、伝承歌やカントリー、ゴスペルをレパートリーとしていたよう。

 それにしても。通販物の引き取りと言えば、退職まで一か月を切ったけど、通勤途中の乗換駅近くのコンビニを受け取り指定しているレコードがまだ届かない。10月には出ているはずなのだけど、定期が切れるまでに届くんだろうか。自転車で行けんことはない、というか、月曜日が待てずに土曜日に引き取りにだけ(目的地を大幅に通り越して)自転車で行ったこともあるし、電車が止まったとき家まで歩いたこともある距離だけど。

 水曜日も、引き取り。アーネスト・フッド Ernest Hood の未発表録音集 "BACK TO THE WOODLANDS / WHERE THE WOODS BEGIN"。

 今週の現実逃避(ウォーリック大学生新聞アーカイヴ)。その一。1977年11月23日号のカムデン・ジャズ・フェスティバルのレポートで、デビュー前のナショナル・ヘルスの記事。「聴衆の反応はよく、レコーディング契約が未だ取れていないことが不思議」とあるけれど、写真はデビューアルバムのメンバーなので、もしかしたら話は進んでいたかもしれない。ただ、執筆者は、発掘録音集 "MISSING PIECES" 収録曲("Lethargy Shuffle & The Mind-Your-Backs Tango"、Leather Shoe Shuffleと記されている)や、2枚目で発表された曲("A Legend In His Own Lunchtime"、のちに "Binoculars" と改題)について特筆しているので、知らなかったと思う。うっかり読み飛ばしてしまったけど、"A Legend In His Own Lunchtime" はリチャード・シンクレアの歌がハットフィールド・アンド・ザ・ノースを思わせるとあって、驚いた。ジョン・グリーヴスのヴォーカルで親しんでいる(カラオケにあったら歌いたい)"Binoculars" をリチャード・シンクレアが歌っていたとは。読後、手持ちのナショナル・ヘルスをひっぱり出して、聞いてしまった。

 その二。1968年9月25日号の学祭?レポートで、ロイ・ハーパー、リバプール・シーン、コーネリアス・カーデュー、クリス・マクレガーなど出演とあり、行きてー、となった。定額制配信でリバプール・シーンを探すと、知らなかった編集盤 "THE AMAZING ADVENTURES OF... THE LIVERPOOL SCENE"(2009年発売)があがっていて、聞いたことがなかった3枚目と4枚目からもたくさん選曲されていた。それで、3枚目、4枚目についてDiscogsで詳細を見てみたら、なんと、ウォーリック大で収録された演奏が入っているとある。さらに調べてみたら、1969年11月28日号に、「来る(1970年)1月10日(土)に以前もうちの大学に出演してくれたリバプール・シーンがウォーリック大でLPの録音をします。予約して、録音に参加しましょう」と告知記事があった。レポートは、1970年1月16日号で。それによると、彼らは、移民排斥を訴えたイノック・パウエルを非難した歌を歌ったらしい。この後も、新聞で、リバプール・シーンが話題になるときは、そのことに言及されているので、よほど強い印象を残したのだろう。録音物に見当たらない。どうも、"Car Crash Blues" のようなのだけど、1967年の、つまり、1968年4月20日のパウエルの演説以前に出たエイドリアン・ヘンリとロジャー・マッグーのふたりによる "THE INCREDIBLE NEW LIVERPOOL SCENE" 収録版には、もちろん、そのくだりはない。別に録音があるのかどうか気になっている。読後、1枚目と2枚目をひっぱり出して、聞いてしまった。

 土曜日、こぶね、野崎ハウスを聞きに「音凪」へ。日曜日、寝るまえに、「雲州堂」でのNRQ『こもん』発売記念ライヴの予約を入れたのだけど、水曜日に、中尾勘二さんが体調不良になったことが発表になり、、NRQが来られなくなった。それで、共演予定だったこぶねと野崎ハウスでライヴが行われることになったのだ。

 その前に、「天神橋筋六丁目駅」上にある「大阪くらしの今昔館」での「なにわを語る明治・大正・昭和の絵葉書」展を覗いた。やはり、「音凪」に行った帰りに「南森町駅」で見かけたポスターにあった、レコードをあしらった葉書に引きつけられてしまって。くだんの葉書は、大正14年の大阪市中心標序幕記念に作られたもので、実際に音が鳴るものが貼り付けられていた。他にも、観光の変遷や、当時の生活がうかがえるものなど。今回の展示の図録はなかったのだけど、代わりに、展示物が多く重なっていると説明を受けた「日本絵葉書会・関西研究シリーズ10 絵葉書 大大阪時代となにわ人士」を購入した。

 歩いて、「ディスクユニオン」に。友人のNさんと待ち合わせ。といっても、とりあえず、店内探索。少し前にNさんとの間で話題になったローラ・ニーロの "SEASON OF LIGHTS... LAURA NYRO IN CONCERT" の1993年版CDが安かったので買うことにした。元のLPどおりの内容のもの。CDを買わないでいるうちに、曲が増えて、再編集されたデラックスエディションが出て、それを持っているのだけど、編集がちがうからと元のも押さえておきたくなるという病で。ドノヴァンのライヴアルバムもそやったんよなぁ。
 コンビニのイートインで、しばし近況報告。退職のこと、老親のこと、配信とのつきあいかたなど。

 Nさんと別れてから、歩いて、天神橋筋一丁目「音凪」に。30分かからなかった。最初に、こぶね。元イノウラトモエで、井上智恵トリオなどにも参加していた加納佐和子さんと西浦徹さんのデュオ。加納さんは、ドラムではなく、ハンドパンというステールパンをひっくり返して合わせて円盤状にした楽器を演奏。どこかの地の伝来の楽器かと思い、民族音楽を予想していたのだけど、ミニマルかつ思いがけないギターが差し込まれる、良い方向で「思てたんとちがう」音楽でした。ずっと聞きたいと思っていたので、ようやく。良かった。
 野崎ハウスはひさしぶり。以前は、「世界ふれあい街歩き」の趣きだったのが、ひとつの土地の架空の歴史をたどるような、「よみがえる新日本紀行」風味になっていた。キーボードと歌もバージョンアップした感あり。楽しかった。こまめに見んとあかんな、と思うも、これからはなかなかむつかしいか。うーん。

 きょうは、雨の予報が出ていたけど、降らず。昼前に、姪が広島への修学旅行のおみやげを持ってきてくれると連絡あり、片付け。おみやげをもらいつつ、話をいろいろ聞いた。片付けのついでに、二階の片付けのような、ただ、置いてあるものを眺めただけのような。そやそや、今週、探しものをしていて、2018年の大阪北部地震のときに倒れて、見失っていたフックひとつを発見した。フックが三つの棚には何も置いていなかったのだけど、ようやく置けるようになった。そこにとりあえず、並べていっているのだけど…状況はあまり変わらず。

12月5日(月)
[一回休み]
12月6日(火)
[一回休み]
12月7日(水) 【▼ぐりぐらメモ/2022年12月7日】
 日曜日の更新時に、週のあいだにぽつぽつと書いていたメモが手元になかったので、改めて思い返して書いたのだけど、書き忘れたことがいくつか。些末なことや悩ましいこと。
 ところで、悩ましいという表現について、「悩殺」というエロい意味に限定した受け取りかたが広まっているという話を聞いて、ほんまかいなと思った。いまさっきの「悩ましい」は、困っていると言うとさしでがましいが、考えることから離れられなかったことを指す。

 些細なこと、その一。松永良平さんがサミュエル・ホイ(Sam Hui、許冠傑)の "I Saw The Light" カバーを収録したアルバム『CAME TRAVELLING』について、Twitterで投稿されていたので、「Apple Music」を見てみたら、あった。過去作のタイトルに付記されている「復黒王」という言葉に興味を持って、調べてみた。英語ではBack To Blackとなっているので、かつて黒いビニール盤で出ていたものの復刻の意であることはうかがえるのだけど、王にあたる語がわからない。やはり、Kingなのだろうか。「安売王」を連想してしまったけれど、待ち望まれた復刻、素晴らしい(作品の)復刻といったことかなと想像している。

 些細なこと、その二。もろもろの更新があったのだけど、いつもは数か月分まとめてのところ、一か月分のみ。12月いっぱいということをひしひしと感じている。そんなところに、仕事場でよく利用していた残業食用のリング式自動販売機が壊れたり(よく買っていた商品がラインナップから外れたので、数か月前から利用していなかったのだが)、駐輪場の空気入れ機械が壊れたりといったことが続いて、追い打ちをかけられていたのだけど、とどめは、所属部署の若手で仕事のできるホープの退職が告げられたこと。同日に最終出社となるひとが出てくるとは思わんかったよ。

 些細なこと、その三。金曜日、RYUTistが、「タワーレコード」NU茶屋町店で『(エン)』発売記念インストアイベントをやるというので、行ってみよかな、アイドルの現場とはどんなものかいちど見てみよかなと思ったのだけど、要項を読むと、当地で購入しないと、ミニライヴ会場に入場できないとあり、断念した。あそこは、壁で仕切ることもあるので、無理はしないでおこう、と。
 おとなしく、月イチの診察に行き、4回目のワクチンの予約をした。実は、土曜日の午前中でも空いていて、勤め人根性から、うっかりそれにしようとしたのだけど、土曜日は午後から用事があったので、副反応が出てはまずいのであった。弊社は、ワクチン接種日については特別休暇がとれるのだけど、もう退職する人間に配慮する必要はないと思われてるやもしれない。自前の有給休暇も余分にあって、ロスタイムのようなものだから、特別休暇にしなくてもよいのだけれど。

 悩ましいこと。愛聴しているミュージシャンが、過去の作品の経緯について書いたブログがアップされたことを、回覧で知った。読み始めて、すぐ、金銭に関することが詳しく書かれていることに気付いて、トラブルになる可能性がある、すぐに取り下げられるかもしれないと思い、全文をコピーした。文章は、ある時点で、自分が辞めていたほうがバンドのパートナーにとってよかったのではないかという、失敗についての悔恨を綴ったものだった。ただ、失敗の要因として、金銭のやりとりがあげられていたことで、関係者を非難するものになってしまっていた。もしかしたら、書いているうちに、怒りが再燃してしまったのかもしれない。それが公開されてしまった。
 怒りは、金銭に由来するものばかりではないように思える。でも、金銭について公開してしまったことで、第三者が話題にすることを呼び込み、相手の反論をそこに集中させることになってしまった。避けるべきだったと思う。ただ一方で、第三者に非難されたことを再三「殴られた」と表現したり、勤め先をばらしたり、社会性を強調したり、細々としたことを金銭に関することに代表させて一事が万事と否定することは、いただけないと思った。挑発なのかもしれないけれど。これとて、一方にはファンであり、もう一方にはほとんど関心がないことからくる、不公平な感想ということになるのか。

12月8日(木)
[一回休み]
12月9日(金)
[一回休み]
12月10日(土)
[一回休み]

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2022 Kijima, Hebon-shiki