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2022年8月7日〜2022年8月13日


8月7日(日) 【▼ぐりぐらメモ/2022年8月7日】
 先週の書き忘れ。7月24日、「ニューポート・フォーク・フェスティバル」に、2000年以来、療養のため、演奏活動をしていなかったジョニ・ミッチェルが出演した、というニュースとともに、映像も伝わってきた。事前予告なしのだったらしいけど、ゲスト出演という訳ではなく、映像は数曲だけだったけど、13曲を演奏した、ということだった。復帰が実現した、ということだけで、何も付け加える必要はないような気がする。ジョニさんにとって、よいことであれば。会場で配られたと思われる曲目表をツイートしているかたがいたので、演奏曲目をメモしておく。
Carey
Come In From The Cold
Help Me
Case Of You
Big Yellow Taxi
Just Like This Train (instrumental)
Why Do Fools Fall In Love
Amelia
Love Potion #9
Shine
Summertime
Both Sides Now
The Circle Game


 月曜日、早朝、開演から約11時間後に始まった「FUJI ROCK FESTIVAL」第3日の再配信で、日曜日に見られなかったスーパーオーガニズムと少しだけ見た中村佳穂さんを見る。演奏の「楽しさ」を目の当たりにする。

 乗換駅の通路で、蝉がひっくり返っていた。暑すぎて、不時着したのではと勘ぐってしまう。やはり書くのを忘れていたけど、先週の金曜日、ふと気が付くと、朝の電車の中で、足の先50cmくらいのところに蝉がうずくまっていた。時間の余裕があり、混雑していなければ、確保して、次の駅で離したいところだったけど、確保し損ねて飛び回られたら車内がパニックに陥るので、申し訳ないけど、そのままにして、降りた。

 帰りに、近所の診療所に、月例の通院。待合室に居る間、ひっきりなしに電話がかかってきていて、感染爆発を実感した。こうした状況下で、フェイクニュースと自己責任論が横行していることに絶望する。安倍晋三は、それをよしとした元凶のひとりだった。政権維持のためには、日常的に社会を成り立たせているものを蔑ろにしてかまわない、という姿勢が露わだったし、そのことに異を唱えることを倒閣の口実としか捉えていなかったようだった。その幼稚な理屈がいまだに蔓延している。

 火曜日、朝、「Daisy Holiday」7/31放送を聞く(30分)。ゲストは、くくく(原田郁子&角銅真実)。帰りは、よしこストンペアと流さんの配信。Instagramの時系列表示に出てこないのでもう見られないのだと思っていたのだけど、賀子さんのページに行くと見られるようになっていた。
 仕事場の売店に注文していた矢部明洋『平成ロードショー』(忘羊社、2022年9月)が届く。博多で仕事していた頃に、客と読者としてお世話になった高倉美恵さんの「同居人」の方で、毎日新聞の記者時代の1999年から2014年にかけて新聞に書かれた新作映画紹介やコラムをまとめたもの。

 水曜日、iPad mini充電不足のため、音楽を聞いたり文章を読んだりすることはせず、矢部さんの『平成ロードショー』を読み進めることができた。長らく改装工事をしていた乗換駅の駅ビルの開店がぼちぼち始まっていて、その中に、仕事場最寄駅にあって、早く帰りたくない日にはよくぼんやりしていたカフェがあった。途中下車しなくていいのがありがたい。

 木曜日、Wi Fiルーター忘れ。引き続き、『平成ロードショー』を読み進める。乗換駅ホームでものすごい眠気で乗りそびれるのではないかとこわかった。午後から雨の予報が出ていたけど、降りそうで降らないまま、夕方になった。雨が降ったら、諦めて、帰りに、新装開店のカフェに寄ってみようと思っていたけれど、降らないでいるので、降らないうちに帰り着きたいと思ってしまい、寄らずに、焦り気味で帰宅した。空が淡い紫色で変なかんじだった。夜、月一回の家計調査報告書作成。夜中に豪雨。
 
 金曜日、行き帰りに、「J-WAVE」「TOKYO M.A.A.D SPIN」巻上公一さんゲスト回を聞く。その前にあったらしい井上誠さん出演回を踏まえたところがあって、聞き逃したことを後悔する。東京キッドブラザーズのニューヨーク公演でのラモーンズとの遭遇、ロンドン公演での東京キッドブラザーズ脱退とルミエール&サン Lumiere & Son への参加、帰国してからヒカシュー開始あたりまで。ルミエール&サンが、ロジャー・ウォーターズがスポンサーだったそう。ヒプノシスがポスターをデザインしたり、ヘンリー・カウと共同作業をしたりしていたのは、ケンブリッジ大学つながりらしい。リンジー・クーパーが音楽を担当していたのは知られているけれど、ロバート・ワイアットが曲を提供していたこともあるとか。帰ってから、巻上さんの『宇宙の右翼、水中の左翼』のルミエール&サンについて書かれたところを読み直した。
 帰りに、乗換駅のカフェに寄った。とてもきれいで、客層がちがうからか、仕事場最寄駅の店に漂っていたどんよりした空気もなくて、よかった。ときどき寄りたい。

 近所のスーパーに設置された通販受取ロッカーで、注文していたブライアン・イーノ "FILM MUSIC 1976-2020"、"RAMS - ORIGINAL SOUNDTRACK ALBUM" を引き取った。イーノさんの映画音楽ページを改訂するために、聞いておかないとという気持ちと、ディーター・ラムズのドキュメンタリー映画がとてもよかったので、サントラを持っておこう、と思い。

 "FILM MUSIC 1976-2020" は、"MUSIC FOR FILMS" とは異なり、明確に、映画に使用/提供された曲を集めたもの。曲は時系列に並んでおらず、映画ごとにもまとめられていない。初出ではない作品用としてあがっているものもあり、ちょっともやもやしてしまうけれど。バックグラウンドもしくは劇伴として流れるもの以外に、「歌」として提供されたものが含まれているのも、違和感があるけれど、イーノさんの曲のためだけにサントラを買うことにも躊躇していたので、ありがたくはある。近年のサントラは追っかけていなかったので、初収録と言われても、なのだけど、"TOP BOY"、"THE LOVELY BONES"、"FRANCIS BACON'S ARENA"、"O NOME DA MORTE"、"WE ARE AS GODS"、"HEAT" からの曲がサントラが出ていないものから。そのうち、"HEAT" の "Late Eveing In Jersey" は、発掘録音集 "CURIOSITIES VOLUME 1" で出ていたものらしい。この発掘録音集は見送ったんよなぁ。気になるのは、"THE LOVELY BONES" で、Discogsには、プロモ盤があがっているものの、発売はされなかったみたい。知らなかった映画だけど、イーノの他の曲やコクトー・トゥインズの曲が流れるみたい。見てみたい。ちなみに、ブロモ盤としてあがっているものには、今回収録された "Ship In The Bottle" というタイトルの曲はない。どれかにあたるのだとは思うけど。
 "MUSIC FOR FILMS" シリーズおよび同時代の作品としては、"Final Sunset"、"Dover Beach"、"Deep Blue Sky"、"An Ending (Ascent)" が含まれている。"Final Sunset" を改めて聞いていて、思ったのだけど、先日再放送していた『ハゲタカ』の音楽、"Final Sunset" のエンディングにヒントを得ていないか。

 "FILM MUSIC 1976-2020" は、どういう意図なのか、配信版はなくて、その代わりに、テーマ別のEPが配信されている。"SCIENCE/FICTION"、"EUROPA"、"JARMAN > STILLNESS"、"VOICES & WORDS"、"INTERIOR"、"CRIME PAYS" の6枚…6種。それぞれ、"FILM MUSIC" 収録曲の他に、過去のイーノ作品が併録されている。この中の "JARMAN > STILLNESS" は、デレク・ジャーマン作品に提供された曲をまとめたもので、"FILM MUSIC 1976-2020" に入っていない "Slow Water" だけでなく、マテリアリ・ソノリから出たコンピレーションにのみ収録されている "GLITTERBUG" 提供曲 "Distant Hill" と "Radiothesia III" が収録されている。これ、盤にならへんかなぁ。

 土曜、日曜は、午前中にミッションを達成したのち、午後はへばっていました。きのうの午後は、矢部さんの『平成ロードショー』を読み終えた。あとがきで、高倉美恵さんが、二人の縁が映画のフリーペーパーだったと書かれていて、あっ、と思い出した。「BUSTERS PAPER」。高倉さんが店長をされていた「福家書店」や「TRACKS」でとってきていた。充実した内容で、愛読していたのだけど、そこに「毎日太郎」の名で書かれていた「常連投稿者」が矢部さんなのでした。
 『平成ロードショー』に収録された文章は、新聞での新作紹介として書かれたものなので、基本的に「見てないひと」向けなのがありがたい。見所とともに、堪え所が書かれているのが面白い。あかんところはあかんところなりに、乗り切ってくれ、という具合に。1999年から2014年にかけて書かれたもので、新聞ならではの、当時の世相を踏まえた記述があり、もはや忘れかけて、うろ覚えの2000年代のクロニクルにもなっている。ああ、これ、その頃の話やったか、と。副題に「全身マヒとなった記者の映画評」とあるように、矢部さんは2014年11月に脳梗塞を発症し、現在、自宅療養されている。その様子は、高倉さんの新聞連載「眼述記」で綴られていて、それは読んでいなかったのだけど、断片的に目にしていた。ただ、記事そのものは、倒れられる前に書かれたものなので、全身マヒであることと記事の内容に関係があるかというと、うーんとなってしまって、言いづらくはある。

 きょうは、夕方近くに、なんとか起き上がり、支払いやら調達やら図書館やらのいつもの日曜の午後をすることができた、のだが、うだうだするつもりだった「ドトールコーヒー」がなんと早仕舞いしていた。それから、あてどなく走ってみるという趣味に。自分が住む市でも、知らないところはまだまだある。長い陸橋を渡ることができて、ちょっとうれしかった。

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