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2021年12月19日〜2021年12月25日


12月19日(日) 【▼ぐりぐらメモ/2021年12月19日】
 スマフォストレス継続中。火曜日には、ついに家に置き忘れて出てしまった。掛かってきても、指紋認証に失敗したり、スワイプ(画面を滑らせること)するだけでよいのに思わず電話アイコンを押して…つまりいきなり切ってしまったりしている。
 登録した先からなんやかんやとお知らせという名のセールスのメールや電話がかかってくることにも閉口している。エントリーとかポイントとか知らんし、要らん。人情からすればたとえ手中にしたとしても黙っているだろう「儲け話」と「真実」が向こうからやってくるときは、近寄らないことにしている。
 書くのを忘れていたけど、ショートメールの使いかたも、先週の土曜日に、友人から「使えるか」と訊かれるまで、わかっていなかった。折りたたみ式と同じように、メールのところに表示されるのだと思っていたら、別のアプリを起動する必要があった。そのアプリのアイコンは第3面にあって、そこにそのようなアイコンがあることすら気付いていなかった。「やってみたらわかる」のかもしれないが、「やってみないとわからない」のであり、「やってみたら」説明なしに登録しろと言われたりするので怖くて触れない。

 そんな訳で、この週末に電話の掛け受けだけでも、「やってみて」慣れるようにしようと思っていた矢先、金曜日の夜、一段落して、母が寝室に引き上げた頃、電話がかかってきた。

 案の定とりそこねてしまったのだけど、見慣れない番号。なんだろうと思っていろいろ操作して、またしくじったりしていたら、ショートメールがその番号から来た。知ってるひとからだった。詳しくは書けないけれど、トラブルが発生していて、心当たりがないかと。心当たりはなかったものの、偶然が重なった結果、わたしがトラブルを起こしていたのだった。電話も早くから来ていたのだけど、家からしかかかってくることがほぼないので、帰宅後は放置していており、気付いていなかった。

 土曜日は、そのトラブルのフォローのため、朝から出かけた。戻って、その足で図書館に、返却期限の本を返しに行った。午前中に残りを読むつもりだったのだけど、行き帰りに電車の中で読んでも少し残ってしまった。どこかで読み終えようと家に戻る途中、近所にできたばかりのコーヒーショップチェーンを覗いたら、できたばかりなので満員だった。図書館は、ウイルス蔓延対策で長居はできない。しかたなく、隣接の施設の休憩コーナーで読んでいたら、そこも来場登録が必要なのであった。他に誰も居なかったのだが。

 いったん帰宅してから、午後、ふたたび外出。北浜「雲州堂」での津山篤・長野友美デュオ『ダリエ・ロ・サイテン・ディエ・モナヴィエール Darrier lo chastel de Montivielh』発売記念ライヴを聞きに。夜のライヴを聞きに行くのもひさしぶり。夜のほうが感染するなんてことはないのだけれど、遅くなると、わたしひとりが(母を置いて)自由にしてるみたいに意識しなくても受け取られてないかという懸念がもともとあり、そこにウイルス蔓延防止策のムード醸成のための夜への忌避が重なって、どうにも心証をわるくしそうで。

 それはともかく。アルバムは、「F.M.N. Sound Factory」からだけど、この日の発売記念ライヴは、「音凪」主催。津山さんと長野さんのトラディショナルフォークのカバーは「音凪」で聞いたことがあった。長野さんも、それまでにもライヴでカバーを聞かせてくれることがあり、真摯というか学究肌を感じさせるものだったけど、話は乱暴だけど腕は確かな親方肌の津山さんのギターともきちんと渡り合っていて、とてもよかった。そうした演奏を聞いて、FMN石橋さんが企画されたのが今回のアルバムでした。番外編ではあるけれど、それぞれが持っているトラディショナルフォーク指向が相乗効果で引き出された好企画です。
 ライヴには、アルバムに参加された原口豊明さん (bagpipe, whistle, banjo)、藤原弘昭さん (fiddle)、タケヤリシュンタさん (guitar)参加。予定されていた吉田文夫さん (concertina, accordion) は体調不良のため不参加。やおら、というかんじで、かしこまらずに演奏が始まった。おふたりの無頼なのに、礼を尽くした歌と演奏にぞくぞくさせられた。歌だけど、言葉そのものがある楽器の「出音」のようにも思えた。それが淀みなく次々と放たれる不思議さ。知ってる曲も少しあったし、このところお名前を聞くことがなくなっていた山海ひでひろさんの作品のカバーもあった。

 演奏を見ていて、なんだか妙だなと思っていたのだけど、原口さんが演奏されていたのは、あれがエレクトリック・バグパイプというものだったのか。帰宅して、CDの表記を見て、合点した。間接的と言っても、バグパイプの音には「吹く」「送る」という動作が被るのだけど、それが無いので、なんだかテルミンに近いものを感じていた。演奏面では、そこでルーパー!?という驚きもあった。
 休憩時間のBGMはタケヤリさんの生演奏。雲州堂で、となると、あれっ、記憶があるぞ。あのときは二階からだったけど。BGMだから気にしないようにと津山さんが話されていたのに津山さんの曲をやったり、途中から津山さんが入ったりして、にやにやさせられてしまった。
 アンコールでは、きちんと事前に合わせていないというロジーナ・デ・ペイラのレパートリーを2曲、やってしまおうか、というかんじで。そのようには聞こえないかんじは、そう言えば、「音凪」で共演されたときもそうだった。

 会場で『Darrier lo chastel de Montvielh』を購入。翌日、吉田文夫さんの演奏を確かめながら、聞いた。スリリングですっとした出で立ちのヴォーカルを聞いてるだけで「連れてかれる」感じがします。最後の曲の喉歌は、ライヴのときとちがって、霧に包まれた洞窟の奥から聞こえてくるようなかんじで、歌がその中に去っていき、取り残されるというか、現実に戻るような心地がした。ゲール語やオック語はわからないけど歌詞は欲しかったかも。せめて、「てふてふジグ #1」だけでも。シジミチョ!って。

 帰宅すると、角銅真実さんの最初の作品集『時間の上に夢が飛んでいる』が届いていた。気になっていたものの、聞きにいったライヴの物販にもないなと思っていたら、もう販売終了ということだった。そしたら、アナログ盤で再発されるという。ではアナログ盤でと思い、アナログ盤となると売り切れるのも早いので、予約しようと、通販サイトの「ブリッジ」を見てみたら…CDも「在庫僅少」となっていた。という訳でCD版を注文したのでした。なんだか申し訳ないかんじだけど。

 アナログ盤は好きだけど、やっぱりアナログ盤だよね、という言いようは避けたい。アナログ盤でもコンパクトディスクでも、あるほうでいい。安いほうがありがたくはある。でも視覚情報や文字情報が欠けているのは困る。出始めの頃のコンパクトディスクは、アナログ盤に比べて高かったのに、それらが欠けているものが多かった。出始めの頃、カセットとちがって品質が良いのにボーナストラックが追加されているのは不思議だと先輩が言っていたけれど、思えば、高額であることに加えて、デザイン面で見劣りすることへの補償だったのかもしれない。

 やっぱりアナログ盤だよね、という風潮は、Instagramでおすすめされるようになったアナログ盤見せ(だいたい背景にぎっしり詰まった棚がどーん、立派なオーディオ装置がばーん)の数々にうんざりさせられていたことで、余計に感じてしまっているかもしれない。で、それに抗したい気持ちで、CDのみの作品をLPっぽく見せるという遊びをInstagramでやってみることにした。始めてみると、CDを買い始めた頃の思い出話になっていまっているけれど。

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