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2021年5月9日〜2021年5月15日


5月9日(日) 【▼ぐりぐらメモ/2021年5月9日】
 息を潜め過ぎて、個々の日の記憶が薄れがち。モンテ・クリスト伯ほどの強い復讐心も無いからか。ひとに何かをさせるために、相変わらず、監視しか思いつかない(国歌斉唱の口パク、つぶしたい公共施設の"客"数、労働組合加入者の勤務評定などを思い起こす)行政や信頼を築くことと支持を得ることの違いを無視して、後者に前者が含まれている「ことにして」まともに答えない/応えない政府に強い怒りを持っいるけれど、どうにも当人相手でないとぶつけられなくて。

 月曜日、「季刊・黒猫」2021春号と田口史人さんの「日本のレコード 1-10」が届く。

 火曜日、出かける予定が急遽なくなり、NHK-FM「今日は一日 "ピアソラ"三昧」を聞きながら、在宅。その告知の一環で、出演されている斎藤充正さんが紹介していたチャラン・ポ・ランタン小春さんのyoutube番組「蛇腹談義」での桑山哲也さん(ベルギー式クロマチックアコーディオン奏者)、小松亮太さん(バンドネオン奏者)との対談を、前日、予習のつもりで見ていて、すっかりその軽妙さにやられてしまった。

 水曜日、「花形文化通信」サイトに掲載されている小堀純さんへのインタビュー「となりのコボリさん」第2回を読んで、面白そうだと発注した『空間の祝杯 七ツ寺共同スタジオとその同時代史』が届いた。思っていたより大判でびっくり。20周年記念出版ということで、その間にそこを舞台に活動した劇団や制作グループの姿が語られるとともに、主に演劇人からの寄稿で構成されている。小堀さんへのインタビューでも触れられているように、1972年〜1997年(+50年代〜)のスタジオの動きと同時期の他分野の動きを併記した総合年表がありがたい。

 連休明け初日、木曜日の早朝、胃痛で目が覚めた。なんとわかりやすい。好きなモデル、在原みゆ紀さんがInstagramにあげていたポートレートをiPad miniの画面で眺めていたら、少し落ち着いた。なんとわかりやすい。
 母の新型コロナウイルス対応ワクチンの予約のため、候補の接種会場、指定医療機関の連絡先を抜き書きして、渡した。昼過ぎに、予約できたと連絡あり。リストにあった大きめの医療機関ではなく、ほんの近くの診療所。指定医療機関のリストにはなかったのだけど、先月、わたしが診てもらいに行ったとき、電話でちらっとそれっぽい話をしていたのを小耳にはさんでいたので、ついでがあれば、訊くだけ訊いてみたらと話していた。
 午前中、候補にあげていたところに電話してみるも、まったくつながらなかったらしい。それで、昼の買い物ついでに、大きめの医療機関まで足を延ばしてみたものの、月曜日に出直すように言われたらしい。意気消沈して帰り、昼寝したのち、薬をとりに近所の診療所に行ったら、外まで行列ができていた。どうしたんですか、と訊ねると、ワクチンが来るらしい、と。それから一時間待って、予約をとったということだった。
 ご両親のワクチン予約のためにフレックス出勤だった同僚のとこは、かかりつけ医から連絡があったらしい。それならそれではよ言うて、とは言っていたけれど、病院にかかっているひとについては、それくらいでないとなぁと思う。目や耳にガタが来ている年寄には、文字が読みにくいインタネットも、聞き取りにくい電話もきつい。それくらいわからんのかな。

 インフラの整備が行政の仕事ではないか。監視しか思いつかず、結局のところ、人々が言うことをきかないからダメなのだという結論しか用意できないのなら、行政に携わるな、と思う。

 木曜日と金曜日は、休み前にてんやわんやだった作業の続き。だけど、最後、あとは最終の仕上がりを待つだけのところで、こちらへの連絡が忘れられていた。納品の前に、こちらから提出する書類に承認をもらわなければならないのに、定刻近くに念のために確認したら、二時間前に納品してしまったという。受け取る方も受け取る方だけど。すぐに対応できるように準備をしていたとは言え、午後いっぱい連絡を待っていたのに。定刻から一時間半かけて、見直しをして、先方に詫びを添えて、提出したけど、形だけのものになっているのかと思うと、やってられない。前日も、スペイン語のスペルミスを見つけたりしたんやけどなぁ。ぷんすか。

 その金曜日は、iPad miniとイヤホンは持って出たものの、モバイルルーターを忘れて、通勤時に音楽が聞けなかった。しかたなく、困ったときの「たまむすび」Podcast版を。2016年のがメモリに残ってるのだ。「ピエール瀧のハガキで悩み相談」とか、「竹山、ガム買ってきて」とか。瀧さんや赤江さんと一緒に、電車の中で爆笑した。でもマスクしてるから大丈夫。容量確保のために消すことも何度か考えたけど、心のセーフティネットとして残しておかなあかんかな。

 土曜日の朝、通勤路途中のコンビニへ、通販したCDが届くという連絡が来ていた。休みの日に、到着するのは、もはや「あるある」と言っていい。(また)仕事が休みなのに、CDを引き取るためだけに電車に乗るのか。結局、開いている家電量販店がないか探すついでに、自転車で行ってみることにした。家電量販店は全滅だった。ショッピングモールは開いていても、その中の家電量販店だけが閉まっている。元々、家電量販店が入っていたディスカウントストアや、家電量販店系列のアウトレットショップは開いているというのに。緊急事態が延長されたけど、家電量販店は休業し続けるのだろうか。

 届いたCDは、スウェル・マップスの未発表録音集 "MAYDAY SIGNALS: 1975-77/1978-79" とスチュワート・モクサム&ルイ・フィリップ "THE DEVIL LAUGHS"。

 "MAYDAY SIGNALS" については、心配していたことがあった。数か月前、おそらくディーラー向けに送られたサンプル盤だと思うけど、ツイターに画像をあげているひとがいて、見たら、背表紙の文字が MADAY になっていた。脱字。それが直っているかどうかをいちばんに確かめようと思っていた、のは、印刷関連業の哀しいところです。確かめた。直ってなかったです…。ま、連絡もしていないので何も言えないけれど。おまけに、添付のブックレットをひっぱり出したら、なんかおかしい。表1が演奏者クレジット、表2がどう見たって裏表紙(表4)の断ち切りの写真。次がニッキ・サドゥンの文章の後半。乱丁というか、製本ミスである。落ち着いて、整理してみた。

1 演奏クレジット
2 写真x4(断ち切り)
3 写真x1+Sudden文後半
4 写真x2
5 スタッフクレジット
6 Head文前半
7 写真x1+作者クレジット
8 写真x1
9 Head文後半
10 写真x4
11 写真x1(断ち切り、表紙と同じ)
12 Sudden文前半
となっている。仮に、面付け(製本を考慮したオモテウラの順序)が正しいとして、前後の辻褄が合うように並べ変えてみると、
11 写真x1(断ち切り、表紙と同じ)
12 Sudden文前半
3 写真x1+Sudden文後半
4 写真x2
7 写真x1+作者クレジット
8 写真x1
5 スタッフクレジット
6 Head文前半
9 Head文後半
10 写真x4
1 演奏クレジット
2 写真x4(断ち切り)
となる。しかし、これでも、作者クレジットやスタッフクレジットが途中に来て、最後に演奏者クレジットが来るなど、妙なかんじがする。面付けも間違っているのではないか。となると、ホチキスを外して、並べ直して、折り直すだけではどうにもならない。teeny_tiny_vinylこと、Laurie Cinottoさんにならって、ミニアチュアを作って検討してみようか。それにしても、校正したんか、と思うも、かつて、理不尽にも問い詰められたことを思い出して、暗くなる。

 スチュワート・モクサム&ルイ・フィリップ "THE DEVIL LAUGHS" は、買いそびれているうちに、ボーナストラック付きで日本盤が出たので、それを。日本語解説は文章が変で、どうにも。校閲係はおらへんのやろな。書いたひとがここを読んだときにどこがやねんと思うかもしれないので、少しだけ例を記しておく。「悲願の正規日本盤としてリリース」(誰の悲願かわからない)。「名盤誇り高いアルバム」(名盤の誉れ高いとちゃうの)。"COLOSSAL YOUTH" について「元々1979年に自主制作(YMG79)としてカセットのみでリリースされていものが原型」(YMG79はCopyright表記で製品番号ではないし、原型という言葉は曖昧だけど、この文だとカセット版がレコード化されたように読める)。と、2ページ6段の最初の1段だけでこれだけおかしなところがある(再確認していないけど、インタビューでの発言として引いているものも、記憶にあるものと異なっている)。ルイ・フィリップについても、まずelでの作品をあげるべきだと思うけど、それは数行で、延々とボーダー・ボーイズ/アーケイディアンズの話が置かれている。共作アルバムも出しているダニー・マナーズについてセッションミュージシャン扱いなのも落ち着かない。

 昼過ぎ、弟一家が顔見せにだけ寄ってくれた。姪とは1月以来だけど、10cmくらい背丈が伸びていた。接触を最小限に、で申し訳なかったけど。15時から、冬支度の「雲州堂」での無観客配信ライヴ。家なもんで、ちょっとリラックスしすぎました。弟たちの顔を見ることができて、ホッとした直後ということもあったけど。

 夜、まったく面識はないけれど、立ち振る舞いを思い出せるひとの訃報。表明する手段がある以上、表明しなくてはいけないような世になっている気もするけれど、表明することで汚してしまうこともあるから、汚したくないものについては、表明しないという選択もある、と思っています。

5月10日(月)
[一回休み]
5月11日(火)
[一回休み]
5月12日(水)
[一回休み]
5月13日(木)
[一回休み]
5月14日(金)
[一回休み]
5月15日(土) 【▼ぐりぐらメモ/2021年5月15日】
 月曜日、帰りに一駅歩いて、大型ショッピングモールに。でも、生活必需品以外は休業中ということで、専門店街は扉も閉鎖されて、入ることすらできなかった。先週は休日ダイヤだった交通機関が通常に戻ったので、もしかしたら開いているかもと思ったのだけど、甘かった。
 帰宅すると、友人からの手紙や「黒猫」からの三村京子『時のながれ』、大谷氏『地道な活動』、田口史人「日本のレコード」が届いていた。「黒猫」からのあれこれも、どれも手紙のようなものと言えなくもない。

 緊急事態終了予定日だった火曜日は、どちらにしても事態は変わらないだろうと、動かず。

 水曜日、緊急事態は継続となったけど、家電量販店の対応はどうだろうと調べてみたら、通勤途中に寄れるところは軒並み休業延長なのだけど、すべての店舗が閉まっている訳ではなく、開いているところもあった。「歩いて行けないこともない」店舗が二つ。ひとつは知っている場所で、ひとつは知らない場所。最初、遠いけれど、知ってるほうに行くつもりにしていたのだけど、あいにく、終日曇天の天気予報が外れて、午後からそこそこの雨が降っていた。まだしも近いほうに行ってみることにした。
 途中下車して、雨の中、歩くこと10分近く。ホームセンター系のショッピングモールで、イオンに比べると、「庶民的」だけれど、ともかく開いていた。客はまばら。でも、買おうと思っていたものは、ちゃんと調達することができた。ホームセンターにも寄って、サイズが小さなCD収納ボックスを発見。試しに1個買った。同じ仕様で、長いものは前からあって、いくつか…いやかなり使っているのだけど、収納ボックスによって「まとめ」る身からすると、長いものは、まとまりが悪くて、使い勝手がよくない。ひとつのグループで、長い収納ボックスを埋めるほどの枚数があるものはあまりなくて、どうしてもいろんな要素を混在させないといけない。それに物理的に重い。ひとまとまりのものを片手で「ひとつまみ」したいので、閉口していたのだ。

 そこからの帰り。雨は小雨になっていたものの、雨の中をまた駅に戻らねばならないかとため息をついたのだけど、外に出ると、通勤途上の駅に向かうバスが走っているのが見えた。バス停を探して、時刻表を見ると、7、8分で来るようだ。という訳で、急遽、路線バスの旅で、いつもの通勤路3駅分をショートカットすることになった。ショートカットと言っても、いつもは15分のところ、30分かかったのだけど。雨が降っていたし、もう暗くなっていたけれど、外を眺めながら、のんびりとバスに揺られた。

 仕事は、月曜日、またしても連絡を待っていたのにすっぽかされるという憂き目に。金曜日は、別のひとのメールで、すっぽかされたことを知ったのだけど、今度は、連絡ないけど、見切りで材料が出ているのを確認して、黙って処理して、提出した。時間がなくて、とあとからメールが来たけど、時間がないのではなくて、頭にないのだと思う。

 家電量販店で調達したもののひとつが、BDレコーダーのレンズクリーナー。昔、CDプレーヤー用に持っていたものと同様、盤にブラシが付いていて、クリーニング液をつけて、トレイに入れるタイプ。ちょうど連休前くらいから、DVD-Rをフォーマットしているのに、記録用ディスクとして認識されなくなってしまい、ダビングができずに、ハードディスクの空きが逼迫していた。しかたがないので、今期、一応見ていたけれど、いまひとつ乗り切れなかったドラマを二つ、まとめて消去するなどして、しのいでいたのだけど、レコーダーの復旧は必要緊急課題だったのだ。
 消したのは吉田羊主演の『生きるとか死ぬとか父親とか』と蓮佛美沙子主演の『理想のオトコ』。好きな俳優の主演作ということで見ていたのだけど。好きな俳優と言えば、今期は、江口のりこ主演の『ソロ活女子のススメ』も早々に見るのを止めた。残ったのは、『おちょやん』と『小吉の女房2』を除くと、『きれいのくに』、『大豆田とわ子と三人の元夫』、『半径5メートル』。『大豆田とわ子』と『半径5メートル』はそんなに期待していなかったのだけど、たまたま見た二回目がよかったので、後追いで。

 あと『大豆田とわ子』関連で、放送当時はまったく知らなかった『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』がネットで公開されているのをつい見始めてしまった。このドラマのことを知ったのは、枚方の書店で行われた手嶌葵さんのインストアライヴを見に行ったとき、見に来ていたひとが、このドラマの主題歌を歌わなかったことに不満をもらしていたのを耳にして。インストアライヴは当時の新譜のためのもので、だから、ヒット曲であっても、歌わなかったのは頷けるのだけど、その曲が聞けることを期待していたひとも多かったみたいだった。『マツコの知らない世界』で森山直太朗さんが、か細く見えて芯はものすごく強いのではないかと「妄想」で語っているのを聞いて、そのインストアライヴのときのことを思い出していた。

 木曜日、「ニヒル牛」から「旅の本」展出展本で通販をお願いしたものが届いていた。山中奈緒子『あしぶみ電車 杉並区』、『あしぶみ電車愛知・三重県編』、佐藤幸雄・白江亜古『御幸町駅があった』、大谷氏『温泉ジプシー』、2コ『思いだしだし旅』。

 金曜日、少し前から、急に画面が落ちたりするようになっていたiPad miniに電源が入らなくなった(正確には画面が表示されなくなった)。ホームボタンとスリープボタンを同時に押して長押し(指が痛い)するも、強制再起動もかかったりかからなかったり。再起動できても、すぐに落ちる。起動すると、あれこれは動くので、画面だけの問題かもしれないけれど、いよいよ寿命か。2013年3月末だから、まるまる8年。うーん。携帯音楽プレーヤー兼カメラ兼ラジオ兼グラビアページ兼ポメラ入力テキスト転送機として使っているので、無いと困る。意外と依存していたのだな。

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2021 Kijima, Hebon-shiki