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2021年2月14日〜2021年2月20日


2月14日(日) 【▼ぐりぐらメモ/2021年2月14日】
 朝起きて、一段落ついてから隔離部屋のパソコンを見に行ったら、電源ON画面になっていた。一安心したのだが、さて、パスワードを入力して、起動しようとしたら、パスワード入力枠が出てこない。クリックしても、キーを叩いても、うんともすんとも。しかたなく、また強制終了。…詳細は忘れてしまったけれど、すんなりとはいかず、なんやかんやして、ようやく起動したのは、一時間後だった。先が思いやられる。
 それから、前日の19時半以降のツイートを追いかけ始めた。東北に住む知己のひとたちの無事を確かめる。途中買い物に出たりして、読み終えたのは、昼をかなり回ってからだった。その間、音楽を聞いたり、片付けをしたりしているものの。捜しものはなかなか出てこない。

 午後になって、電器店に行ってみたが、目当ての商品は売り切れていた。別の日にまた行ってみようと思うが、閉店はやはり早められているようで、仕事が終わってからだと間に合わない。閉店時刻をいつものとおりと考えたらあかんのやね。緊急事態だから。

 先週のツイターで、ちょっと話題になっていたのが、若いときにビリー・ジョエルを目の敵のように思っていたと呟いたところ、若いひとから批判を受けた話。レベルミュージックを入り口として聞き始めたから、とあったけど、社会構造や体制に対する抵抗、反旗としてのレベルミュージックは関係ないような気がする。ビリー・ジョエルの音楽が体制と結びついていた訳ではなかったのだから。

 それは些細なこととしても、我が身を振り返ると、ピンク・フロイドのレコードを買って熱中していた1977年は、パンクのひとたちにフロイドが目の敵にされた時期であり、そうした措定には乗れなかった。それに、いわゆる洋楽再入門というか、熱中し始めたときの入り口のひとつが映画音楽で、映画音楽という切り口でいろんな音楽を聞いて親しんでいて、軟弱とされるものも、穏和とされるものも、堅苦しいとされるものも、大げさとされるものも、それぞれに好きなものがあったので、いまさら敵視なんてできないのであった。

 レコードを欲しくなるくらいにぐっときた初めてのパンクバンドが、「ピンク・フロイドを出しているハーヴェストレコードからデビューしたピンク・フラッグというバンド」という紹介でお馴染みのワイヤーなので、いろいろ聞いてたなんつっても、感性は狭いと言わざるを得ないのだが。ワイヤーが、シド・バレットっぽいと言われたのはセカンドの頃だったと思うけど、なんだか限界を指摘されたような気がして、落胆したのを覚えている。せっかくはりきって、初めて入れ込めるパンクに出会った、と喜んでいたのだから。それまでも、(ニューヨークパンクは除いて)バズコックスやクラッシュにぐっと来てはいたけれど、その時点ではレコードを買おうというところまでは行ってなかった。

 仮想敵ということが考えられなかったのは、演奏する側でなかったからかなとは思う。仮想敵ということは、ロールオーバーしたろやないかという意気込みがあるということで、例えば、ビリー・ジョエルなら、その需要環境を変えるような音楽を作るということが目されているのだと思う。好きか嫌いか、聞くか聞かないかということはあっても、ロールオーバーの対象として、とらえることはなかったし、いまでもわからない。踏み絵というか、仲間の証明みたいなものも、ひとりで聞いている分には関係なかったし。好みを正当化しなければならない状況になかったし、そうすることを避けていたところはあった。(よく話すことだけど、「あがた森魚ファン」との交流はリスナー経験にとって大きかったのだけど、それは、当時知り合ったあがた森魚リスナーのひとたちの好みがばらばらで、そのことを許容するひとたちだったからです。これを聞いてるならこれは聞かないでしょ、あるいは聞いてるでしょということがまったくなかった。あがたさんの音楽が好きならそれでいいよというのが基本で、気楽でよかったのだ)。

 ロールオーバーということなら、例えば、大それたことを生意気にも、ではあるけれど、柄谷行人氏が書くものについては、唸らされつつ、どこかで納得がいかないところがあり、その納得いかないところを踏まえた考えかたを導くことを課していたところがあった。つまり、仮想敵にしてたんやね。

 嫌いな対象がなかったということではない。ピンとこないメロディ、どちらかと言えば肯けない考えがほのみえる詞、うきうきしないアレンジや音で作られた音楽やその担い手がもてはやされることにつまらなさを感じていたし、訊かれれば「消えてほしい」くらいのことは言ったかもしれない。そうしたわだかまりがあるひとたちの固有名をあげたら、もう方々から総スカンをくらうことは目に見えている。メジャーもアングラも関係ない。でも、音楽だけなら、当時はいまよりも否応なくヒット曲は耳にする状況であったと思うけれど、聞かなければなんということはない。ほんとに嫌っていたのは、つまらないことを言うひとたちだった。音楽についてなら、よいと思い、聞いているひとでも、発言がつまらないことで、全面的に支持することがないという例もたくさんあった。

 アップデート後。きのう書いた検索枠のサイズは元に戻っていた。しかし。いままでと同じように打っていて、妙な結果になることが増えた。あ、と思って見直すと、どういうタイミングでか、カーソル移動キー(十字キー)を打っているのに、数字が入力されたりする。まだちょっとなにかありそうな気がする。

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