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2020年11月1日〜2020年11月7日


11月1日(日) 【▼ぐりぐらメモ/2020年11月1日】
 インフルエンザ予防接種は、例年、事務所最寄駅近くの診療所で受けていたのだけど、事務所が大幅に縮小された結果、市内の本社での受診になった。往路40分。滞在5分。接種後の副反応の様子見のために、本社最寄駅構内の書店でしばし待機、したが、復路のつなぎがよすぎて、復路も40分。ゆっくり戻るつもりで、大型携帯音楽プレーヤーことiPad mini、モバイルルーター、書店に寄るときのことを考えて販促誌、を問診票と一緒に持ち出したというのに。ホームにあがる、もうすぐ急行が発車する、となれば、乗ってしまう哀しさよ。

 通勤事情。少し前にダイヤグラム改正があり、朝乗ってる時間帯の本数が一本減った。そのため、いままでホームに着いてから二本ベンチでやり過ごしたのち、列の先頭で8分間待って乗車というスケジュールだったのが、ベンチでやり過ごせるのは一本、列で10分間待ったのち、いままでより3分早い列車に乗ることになった。さて、きじまさんはいままで何分の列車に乗っていたのでしょう…ではなくて、せわしくなったわ、当然のことながら、乗る列車はいままでより混んでいるわ、仕事場には少し早く着いてしまうわ(むかし業務超過で無茶苦茶な仕事のしかたをしていたことへの反省というか予防対策として、始業10分前入りを基本にしていたのだけど、5分早まってしまった)。

 列の先頭になるようにしているのは、乗り込んだときの場所取りの自由度を上げるためだけど、点字ブロックがあるのも構わず線路(柵)寄りに並びがちになるのを牽制するためでもある。めんどくさいやっちゃ、と自分でも思うけど。あと、エスカレーターで歩かずに立ち止まって乗る、というのも課題としてやってます。乗換駅では、ひどくて、片側どころか、両側で急ぎ足になっているので、どうしたものかと思うけど、脇に立って、内側を向くということを最近は試している(おまえか!)。できれば、両側で一段もしくは二段空きで内側を向き、真ん中を、歩きたいひとは歩くという形にならないかな。

 終電が早くなるというニュースが、飲み屋に打撃というような調子で構成されていたけど、本数が減るということが本題ではないのか。総務省からの通達で、在宅勤務せよ、フレックスを使えというアナウンスがいまだに駅で流されているけれど、矛盾が堂々とし過ぎていて、なんとも言えない気持ちになる。

 移動中、大阪市廃止反対の呼びかけを駅で行っているところに遭遇した。制度の話が、党派性を帯びていることに危ういものを感じるけれど、もともとが、党派の疑似争点として、大阪維新の会が持ち出したものなので、避けられない。とは言うものの、今週から「両」陣営がテレビ広告までやっていることを目にすると、なんで自民党が大阪市廃止に反対しているのかとも思う。てなことを書くと、早合点した大阪市存続に反対するひとたちが「そうですよね」などとすり寄ってくることになるのだけど、そもそも問題解決のためには大阪市の廃止が必要であるという主張があやしく、なんで維新の会が大阪市存続に反対しているのかもわからない。松井氏は、疑問を呈することすら、共産党がどうのこうのと(と言えば、「悪」印象を持たせることができると考えて)党派の争いに持ち込んだ上で、それらと結託したデマだのなんだのと恫喝するような人物なので、答えられないだろう。読解力に問題があるのに、立場にのっかってええかっこすることだけは熱心な吉村氏は言うまでもなく。行政の仕組みを問うはずの議論が、終始、余裕かましたええかっこのつもりか知らないけれど、ふざけた態度とでたらめな放言で埋め尽くされていて、うんざりさせられた。あのひとたちは、制度の問題を解決する気がない。思い付きで号令をかけているだけだ。

 土曜日は、午前中に眼科に、午後遅くに散髪に行ったのだけど、日曜日の今日は何もする気が起きなかった。散髪のあと、ひさしぶりに、家からいちばん近い「ブックオフ」に寄ったけれど、いつものところ…ハウツーと書かれたノンフィクションと学術関係の文庫のコーナーで、立ち眩みを起こした。ひさしぶりだったけど、やっぱり。各社の文庫のノンフィクションが少しずつ置かれているので、上から下までチェックすると、こうなる。こうなる、とわかっているのだけど。それと、そこに大きな柱があって、棚と柱の間を塞がずに本を見ることができない。通ろうとするひとがいると、さっと立ち上がることになり、それでまた。
 中央公論新社編『富士日記を読む』(中公文庫)とフライング・ロータス "YOU'RE DEAD!" を買う。"YOU'RE DEAD!" は、インストゥルメンタル版は持っているのだけど、本編のほうを買いそびれていた。

 大阪市廃止・特別区設置の賛否を問う大阪市民による住民投票(二回目)の開票速報番組が、終了直後にあったけれど、「NHKの出口調査により賛成が確実となりました、現場からは以上です」とはならなかった。賛否が拮抗していたからだ。実際の開票結果による推移を待つ他なく、母もずっと起きていた。22時半となり、テレビの音が消え、「もう寝るわな」と階下から声がかかった。いつもより一時間も起きていたんやもんな。と思っていたら、また声が。「反対に決まりそうやって」。はぁ。溜息しか出ない。これ以上、言葉を弄び、荒らさないでほしい。制度に問題があるのなら、きちんと議論できるひとたちにやってもらいたい。

11月2日(月)
[一回休み]
11月3日(火)
[一回休み]
11月4日(水)
[一回休み]
11月5日(木)
[一回休み]
11月6日(金)
[一回休み]
11月7日(土) 【▼ぐりぐらメモ/2020年11月7日】
 月曜日は休みをとった。間借りしている事業場は半分が休みで、直接の窓口部署もその中に含まれているということもあるし、年間5日は取らなければならないということになったらしい有給休暇のノルマがまだということもあるし、やらなあかん仕事はあるのだが、どこの部署がわたしの作業の費用を負担するかで譲り合っている(婉曲表現)ために宙に浮いていて(婉曲表現)取りかかれないということもあって。自分の会社ですら、いまの作業環境をキープすることを渋っているので、先行きどうなることやら。

 ずっとそこそこの雨が降っていたので、迷ったけれど、休日と休日の間とは言え、「平日」だし、さらに雨なら空いているのではと踏んで、先週の尼崎編に続いて、兵庫県への越境作戦その二で、西宮市へ。ほんとは先週、ハシゴするつもりだったのだけど、閉まるのが思っていたより早かったので断念したのだ、「大谷記念美術館」。見に行ったのは「今竹七郎展」。ロゴやパッケージデザインで知られているグラフィックデザイナーだけど、もっと幅広い仕事を戦中から手がけられていたことを知り、そのあたりを知りたいと思って。
 「大谷記念美術館」へは、今年は、ボローニャ国際絵本原画展が見送られ、メスキータ展は開催されたものの入場制限が設けられ、大阪府知事の世迷い言のために大阪府民が兵庫県へ越境することに後ろめたさが発生したこともあり断念して、行けずじまいだった。雨が降っていなければ、阪急「夙川駅」から歩きたいところだったけど、直接、阪神「香櫨園駅」に向かった。
 今竹さんの仕事は、デザイナーとしての出発点である百貨店の仕事が、やはり、とても面白かった。案内のための見取り図、食堂の献立表、広告、どれも、当時の往来の様子が生き生きと伝わってくるようなかんじだった。宣伝美術は、良くも悪くも当時の出来事がその中に埋め込まれているので、そのあたりもつい見入ってしまう。出来事の中には、戦争もあるし、植民地政策もあるのだけど、いまとなっては、依頼主の意向まで読み取れそうなかんじがする。

 近江兄弟社の経営破綻に由来するメンソレータムからメンタームへの変更は、当時とても印象的な出来事だったけど、近江兄弟社のパッケージデザインを手がけたのも今竹さんだった。ちょっと謎なのが、メンタームの登場は1975年なのだけど、メンタームキッドのデザイン制作は1971年に行われていること。メンタームの商標は登録済みだったということだけど、破綻よりも前に別系列の商品ラインの企画でもあったのだろうか。近江八幡の近江兄弟社本社に資料館があるけれど、会社が開いてるときだけ、つまり、土日祝は閉まっているので、休みでも取らないことには見られないのであった。土日以外に、どうしても外せないライヴが「酒游舘」であればそのときにでも、と思っている。

 晩年のモナリザをモチーフとした絵画作品も興味深かった。モナリザの視線をデザイン上の仕組みととらえたような重ね合わせや裸体との組み合わせなど、ユーモアがありつつ、謎の一端に触れようとする試みにも思えた。
 会場では、雨が降っていたこともあると思うのだけど、貸し切り状態。係のひととわたしだけ。写真撮影可だったのだけど、緊張というか照れてしまって、撮れなかった。今竹さんがレコードを眺めているスナップ写真があって、それだけはと撮った。図録も購入。今竹さんのパッケージデザインの代表作であり、いまも現役の「オーバンド」がおまけで付いていた。

 「香櫨園駅」から阪神で梅田に戻り、タワレコへ、と思ったのだけど、地下の改装がかなり進んでいて、新たに工事に入った区域もあり、少々迷ってしまった。阪神梅田駅からマルビルはすぐのはずなのに。タワレコで、松山晋也監修・編集『カン大全 永遠の未来派』(別冊ele-king)を購入。栗コーダーカルテットの25周年記念ベスト盤も買うつもりだったのだが、なんというか、コーナーがわからない。いろいろ思い当たるところを探してみたのだけど、札そのものが無い。訊けばよかったのかもしれないけど、勘が鈍っていることに落ち込んでしまった。
 タワレコから、そやそや、ふらふらと遊びに出ていることから、母の機嫌をとらなくてはと、好物の「ラスク」を買おうと阪神百貨店へと向かったところで、先週、個展を見に行った竹田明日香さんのイラストをあしらったポスターに遭遇。「ディアモール」の広告でした。先週も通ったはずなのに、何故気が付かなかったのだろう。ちょっと引き返して、そのイラストを裏表紙に使った販促冊子ももらってきた。

 火曜日も休みだったけど、この日はおとなしく。「季刊 黒猫」2020秋号が届いていたのだけど、ポストを覗いていなくて、気付いたのは、翌朝だった。

 木曜日、帰りに遠回りして、天神橋1丁目「音凪」に、森元暢之さんの作品展を見に寄った。夕食前なので、キッシュとコーヒーで。漫画のひとコマやイラストだけでなく、演劇のためのポスター(くっきりした色使いが珍しく、とてもよかった)や、寄稿された本や雑誌も置かれていた。挿し絵かと思いきや、漫画が載っている小野原敦子『人を着るということ』は面白そう。覚えとく。問題は、書店に居るときに思い出せるかどうか、だが。
 「音凪」を出て、天神橋筋商店街を歩いていたら、もう閉まっているだろうと思っていた「天牛書店」がまだ開いていたので、飛び込んだ。急いで、ざっと見渡したら、以前、図書館で増補改訂版を読んで以来、いつか元にと思っていた塚本邦雄さんの『薔薇色のゴリラ 名作シャンソン百花譜』の人文書院版を見つけた。値段も手頃。遠回りして、よかった。

 帰宅すると、タワレコの通販サイトでのバーゲンセールで発注した『地球に落ちて来た男 THE MAN WHO FELL TO EARTH』のサントラが届いていた。ツトム・ヤマシタの音楽はオリジナルアルバムで持っているし、スタンダードも他で手に入る。あとは、ジョン・フィリップスのオリジナル音楽、だけど、あんまり印象になかったもので、見送っていたのだ。トーマス・ジェローム・ニュートン(デイヴィッド・ボウイ)のポートレートをあしらったカバーは麗しいのだけど。でも、届いたその夜、埒があかない米大統領選のニュースを画面だけ流しながら、通しでとりあえず一枚目を聞いてしまった。
 ブックレットは、映画のスチール写真がたくさん載っていて、それはよいのだけど、文字情報はほとんど無し。映画や音楽制作の経緯についての解説があれば、もっとよかった。

 米大統領選、前回はちょうどインフルエンザ予防接種の日で、昼間、クリニックのテレビを見ていて、トランプ優勢であるとの報道に驚いたのだけど、帰るときにはもう決していた。今回は、ウイルス対策としてとられた郵便投票をめぐって、落選しそうなトランプが無効を訴えて、訴訟をしかけるという無茶苦茶な展開になっている。武力闘争最中の国じゃあるまいし、手続きで争うとは。トランプ支持者は、そのことに躊躇することなく、乗っかって、開票中止を唱えて、開票所に押しかけたりしている。あとさきをまったく考えていない。考えたら、「負け」なのかもしれないけれど。
 そう言えば、大阪市廃止・特別区設置案が却下された大阪維新の会が、あれは理念だ、ビジョンだと言い出していて、呆れた。ずっと現実を見ろと半ば脅すようにして、その案を押しつけてきたひとたちが、たかがタスーケツで却下されたぐらいで、一八〇度の転向するとは。維新の支援者は、その言動から、無駄使いを批判する一方で市民による行政の監視に否定的(選挙で通ったら白紙委任という考えかた)という矛盾が見られたけど、仕組みが変わっただけで、無駄使いがなくなると考えるところは、たしかに理念でしかなかった、と思う。

 帰りに、通販物のコンビニ引き取り。通勤途上の駅近くのコンビニに届くようにしていたので、金曜日に届いてよかった。なにもないのに休みの日に通勤ルートを行くところであった(月曜日まで待てない)。いや、そのほうが、外に出るきっかけになって、よかったのか。
 ニュースサイトやブログ記事で表示される広告には、困惑するものもあるのだけど、タワレコのものは、まあ、検索・閲覧履歴に基づいていることもあるし、よしとしている。今回は、以前、注文したのに、結局入荷せず、先方によりキャンセルされたドラッグディーラーの一枚目 "THE END OF COMDEY" が表示されたのでアクセスしてみると、店頭在庫を引っぱってくるようだけどとにかく在庫ありとなっていたので、再挑戦することにした。一緒に何か、と思って、気になっているけれど店頭でも見かけず、定額制配信で聞くのみのメアリー・ハルヴォーソンを検索してみた。気になっているアルバムはことごとく在庫がなかったのだけど、10月30日に新譜が予定されていて予約を受け付けていた。どんなんかなと思って、試聴曲を探して聞いてみたら、なんとロバート・ワイアットの声が。ビバ、ノー予備知識。喜んで注文した。今回は、メアリー・ハルヴォーソンズ・コード・ガール Mary Halvorson's CODE GIRL名義、タイトルは "ARTLESSLY FALLING"。
 という訳で、朝7時には到着していたのだけど、さすがに朝、朝食や昼食を手に並ぶひとたちの前で通販受け取りをするのは遠慮して、帰りに寄りました。駅の休憩コーナーで、コーヒーを飲みながら、証拠隠滅もできるし。

 きょうは、朝から、家のリフォーム工事の立ち合い。地震などを経て、いよいよ扉も鍵も閉めにくくなった玄関の取り換え。買い物へは、窓から出入りして。暗くなるまでかかった。出かける予定を入れていなくてよかった。
 先週、今週とNHKで、ドラマ『テンペスト』が一挙放送されていた。母が再放送を熱望していたので、再び見られて、よかった。

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2020 Kijima, Hebon-shiki