目次に戻る

2020年9月27日〜2020年10月3日


9月27日(日) 【▼ぐりぐらメモ/2020年9月27日】
 昨日の訂正と書き忘れ。●訂正。『喫茶の一族』原画展で、本に載ってなかったような気がしたマーチンのリペアについてのイラスト、カバーを外した裏表紙(昔、書類に表4と書いたら、当時の窓口部署の長の方に「印刷物に慣れ親しんでないひとにはわからんやろ」とえらく怒られた。仕事の都合上、やむなく過去振り返りモードなものでそんなことも…長っ)にありました。帯もかけたままだったので、もしやと思い、一枚ずつ脱がせて(やらしいな)確かめて、発見した。●書き忘れ。「10000t アローントコ」でレコードをめくっていたとき、急に激しいにわか雨が降り、その後、虹が出た。大きな虹だった。

 母が気が重いと言っていた件を代行して、一段落。してから、外出。ちょっと出るのが遅れた。

 読みかけの本がたくさんあるので、というか、手に入れた本はとりあえずそのときに読みかけるので、手元にある本はすべて読みかけなのだが、もって出るものに迷った。迷った末、一般書店で扱われていない本にした。店の袋が削減目的で有料化になったこともあり、本を持ち歩いて、書店に持ち込むことに気をつけなければならなくなった。特に、トートバッグを提げているような場合に。盗んだ本ではないということが証明するとしたらどうすればいいか、という点で。店で買ったものということが一目でわかる証明になっていたはずなのだ。このことは、小遣いで本が買えるようになった小学生後半から意識していて、その頃からハシゴするような子だったけど、どこかで一冊買うと、他の店には入れなかった。その店で買ったものではないものを持ち込むことに引け目があった。その感覚はどこで身に着いたのかわからないのだけれど。

 梅田に寄ったものの、もろもろ空振り。確かめて、とりやめたものもあるので、まったくの空振りではないけれど。また歩いて、菅原町に向かったけれど、途中で、気になる場所を確かめようと進路を変えたら、大幅に道を間違えた。南下はしていたけれど、西へ西へと流れていたのだ。東へ戻るも、時間がなくなり、気になる場所は確かめられず。

 「雲州堂」にて、音凪企画「初秋の特別興行 秋の龜樂祭2020」。出演は、ソボブキ関西ユニット、ゲストにEtt。と言っても、ソボブキの西尾賢さんは、Ettの西本さゆりさんとズビズバーを組んでいる間柄であり、ソボブキの演奏には、Ettも合流していた。3月に予定されていて、行くつもりにしていたのだけど、ウイルス感染防止の意向を受けて、バンド編成での開催がとりやめとなり、延期となっていたのだった。
 最初に前口上的に西尾さんと豆奴さんお二人による龜樂の披露。続いて、Ettが登場するも、西本さんが龜樂モードになっており、素っ頓狂な龜樂についての解説と、Ettの物悲しい歌が交互に出てくるという事態に。西尾さんがピアノで参加して、Ettの初期のレパートリーで、現在は、ズビズバーのレパートリーになっている「さよなら小径」が演奏された。西本さんがオリジナルキーでは難しくなったものの、下げると、ギターが難しくなり、それで、現在は西尾さんのピアノで歌われているのだそう。
 龜樂とソボブキの関係はよくわからない。ソボブキは、ジャズ的展開があるバンド編成だけど、とぼけた風情の歌が基調になっていて、龜樂の要素も含まれている。でも、ピアノのふわっとした広がりがあると、その感触がしばらく続いて、素っ頓狂な物語も、いつの間にか、納得させられているのが面白い。関西ユニットは、稲田誠さん(ベース)、水谷康久さん(サックス)、楯川陽二郎さん(ドラムス)。水谷さんが奔放な演奏とともに、ダンスまでするとは。パコン、とした歯切れのよい演奏でした。ソボブキの曲で、最初に「おおっ」と思った「どじょういんげん」も演奏してくれて、うれしかった。ちょっとロバート・ワイアットの味わいがあります。
 西尾賢ソボブキ『諸国旅して出逢います』、ズビズバー『ズビズバー』を購入。ソボブキの一枚目『素朴でブキッチョな東京人の音楽』は見当たらず。もう無いのだろうか。定額制配信で聞けることは聞けるのだけど。

 幕間担当は、モダンDJ特選集(武村篤彦&山本信記)。強烈なタイ歌謡などに時折、自らの演奏も。リズムボックスの音が好きやな、と改めて思ったりした(彼らの「演奏」とちゃうやんかとツッコまれそうだけど)。

9月28日(月)
[一回休み]
9月29日(火)
[一回休み]
9月30日(水)
[一回休み]
10月1日(木)
[一回休み]
10月2日(金)
[一回休み]
10月3日(土) 【▼ぐりぐらメモ/2020年10月3日】
 今週も、何かしら忘れる日々。イヤホンを忘れたり、iPad miniを忘れたり、モバイルルーターを忘れたり、ポメラを忘れたり。最初の三つは、どれひとつ忘れても、通勤中に音楽やラジオが聞けない。おかげで、というのも変だけど、鈴木裕人編著『龍膽寺雄の本』を読み進めることができた。「改造」入選作をはじめとして、淡々としていながら、刹那的なものも感じさせる小説作品と人気作家であったということが伝わってくる当時の記事、佇まいが窺えるインタビューの書き起こしに、鈴木さんによる解題が加わって、「その後」や「その他」や「その間」が知りたくなった。

 今週は、出ているはずの本を求めて、帰りに通勤途上の書店に寄っていたのだけど、見つけられず。他に気になる本もなくはなかったのだけど、目的のものを見つけられないと、それを差し置いて、手を出す訳にはいかないという妙な気持ちの縛りがあって、結局、何も買わず。本を買ったら、近くの店に寄って、珈琲を飲みながら、ぽちぽちとメモを打とうとも思っていたけど、それもできなかった。それにしても、そこそこ置いている書店で、新潮文庫の海外作家がモンゴメリとサンテグジュペリの二人だけということもあり、驚いてしまった。

 帰宅後は、パソコン前にはたどり着くのだが、そこで睡魔に襲われて勝てず、ちょっとだけと横になったら、夜中までいってしまうということが一度ならず。ちゃんと寝てないから忘れものをするのだと母親にまで注意される。寝てはいる、のだ。ちゃんと、はしていないけれど。

 木曜日、KBS京都ラジオで、「ホホホ座」山下さんの新番組「26回のホラ話」が始まった。聞いたのは、後日、radikoで、だけど。井上智恵さんがゲスト。ホラは、ホホホ座のラジオということだろうか。

 Bandcamp手数料出品者還元日。yojikとwanda『opal』と澁谷浩次さんの初期録音発掘もの『The Best of Very Early Recordings 1982-1985』『Coming Soon (2020 Edition)』を。yojikとwanda『opal』は、ライヴで聞いて、ぐっときたというか揺さぶられた「短い邂逅」が入っている。澁谷さんの二作は、ご本人の言に甘えて、0円で。0円だと、ストリーミングはできないみたい。iPad miniは容量確保のために、いろいろアプリを削除したけれど、Bandcampのを消したのは失敗だったかなと思っている。容量不足でもう入らないかもだけど。

 ひさしぶりに、梅田、北浜/南森町以外の「市内」に。木曜日の夜だったか、sumahama?の告知を見て、出演を知った「難波ベアーズ」へ。予約は間に合わなかったので、当日ダメ元で、たぶん今年初めて。

 せっかく西側に行くのならと、2月以来の北堀江南「喫茶アオツキ」にも寄った。席も空いていて、ひさしぶりに、ゆっくり飲食も。先日のライヴの折に無かった西尾賢ソボブキの『素朴でブキッチョな東京人の音楽』があったので購入。田口史人さんの『父とゆうちゃん』も。気になる新譜はいろいろあれど、前述の本の話と同じで、「これがあれば」というものが無かったので、見送ることに。きっかけや勢いがないと買えないというのもどうかと思うけれど。

 話は前後するけれど、帰宅してから、『素朴でブキッチョな東京人の音楽』について西尾さんのサイトを確認したら、CDは販売終了となっていた。しかも、先週「定額制配信で聞けることは聞けるのだけど」と書いたApple Musicでの配信も9月いっぱいで終了と告げられていた(ウェブログ「四代目日記」2020.08.29、幻の音源と化す準備)。アクセスしてみたら、確かに愚曲名がレイアウトしていて「この項目は再生できません」となっていた。見つけることができて、というか、先週を踏まえての今週だから「発見」(見落としていただけだが)できて、よかった。『諸国旅して出逢います』や『ズビズバー』で再演されている曲もあるけれど、「どじょういんげん」は一枚目にしか入っていないのだ。

 結局、ぎりぎりまで「アオツキ」に居て、歩いて難波まで。間に合った。検温があるので、できるだけ平静にとは思うのだが。途中で、体温計を取り出し、計りながら、歩いた。36.4度だった。そう言えば、先週の「雲州堂」では、やはり道を間違えて早足で向かったのだが、入り口で検温したところ、32度いくらだったらしい。
 出演は、ナンシーチェニーグループ、sumahama?、And Summer Club。ナンシーチェニーグループは、グループという名ですが(グループではありません、と神戸電子専門学校にならって続けたくなりますが)manchester school≡/Foodieのハルロヲ氏のソロ。明朗なギターの弾き語り。マンチェスターよりもグラスゴーあたりを彷彿とさせるかんじがあった。

 sumahama?のライヴ演奏は2月以来だそう。2月の時点で既に県境越えが難しくなっていた。5月に予定されていた野外イベントに名前があったので、行くつもりにしていたのだけど、中止になった(先日延期開催されたときには名がなかった)。ドラムなしでゆったりと、それぞれの呼吸を合わせるかんじの演奏がやっぱりいいな、と思う。3人のソングライターが居て、それぞれ作風や技がちがっているのだけど、他のひとの曲のときは、その技を補うかんじで役立てるという風情が楽しい。

 名前だけ知っていた And Summer Club も、基本はグラスゴーあたりにありそうだけど、自分たちの中で沸点を迎えると、そこで終了するところが、潔いとも言えるし、虚を突かれるかんじもする。ひさしぶりに、がーっとくるバンド演奏を聞いた。3組を通して、そこはかとなく、若いひとたちの風景を感じたのは、きっと龍膽寺雄の初期作品を読んだあとだからです。

目次に戻る

2020 Kijima, Hebon-shiki