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2020年8月30日〜2020年9月5日


8月30日(日) 【▼ぐりぐらメモ/2020年8月30日】
 暑さにかなりやられている。夜になっても、暑さが衰えることがないので、二階の隔離部屋に長く居ることができない。メールやツイートのチェックをするのだけど、読むのにせいいっぱいで、とにかく早くその場を離脱したい。何も考えられない、というよりも、暑さの中で物事を考える訓練ができていないことを痛感している。その点でも、在宅勤務は、ほぼ無理、である。パソコンの過熱もひどい。在宅勤務が常識になりつつあるだの、ワーケーション(若いのとのコミュニケーションか)だの、えらく高級な「生活様式」を前提にしているのではないか。仕事に適した環境を提供するのは会社の役割ではないか。

 という訳で、ここにきて、ライヴ配信を見るのが困難になっている。書くのを忘れていた、先週火曜日に、8月15日に「音凪」で行われた「ゆうき×トンチお盆演奏会」のライヴ配信を見たのだけど、このときも、後半のゆうきと、合同演奏を先に見て、残りの時間でトンチさんの演奏を飛ばし飛ばし聞くようなことになってしまった。見始めるのが遅かったということもあるけれど。トンチさんも参加した(バンドのムードメイカー役だった)オオルタイチさんのコンサートのことを思い返しつつ、シンプルだけど的確なフレーズのキーボードが歌を引き立たせていることにうなった。

 それにしても、「youtube」のおかげで増えていた映像や録音が、配信のために「ちゃんとした」ものが一挙に増えたのではないか。いまのひとたちの10年後のデラックスエディションが心配。

 書くのを忘れていたこと。桑田次郎さんの訃報。『デスハンター』は、漫画を読み始めた頃に読んで、衝撃を受けたというよりも、原体験になっている作品のひとつ。宇宙からの侵略生物との戦いの過程で、心が傷つき、感情を持たないように洗脳トレーニングを受け、冷徹に指示を遂行する回は特に印象が強かった。原体験作品は、破滅的な内容のものが多いのだけど、『デスハンター』もそうだった。死への恐怖を持つがゆえに、その恐怖によって行動が支配されている人類への訣別を示唆したものだった。
 掲載誌の「ぼくらマガジン」は、読者年齢が高くなった「少年マガジン」の低年齢層向けの位置付けだったはずだけど、時代の影響が強かったのだろう。やはり先日亡くなったジョージ秋山さんの『ザ・ムーン』にしても、想定読者年齢を下げてからの作品だけど、最後は人類滅亡だった。
 もちろん、桑田次郎さんが描くしゅっとした女性に憧れたということはあった。でも、今回、『デスハンター』を読み返してみて、ポートレート的なカットがほとんどないことに気付いた。物語の中の動きの中で、表情やしぐさやスタイルを読みとっていたのだと思う。

 暑い部屋ということで言えば、メールやツイートのチェックの時間と重なったことで、22時からのテレビドラマを見ることが多かったのだけど、残ったのは、『わたしの家政夫ナギサさん』と『アンサング・シンデレラ』という薬剤業界もの二本。あと日曜の『親バカ青春白書』はムロツヨシと永野芽郁がひたすらアホなことをしているのが楽しくて見ている。

 火曜日、コンビニで通販物の引き取り。オルタナティヴTV/グッド・ミショナリーズ "SCARS ON SUNDAY"。知らなかったのだけど、1979年発売のカセットが去年CD復刻されていた。A面に1979年3月18日「Greenwich Teatre」でのオルタナティヴTVのライヴ録音、B面に3月25日に行われたグッド・ミショナリーズとしての最初のライヴから1曲、4月16日のオルタナティヴTV解散後、5月に行われたポップ・グループ、ダンバラとの "Animal Instincts" ツアーでの録音から2曲が収められている。"Animal Instincts" ツアーの録音は、アルバム "FIRE FROM HEAVEN" にもなっている。ヒア&ナウとの交流からか、A面にはアナ・ウォンバットが参加しており、実質上、グッド・ミショナリーズといっていい演奏になっている。

 右足の痛みは少しずつ和らいで、週末にはほとんど大丈夫になっていた。痛みのある間に診察を受けたほうがよかったのかとも思うのだけど、ひとまず、治った。土曜日、先週、断念した県境越えをすることに。出町柳「トランスポップギャラリー」での「RISOrt Week test 1 トランスポップのハンドソウプレス」。リソグラフの印刷スタジオ「Hand Saw Press」の出張展示で、リソグラフで刷ったものの展示と相談会。行ったときは小田さん不在で、トランスポップ山田さんに説明いただいた。ベタを重ねるよりも網点掛け合わせのほうが向いている、写真が意外によい、色分解も工夫は居るがグラデーションも鮮やかに出せる、等。小田さんが居らしたら実演・実験もされて、実際にそこで増刷したものもあったらしい。小田晶房さんの『わたしとリソグラフ』3冊を購入。コストや部数など制約がある中での少部数出版に強みがあるように思うけど、なにをどんな風に届けるのかという選択肢に応えるためにいろいろ実験をされているのだと思う。

 リハビリをかねて、浄土寺まで歩いた。夕方になり、少し日も陰ってきていたので。せっかく出町柳まで来たのだから、そこまで行かないともったいない。銀閣寺の交差点で、好きなパン屋さんでパンを買って、頬張りながら、「ホホホ座」へ。井上智恵さんの『ラジオ浄土寺便』8月号と9月号を買う。そこから、思い切って、さらに歩いて、丸太町「誠光社」に。山越えして。通販で頼んでしまった安田謙一さんの『ライブ漫筆』がもう並んでいた。思っていたよりも小さな判型。くやしいので、手にとらずに、見送る。そして、その通販を頼む際に一緒にするかどうか迷って、アナログ盤なので、見送ったジョンとポールの7インチ「ONGAKU/GOD SAVE THE MEN」を購入。見当たらなかったので、尋ねたら、店頭のものがちょうど切れたところだったようで、在庫をあちこち探してもらうことになってしまった。お騒がせしました。

 A氏が総理大臣を辞任すると発表したらしい。かねてからの情報周知のように病気が理由。在任記録更新の直後に。どこまでも自分の名前を残すことだけが目的の自分勝手なひとだと思う。「大事なときに病気になる癖」と言って、病気であることをからかったとして野党議員が非難されているけど、癖で病気にはならないけれど、病気を理由に職務責任から逃れようとすることは二回目であり、癖と揶揄されて当然だと思う。病気が理由な訳ないだろう。詰んだから、降りた、だけの話。あほらしい。

 ついでにA氏というか、現政権支持の政治学者がタレントのようにCMに出ていたことで、ボイコット運動が起こった件。そもそもなんで政治学者がCMに出ることにしたのかわからない。タレントの場合は、言うても、演技であることが前提になっているから、CMが成り立つ。好感度が問題で、ほんとにその製品なりサービスなりを推薦しているとは受け取られない。でも、演技が前提でないひとの場合はそうではない。言うたら、ほんとにその製品やサービスを推薦しているというメッセージが伴う。それをわかっていて、政治学者を起用したのかどうか。その企業がその政治学者の主張に賛同しているというメッセージを発しているとされてもしかたがない。ボイコット運動にしないで、ただ、それはやだなと思うひとがやめればよかっただけだとは思うけれど。
 
 CMの演技前提といえば、政治絡みではないけれど、ぎょっとした例があった。多部さんが出演している何かのCMだけど、字幕表示をオンにしていたら、通常はCMには表示されないのに、そのときはCMにも字幕がついて、多部さんの話すところに「(多部)」と出ていた。夫婦の会話の設定だけど、CMでの夫は、多部さんの実際の夫ではない。名前のない架空のCMの中だけの夫婦を演じているだけなのに、多部さんが言っているかのように表示していたから、瞬間的に違和感があったのだ。

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