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2020年8月9日〜2020年8月15日


8月9日(日) 【▼ぐりぐらメモ/2020年8月9日】
 午後から弟たちが来るというので、朝から片付け。来るといっても、ゆっくりはできないので、ほんとにちょっとあがってもらって、涼んでもらって、少しだけ近況報告して、というかんじです。姪が図書委員になったというので、「おっちゃんもやってたで。貸出係とかやった>」と聞いたら、貸出はいまはパソコンで、だそうです。

 外にあまり出られない、出てもたいして行くところがない、とすると、部屋の片付けをすればよいのだが、とにかく暑くて、できない。汗がしたたり落ちるのは、紙や印刷物がメインの所蔵品(そんなたいしたものでは)の整理には危険だから。それならと、ハードディスクの整理でもと思うが、これはこれで暑いと熱くなるので、なんとも。ときどき電源を落として、クールダウンさせないと怖い。というか、扇風機のひとつでも、買いましょう、隔離部屋に。

 先週は、昨日書いたように、いろいろ物忘れをして、移動中に音楽をあまり聞けなかったのだけど、ディバイン・コメディくらいかな。もともとほとんどないうえに、送別会的なものもないので、ほぼ機会はないけれど、カラオケに行くことがあれば、ディバイン・コメディを歌いたい、なんて思いながら。あと、Tiny Desk (Home) Concertで、ダーティ・プロジェクターズを見て、あれ、こんなかんじのひとらやったっけと思い、ライヴを見てみたいなと思い直したり。

 ウイルスへの対応については、当初感じていたことからほとんど変わらない、相変わらず行政が「できていない」と思うし、「できていない」理由や原因についての見解も変わらないので、繰り返して話す気が起こらない。テレビを点けていて、たまたまそうした「できてない」ひとたちがとんちんかんなことをやっているのを目にすると、腹が立つし、無茶苦茶言うけれど、もう、わたしの知り合いたちにそれを伝えようという気にならない。枷を厭い、考えるということを厭うひとたちには、皮肉も通じないだろう。皮肉を皮肉として受け取らないで済ませられる言い訳がそこここに落ちており、それを拾うことに何の恥も感じないようだから。ウイルス禍を戦時になぞらえるのは、戦争を突然やってくる不可避のものとしてとらえて済ませるようなこともあるように思うけれど、対策の性質は共通項がある。改めて言うのもなんだけど、感染を防止したい理由は、行政と個人とではちがう。個人としては、かからないようにしたいし、かかったらうつさないようにしたいし、治りたい、ただそれだけの話で、経済がどうのこうのは関係ない。医療崩壊を防ぐために感染の疑いがあっても我慢しろ、というような倒錯は、行政の都合であって、個人の問題とちがう。重なってはいるけれど、重なりを都合よく利用するような理屈を公言できるひとは、頭か心かどっちかが悪いのだと思うことにしている。

8月10日(月)
[一回休み]
8月11日(火)
[一回休み]
8月12日(水)
[一回休み]
8月13日(木) 【▼ぐりぐらメモ/2020年8月13日】
 月曜日、『日本沈没』をやっていたので、懐かしさ半分で見始めた(途中で母が飽きたようだったので、録画に切り替えて、離脱)。パニック映画流行を受けての日本版で、当時、映画は見なかったけど、テレビドラマ版は見ていた。小松左京の小説も読んだ。伊豆の浜辺で、小野寺俊夫と阿部玲子が抱き合う場面は、小学生には刺激的だったけど、そのときに最初の兆候として起こる噴火があのように激しいものだったとは想像していなかった。異変に気づく地球物理学者のパトロンが最初は宗教団体で、次に右翼の大物というところがなんとも。原資はどやねんというところだけど、そういう連中でないと、動かせないということはあるかもしれない。

 いつもとちがうところへの買い出し要請が出ていたので、隔離部屋で声がかかるのを待っていたら、百景借景の練習を配信します、という告知があって、見た。三曲ほど打ち合わせしながら練習している様子を聞いたところで、階下の母から「おつかいにいってきて」と藤子不二雄漫画のようなかんじで呼びかけられたので、中座した。夕方になって、気温がいくらか下がり、またタイムセールの可能性も出てきたからということで。それから20分くらいして百景借景の練習は終わったようたった。

 卓球の石川佳純選手の番組を見ていて、変な夢を見るという話をされていたので、思い出した。自分が版下になってる夢を見たのだった。ここ移動させて、とか、罫線入れて、とか言われて、自分が変化する、という。夢はどうかしてますが、石川選手のファンです。卓球のどうこうというのではなくて、たたずまい、の。

 火曜日、あれこれ要請があり、出るに出られず。昼も夜もひどい暑さで、汗が止まらず、用事以外は何もやる気が起こらず。朝、目が覚めたら、寝っ転がったままワキに挟む接触式体温計で検温するのを日課としているのだけど、この日の朝は、スウィッチを入れてもなかなか検温可能状態にリセットされなくて、びっくりした。気温が高すぎて、検温後と同じ状態に最初からなっていたんやろなと推測している。

 水曜日、母が昼にかけて通院ということで、こちらも昼食がてら、外出することにした。自宅最寄駅近くに去年できて気になりつつ機会がなかったカレー店に行ってみた。
 それから、梅田に。「大阪ステーションシネマ」での大林宣彦監督『海辺の映画館 キネマの玉手箱』を見に。状況がわからないので、早めに行って、チケットをとる。ひとつずつ席を空けて販売とのことだけど、取れない席なのか埋まっている席なのかはにわかにはわからないかんじだった。上映時刻まで書店やレコード店を覗きに行くつもりにしていたけど、屋上のスペースで過ごすことにした。スクリッティ・ポリッティの "CUPID & PSYCHE 85" と "PROVISION" をまるまる通しで聞きながら。特に意味や目的はないのだけど。暑かったけど、風があったので、なんとか。屋上階に「コンビニ」があるとは思わなかった。

 『海辺の映画館 キネマの玉手箱』は、遺作となったということもあり、誰もが思うことだと思うけど、走馬燈のようでした。大林作品に出ていたひとたちのオールスター友情出演もあるけれど、でも、消化しきれていないけれど、「まとめ」ではなかった。予感というか覚悟はあっただろうけど、やりたいことをやれる範囲で工夫してやってみるかんじがして。「戦争映画」を第二次世界大戦に限定せず、江戸時代の末期の内戦にも触れながら、見ていながら不条理に手出しができないことの意味に繰り返し触れていた。手出しができない大きなものに向き合うヒントが映画を見るということのうちにある、だから向き合え、と言っているように聞こえた。

 JR大阪駅から阪急梅田駅に移動。途中の書店「ブックファースト」に寄って、「フリースタイル」45号と「レコードコレクターズ」9月号を購入。
 途中下車して、通販物のコンビニ引き取り。休みに入る前に届くだろうと思っていたのだけど、間に合わなくて、やっと。あるある、だけど。定額制配信で復刻を知った越路吹雪『世界の恋人たち Vol.1 南ヨーロッパ編』とヴァセリンズ "ENTER THE VASELINES"。
 越路吹雪『世界の恋人たち Vol.1 南ヨーロッパ編』は、"Kites" のカバーが収められている変わり種アルバムとして地味に探していたものだけど、ポップサイケの文脈ではしっくりこなかった(それもそのはず、特に調べもしなかったけど、"Catch A Falling Star" や "In My Room" などの作曲者によるものだった)"Kites" もよかったけど、その次に入っていたスキャフォールド "Thank U Very Much" のカバーに驚いて、手元に置いておきたくなって。当時のインナーシートが再現されていて、"Thank U Very Much" については「ビートルズのポール・マッカートニーさんの弟のスキャフォールドさんの歌っていた曲」とあるのだけど、バンドに「さん」付け、69年に!先取り!と一瞬思ってしまったけど、あれだ、マイク・マクギアの芸名と思っていたのだな。それにしても岩谷時子さんの日本語詞がすごい。カステラもらったらカビだらけ、カナリヤ三羽は全然鳴かない、両親は頑固でお手上げ、歩けばチューイングガムや車に気を付けないといけない…それらへ向けて「サンキューベリマッチ」。そんな私を愛してくれるひとにさえ「長生きするひとだ」と、そっけない。このあたりの事情を知りたいと思うのだけど、なかなか面白そうな越路吹雪本、岩谷時子本に出会わない。"Kites" については、「イギリスのEMI社が私達にプレゼントして下さった曲」とある。アルバムは69年12月20日発売、サイモン・デュプリー&ザ・ビッグ・サウンズのシングルは1967年10月27日発売なので、「提案」といったところではないかと思うのだけど、これまで調べもしなかったけど、作曲者のリー・ポクリスは "Catch A Falling Star" や "In My Room" のひとなんやね。ミュージカルの作曲も手がけているので、どちらかと言えば、越路さんのほうがこの曲には合っていると言えるかもしれない。
 ヴァセリンズのはCDは持ってないし、いろいろ追加された2枚組になっているのも知らなかったのだけど、それで1000円、ということで。いま積極的に聞いている訳ではないけれど、持っておこう、と。

 きょうは、夕方から出るつもりだったのだけど、雨が降るのか降らないのかで、母の用事のタイミングを逃してしまい、出られず。Youtubeでは見たけれど、大きな画面で見たかった映画がかかっていたのだけど。どうするのかの判断が直前になって揺れることが母には結構あって、押し切ったり、揺れていることを指摘すると機嫌が悪くなるし、ちょっと諦め気味です。

 「レコードコレクターズ」9月号は、ポール・マッカートニーのソロになってからのベスト100企画で、ランキングには興味がないのだけど、選者の個々の選曲に興味があって、買った。わたしの大好きな曲は、案の定、100曲のうちに入っていない。個人選曲では、二人の選者が挙げていた。こうして挙げられた曲を集計して、多くの票が集まった曲を公開して、解説を付すのはいいけれど、順位はやっぱり要らないと思う。個々の選曲が面白いのは、そのひとの文脈で、気付かなかった面白さに気付くことがあるから。その他の記事では、若手ミュージシャンに背景などを聞く連載「MUSIC GOES ON 最新音楽生活考」が気になった。知らないバンドのひとだけど、写真にローランド・ブーケの "PARADIA" が映っていたり、「僕は天使ぢゃないよ」とかGator Wobbleのオムニバス『GET READY ROCK STEADY』に触れていたりするので、つい、音楽を知らないのに読んでしまって。こういう記事は本来、その音楽を知っているひとが読むべきもの、と常々思っていたのに。で、読後に、その、入岡佑樹さんのグループ Super VHSを聞いて、話していることが反映されているかどうか意識してしまって、こういうチェックするような聞きかたはあかんなと反省することに。ヴォーカリストが参加している曲はよくて、きのう映画に出ていたからかもしれないけど、高橋幸宏の線を感じたりしたけど、知らずに耳にしても、ひっかからなかったかもなぁというスマートなポップスでした。

 そう言えば、「ブックファースト」でも、ショップ袋が有料になっていて、「このままでいいですよ」ということになったのだけど、「オシルシをバーコードのところに貼ってもいいですか」と訊かれた。雑誌だし、すぐに剥がせばいいや、と思って、承諾して、見てみたら、テープが枚キングテープになっていた。剥がしやすいように。バーコードの上に、というのも検討の結果の配慮だろうと思った。…とここで終わっていればよかったのだけど、どんな評判になっているか検索してしまった。そしたら、本に対する冒涜だといって糾弾する意見があって、びっくりした。ええ落としどころだと思うのだけど。

8月14日(金)
[一回休み]
8月15日(土)
 [一回休み]

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2020 Kijima, Hebon-shiki