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2020年7月12日〜2020年7月18日


7月12日(日) 【▼ぐりぐらメモ/2020年7月12日】
 妙にパラついたりしたものの、きょうの大阪北部の天気は穏やかだった。風もあり、エアコンの無い二階でも、涼しかった。扇風機はまだ出していない。ついこのあいだまで、毛布を巻いて過ごしていた(そして、そのまま倒れるように眠っていた)ような気がするのだけど。季節が、知らぬ顔して、過ぎて行きました。
 先週に引き続き、「山下達郎 Sunday Songbook」の「初代ジャニーズの洋楽アプローチとアメリカ進出計画」特集続きを聞いた(今回は、アメリカ録音から作者不明曲を放送。「音源」はテープのようなことを話されていた)のち、重い腰をあげて、用事もあるので、近所をひさしぶりに歩いた。図書館へもひさしぶり。再開してから初めて。入口で、図書カードをスキャンして、出入りを把握。図書館員のほうが多い。そう言えば、プールが併設されているのだけど、今年はプールに通うことを目標にしてたんよなぁ。一応、開いているけど、ハードルが高い(気がする)。一冊、本を借りた。

 定額制配信 Apple Musicは、ホーム画面がお薦めを掲載するものになっていて、うっかりしていると、そっちに切り換わってしまい、閉口していたのだけど、帰りに、ぐったりして、積極的に聞く気力を失っているときは、薦められるがまま、聞くことも多い。先日、ヒューマン・リーグの二枚目 "TRAVELOGUE" があがっていたので、聞いてみた。一枚目はとても好きだったのだけど、この二枚目は、当時、数曲ラジオで聞いて、ピンとこなかったので、聞かなかったのだ。で、聞いていくうちに、ある曲で、目が点に(たぶん)。"Gordon's Gin" という曲が、ふと思い出しては、なんやったかな、この曲と思う曲のひとつだった。刑事ものドラマのテーマ曲か何かがと思っていたのだけど。で、そのことをツイートしようとして、その曲の動画を検索して、さらに知らなかったことが発覚。この曲は、元々、Gordon's GinというジンのCM曲で、ヒューマン・リーグはそれをカバーしていたのだった。妙にお約束ぽいのは、それが理由だったか。いや、別に知らなくてもよかったことかもしれないけれど、何十年も経ってわかることもあるのだな、としみじみ。

 そのGordon's GinのCM曲の作曲者は、ジェフ・ウエイン。『宇宙戦争』をロックミュージカル化したアルバムを出してた、あの。このアルバムも、高校生のときに、割と鳴り物入りで宣伝されていて、演奏にムーディ・プルースやマンフレッド・マンズ・アース・バンドのメンバーが入っているということで、ちょっと気にしていたのだけど、やはり、ラジオで数曲聞いて、ピンとこなかったので、そのままになっていたもの。これも、Apple Musicにあったので、聞いてみた。…いきなり、「火曜サスペンス劇場」だった(正確には、「火曜サスペンス劇場」がパクったのだと思われる)。いま聞いても、ロックというよりも、やはり、ミュージカル寄りの曲構成で、当時、同趣向の物語をテーマにしたアルバムを出していたアラン・パーソンズ・プロジェクトと比べると、アラン・パーソンズ・プロジェクトはロックやったわ、と改めて思った。どこがどうということはいまのところ考えていないけれど。でも、今回、検索して、初めて知ったけど、このジェフ・ウエイン版『宇宙戦争』は、その後、舞台化され、配役を変えて再演され続け、いまでも、人気の演目だという。

 行政のやってる感も困るけれど、やってやった感、言ってやった感の演出目的の言動はもっと困る。困る、というのは婉曲表現で、ほんとうはもっと汚い言葉で言いたいのだけど、それを投げつけたい相手が読む訳ではないので、言えない。でも、怒っているということのアリバイ作りのために発言することそのものにも、そんなに積極的にはなれない。言ってやった感の演出もアリバイ作りだから。アリバイ作りのための「工作」は脆い。脆くても、しないよりはましと妥協せざるを得ないところにつけこむ連中もいる。つけこんだあげく、梯を外して、虚構であると言い立てる気なのだ。
 

7月13日(月)
[一回休み]
7月14日(火)
[一回休み]
7月15日(水)
[一回休み]
7月16日(木)
[一回休み]
7月17日(金)
[一回休み]
7月18日(土) 【▼ぐりぐらメモ/2020年7月18日】
 先週日曜の午後、蝉が鳴き出した、と思ったら、すぐに止んでしまった。夜から気温が下がり、翌日も寒いままだった。しもたなー、ハシゴを外された、と思ったんとちゃうかな、と思っていた。雨が続いていたけれど、晴れた木曜日には、朝からじゃんじゃん鳴いていた。

 日曜日の夜、メモを更新したあとで、ジュディ・ダイブル Judy Dyble の訃報を知った。活動を再開してからの作品は、あまりピンとこなくて、積極的に聞かないままだったけど、フェアポート・コンベンションの1枚目、ジャイルズ・ジャイルズ&フリップのデモ録音、トレイダー・ホーンは、それぞれ、ずっと親しんできた。声とメロディを歌にするときのセンスのようなものに惹かれていたのだと思う。同じ曲でも、ジュディ・ダイブル版のほうを好んでいるということが…分母が少ないので僅かな例に過ぎないけれど…あるから。

 キング・クリムゾンの "I Talk To The Wind" は、最初に聴いたのがジュディ版だった。このあたりを聞き始めた頃に、ちょうど、回顧盤の "A YOUNG PERSON'S GUIDE TO KING CRIMSON" が発売されたので、当時ラジオでクリムゾンの特集があるときはそこからかかることが多かったのだと思う。当時は、この回顧盤でしか聞けなかったので、2枚組だけど、がんばって、レコード買い4巡目の中3のときに買った(1巡目はビートルズ、2巡目は元ビートルズのソロ、3巡目がピンク・フロイド、で、4巡目がプログレッシヴロックのよく知られているバンド、でした)。

 高校生になってから、もう何巡目とも言えない、興味の赴くままレコードを買っていく中で、フェアポート・コンベンションを聞こうと思ったとき、輸入盤で、やはり回顧盤の "THE HISTORY OF THE FAIRPORT CONVENTION" の安い盤とジュディ・ダイブルが唯一参加したファーストアルバムの "FAIRPORT CONVENTION" の廉価盤を一緒に見つけて、買った。"THE HISTORY OF..." のジャケは、ピート・フレイムの系統樹図 (Family Tree) になっていて、ジュディ・ダイブルがジャイルズ・ジャイルズ&フリップに行ったことがちゃんと記されている。後日、中学のときから一緒に音楽を聞いてきた友人のYのところに一緒に聞こうと持ち込んだとき、Yに「おまえ、ズルい買いかたするなぁ」と言われたことを楽しく覚えている。"THE HISTORY OF..." はアイランドレコードに移籍してからの録音から採られていて、ポリドールからの1枚目の曲が入っていないから。

 1枚目は、アイランド期に顕著になってくるブリテン諸島の伝承歌をモチーフにした作風は無く、アメリカのシンガーソングライターやサイケデリックロックバンドの影響が強かったのだけど、キング・クリムゾンに通じる翳りのある響きもあった。特に惹かれたのが、ジュディさんが歌うジョニ・ミッチェル作品 "I Don't Know Where I Stand" とイアン・マシューズ(当時はイアン・マクドナルド)が歌う "Sun Shade"。ジュディさん作曲のインストゥルメンタル "Portfolio" も好きだったし、ウイルス禍が始まったときに思い出していた "Decameron" も好きだった。オリジナルのデザインではない、いかにも廉価盤なデザインのものだけど、ほんとによく聞いた。

 トレイダー・ホーン "MORNING WAY" はなかなか見つけられなくて、CD時代に入ってから。テイチクからのあやしげな復刻シリーズで。適当なかんじの解説がついたもので、See For Milesからのシングル曲入りが出たときに早々に買い直してしまったけれど、この、物語のつらなりを感じさせる短いつなぎ曲の入ったアルバムも大好きでした。この後、ロル・コクスヒル、フィル・ミラー、スティーヴ・ミラーとのダイブル・コクスヒル&ミラーブラザーズ (DC & MBs) を結成したという話は、北村昌士氏が書いたキング・クリムゾンの評伝で知ったけど、このバンドは録音を残していない。ジュディさんの自伝 "THE ACCIDENTAL MUSICIAN: The Autobiography Of Judy Dyble" には「アルバムを3/4録り終え、まもなくレーベル探しを始める模様という記事が当時出たけど、ほんとだったら良かったのにとわたしも思っています」と書かれている。同書によれば、30年代の古い曲をやるというコンセプトで、フェアポート・コンベンション時代の "One Sure Thing" も演奏していたらしい。

 "THE ACCIDENTAL MUSICIAN" を入手して、最初に拾い読みしたのが、フェアポート・コンベンション脱退からジャイルズ・ジャイルズ&フリップ参加の経緯。時系列がよくわからなくて。1968年4月に1枚目の録音が完了したのち、プロデューサーのジョー・ボイドがサンディ・デニーをフェアポート・コンベンションに加入させるべく画策する。ジュディさんは行き場をなくし、5月5日にローマで行われたフェスティバルへの参加を最後に脱退する。ジュディは、その頃付き合っていたイアン・マクドナルド(マシューズではないマクドナルド)と活動することにした。マクドナルドは友人のピート・シンフィールドとともに曲作りをするとともに、バンドメンバー募集の広告を出した。この募集広告を見て連絡を取ったのが、ジャイルズ・ジャイルズ&フリップのピーター・ジャイルズ。GG&Fは既にアルバムを発表していたが、幅を広げたいという目論見があったらしい。6月7日に、彼らは顔合わせをする。そして、前述の "I Talk To The Wind" を含むデモ録音をするのだけれど、このとき、ジュディ・ダイブル・バンドとしてだったのか、GG&Fとしてだったのかはわからない。この結果、GG&F側はイアン・マクドナルドを歓迎する一方、ジュディさんはまたも行き場をなくす。マクドナルドとの仲もうまくいかなくなっていたことから、7月には彼らから離れている。
 今週は、トレイダー・ホーンとフェアポート・コンベンションの1枚目を繰り返し聞いていた。

 火曜日、明け方、台風かと思うくらいの豪雨だったので、交通情報を見ながら、休むことを検討していたのですが、あれっ収まってきてる、一時的なもの、という訳で出社。酷かったのは、水曜日。
 ここ数か月の停滞したり延期されたりしていた仕事が6月以降動き始めた結果…どれもこれも締切が7月末という事態に。急に決まるものもあり、油断できない。排出量取引的な定時退社もやむなく断念。帰りが遅くなるのと同時に、母からソシアルデスタンデングのせいで会話が少ないと不満が伝えられたので、帰宅後しばし話に付き合うことにしたので、半日分のツイートをたどるのもそれから。読み終えるのと眠くなるのとどっちが早いかの毎日。若干胸が苦しいので、読み終えると、早々に引き揚げるかんじになっている。「ニヒル牛フェス配信ライブ」、大谷さんの回も、なかなか見られなかった。「セロテープ」はやはりかっこよかった。ニヒル牛フェスは、「ニヒル牛」の店内が見られるのがいい。先日のyojikとwandaの配信も「lete」を見たいということがあった(投げ銭したいけど、そのためにYahoo IDを取らねばならないことに抵抗があり、できていない)。
 という訳で、ツイート追いかけタイムに、22時台のドラマをよく見ることに。『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』では、「疑義照会」に身に覚えが。つらい。

 今週は、あと、大久保好子『nice to meet you』をひさしぶりに聞いた。エンニオ・モリコーネ訃報で、FM福岡「ユア・スクリーン・ミュージック」のことを思い出していて、当時合間に流れていた「九州電力」CMで使われていた「ごめんね」を聞きたくなって。定額制配信にはなかったので、手持ちのCDから。最近のライヴ映像も見た。即興的な要素もある弦楽編成のバンドとともに、いいかんじでした。

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2020 Kijima, Hebon-shiki