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2020年5月3日〜2020年5月9日


5月3日(日) 【▼ぐりぐらメモ/2020年5月3日】
 4月27日、28日、30日、5月1日が自宅待機となり、実質上、先週の土曜日から連休になった。ウイルス感染をできるがけ避けようと、必要最低限の外出しかしていないけれど、これ幸いに籠もっている面もないとは言えない。母のネガティヴな話に耐えきれずにおかしなところを指摘する機会を減らすことができるから。
 わたしはいつもは二階にいて、母は一階にいる。母は耳が聞こえにくくなっているので、大きめの声で話すようにしていたけれど、二階から一階にものすごく大きな声で話している。外からまる聞こえかもしれない。

 家庭内別居みたいになっていることもあって、これまでもそうだけど、揃って穏やかな気持ちで見られるテレビ番組の時間は一階に居て、話をするようにしているけれど、なかなか地雷を除けるのがむずかしい。嫌いだと言っているタレントが出ていない番組、食べ歩き番組などいつも文句を言う番組は避けているけれど、最近では、現在新規撮影はできなくて再放送や過去に撮影したものだと言っているのに、マスクしてない、近づきすぎているけどいいのかというようなことを言う。もう亡くなっているひとが出ている初期の『暴れん坊将軍』や『剣客商売』の再放送くらいしか選択肢がないと思って、それにしていると、好きで見ていると思われている節もある。いや、そうではなくて。栗山千明さんが好きだと言っていたし、コメディとして面白いとこはあると思ったので、『サイレント・ヴォイス』にチャンネルを合わせてみたけれど、「なんや難しい」と言って、途中で離脱されてしまった。難しい。

 外出しないでやっていたのは主にPCとレコーダーのハードディスクの整理です。本やCDの整理をしたいけれど、それには棚を買わなければならず、さて、それは不要不急なのかどうか。石を投げられること、というよりも、石を投げるやつの出現を目にすることを考えなければならないのがめんどくさい。
 配慮しつつも、補償なく休業しては立ち行(ゆ)かない店が開けているところへ、「この状況で店を開けるのは感染を広める危険行為だ」と非難し、貼り紙をするなどの脅迫行動が起きているという。正義の暴走などと、正義にもとづいて行動することを疎ましく思うひとが唱えるヘリクツが援用されているけれど、大義名分、錦の御旗、勝てば官軍という言葉は廃れてしまったのか。やってよいというお墨付きさえあれば、正義かどうかなんて関係ない、なんも考えずにそれに乗っかって大きな顔をしたい、傍若無人に振る舞いたいという心理はあり、そこに正義の定義を持ち出すのは、問題のすり替えだと思う(頭の中ではまずそれは疑似命題であるという形で思い浮かんだのがめんどくさいところだ)。左右、というか、それ以前の問題として、そうした性向はあり、相互にそうした例を探しては詰り合っているというのが不毛だ。

 思うに、この二十年ほどの世相は、信用を築くことを省みずに、行政の「都合」に合わせて、大義名分をでっちあげて、都合をなし崩し的に正当化するものが、幅を効かせてきたと思う。信用を築くということがどういうことかわからないひとたちが現政権を声高に支持してきたし、さらに信用を築くことなど端から考えておらず、でっちあげでもなんでも利用できればそれでよいと考えるひとたちが維新を声高に支持してきた。彼らは、信用をあたりまえのことのように前提にし、利用しながら、蔑ろにする。それが腹立たしい。

 行政による自粛の「要請」。自粛を自決と読み替えれば、沖縄戦や大陸や千島列島からの引き揚げの途上で起こったことが身近なこととして、迫ってくる。自己責任論は、日本の管理・指導層の基本精神なのではないかとすら思う。

 二階と一階を往復することで起こる小さな困り事が、細々としたアイテムの移動で、充電用のケーブルが、時計が、クレジットカードが、マグカップが一方に置かれたままになっていて、タイミングによってはそのときに取りに行けず、機会を逃したり忘れたりしている。配分に迷うということもあるのだけど、通販や寄付へのフットワークの「重さ」にもつながっていて、申し訳ない。気が付くと、期間が過ぎていることも。このあいだも書いたように曜日感覚が薄れていて。

 そんな中で届いたもの。「喫茶アオツキ」から、オムニバスアルバム『Minna Miteru』とルダ(文)、イワン・ビリビン(画)の『ロシア民話 Contes Russes』。『Minna Meteru』は、ドイツのmorr musicから発売されたもので、テニスコーツのさやさんの監修で日本のミュージシャンを集めたもの。収録曲は持っているものも多いのだけど、このようにいまの時点でまとめられているということを手にしておきたいと思い。何処で買えるかなと思っていたのだけど、もしアオツキに入るのであれば、アオツキに頼もうと思っていたので、Twitterで告知されて、すぐに発注した。古本も頼んだほうがいいと思い、以前から気になっていたものの、仏語であることから躊躇していたビリビンの絵をあしらった絵本を一緒に頼んだ。ただ思っていたよりも大判の本だったので、届いてからちょっと焦った。かえって手間をとらせてしまったかも。

 中止になった3月20日、京都「Urbanguild」での来日公演の際に買おうと思っていたレイク Lake の新譜 "Roundelay" を、7 e.p.通販で。yumboのやはり「Urbanguild」でのライヴの折に場内BGMとしてかかっていた前作 "FOREVER OR NEVER" がとてもよくて、次に来られたら必ず見に行こうと決めていた。一緒にやはり最近出たマーカー・スターリング Marker Starling の "HIGH JANUARY/TRUST AN AMATEUR" を頼んだ。あと一歩、こっちに来てくれないかんじはあって、やはりライヴがあればちゃんと聞いてみたいと思っていた。いい機会だと思って。二枚のアルバムをセットにしたもので、一枚はシェーン・オヘイガン制作で、ステレオラブのメンバーも参加。もう一枚は弾き語りものとのこと。

 チャリティアイテムや通常営業の代わりとして、配信販売が増えている。通信環境が貧弱な時期が長かったこともあって、ダウンロードがいまだに苦手で、よしっ、やるぞっと言い聞かせないととりかかれないのだけど、配信販売のみで聞きたいものが一挙に増えて、あわあわしています。大手プラットフォームのbandcampで、作り手支援の手数料還元デイが金曜日の夕方から土曜日の夕方にかけて設けられたので、それに合わせて…ぐずぐずして、えいやっととりかかったのがリミット30分前だったのだけど、あれこれ購入した。

・むうとん「ころんだ moooting track」c/w 「おたまじゃくし mooting track」
 UrBANGUILDの支援プロジェクトの一環で発表されたむうとんさんのシングル。ソロアルバム『ゆい/もあ』収録の「おたまじゃくし」が大好きなのだけど、それがアコギの弾き語りであったのに対して、エレクトロニカ版になっている。『ゆい/もあ』より以前に録音されたものとか。これは試しに金曜日の夜に買いました。

・数えきれない『たくさバスにのる from UrBANGUILD』
UrBANGUILDでの数えきれないのライヴから、「足音バスにのる」ばかり集めたもの。ストラーダの「身それた花」ばかり集めたライヴ盤を連想した。

・yumbo「鬼火」c/w「センチメンタル・ジャーニー」
7インチ盤として発表することを意図して録音された別バージョン。

・yumbo『live in necco sendai 08032019』
2019年3月8日、仙台「design labo NECCO sendai」で行われた演奏の録音。

・かえる目『demo: 初期のかえる目』
2005年に録音された『主観』収録曲のデモ。

・yojikとwanda『Hinodecho Sichositsu live?(?2019Nightrain tour)』
2019年7月13日、横浜日ノ出町「試聴室」でのバンドセットによる演奏を収めたもの(カバーは除かれているそうです)。バンドセットの発売記念ツアーは見に行けなかったので、ありがたし。メンバーは、カルテット編成での服部将典さん(ベース)、吉田悠樹さん(二胡、マンドリン、鍵盤ハーモニカ)に加えて、イトケンさん(ドラムス)、穴田貴也さん(チェロ)、クリスチィヌさん(バイオリン)。

・Lamp「或る夜」b/w「雨、降り続く雨」
アルバム『ゆめ』発売時の「HMV」、「タワーレコード」それぞれの購入特典CD-Rに収められていたもの。「HMV」で買ったので、「雨、降り続く雨」は初まめて聞く。

・新崎純とナイン・シープス「かじゃでぃ風節」
7インチを買ったけど、自作オムニバス用にデータで持っておきたくて。


 今日、「円盤」改め「黒猫」から「黒猫からの手紙 二〇二〇年四月(4)」、「ミツザワ通信増刊号 二〇二〇年四月」、一緒に頼んだOdd。の『Odd。1』が届いた。Odd。は、向島ゆり胡さん、今井次郎さん、久下恵生さんのトリオ。試聴して気になっていたのだけど、機会を逃してしまっていた。「ミツザワ通信増刊号 二〇二〇年四月」は、ウイルス禍下の状況から緊急発刊されたもの。大判。オムニバス『四月の音楽 三ツ沢、高円寺、伊那谷、円盤、黒猫』と入船亭扇里『ざこ八』の二枚のCDが付いている。

 記録しておかなくてはという気持ちと、考えないとという気持ちがありながら、どっちつかずで、どちらもできていない。

5月4日(月)
[一回休み]
5月5日(火)
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5月6日(水)
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5月7日(木)
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5月8日(金)
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5月9日(土)
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2020 Kijima, Hebon-shiki