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2020年3月29日〜2020年4月4日
3月29日(日) | 【▼ぐりぐらメモ/2020年3月29日】
外の状況は一刻一刻変化(悪化)しているのに対して、内は停滞していて、落ち着かず、流れるままに、通り過ぎるのを眺めているようなかんじになっている。『LINEの答えあわせ』というドラマを『嵐電』で気になった大西礼芳さんが主要キャストのひとりとして出ているので見ていたのだけど、残った会話を起点に遡って、表面上の返事に隠された事情・心情が双方について描かれるのを見ていると、感染について、遡って、どこで間違えたかを検証できたらいいのにと想った。ドラマそのものは、バラエティ番組の中の再現ドラマのような「あるある」ネタで構成されたもので、物語性はまったくなくて、大西さんでなければ見ていなかったと思うけれど。 先週の書き忘れ。「サロンモザイク」からの帰りに、古書店で松本亮『ジャワ影絵芝居考』(濤書房、1975年)を見つけた。松本さんのことは、吉上恭太さんを通じて、知った。「[本]のメルマガ」に連載されている「ときには積ん読の日々」の第95回(vol.645、2017.5.15.発行)「命がけでぼんやりした人生」で追悼されている。詩人で、自らダランとして、創作ワヤンに取り組まれていた姿が描かれている。『ジャワ影絵芝居考』は、ワヤンについての最初の本格的な研究書。見つけることができて、よかった。
先週の金曜日と言えば、いちどちらっと見て、タイトルやコンセプトに馴染めなかったSNS連載漫画が最終回ということで、話題になっていた。連載中は、特に、回覧が回ってくることもなかったのだけど、多くの知り合いが愛読していたようで、「いらんこと言わんでよかった」と思った。馴染めなかったのは、死を掲げながら、おそらく、脈絡なく、死ぬのだろうなということがちらっと見た一回でうかがえたから。それで、なんということもない日々を描くという意図はわかったのだけど、死をタイトルにもってきて、カウントダウンしながら、回顧ではないことに、読む者に負わせるものを感じて困惑したのでした。愛読していたひとたちは、負わされることを引き受けたのだと思うけれど。 月から金は粛々と通勤。締切が延期になったり、海外の相手先の閉鎖期間が延びたりして、手持ち無沙汰になりがち。やっといたほうがいいけど、手が付けられなかったことにようやく取り掛かってはいるけれど、これこそ「不要不急」とは言えないよように思えて、しんどい。あとで、役には立つ、し、いままで、ややこしくて、急かされた結果、あやういかんじになった件でもあるので、見直す余裕があるのはありがたい。とは言え。腰は、仕事の合間に身体を動かすことにしてから、少し楽になった。
土曜日。京都に用事があったので、出ることにした。でも。先週、見送った「美術館 えき KYOTO」での「anan創刊50周年記念展 生きて、愛して、歌って。」がその土曜日から休館になってしまった。おまけに前日からの雨が止まず、公共交通機関を使わず(つまり自転車を借りて)、訪ねたいところを訪ねるということもできなくなってしまった。そうしたこともあって、京都に出るからということが背中を押して予約を入れていた「拾得」での池間由布子と無労村(潮田雄一、岩見継吾、藤巻鉄郎)のライヴのみが残った。悩んだ末、行くことにしたのは、条件としては、月から金と変わらないということもあった。ニヒリズムであることは承知している。しかし、勤め人だって、出勤自粛、欠勤扱い、減給を「要請」されたら、穏やかでは居られない。問題があるのはわかっているけれど、地域ごとに計画的に行う必要があることを、一律に号令をかけることで済ませようとしていることの歪みは大きい。 気になる本はあったけれど、特色のある書店には雨で寄れなくなったので、さてどうしたものかと思ったのだけど、本が充実している「十字屋」とその近くの「大垣書店」に寄ってみることにした。「十字屋」では、「ラティーナ」4月号と龍膽寺雄『焼夷弾を浴びたシャボテン』(平凡社、スタンダードブックスシリーズ)を見つけた。それと、ジョン・ハッセル "VERNAL EQUINOX"(1978年)の復刻CD。ジャケットデザインを変更していちどCDになったことがあるけれど、今回、Lovely Musicリリース時のデザインに戻しての復刻ということで。前述の "AS FALLS WICHITA, SO FALLS WICHITA FALLS" にも参加しているナナ・ヴァスコンセロスが参加しているということも楽しい符牒かな、と。 買おうと思った本が見当たらなかったので、烏丸の「大垣書店」に。新刊だけど、面出しはされていなくて、検索機でやっと場所がわかった。野中モモさんの『野中モモの「ZINE」小さなわたしのメディアを作る(シリーズ《日常術》)』(晶文社)を。 「拾得」に行くのもひさしぶりだったけど、このところはずっと自転車だったので、地下鉄「丸太町」駅からの距離が結構あることに閉口した。足元がずくずくに。滞在時間を減らすために、18時過ぎに入ったのだけど、まだ客席はまばら。しかし。始まる頃にはいつもどおりのほぼ満席。バンド編成の池間由布子さんは、しなやかさ、洒脱さを、激しいバンド演奏にも溶かし込んでいた。暴走気味の逸脱こそ控えめだったけれど、歌の途中で音程を変えていく、アコースティックギターとエレクトリックギターをかけあわせる、つぶやくようなコトバをバンドとともに並べていくといった試みが自然に力強く展開されていた。ツアーのために用意されたCD-R作品『MY
LAND ESCAPE』と唯一残していたオリジナルアルバム『しゅあろあろ』を買った。
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2020 Kijima, Hebon-shiki