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2020年3月1日〜2020年3月7日


3月1日(日) 【▼ぐりぐらメモ/2020年3月1日】
 昼の買い物と昼食の他は外出しなかったけれど、肺炎ウイルス感染予防のためにおとなしくしている訳ではなく、厭世気分が続いているだけです。なんだかんだ調べたり、見たり、読んだり。
3月2日(月)
[一回休み]
3月3日(火)
[一回休み]
3月4日(水)
[一回休み]
3月5日(木)
[一回休み]
3月6日(金)
[一回休み]
3月7日(土) 【▼ぐりぐらメモ/2020年3月7日】
 ウイルス性肺炎(COVID-19)感染拡大防止のため、立ち寄り先のひとたちも在宅勤務になった。こちらは変わらず、電車に乗って、会社勤務。だんだん減ってきているかんじかな。それでも、ガラガラとは言えない。駅で、在宅勤務や時差出勤を呼びかけているけれど、通勤している被雇用者に言われましても。在宅勤務は雇用者の判断によるけれど、少なくとも、うちはその環境は整っていない。だいたい情報セキュリティ目的で、自宅に仕事を持ち帰ることを禁じていて、メールチェックもできなくなっている。昔はよく家で「も」仕事してたから、その禁止のおかげで助かっているとも言えるのだけど。時差出勤は、可能だけど、帰りが遅くなるのは困る。それに、ほんとうに時差出勤で混雑を解消しようと思ったら、地域ごとに計画的に実施しなければならないはず。みんなが定時出勤することを前提としたうえでの時差出勤ではないのだから。

 そんなところへ、大阪のライヴハウスで集団感染が疑われる事例が発生した。二軒とも行ったことがない、知らなかった店だけど、感染したひとが症状がひどくない状態で行って、しばらくして悪化した、複数の感染がわかったということだ。店を発表したのは、不特定多数の来場者への呼びかけのためだし、その中で不調を感じているひとがいるとすれば、検査の条件として伝えられるようにするためだと思う。でも、どうも、「ライヴハウスは集団感染の温床」とみなして、とにかく開催したり、見に行ったりするやつが「悪い」という論調が目立ってきた。やれやれ。わたしは「ライヴハウスに行くひと」なので、公正な意見できないと受け取ってもらってもかまわないけれど、危険があるのは、電車でも会社でも飲食店でもスーパーでも同じ。店や主催者は、いろいろ工夫をして、感染防止に努めているところが多い。感染した店で、どのような状況で感染が起こったのかを検証することは、防止のために必要だけど、そうした検証や分析は聞こえてこない。電車でも会社でも飲食店でもスーパーでも同じことが言えることしか言われていない。槍玉にあがるのは、それが「しかたがないこと」ではなく、浮かれてやってる趣味とみなされているからだろう。でも、そのような「やるのが悪い」「行くのが悪い」というメッセージはどこに向けられているか。ふだんライヴハウスに行くひとは、「やる」「行く」だけで感染するとは考えない。そのように考えるのは、もともと行かないひとだ。自分とは関係がない営為への偏見を焚き付けることにしかなっていない。

 予約はしていなかったけれど、行ってみようかなと思っていた「アバンギルド」での数えきれないとたゆたうのライヴ「家宝は寝て待て! Vol.2」は延期になった。しかたがない、昨日から上映が始まったジュディ・ガーランドの伝記映画『ジュディ 虹の彼方に』を見に行こうかと思ったら、今日から映画館が休館になっていた。昨日は、月一回の高血圧のための通院だったので、上映時刻を調べもしていなかった。ほんとは通院を木曜日にするつもりだったのだけど、水曜日に三か月に一回の歯科検診に行ったら、急な会合で臨時休診となっていたため、一日ずれたのだ。木曜日に歯科に向かう途中で、少し前に用事があって寄ったら既に休館になっていた図書館の前を通るので、休館は確か5日(木曜日)までだったよなと確かめようとしたら、これまでは蔵書整理休館、明日からウイルス感染防止のための休館に入ると貼り紙があって、へなへなとなった。いや、対応が早いなと思っていたのだ。ああ。ちなみに、歯科検診は、「意外に安定している」とのことでした。歳を取ると、ミッションが増えます。あ、体温を測らざるを得なくなったということもあり、三月から、毎朝、血圧、体温とともに体重も測って、付けることにしました。しかし…立ち寄り先が在宅勤務になり、あちこち寄り道することもままならないため、さらに運動不足に。体重を付けることにしたことを若干後悔しています。

 金曜日、「雲遊天下」131号、特集=「人人本」作戦会議が届いた。「人人本」は南陀楼綾繁さんと金井真紀さんが提唱しているもので、一冊にたくさんの人が登場する本、のこと。以前から、南陀楼さんがそれについて触れているのは見聞きしていたけれど、漠然としていて、いまひとつピンと来ていなかった。のだけど、特集の企画で「わたしの好きな人人本」というアンケートへの参加を打診されたので、南陀楼さんの発言を検索かけてみたりして、回答してみた。果たして合っているのかどうか。
 特集は、「人人本」をテーマにしたトークイベントの第一回の書き起こしをメインに、人人本をめぐるエッセイとアンケート回答から成っている。おぼろげながら、ひとからひとに興味をつなぐ本かな、という気がして、それなら、なんとか回答もセーフかと。回答であげたのは、長門芳郎さんの『魔法のBEAT』です。絶版本だけど、なんらかのかたちで復刊されたらいいなと思っているし、「やりかた」を紹介するだけでもいいかなと。連載の「記憶のB面」は、遅くなってしまったけれど、言うてみたら、「歩く人人本」のような人だったうらたじゅんさんについて、『日本のロック史』と「たまむすび」でのコンドアウトキの紹介とともに、書きました。伝えたいと思ったことを(今度会うときに)伝えることで、できている場所について、です。

 NHKのドラマ『ハムラアキラ』はよかった。原作については何も知らず、探偵ものというだけで見た。シシドカフカさんが演じるぶっきらぼうで、厭世的な探偵が、事件に心ならずも巻き込まれる。最初は日常の謎解きのようでも、出生や育った環境による因果物語のようでもあり、冷え冷えとした音楽(菊地成孔)やゆっくりとした展開とのズレを感じていたのだけど、三回目の意識されない正義までも俎上に乗せる悪意を持った人物との対決から、引きつけられるようになった。

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2020 Kijima, Hebon-shiki