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2020年1月12日〜2020年1月18日


1月12日(日) 【▼ぐりぐらメモ/2020年1月12日】
 先日、「もう20年代と言うだけでは、1920年から1929年のことを指すことができなくなった」という話になった。「10年代」に入ったときはそんな不便を感じなかったので、わたしにとって「話題にすることがある過去」の下限が1920年代ということなのだろう。それ以前のことを話すことがあっても、そのときは1912年とか1895年というようにフルで言っていた。と他人事のように言うのは、その区別を意識していなかったから。意識していなかったので、推測だけど、1920年以降を、前置きなしの地続きのように扱うのは、それ以降の音楽なら親しみがあるから、です。

 音楽の趣味は14歳で止まるという説が話題になったとき、止まるかどうかはひとによるとしても、そのあたりの影響は強く、判断の基礎もしくは枷になっていることを感じていたので、そうやなと思った。と同時に、上限をそこから+20くらいにしてもらえないかとも思った。いや、新しいものを受け入れられないことに否定的な見かたがあるので、そうは言うても、それまでに経験したものでいっぱいになるということもあるのではないかと。と同時に、若い頃は新しいものだけでは物足りなくなるので、過去に遡ることを思うと、やはり、-20くらいかと、なんとなく思った。自分が生まれるよりも少し前から。と書いていて思ったけど、つまり、これは親を始めとする、その時点でのオトナを通じて知りやすい範囲ということかもしれない。それがノスタルジーの第一段階。そこで間接的に触れた過去の文化の担い手にとっての過去がノスタルジーの第二段階で、1960年代生まれのわたしにとってはそれが1920年代になるのではないか。仮説だけど。

 それにしても、まだ「20年」に慣れていない。200111だと、2020年1月11日ではなく、2001年11月のように読んでしまう。

 Twitterの話題ピックアップで、アメリカのラッパー、Nonameさんが「1月11日は図書館カード登録の日」と提唱しているという記事。Nonameさんは、本を選んで、みなで読み、その本について話題にする機会を作るブッククラブを運営していて、その活動の一環として、図書館カードを作ろうと呼びかけている。ブッククラブでは、地域の書店を紹介しているけれど、図書館の利用もその延長。ただで本が読めるというだけではなく、図書館には案内してくれるひとがいるから、と。本を、本を読むということを身近にしたい、ということなのだと思う。
 記事にリンクされていたTiny Desk Concertの演奏もよかった。ラップには疎いけど、戦闘的なものではなく、ゆったりと、ゆらゆらしたかんじで。配信のみで2枚アルバムを発表しているとのことで、Apple Musicにもあったので、聞いてみることにする。

 Apple Musicで聞くのは試聴感覚が拭えず、「聞いた」ことにカウントできないでいるのだけど、サブリナ・クラウディオもそうだったけど、配信のみのものもあるし、入手困難なものもある。カウントのしかたを見直したほうがよいのだろうか。
 川口葉子さんの『名古屋カフェ散歩』の「JAZZ茶房 青猫」(青は正しくは月が円のほう)の項で、店主が好きなピアニストとして触れられているマルチン・ボシレフスキ。デビュー盤のタイトルが『コメダ』とあるので、おおっと思った。著者は、「コメダ珈琲」を念頭に置いて、そのことに触れているのだと思うけど、クリシュトフ・コメダのことやな、と。それで、「marcin Wasilewski Komeda」で検索をかけてみたけど、ひっかからない。他のアルバムは何枚かあるのに。と思っていたら、Simple Acoustic Trio名義なのでした。それなら、あった。やはりポーランドのひとなんやね。コメダ作品集ということで持ってるトマシュ・スタンコのとこに居たらしいので、なるほど、と一瞬思ったけど、その "LITANIA" よりも前に、"KOMEDA" は出ていた。

 外出する気になれず、終日、部屋に。聞けていなかったレコードを聞く。消化とは言わない。

1月13日(月)  
1月14日(火)  
1月15日(水)  
1月16日(木)  
1月17日(金) 【▼ぐりぐらメモ/2020年1月17日】
 祝日の月曜の朝、いつも途中までしか見られない『母をたずねて三千里』を見て、そのままにしていたら、ベルベット・アンダーグラウンドの "I'm Waiting For The Man" がテレビから流れてきた。『キンシオ』という紀行番組のようで、和歌山の橋本市を訪ねていた。"I'm Waiting For The Man" がテーマ曲なのだろうか。なんでもないところをただただ歩いていて、なんでもないところをただただ歩くのが趣味なもので親近感を持って見ていたら、映る風景に合わせて(もじって)モンキーズやビートルズもかかっていた。もう10年目に入る千葉テレビ制作の番組とのことで、この選曲もその筋では有名なのだと思う。番組オリジナルのオムニバスCD『キンシオ the CD Volume 1』も発売されていた。ベルベット・アンダーグラウンドの他に、ティーンエイジ・ファンクラブやフー、スロウダイヴのニール・ハルステッドなどが収録されている。 

 出る前に『母をたずねて三千里』。あれっ、『スカーレット』は、というと、母親がこのところの展開に「辛気くさくて面白くない」と言い出したため。面白くないと思っているひとと一緒に見るのはつらいので、二階にあげているPCであれこれチェックする必要もあって、仕事に出るまで、BSが映らない二階のテレビで『母をたずねて三千里』を見ているのでした。ほいで、『スカーレット』は23時半からの再放送を見ることにしたのだけど、これが…寝落ちしてしまったり、やはり二階でPCに向かっているうちに時間が過ぎていたりで、あんまり見てません。

 その月曜日も、出かけることなく、夕方、少しだけ近辺に。行けそうなかんじになってきたので、水曜日の「磔磔」でのストラーダのライヴの前売をコンビニ発券することにした。メール予約だと返信の確認が必要だし、前日や前々日となると、申し訳ないので。「ブックオフ」に寄って、烏兎沼佳代『りぼんの付録全部カタログ』とを買う。『りぼんの付録全部カタログ』は、1971年5月号の付録「人気まんが家ディスクジョッキーレコード」(ソノシート)について何か触れているかなと思って。一条ゆかりさんがインタビューで「いちばんいやな思い出」「燃やして欲しい」と話されていた。でも、ちゃんとコンドアウトキ「歩いて行こう」にも触れてくれている。時間稼ぎとのことだけど。

 火曜日は先週のバタバタにひと区切り、水曜日はそのフォロー。ということで、定時で切り上げて、京都へ。ストラーダの初めてのツアー。19時開演で、なんとかぎりぎりに始まる前に滑り込み。デューク・エリントンの "Blue Pepper" でスタート。曲をたくさんやりたいので話すのは最小限にとのことで、『山道』と『テキサス・アンダーグラウンド』から7、8割は演奏されたのではないか。久下さんのドラムをナマで聞くのは初めてかもしれない。ということもあってか、うかうかさせてくれない、時折、不意打ちのような音を叩き出すドラムにまずやられてしまった。かと思えば、びしっと合わせてくるし。それは桜井さんのギターもそうで、ざっくりした素振りで、どきりとする鋭いフレーズを見せる。中尾さんはクラリネットとサックスを持ち替えながら、黙々と、めちゃくちゃなめらかな音を出していた。関島さんは、リズムをキープしながら、流れをぐいと変える。休憩10分ほどで2時間びっしり演奏されたのだけど、ほんとにあっという間で。最後の曲のときに、21時までにどう収めるかをステージ上で相談しているのがおかしかった。アンコールは、時間が過ぎていたので、極力抑えめに「シーベックシーモア」。聞きに行けて、よかった。

 休憩時に、東京在住のひとにえらく似たひとが居るなぁと思っていたら、声が聞こえてきて、えっと思ったら、目が合った。ご当人でした。これを聞くためだけに駆けつけられたのだそう(翌日、書店で雑誌に掲載された氏のインタビューを読んだら、桜井さんのギターについて、この日の演奏にぴったりの話をされていた)。来ると思っていた友人の姿は見つけられなかったけど、前のほうに聞く姿勢がいいひとがいて、目に入っては、こちらも姿勢を正していたのだけど、終演後、明るくなってから、知ってるひとだと気付いた。
 日曜日の夜、NHKの番組『おやすみ日本 眠いいね!』にNewdayが出演、中尾さんが壇蜜さんに「かんじー」と呼びかけられる場面があり、そのことに触れた関島さん曰く、「それを見て、壇蜜というひとのファンになりました」と話されていたのが可笑しかった。可笑しかったと言えば、物販コーナーに、まさかのストラーダ作品なし。仕入れるのを忘れていたらしい。待望のライヴだったので、持ってるひとがほとんどだったとは思うけど、いや、それにしても。

 帰りに、またコンビニ発券にて、前売チケットを。共通フォーマットで味気ないと思っていたけれど、これはこれで手元に残るので、しみじみ(すると思う、年末に)。

 1月17日、放送が始まる前からサンテレビを点けていた。地域が大きな災害に遭った日は、その地域だけでも休みにすることはできないものか。そのままにしていたら、『未来少年コナン』が始まった。知らんかったなーと思ったら、まだ第二回か。そのあと、『母をたずねて三千里』という日本アニメーションアワー。

1月18日(土)
[一回休み]

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2020 Kijima, Hebon-shiki