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2019年11月10日〜2019年11月16日


11月10日(日) 【▼ぐりぐらメモ/2019年11月10日】
 風邪継続中。熱はないし、起きていられないということもないのだけど、喉のもやもやが取れず、ときどき咳き込むかんじが続いている。早く治まるように、家事以外はおとなしくしていたのだけど、動くのもよいかもと思い、午後遅くから外出。京都に。本日発売の安田謙一さんと辻井タカヒロさんの『書をステディー 町へレディゴー』を買いに、版元の「誠光社」へ。人出を避けて、川端通の川沿いを歩くことにしたのだけど、自転車がスピードを落とすことなく走り抜けていくことに閉口した。マスクをしていると、メガネがかけにくいので、メガネを外していたので、知り合いとすれちがっても、わからなかったと思います、すみません。

 「誠光社」でめあての本があることを確認してから、ぐるっと店内を見て回った。一緒に買うつもりであれやこれやを思い浮かべていたのだけど、見て回ったら、手元には予定していなかったものが手元に残った。世田谷美術館図録『ある編集者のユートピア 小野次郎:ウィリアム・モリス、晶文社、高山建築学校』。今年(2019年)の前半に開催されていたらしい。店内でかかっている音楽がええな、と思って、こっそり音源探索アプリ「Shazam」に照らしてみたら、少し前に、松永良平さんが紹介されていたアーネスト・フッドの "NEIBOURHOODS" でした。アナログ盤があれば、と思って見てみたけど、見当たらなかった。ここでは以前にもええなと思ったらMockyだった、ということがあって、それが来日コンサートを見に行こうと思ったきっかけになったということがあった。でも、これはもう買えっちゅうことやな。

 丸太町から、また歩いて、四条烏丸へ。「大丸京都店」での「かこさとしの世界」展を見に。昭和電工勤めの技術者が本業とは知っていたけれど、絵が先ではなく、セツルメント活動の中で、小さな子供に絵を教えることが出発点ということで、科学絵本から始まったことに納得。科学絵本や群像作品などの初期作品がとりわけ印象深かった。キャラクター化された作品もいいのだけど、そこにも多様性を重視する姿勢が知らなかった近作にも貫かれていることがわかって、よかった。若き日の作品で「幸せの歌」を歌う人々を描いたものが。この曲を改めて聞いていたところだったので、おおっとなりました。あがたさんの「山羊のミルクは獣くさい オイラの願いは照れくさい」の回想シーンとして挿入されている「しあわせの歌」。この歌については、また明日(たぶん)。

11月11日(月)
[一回休み]
11月12日(火) 【▼ぐりぐらメモ/2019年11月12日】
 あがた森魚「山羊のミルクは獣くさい オイラの願いは照れくさい」は、アルバム『佐藤敬子先生はザンコクな人ですけど』のタイトル曲の続編として2曲目に置かれている。小学一年生のあがた少年が、山羊のミルクを飲ませようとする先生の手にかみついてしまったという事件を回想する歌で、挿入歌として、アルバムの解説によると、1955年1月に作られ、すぐに教室でもよく歌われるようになったという労働歌「しあわせの歌」が登場する。石原健治作詞、木下航二作曲。木下航二さんは、「原爆許すまじ」の作曲者だ。Insert Song Vocalとして、木下そんき、木下益子、木下弦二の三人の名前がクレジットされている。この歌を初めて聞いた2001年、作曲者と歌っている三人の姓が同じであることから、関係者による古い録音が挿入されているのだろう、とあまり考えることなく、受け取ったのではないか。

 2005年になって、たぶん南陀楼綾繁さんから名を聞いていた、いやでも、うずまきは別のところで聞いたことがあったような気もする、もうたかだか15年前の話で記憶が定かでないのはどないやねんと思うけれど、東京ローカル・ホンクを聞くようになった。歌を作って歌っているのは、木下弦二さん。というところで、思い出すべきだし、若い頃なら、思い出していたはずなのだが、21世紀に入ってから、とんと記憶があやしくなってしまい、あの「しあわせの歌」を歌っていたひとの名とは気付かなかった。このたびも、「思い出した」訳ではない。8月に「ムジカ・ジャポニカ」で東京ローカル・ホンクのライヴを見た際、木下弦二さんのお父さんがうたごえ運動で労働歌を作られていたという話をされていて、それで、うたごえ運動で労働歌を作っていた木下さんと言えば、木下航二というひとがいるではないか、木下航二さんなのだろうか、と思ったのだ。でも、まだ「しあわせの歌」と「山羊のミルクは獣くさい オイラの願いは照れくさい」は出てこない。情けない。

 半分プライベートな領域なので、端折ると、人伝に、この推測を確かめてもらった、のです。答は、不正解、で、航二さんは弦二さんのお父さんではなかった。のだけど、そのときに、同じ質問をかつてされたことがある、それはあがた森魚さんで、ちがうのだけど、弦二さんのお父さんも作曲とともに演奏家でもあるという話から、「山羊のミルクは獣くさい オイラの願いは照れくさい」の挿入歌を親子で歌うことになったというエピソードが伝えられた。全然思い出せていないのだけど、木下航二さんの歌を歌っていたのが弦二さんだということを覚えていたら、きっと早合点していただろうなとも思う。直接確かめてもらえたという幸運あっての話だけど、思い出せないから、確かめてみる、というのも、間違えないために、よい方法だと思う。

 ところで、風邪ひつこく継続中。ときどき咳き込む、声が枯れる、だけと言えば、だけの話なのだけど、健康診断の結果が出て、それだけであちこち痛むような錯覚をして、憂鬱になっている。せっかく『書をステディー 町をレディゴー』を読んで、朝も晩も通勤電車でにやにやしているというのに、マスクをしているから、不審がられないのが残念。

11月13日(水)
[一回休み]
11月14日(木)
[一回休み]
11月15日(金)
[一回休み]
11月16日(土)
[一回休み]

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2019 Kijima, Hebon-shiki