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2019年5月19日〜2019年5月25日


5月19日(日) 【▼ぐりぐらメモ/2019年5月19日】
 基本的に、仕事日は、ライヴを聞きに行く予定を入れない。何かあったら、行けなかったり、間に合わなかったりするし、気がかりな状態で作業するのもカラダによくなさそうで。翌日も仕事日の場合はなおさら。でも、どうしても聞きたいというひとや編成や組み合わせというものはあるもので、木曜日の夜、間に合えば、「拾得」の池間由布子トリオがそうだった。のだが。その日のうちに見ないといけないものが夕方になってもあがってこない。何事もないとは思うし、何事もなければ翌日でもいいのだけど、何事かあったら、翌日の確認では間に合わない。ということも考えて、日程を設定しているのだが、そんな訳で、出られなかった。定刻すぐに出られたとしても、ぎりぎりだし、途中、どきどきしつつ、走らねばならなかったのだけど。
 ということがショックだったのかどうか、金曜日の朝、6時20分まで、土曜日だと思い込んでた。いつもどおりに起きてたけど、呑気に未見録画など見ていた。

 注釈的に。たまにライヴかレコードかといった設問があり、ライヴ派だとか、レコード派だとかいった自認を話しているところに遭遇するけれど、それを話すことの意義がわからない。一方が優位を語り、他方が対抗するということなのだろうけど、どちらでもないとすら言いたくない。ライヴ好き、ライヴが優位だと思われているとしたら、それはちがいます、と答える。そこでしか聞けない音楽がありそうだから、聞きに行くけれど、それがレコードで聞けるのであれば、レコードが聞きたい。音響的な聞きかたはしていないので、音楽が損なわれていなければ(どのような状態を損なうと言うかという問題はある)、音質も気にしていない。だから、録音物についてもあまり問わない。ただ、その録音の成り立ちが知りたいと思うことがあるし、音楽とは少し離れた話ではあるけれど、好きな視覚要素というものもある。好きなグラフィックデザイン、詳しい状況説明が、できれば快い視点と共に、音楽に添えられていたら、うれしいけれど。ライヴも、会場では、音楽が鳴っている間はよいけれど、音楽が終わったら、居たたまれなくなる。音楽を聞きに来ているから、という意識の妙な裏返しかもしれない。持ち込み禁止のような。音楽による、ので、聞きたい音楽が鳴っているところであれば、どこにでも行く、ので、結果として、こんなところにも居た、という状況になっているとは思うけれど、行脚してる訳でもない。旅行趣味がほとんどないので、知らない場所に行けることをついでに楽しんではいるけれど。

 土曜日。計画的であれば、先週一日で済ませられたことの続き。それも完遂はしていない、という。中津「ハワイレコード」へ、GUIROの「シャングリラ」でのライヴのチケットを買いに。「ハワイレコード」は、名古屋との結びつきが強いという印象があるので、そのことを訊いたりしていて、名古屋のひとたちは「SCHOP」を通じて知るところが多かったという話をしたら、「これは知ってますか」と、「SCHOP」の上原敏さんが2014年5月に出された冊子「VU(ヴュウ)」01号(特集 modern)を出してきてくださった。ネットで見て、気になっていた。名古屋で、本、写真、音楽などで活動しているさまざまなひとへのインタビューと1920年代の名古屋についての論考が収められている。GUIROの高倉さんのエッセイもある。別冊付録の「七ツ寺共同スタジオとその周辺 1967-」も、名古屋の演劇のこれまでをたどるものになっている。
 レコードを見てまわったりしたけれど、気力なく、イベントには行かず。帰りに、一駅歩きなど。

 今日は、昼から、「なんばパークス」8階の屋上エリアでの、Mujika Easel and Hiroki Koichiデュオのライヴに。14時からと16時からの2回だったけど、14時の部に。曇り空だったけど、風も気持ちよく。声も風のように吹きわたり、響いていた。廣樹さんのピアノもジャズっぽいフレーズで場に馴染みつつ、はっとさせられるバラケかたが楽しかった。アコースティックピアノだったら、と思う場面もあったけれど。あのファミリアな雰囲気の場所で、『祈りと遊び』の翳りのある音楽が行き渡るかんじがとてもよかった。

 寄り道しつつ、歩いて、「喫茶アオツキ」に。喫茶店を中心にした店マッチを集めた「too much to match」展が6月2日まで行われている。夜は関連のトークショーがあるということで16時半までと聞いていたのだけど、もう喫茶営業は終了されていて、展示だけ見せていただくことに。複数のコレクションがそれぞれのコーナーに並べられているのだけど、デザインの傾向や面白がりかたのポイントがなんとなく伝わってくるかんじで、楽しい。知らない街に迷い込むかんじがする。出品者のおひとり、小野隆弘さんの『マッチ・ラベル 1950s-70s グラフィックス』(グラフィックス社、2019年4月)を購入。また寄り道しつつ、長堀橋駅まで歩いてから、帰宅。

 今週面白かったのは、ロル・クレーム/ケヴィン・ゴドレー(という表記だったのだ、当初)"CONSEQUENCES" 関連。少し前に、友人のNさんが3枚組から歌だけ抜粋する話をしていたので、昔出ていた抜粋盤の曲目を確認したら、発売されたのが、海外よりも早く、選曲、曲順もちがう独自編集だったことに気付いた。それで、聞き直していたのだけど、そんなところに、先週、ひさしぶりに寄ったタワーレコードで、ケミカル・ブラザーズの新譜 "NO GEOGRAPHY" を見かけて、びっくり。"CONSEQUENCES" ブックレットに掲載されている擬人化された雲に対峙する軍隊の写真がそのまま使われていたから。ツイターで、遊びで「左見て、右を連想」というシリーズをやっているのだけど、最初は、そんなかんじで「連想」したのだけど、帰宅して、確認したら、まったく同じだった。ネット上で、ケミカル・ブラザーズのクレジットやインタビューを見てみたけど、そのことには触れられていない。気付いたひとはたくさんいて、事前に公表された時点で書き込んでいるひともいたけど、撮影者のクレジットもないみたいだし、もやもや。添付ブックレットとは言え、レコード用に作られたビジュアルを、別のレコードに流用するというのは、不思議なかんじがする。何故か、当時、まるまる武内邦愛さんによる翻訳が載った「rock magazine」13号や、物語を書いて、演じてもいるピーター・クックの評伝からそのあたりのことを書いた部分を読み直したりしてしまった。

 「俺は不作法だ 仁義は受けない」という科白が、「俺は無粋だ 詩は解さない」というバリエイションと共にアタマをよぎることがよくあって(どういう状況だ)、みなもと太郎だったっけ、高信太郎だったっけと思っていたのだけど、別の号だけど、「rock magazine」を読み返していて、まさかの小浜幾実『新オデュッセイア』だったことを確認した。ひとつ解決。

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