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2019年4月7日〜2019年4月13日


4月7日(日) 【▼ぐりぐらメモ/2019年4月7日】
 土曜日は、いろいろ迷ったけれど、のんびりすることを選択。ひさしぶりに京都に。四条から丸太町まで、川端通を歩く。桜を撮ろうと、カメラを抱えたひとがたくさん。途中で、ふと思い出して、三条「nowaki」で何をやっているか調べたら、版画家さかたきよこさんの絵本『金の鳥』原画展が行われていたので、寄ることに。いつも一回ではたどりつけない。場所は覚えているけれど、それがかえって、邪魔をして、「戻る」必要があることを忘れてて。モノクロの蔵書票と鮮やかな色彩画。綿密さが、尺度が変わっても、続きの風景であることを感じさせてくれる。さかたさん在廊されていましたが、他2人のかたがたと話をされていたので、中断させるのにしのびなく、ひととおり見て、何も買わず、退出。

 「BIG ISSUE」を売ってるひとを見かけなかった。梅田の地下道、京橋の駅と駅の間と、「BIG ISSUE」をたまに買っていた場所から販売員を見かけないようになった。復帰されているのならいいのだけど。

 「誠光社」に。『真鍋博の鳥の眼』の復刊版が出ていて、驚いた。一度だけ古書店で見かけたことがある。けれど、こんなに大きかったっけ。と思ったら、新装版ということで、大きくしたらしい。「タイムトリップ日本 60's」と副題が付けられている。真鍋博さんが描いた日本各地の鳥瞰図集で、オリジナルは1968年12月刊。描かれた風景もだけど、引き出し線とその先の書き文字が、その時の刻印のようにも思える。このところ、もやもやしていて、散財モードに入っていることもあって、思い切って買うことにした。
 ギャラリースペースが、なにやら音楽関係の展示のようだったので、覗いてみると、ジョンとポールというユニットの新作を記念した「ジョンとポール 余録と補遺 2006-2019」展が開催されていた。ジャケはよく見かける。大胆な名前もたまに見かける。でも、実態は知らなかった。店長の堀部さんに話しかけられ、説明を受ける。店内でかかっていたラヴィン・スプーンフルのウクレレカバーが気になったことが見抜かれたか。尾道を拠点に活動しているひとたちで、コンセプチュアルアートのようなかんじで音楽を作られているよう。新作でなくて申し訳ないけど、その、シャッフルして聞くことを前提とした40曲入りカバー集『シャッフルでどうぞ』を買うことに。ユニット名も、ポップアート感覚で付けられているのかもしれない。
 あわせて、買おうと思っていた鹿子裕文『へろへろ 雑誌「ヨレヨレ」と「宅老所よりあい」の人々』も。

 歩いて、「三月書房」、「JETSET」に寄ったりしつつ、四条方面に戻り、知恩院へ。望月めぐみさんの50mの菊の切り絵作品が展示されているということで、そういう機会でもなければ、知恩院に行くこともないかな、と。花見客で賑わう円山公園を通って、すっかり観光気分。ライトアップは、ちょっと人工的に過ぎると思うけれど、迷いつつ、なんとかトークが始まる前に展示が行われる茶室にたどりついた。午前中に、望月さんの活動を紹介するテレビ番組『LIFE』が放映されたこともあって、列ができて、なかなか進めなかった。トークでは、企画者の茶室を見てもらいたいという企画意図を聞いて、なるほどと思った。切り絵を見ていると、自然に、隅々まで目が届く。平面でも、立体でもなく、部屋に漂う存在になっていました。

 きょうは、外出するつもりでいたら、思わぬ訪問者があり、なにやら疲れてしまって、外出着のまま、夕方まで寝入ってしまった。母親が居ない合間に、土曜日に放映が始まった『刑事フォイル』の戦後編第一回「帰れぬ祖国」を。『グッドワイフ』の日本版放映で、そう言えば、『グッドワイフ』とか『ドクター・フー』とか『刑事フォイル』とか、見てたのに途中で放映されなくなったのどないなっとるねん、と思い返していたところだった。第一回は、反スターリン体制のためドイツ軍に加わっていたために、終戦時にイギリスの捕虜になっていたロシア人兵(いわゆるロシア解放軍)をめぐる事件。と書くだけでややこしい問題に、さらに戦後イギリスの疲弊した状況、帰還兵の問題、政府上層部の対ソ思惑が絡む中で起きた殺人事件を、上層部の意向を意に介さず捜査を続けるため、命まで狙われることに。
 夜、統一地方選と大阪府・市の無用選の開票速報番組は見ないで、母親が何故か録画していた「井上靖『敦煌』深読み読書会」を見てた。デイヴィッド・ボウイ "Life On Mars"、"Space Oddity"、細野晴臣「Korendor」、チリー・ゴンザレス "Myth Me"、"Fleudian Slippers" などがBGMとして使われてた(そこかいっ)。

4月8日(月)
[一回休み]
4月9日(火)
[一回休み]
4月10日(水)
[一回休み]
4月11日(木)
[一回休み]
4月12日(金) 【▼ぐりぐらメモ/2019年4月12日】
 ようやく暖かくなってきたものの、朝晩は寒かったり、雨が降ったりして、油断できない。この冬、せっかく風邪をひかず、インフルエンザにかからず、麻疹(はしか)にもならずに過ごせたので、キープしたいと思っているのだけど。春の実感その二。ふだんはほったらかしにされていて、進めようにも答が返ってこず進められない長期課題について、先方の余裕ができると「どうなっているのか」と訊いてくる、こと。こちらも、ほったらかしにされているのをいいことに、いつもは時間調整用に割り当てていて、それで、残業を減らすことができている、のだが。

 もやもやの原因は業務だけではないのだけど、そんな状態なので、「ぱっとしたこと」を求めがちになり、勢い、買い物に走ったりする、のであった。んな訳で、少し前からぼちぼちと注文していたものが今週どかどかと届くことになってしまった。

 月曜日、帰宅したら、封筒が届いていた。モッキー Mocky "Key Change"、オデッセイ&オラクル Odessey & Oracle "SPECURATIO" が到着。▼モッキーさんが気になり始めた頃には既に定額制配信サービスに登録していたので、それで聞いていたのだけど、先日のライヴを見て、手元に置いておこう、と。いちばん最初にぐっときた "Time Inflation" が入っている "KEY CHANGE" (2015年発表) をまず、配信のみの楽曲などを収めたボーナスディスク付きの日本発売盤で。▼オデッセイ&オラクルは、グループ名でひっかかったのだったっけ。定額制配信で検索をかけていて、この "SPECURATIO"(2017年発表)が出てきたのだけれど、カバーデザインがぱっと見、ドン・チェリーの "ORGANIC MUSIC SOCIETY" を連想させたこともあって、聞いてみたら、ステレオラブやハイ・ラマズ、カンタベリー周辺のジャズロックの雰囲気があった。そのモッキーさんのライヴの折に購入した『MOCKYUMENT: Mocky Fanbook』に、そのドン・チェリーのアルバムがモッキーファンに薦められていたのをきっかけに、改めて聞いてみて、やはりよいなと思い。輸入盤に解説を添付した日本国内流通盤が出ていたとは知らなかった。それがセール対象品になっていたからか、コンビニ受け取りが指定できず、封筒で届いたのでした。カバーイラストは、牧歌的なドン・チェリーのものに比べると、「ガロ」っぽかった。

 で、その月曜日。届いたメールの中に、オデッセイ&オラクルが件名にあがっているものがあったので、発送の連絡だろうかと開けてみたら、カートに入ったままですが、お忘れではありませんかというおせっかいメールでした、が、これは本当に忘れていた、というか、発注したつもりでいたので、あわてて発注。それが火曜日には発送になり、木曜日にはコンビニに届いていた。早い。カートに入っていたのは2枚。Odessey & Oracle "ODESSEY & ORACLE AND THE CASIOTONE ORCHESTRA"、Kevin Ayers "AS CLOSE AS YOU THINK"。▼オデッセイ&オラクルの "ODESSEY & ORACLE AND THE CASIOTONE ORCHESTRA" は、ギタリストのギヨーム・メディオニ Guillaume Medioni ののソロ作品として制作が開始されたらしい第一作(2014年発表)。制作過程で、5曲でヴォーカルを担当しているファニー・レリティエ Fanny L'Heritier、さらに2曲で参加しているアリス・ボードワン Alice Baudoin を加えたユニットになったようです。ファニー・レリティエさんメインのBess Of Bedlam という名義でも活動しているみたいです。▼"AS CLOSE AS YOU THINK" は、ケヴィン・エアーズのオリジナルアルバムで聞いていなかった1986年作品。2016年にCD化されて、通販サイトのショッピングカートに入れてはみたものの、積極的に聞いてみようという気になれず、ほったらかしにしてました。オリー・ハルソールとポリ・パーマーという好きなミュージシャンが協力しているけれど、短い期間に同じ曲をリメイクしたりして、力が入っていないかんじが漂っていたこと、同時期に制作されたポリ・パーマーのフェアライト中心のソロアルバムがいまひとつだったことで、あまり期待できず。果たして、音はポリ・パーマーのソロアルバムに近いものだった。曲には、ケヴィンさんらしい感触があるので、聞けるのだけど。ところで、先日、ケヴィンさんの娘さん、ギャレン・エアーズさんが来日していたのだけど、ギャレンさん本人の曲にピンとくるところがなかったので、聞きに行かなかった。義理で聞くと、その音楽まで疎ましくなる。あとから節穴だ、迂闊だということになったとしても、ピンと来たときに聞けばいい。

 コンビニで受け取った箱には、別で頼んでいたものも入っていた。ケイト・ブッシュ Kate Bush "REMASTERED PART I"。馴染みがない "PART II" のほうに同梱されていたアルバム未収録曲集 "THE OTHER SIDE" が分売されたことで、馴染みのある "PART I" と一緒に頼んだのだけど、アルバム未収録曲集のほうの入荷が遅れているということで、先に発送した旨、連絡が来ていた。あとから頼んだオデッセイ&オラクルと同じ箱で送られてくるとは思っていなかった。いつも、配送の手間を少しでも減らすべく、まとめて頼んで一括配送を指定しているので、分割しなくてもと思うので、面白く思った。別便があったので、乗せときました、だと気が楽です。という訳で、ひさしぶりの「ボックスセット」。CDで持っていなかったケイト・ブッシュの1978年から1993年にかけて発表されたアルバム7枚のセットです。"THE KICK INSIDE"(1978.2)、"LIONHEART"(1978.11)、"NEVER FOR EVER"(1980.11)、"THE DREAMING"(1982.9)、"HOUNDS OF LOVE"(1985.9)、"THE SENSUAL WORLD"(1989.10)、"THE RED SHOES"(1993.11)。1990年発売の "THIS WOMAN'S WORK: ANTHOLOGY 1978-1990" は、友達が買ったので、アルバム未収録曲集の2枚をカセットテープにコピーしてもらって、愛聴してました。どうも数曲、今回漏れたものがあるようなのだけど、詳細はまた今度。自身のレーベル、Fish Peopleにちなんだサバ人間みたいな半魚人をあしらった箱はどうもなぁと思うけど、それぞれのCDは、元のデザインを生かしつつ、新たにきちんとデザインし直されたパッケージに収められていて、いいかんじ。ブックレットには歌詞とクレジットが掲載されている。写真やバイオグラフィを載せた別冊ブックレットがあってもよかったかな。

 木曜日、コンビニのイートインでコーヒーを飲みながら、配送箱を解体して証拠隠滅を図ったのち帰宅したら、郵便受けに封筒が届いていた。これもCD。7.e.pのKレーベル関連のセールがあり、買おう買おうと思いながら、手に入れていなかったレイクの "FOREVER OR NEVER"(2017年)が含まれていたので、対象作品を全てチェックした。一緒に頼んだのは、レイクの "THE WORLD IS REAL/CIRCULAR DOORWAY"(2013年)と、ロイスのユニットとは知らなかったオウル&ザ・プッシーキャット Owl & The Pussycat の "OWL & THE PUSSYCAT"(2003年)。レイクの "FOREVER OR EVER" は、yumboのライヴのときに会場でかかっているのを聞いて耳に残った。改めて聞いてもよくて、バーゲンセールでの購入が心苦しい。

 来週火曜日の午前中に手配するものの6割がようやく夕方にまわってきて、チェック。遅くなってしまった帰り道、追い打ちをかけるように、沈む気持ちを逆撫でして、足元を掬うようなトッド・ラングレンの "Sweeter Memories" や "The Last Ride" を聞きたくなったが、定額制配信で、"Sweeter Memories" を聞き始めて、あれ、となった。回転数が早い(ピッチが高い)ような気が。と思い出したら、そのまま "SOMETHING/ANYTHING?" のB面を聞いていたのだけど、気になってしかたがない。うちのLPプレイヤーの回転数が遅かったのだろうか。

4月13日(土)
[一回休み]

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2019 Kijima, Hebon-shiki