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2018年10月21日〜2018年10月27日


10月21日(日) 【▼ぐりぐらメモ/2018年10月21日】
 エルミーヌ『THE TIGHTROPE WALKER』を読み終えた、と言っても、図版とともに引用されている綱渡りについての過去文献は飛ばして、日記部分だけ。10年以上経ってから刊行されたものだし、当時のものそのままという訳ではもとよりないと思うけど、70年代前半イギリスのごく一部のエリアについての証言になっている。ブライアン・イーノとの交流は、お祭りなどの催しで綱渡りをしていた彼女を見たイーノが、ロキシー・ミュージックのステージへの参加を打診したことから。その話は、ロキシーの他のメンバーの賛同が得られず流れてしまうのだが。その役割はアマンダ・レアが担うことになる。パフォーマンスは界隈では注目されていたのだろうか、ロル・コクスヒルが音楽を担当していたウェルフェア・ステイト・シアター(そう言えば、このアルバムも未入手・未聴)とも共演している。
 ニック・ロウとは、ブリンズリー・シュワーツのファンだったことから接近したみたいだ。ニック・ロウがビーチ・ボーイズについての本を書こうとしていたことが明かされている。書きかけていたのか、書く前に立ち消えになったのかはわからないけれど。

 夕方から外出。梅田「ハードレイン」でのミチノヒ「but to do」×ほたるたち「光」発売記念ライヴに。最初に、黒岩あすかと三銃士(須原敬三、澤野祥三、秋葉慎一郎)。前回、と言ってもずいぶん前だけど、「ハードレイン」に来たときも黒岩あすかさんのバンド編成が出演されていたのでした。つぶやくような声だけど、轟音に埋もれない。朗読のように歌う曲がとてもよかった。ミチノヒは古宮夏希さん(ギター)、鈴木亜沙美さん(ドラムス)、遊佐春菜さん(キーボード)のトリオ。気になりつつ、初めて見る、ので予習もしなかった。思っていたよりもラウドな音で、思っていたよりもコンパクトなポップスだった。ドラムの暴れん坊ぶりに耳が引っぱられる。ただ、音が大きすぎて、わたしの耳の許容範囲を越えてしまい、曲のかたちがよくわからなくなってしまった。良さそうではあったので、残念。最後にほたるたち。穂高亜希子さんが、松尾翔平さん(ギター)、吉川賢治さん(ドラムス)と組んだトリオ。去年、「音凪」で聞いたとき、それまでよりも「ざくざくしたした音で、太くメロディを奏でるかんじ」が良かったのだけど、バンドを組んだことが作用していたのかもしれない。真正面のストレートな演奏でした。曲も歌も穂高さんのソロと変わるところはない、けど、そのままでバンドの音楽として成り立っているかんじでした。

 今回、穂高さんはほたるたち『光』とソロ『世界へ』の同時発売なのだけど、今日はほたるたちの発売記念なので、ひとまず、『光』を。6曲目と7曲目が、歌詞ブックレットと実際とで逆になっていることに、大阪に移動する途中で気付いたらしく、Twitterでも知らされていたけど、とても落ち込まれたそう。バンドの初めての作品やもんな、ショックが大きいことは想像できる。でも、盤にミスがあった訳でなく、聞けばわかることなので、聞く側からは、そんな気にしないでください、と言いたい気持ち。よくあることだし、昔のレコードでは、曲順が間に合わなかったか、詳しくはラベルを見てくれと書かれたものもある。盤とジャケットで曲順がちがっていたのにまったく話に出ず、CD化されたときに全体の曲順を変更した中でしれっと修正したようなひともおるし(イーノさんですが)。

10月22日(月)
[一回休み]
10月23日(火)
[一回休み]
10月24日(水)
[一回休み]
10月25日(木)
[一回休み]
10月26日(金) 【▼ぐりぐらメモ/2018年10月26日】
 仕事のことなので詳しくは書けないが、と書き出しては、ついつい詳しくなってしまい、書くのを止めて消すということを繰り返してました、今週後半。クライアントから出てきた書類が運用ルールに抵触する記述になっているので、指摘した。そのままにしていたら、やらなくていいことをやらなあかんことになるから。ああ、理由や目的を知らずにやったはんねやなと思って。そしたら、その件で揉めている、という。揉めるような話とちゃうやんと思ったのだが、何故ダメなのかと訊かれたので、理由や目的を説明すると、その理由や目的に当らなければ(例外なら)いいのかと云う。運用ルールを決めた側のひとたちが。「やりたくない」のか、「できない」のかみたいなことまで言い出す。いやいや、やりたくないとかできないとかそういうことを言っているのではなく、やらなあかんのやったらやらなあかんと明確にして、ルールを設定し直すなり、別枠にするなりすればいい、という話もしたけど、そこまではしたくないらしい。結局、この場合はいいことにしよう、という「暗黙のルール」になったみたい。みたい、というのは、お触れは出たけど、あれこれ答えたわたしには直接説明はなかったので。下請の分際で何を偉そうに、というところかなと思ったら、あほらしなった。ちなみに、わたしが請け負っている仕事は、「ルールどおりにできているかチェックすること」です。基本的には、自社で請け負っている仕事について、だけど、そのためには、元の指示についてもチェックせざるを得なくて。溜息。

 だから、という訳ではなくて、一応、そのつもりにはしていたのだが、そんなことのあった木曜日、帰りに梅田に寄ることにした。梅田行きの電車に乗っていたら、途中から近くで異臭(上品な表現)が。でも、出所がわからない。もしかして、俺か。俺なのか。何か踏んだか、背中やカバンはどうかと確かめてみたけど、それらしい様子はない。もしアクシデントで自分が原因なら、「次の駅」で降りると思うのだけど、異臭は続いた。もしかしたら、ひとつ前の駅のほうが目的地に近いかもしれないという考えが浮かんで、逃げるように降りた。降りてから、確かめたけど、やはり自分が発生源ではなかった。が、わたしが降りたあとで収まっていたら、「あいつか」と思われるかもしれない。どうだったのだろう。

 「ディスクユニオン大阪店」での武田理沙さんのインストアライヴ。フランク・ザッパのピアノメドレーなど、面白そうな音楽をやっているキーボードのひとということで、気になっていたのだけど、アルバム『Pandora』を配信で聞いたかんじではいまひとつぐっとくるところがない。直に見てみたらどうやろかと。『Pandora』のジャケではクールビューティ風のポートレートだけど、とても小柄で、くしゃくしゃと照れ笑いをするひとでした。インストライヴでは、"Baba O'Riley" 風の繰り返しから始まって、さまざまな断片を自在に組み合わせる演奏を。音色は好きです。好きな音が次々と現れるのは楽しい。エレクトロニカの思わせぶりとも、おもちゃ音楽の許された物足りなさとも違う、密度が濃いのに息苦しくない音楽。でも、やはり、まだぐっとくるとこまでいかない。でも、面白そうなひとです。

 順番に聞こうと思って、日曜日のライヴ後には買わなかった穂高亜希子さんのソロ『世界へ』を買おうと思ったのだけど、ほたるたちとの2枚同時購入で特典CD-R、と読める書きかただったので、店に訊くことなく、棚に戻した。で、歩いて、タワーレコードのNU茶屋町店に。エレベーターが開くと、いいかんじの声が聞こえてきた。ここでもインストライヴをやってるのか、と思ったら、折坂悠太さんだった。ギターの弾き語りによるソロ。このひとも、気になりつつ、まだぐっときてなかった。よい機会。いろんな歌いかたができる演技派という印象。
 穂高さんの『世界へ』も1枚だけ残ってた。買えてよかった。

 仕事日の夜にあるライヴは、開始に間に合うかどうかだけでなく、帰りが遅くなる問題があるのだけど、インストライヴはその点、30分くらいなので、気が楽です。駅の書店もまだ開いている。アイドルが出てる雑誌を。「オンクル ONKUL」10号。谷口蘭さんがメタルフレーム眼鏡の紹介ページのモデルで出てる。一応、ラジオについての特集記事とアナログレコードについての特集記事もあるにはある。ラジオのほうにも谷口さんが、と思ったら、立花恵理さんというひとだった。あと石橋静河さんのいいかんじの笑顔の写真があります。

10月27日(土)
[一回休み]

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2018 Kijima, Hebon-shiki