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2018年9月23日〜2018年9月29日


9月23日(日) 【▼ぐりぐらメモ/2018年9月23日】
 昨日は終日、宿題。ちょこちょことメモをとったり、調べものをしたりはしていたのだけど、記憶力と集中力が衰えているんやろな、まとめ出すと、覚束なくて、確認したり、調べ直したりという時間も結構あって、なかなか進まず。なんとか夜中の2時に書き終え、送信した。まだまだ作業は続きますが、ひとまずは。

 だからという訳ではないけれど、今日は、午後からひさしぶりに遠出。出るのが14時過ぎになってしまったのは、午前中に、事前連絡なしに、追加の補修工事の後片付けにやってこられたから。日曜日の朝やで。宿題明けということもあったが、半裸でうだうだしながら、そろそろ買い物とかクリーニングの引き取りとか行かな、と思っていたところへ、だった。現場の作業者はわからない、自分の仕事ではないと言い、現場の担当者は責任者に伝えます、責任者から連絡が行きますと言い、にもかかわらず連絡が来ないまま(こちらからかけても不在でつかまらない)、突然また請け負った作業者がやってくる。8月、このやりとりのせいで母親の苛立ちがひどかったので、追加の工事の話を聞いたとき、そこをきちんとやるという話なしに何言うてるねんと伝えたのだが。

 西宮市「大谷記念美術館」で開催されている「2018 イタリア・ボローニャ国際絵本原画展」に。すべりこみ。伊丹のレオーニ展は諦めた。気候もよく、ひさしぶりに阪急夙川駅から気持ちよく歩いた。すいすい歩き過ぎて、右折するところを間違えて行き過ぎてしまった。こんなに早く着いたっけ、と疑ってしまって。
 びっくりしたのは、美術館の隣の小学校(香櫨園小学校、村上春樹氏の母校だそう)が無くなっていたこと。改築らしい。

 「2018 イタリア・ボローニャ国際絵本原画展」。最終日の前日の日曜日なので、混んでいるかと思ったけど、困るほどではなくてよかった。メモは、今日に備えてカバンにしのばせていたのに、鉛筆を忘れた。また窓口で借りることに。気になる二十数人の名前をメモした。例年より、出展数が多かったのかな。ついたてが多かったような気がする。気のせいか。
 作家についてはまた改めて(と言いながら、まとめ切れずにそのままになりがちですが)。日本人作家による応募のために作られたダミー絵本が展示されていて、よかった。気になった作品をあしらったポストカードが2点しかなかったので、ひさしぶりに図録も買った。審査員のレポートは以前のものにも載ってたっけ。審査や商談の様子を紹介したビデオはいろんな視点が見られるので楽しみにしているのだけど、そこらへんが記録されているのはありがたい。ただ、各作家見開き2ページで、大きく1点しか載っていないひとがいるのは残念。特に、ビデオでは、絵本作家ではないがチャレンジで応募していると語っていた地元の作家、ダヴィデ・ボナッツィ『都会の中の野生』、黒く埋め尽くされていく流れが見所の鈴木さら『からす』、列車が題材なのに混んでいる車内の絵だけが選ばれているアレクサンドラ・リューグラー『列車はすすむ』など。鈴木さらさんの『からす』はダミー絵本を見て、印象が変わったからなおさら。15時半に入って、閉館時刻まで。

 さて、そこからどうしようか。とりあえず大阪方面へ、と阪神香櫨園駅のホームに出たところで気付いた。このところ、ここからは神戸のほうに出ることが多かったな。

 迷いに迷って、気になっていた場所で気になっていたユニットが演奏するということで、大所帯非楽器アンサンブル POLY!の演奏を聞きに茨木市「前田文化」へ。「前田文化」は、古いアパートの解体作業をパフォーミングアートのように提示しているユニット(と言っていいのかな)。そういうことをしているひとたちが居るということは噂で聞いていたけど、茨木市とは知らなかった。茨木市だったら、無理なく行ける。POLY!は、江南泰佐さん、イルボンさんら、いろんな音楽や音楽でないものに携わるひとたちから成るグループ。先週、新開地のイベントに出ていて、気になっていたのだけど行けんかったなぁと思っていたら、また演奏があると知って。作業後の臨時バーということで、関係者がほとんどだったのだけど、声をかけていただいたりして、過ごせました。バー慣れしてなくて、あかんなと思います。
 POLY!の演奏は、クラッピングのリレーから始まり、その時点で、もうみんなを巻き込むもので、音が出るものを渡されて鳴らしたり、ひとが出している音を聞いたり。新開地ではステージでの演奏だったので、またちがっていたようだけど、一緒に音を出すということの楽しさの敷居を低くして、見つけてもらうというかんじかな。

 戻って、通販物の受け取り。ひとつは休み中に届くとは思わず駅前を指定、ひとつは休み中に届くだろうからと家の近くを指定したため、ハシゴすることになってしまった。オクノ修『ホジキンソンさんの言うことには』CDとアンドレ・モーロア(文)、ニコ・ジェス(写真)による『パリの女』(朝吹登水子訳、紀伊國屋書店)。当時邦訳が出てたとは知らなかった。何十年ぶりかで復刻版が出ていたのもついこのあいだ知って、ようやく。ウィークエンド "THE VIEW FROM HER ROOM"、シュガー・ベイブ『SONGS』のジャケの元になっていることで(わたしに)知られているけど、この2枚が続きのページに、つまり裏表になって掲載されていて、びっくり。知らなかった。なんだかしみじみしてしまった。

9月24日(月)
[一回休み]
9月25日(火)
[一回休み]
9月26日(水)
[一回休み]
9月27日(木)
[一回休み]
9月28日(金)
[一回休み]
9月29日(土) 【▼ぐりぐらメモ/2018年9月29日】
 順調のような順調でないような。粛々と準備作業のようなことをやっていただけで、何も起こらなかったような気もする。金曜日に帰宅すると、叔母のひとりが亡くなったと知らされた。叔父の葬儀の際に兆候はあったが、ここ数年は近しいひとのことも昔のこともわからなくなっているようだった。わたしはよくしてもらったが、母は既に葬儀には出席できない旨を伝えて、そのように取り計らったとのことだった。身体が思うようにいかないことから、厭世的になっていることは否めない。叔母ははっきりとものを言うひとだったので、いろいろと感情に齟齬をきたす場面もあったようだけど。

 休みだった月曜日は、またも桂川のイオンシネマに、『きみの鳥はうたえる』を見に行った。比較してみると、時間の面でも、運賃の面でも、梅田に出るのと大差ないのだが、映画だけ見てくるにはええかな、と。予想どおり、そんなにたくさんは入っていなくて、余計なことに気を使わずに見ることもできたし。

 『きみの鳥はうたえる』は、タイトルに惹かれて(すみません)、ずいぶん昔に佐藤の小説を読んだ。でも、細かいところは忘れてしまっていた。ナレーションは少なく、あっても説明的なところはなく、情景を重ねることで、ゆっくりとした変化を描いていた。ゆっくり過ぎて、変化しているとは、本人たちも、気付いていないようなかたちで。静男だけは気付いていたかもしれない。惚れっぽい、といっていいのか、でも、依存の傾向が見られない佐知子をめぐる男たちの距離のとりかたが不思議で、妙に清々しい。夜の青も、昼の光も、歩く道のゆらゆらしたかんじも、とても良かった。夜を過ごすたびに何かどこかが変わっていってたんやな、と、あとからくるものが。終わりのとこでふっと暗転したとき、また見ようと思った。謎はあるといえばありますが、それを確かめたいのではなく、表情とかそうしたものをまた見たいな、と。
 石橋静河さんを初めて見たのは、行定勲監督作品『うつくしいひと サバ?』で、そのときはなんも知らなかったので、(俳優ではない)ダンスのひとだと思ってた。優河さんと姉妹と知ったのも割と最近です。『きみの鳥はうたえる』ではダンスや歌を披露する場面があって、それもとても良かった。

 その日の夜は、HDにリッピングしたものが残っていたので、つい、ビートルズの "And Your Bird Can Sing" を聞いてしまい、続けて "For No One" を聞いて、中二の9月に買って、この並びに感激したことを思い返しつつ、いまでもやっぱり感嘆しかないのだった。"Dr. Robert" は、ま、つなぎとしても、"I Want To Tell You" はジョージ・ハリスンのほにょーとしたメロディが好きな身にはやはりよいし、"Got To Get You Into My Life"("ROCK'N'ROLL" コンピレーションからの推し曲としてシングル化されていたので、買った当時の「ヒット曲」でもあった)ときたら、"Tomorrow Never Knows" 、である。もう染みついている。…"Good Day Sunshine" もわるくはないです。ジョン・レノンは、確か、"And Your Bird Can Sing" を歌詞がありきたりだから好きじゃないというようなことを話していたと思うけど、

 台風24号(20号、21号のときよりも名称を目にすることが多い。チャーミーだからか)接近。朝から雨がちなので予定していた遠出はあきらめて、こちらももともと予定はしていたのだが、バスに乗って市の中心にある大きな図書館へ。調べものがあり、一か所確認したかっただけなのだけど、書庫から出してもらったら即、貸出手続きもとられたので持ち帰ることに。確認してよかった。借りると、それを優先して読むことになり、なかなか買った本が読めないので、今回は借りないつもりだったのだけど、ひさしぶりに大きな図書館に来ると、分館では見ない本がある訳で、件の本を含めて3冊借りてしまった。どれも分厚いので、読める気がしない。1冊は、たまたま手にしたのだけど、今回の調べものに関係するものだったので、行ってよかった。

 図書館から少し歩いて、市の中心部にある大きな書店をハシゴ。ハシゴする気はなかったが、結果そうなったのは、気になっていた雑誌2冊が見つけられなかったから。規模で云うたら、3番目の店でやっと見つけた、けど、そこでも、面出しにはなっていなかった。「STUDIO VOICE」2018年9月(いまアジアから生まれる音楽)と「i-D JAPAN」No.6(FEMALE GAZE ISSUE)。
 その書店内の文具コーナーでシャープペンシルを1本買って、向かいにあるカフェで、宿題の文章を素読み。あと一息で提出用原稿。雨は収まっていたけれど、またバスに乗って、帰宅。最寄のバス停留所に着いたら、また降っていた。

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2018 Kijima, Hebon-shiki