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2018年8月26日〜2018年9月1日


8月26日(日) 【▼ぐりぐらメモ/2018年8月26日】
 補修工事は完了したのだけど、事務手続き等はまだ残っていて、その関係で、工務店からひとが来るという話だったのだけど、時間切れで、外出した。結局、来なかったらしい。こうしたことの積み重ねが不信感を生んで、この一か月間をもやもやとしたものにしていた。なんやろ、この、コンプライアンスという語の横行とうらはらの、都合のいいゆるさ、形骸化は、と思う。都合という言葉のあやうさをこのところ感じている。当然、不都合という言葉の胡散臭さも。

 大貫健一郎・渡辺考『特攻隊振武寮  帰還兵は地獄を見た』を読み終えた。振武寮についての記述は、量からすると、全体の1/5ほど。もちろん、学徒動員から特攻隊への編入、作戦の実施についての回想と検証あってのものだし、そこで行われた「精神教育」の理屈がこの愚かな作戦を象徴するものなのだけど、こうした回想を無いことにしたい向きに、付け込まれる可能性のある要素ではある。素朴に不思議に思うのは、先の大戦での兵士たちを英霊と称して顕彰したいひとたちが、その兵士たちが味わった過酷で理不尽な扱いに対して、何故一緒になって怒りを感じないのか。兵士たちの苦労を思うなら、こんな理不尽を許せるはずがないだろう、と思うのだが、彼らは理不尽を当然のこと、あるいはしかたがないこととして容認し、ひどいときには捏造だ、汚すものだと否定しさえする。都合がわるい、ただそれだけのために。理不尽な扱いをした者たちと同じ。左翼に利用されるから?それはそっちの「都合」ではないか。それは「利用」することではないのか。どうしたいのだ、ほんとうは。軍が必要だと言うのであれば、あのような理不尽が横行しないものにする、のが筋ではないか。それとも、理不尽を許容、もしくは望んでいるのか。

 時間切れで外出し、心斎橋へ。少しだけ時間があったので、特徴のある書店に寄るつもりだったのだけど、ふと「ビッグステップ」にレコード店が復活というニュースがあったなと思い出し、覗いてみることにした。店は、「キングコング」でした。"SMASHING TIME" のサントラを見つけた。それともとても安い…と思ったら、あちこちテープで止めてあるボロボロな状態だった。それでも、聞けるだけでもいいか、と思い。

 「ビッグステップ」前の道路をはさんで向かいにあるライヴハウス「パンゲア Pangea」に。Lampの "A Distant Shore Tour" 大阪公演。発売当初、そんな先の予定立たへん…と思っているうちに完売との知らせが回ってきて、あきらめた。『彼女の時計』にはライヴ会場で引き換えることができる特典カードが付いていたけど、行けるひとにあげようかとも思っていた。ところが、かなり経ってから、招待分を減らしたと追加発売が告知されたことで…飛びついてしまった。めんどくさいやっちゃな。地震もあって、『彼女の時計』が見つかるかというおそれもあったけど、無事に見つけることもできた。

 1年半前に見たときと同じ、パーカッション、キーボード、ドラム、ベースの4人のサポートを加えた7人編成。作曲、録音に重点を置いているバンドだけど、声は不変。リーダーであり、ギタリストである染谷さんの位置がライヴでは薄くなりがちのように思えるけれど、いろんな奏法を使い分けて、演奏されている。ライヴバンドではないけれど、それぞれが持てる技量を生かして、練られたアレンジを成り立たせている。シンプルな印象の『彼女の時計』からの曲も、従来曲も、ライヴ用にアレンジし直されている。ていねい、というか、音楽をちゃんとしたいひとたちなのだと思う。そんなに録音されたものから変えてはいないけれど、それはそれで感嘆する。従来曲からの選曲も、好きな曲が多かった。「八月の詩情」や「二人のいた風景」が聞けて、うれしかった。
 始まる前に、出たばかりの7インチ2種、「旅人」b/w「夢の国」、「Blue」b/w The Bilinda Buchers「Girlfriend」を購入。特典の4曲入りCD『DEMOS』も引き換えた(前回に続き、物販担当は知り合いのIさん)。『DEMOS』にはお三方のサインもいただきました。記念に。

 チラシを手に入れられなかったのが残念。そう言えば、ツアータイトルは "A distant shore"。遠い渚。この夏は、遠い渚に祟られて、もとい、縁があったんやな。

 休憩なしの2時間立ち詰めは老体には少々きつかったけど、視界を遮られることもなく、好きにゆらゆらさせてもらいました。少しだけ気になったのが、開演前からの「どれだけよく知ってるか」話に続いて、演奏中でも構わずに会話をし、客席から演奏者に呼びかける、リズムにあってないクラッピングをするなど目立つ二人組が居た。終盤、かき分けて、最前列に行ったので、近くのひとに注意でもされたかと思ったら、そうではなかったようで、シンプルに前に行きたかったみたい。でも、終演後、客のノリがわるい、と不満をもらしてた。うーむ。あるシーンには、そのような流儀もあるんやろな。縁がないだけで。こっちはこっちで、どうでもええことで騒いで、聞くことを邪魔するな、と内心思っていたので、お互いさまかもしれないが。

8月27日(月)
[一回休み]
8月28日(火)
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8月29日(水)
[一回休み]
8月30日(木)
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8月31日(金)
[一回休み]
9月1日(土)
[一回休み]

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2018 Kijima, Hebon-shiki