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2018年4月1日〜2018年4月7日


4月1日(日) 【▼ぐりぐらメモ/2018年4月1日】
 故障や事故で電車が止まったり、遅れたりすることが多かった週。ようやく落ち着いてきて、年明けから手つかずだった長期課題にようやく着手。しかし。調整しなくてはならないことの多いことよ。ほったらかしにしてはいたが、その間、要望していた材料が届くはずもなく。
 このところ落ち着いていたのだけど、ひさしぶりに退職の報があった。いっときというか、うちの部署が存亡の危機にあったきのまとめ役だったひとの。その後、社風がだったのか担当者がだったのかは直接かかわっていないのでわからないけど、しんどい話を聞いていた仕事の窓口を引き受けられていた。最近一線を退かれているなとは思っていたのだが。

 昨日は午後から、ひさしぶりに京都・五条に。有隣文化会館2階「Lumen Gallery(ルーメンギャラリー)」での山田勇男作品上映会「フェイバリッツ」を見に。16時30分からのBプログラムと18時30分からのCプログラムの予約をとったのだけど、せっかく五条に行くのだからと、早めに出て、先に「五条楽園」の一角にある「五条モール」内「プチタム」に行くことにした。
 「プチタム」では香港のイラストレーター/漫画家のLittle Thunder(門小雷)さんの作品展「#Me」が開かれている。吉田まゆみの漫画を思わせるイケイケな女の子たちのポートレート。息、アイスクリーム、洗顔の水など、水分が鮮やかに描かれていて、パキッとした表情なのに、少し世界に滲み出しているようなかんじがした。吉田まゆみの漫画に出てくるような女の子たちには苦手意識が拭えないですが。
 という訳で、でもないのだけど、別のひとの本を買う。ティリー・ウォルデン Tillie Walden『A CITY INSIDE』は漫画作品。森雅之さんや初期の伊藤重夫さんの絵を思わせる表情がいくつかあった。いろんな画風があるようだけど。一緒に置かれていた本『スピン』が漫画だとは思えなくて、表紙イラストだけかと思って手にもとらなかったのだけど、自伝漫画の、しかも邦訳だった。ちゃんと見ればよかった。エミリー・ランド Emily Rand 『In The Garden』は各ページを絵にあわせてカットした絵本。めくると、木の多い庭園の風景が変わる。気の向くまま散策しているような気分になる。
 それと、ミシシッピさんが出している古本から、湯川れい子編著『エルヴィスがすべて』(ブロンズ社、1973年6月)。「の」じゃなくて「が」。『オン・ステージ』公開での新たな人気に向けて、古参ファンによる紹介書で、ファンブックといっていい。レコードや出演映画のリストもまとめられている。

 「五条モール」を出て、しばし鴨川沿いでのんびり。旅行先でも、よく川沿いに歩いて海まで、みたいなことをやっているので、海に出られそうな錯覚に陥る。
 「五条楽園」の一角にある「梅の湯」の軒先に古本が、番台前には中古CDが置かれていた。時間のあるときに、風呂にも入りたい。

 時間のあるときに、と言えば、本やレコードのある店に入るとめいっぱい時間を使ってしまうので、喫茶店やカフェで「ゆっくりする」ということがないのだけど、せっかくなので、前に長野友美さんと冬支度のライヴを聞いた「カフェすずなり」に行くことにしていた。腹ごなしもかねて、サンドイッチとコーヒー。

 ルーメンギャラリーと共催しているPhantasumusは2001年に「扇町ミュージアムスクエア」での上映会を企画されていて、そのときは販売だったかきちんと作られたパンフレットを出されていたのだけど、今回も丁寧パンフレットを手渡された。(なぜか、事前の宣伝では、作品の内容に触れたものがなく、タイトルがあるのみだったので、よほどそれらの印刷物から抜いて勝手に宣伝ツイートしようかと思ったくらい)。

 Bプロは銀河画報社時代の3作品、「銀河鉄道の夜」、「巻貝の扇」、「ボエオテイアの山猫」。耽美的なイメージのつらなりが、きれぎれの記憶のように流れていく。ピアノだけだと少し物足りなくて、「巻貝の扇」のラストシーンでのちんどん音楽のようなアレンジや「ボエオテイアの山猫」での三上敏視さんのドゥルッティ・コラムを思わせるギターにはっとさせられ、イメージが定着する。見方としてはあかんかもしれないけれど。

 Cプロはヤマヴィカフィルムとなってからの3作品、「冬のスケッチ」、「降誕祭」、「ロング・グッドバイ」。「冬のスケッチ」は、いくつかの作品で出演している石丸裕子さんへのインタビューとイメージを交互に見せる。音楽はないけれど、それらの作品では記憶がない石丸さんの意志の強さをにじませた声が印象に残る。やぎが音楽を担当している「降誕祭」は以前見ている。松林さんの語りとキーボードを主体にしたシンプルな演奏が移動風景を映したまどろむような映像にあっている。「ロング・グッドバイ」は、やぎの今井雅幸さんと藤木弘史さん、勝井祐二さんが音楽を担当されているということで見たかった作品。移動の映像とともに、今となってはもう居ないひとたちや風景が現れては消える。音楽は、まるでそれらを見ながらトリオでライヴ演奏されたかのような、対話的なものだった。

 打ち上げも「カフェすずなり」で、でした。少しだけ参加して、Uさんのお知り合いで原マスミさんを通じて山田さんの映画を知ったというYさんと話しながら、帰宅。年寄りの情報もまだまだ捨てがたい、なんて思ってしまった。役に立てれば幸い。

 きょうはおとなしく。通販物到着のメールが入っていたので、いそいそと午後遅くに出かけた。最寄駅の前のコンビニなので、明日の帰りにでもよかったのだけど。届いたのは、"THE BALLAD OF SHIRLEY COLLINS"。ドキュメンタリー映画のサントラだと思っていたら、恐ろしいことに映画本編のDVDとの2枚組だった。それで新譜1枚の価格。
 帰宅して、夕食ののち、きょうは特別番組で大河ドラマもないということで母親も部屋に引き上げていたので、その間、DVDを見ることができた。PAL方式なので、パソコンで、だけど。もともとアラン・ローマックスが1959年にアメリカの各地で行った民謡採集の旅についての取材だったのかな。シャーリー・コリンズはその旅に同行していて、録音を行ったりしている。旅先から姉と母にあてた手紙の朗読も挿入されている。ただ、その取材の過程で、ちょうど再び歌いたいという気持ちになっていたのと重なっていたのか、彼女の意向を受けて、38年ぶりの新作の制作場面が含まれることになったみたい。"The Rich Irish Lady" 録音時、ロンドンからやってきたSallyの歌を、歌い出したらNancy、やり直したら今度はPollyになって「誰?」「その娘はどこから?」とツッコまれる爆笑シーンが。当時80歳。今の老母と同じ歳やからなぁ。一緒にするのもなんだけど、無理からぬことと。でもこの映画でびっくりしたのは59年の旅を映した部分があること。こんな記録映像が残っていたのか。
 …と思ったのだけど、再現ドラマだった、のでした。しかもオールイギリスロケ。やられたっ。まんまと。ほんまの四月馬鹿や。

 夜にやっている韓国ドラマについて老母が始まる前に「これは面白くなかった」と言う。その時間を「譲っている」という意識があるし、ふだんほんとに「面白くない」ものでも老母が面白く思っているのならと付き合っているものだから、つい「面白くないのなら見なければいいのに」と返してしまって、また後悔。いつかあれやこれやをわたしもつまらないと思うようになるのだろうか。音楽が好きならいいのに、何十回と聞いたものでも楽しくなるのに、と思うのだけど、それでも、なのだろうか。

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