目次に戻る

2018年3月11日〜2018年3月17日


月日(日) 【▼ぐりぐらメモ/2018年3月11日】
 昼から外出。恵美須町「あなぐま亭」での冬支度のライヴ。堺筋線でそこそこの距離を乗ると、いつも途中で眠る。恵美須町なら寝過ごすことはないだろうと思っていたのだけど、あれこれ思いめぐらせているうちにうとうと。かなり眠ってしまった感があり、ひさしぶりに「やってもた」と思ったが、二つ前の駅だった。

 「あなぐま亭」に行くのは初めてで、地図で確認すると、小学校の前とある。ほんとうに小学校の校門の前だった。メニューが少しずつ食べられるかんじでありがたい。最初にセットを頼み、あとでも少し。冬支度は前回見たときも参加されていたパーカッションの渡瀬千尋さんを迎えてのトリオ編成。1曲目のグルーヴとコーラスがなめらかかつばしっとしたかんじで、よいかんじになってきているのではと予感する。スリリング。3曲目の翳りのあるかんじもよかった。昼間はあたたかだったこともあってか、さらさらと吹き渡るような演奏だったけど、休憩をはさんで2時間、いつの間にかというかんじで聞いてた。
 
 帰る頃には肌寒くなっていた。むずかしい。また堺筋線に乗って、うとうとしながら帰宅。

 先週の書き忘れ、ふたつ。▼マーカス・オデール Marcus O'Dair によるロバート・ワイアットの評伝 "DIFFERENT EVERY TIME: The Authorised Biography of Robert Wyatt"。"WRONG MOVEMENTS" があればよいかと思っていたのだけど、手に入れやすい値段になっていたし、90年代後半からの活動についてはわからないことも多いし、と。それに、"WRONG MOVEMENTS" はあえて「諸事情」は省いてあったけど、今回の本はそのあたりもワイアットさんに取材しているようなので。届いた日の翌日、またソフト・マシーン "Moon In June" やソロの "ROCK BOTTOM" を定額制配信で聞いてしまった。もう何十回と(たぶん)聞いているのに。▼オレンジエード『Orangeade』。婦人倶楽部やRYUTistのアレンジが面白かった佐藤望さんが、Lampでのアレンジで知った北園みなみさんさん、それと知らなかった黒澤鷹輔さんと組んだユニットのep。なのだけど、今回、打ち込みではなく、ナマのアンサンブルを起用していることで、奇妙なスリリングさが薄められていて、残念。お洒落を狙わないのがお洒落、ということなのだろうか。

月日(月)
[一回休み]
月日(火)
[一回休み]
月日(水)
[一回休み]
月日(木)
[一回休み]
月日(金)
[一回休み]
月日(土) 【▼ぐりぐらメモ/2018年3月17日】
 休みに入った土曜日の朝7時に、仕事場近くのコンビニに通販したものが届く刑。このところ、出かける気持ちが挫けがちで、予定を入れていない日はそういうことでもないと外出しないので、刑とは言えないかもしれない。午後少し遅くから、通勤ルートをのんびり座って、本を読みながら移動。
 届いたのは、モノクローム・セット "ELIGIBLE BACHELORS" DX版、という名目での落ち穂拾い的セット。"VOLUME, CONTRAST, BRILLIANCE...Vol.1"(以下、VCB1)は確かに面白い編集盤だったのだけど、どうもその怪しいかんじが範になってしまったか、時系列はばらばら、出典もよくわからない形の編集盤が続出することになった。レーベルを渡り歩いたことで、通史に沿ったものを作りにくいということはあると思うのだけど。少し前に、"1979-1985: COMPLETE RECORDINGS" というセットが出て、アルバム4枚とともに、2枚のシングル集が作られたのでようやくとよろこんだのだけど、これは残念なことに、アルバムと重複しているものは外されており、その結果、"Goodbye Joe" の歓声入りバージョンが入っておらず、画竜点睛を欠くというか、高価であることから見送った。と同時に発売を知ったのが今回のDX版で、"ELIGIBLE BACHELORS" のボーナストラックとしてヴァージン/Dindisc以外のあれやこれやをまとめて付けているのである。組み合わせはどうかと思うけど、一応時系列に沿って、これまでいろんなかたちでリリースされてきたものをまとめてある。

 1枚目は "ELIGIBLE BACHELORS" とシングル集。ラフトレードからの4枚、カリスマ/Preからの "Ten Don'ts For Honeymooners"、"ELIGIBLE BACHELORS" からの "Mating Game" のB面 "J.D.H.A.N.E.Y."、続くシングル "Cast A Long Shadow"、それに1981年12月にDo Itレーベルのためのデモとして録音され、VCB1に収められた別テイクの "Jet Set Junta" が収められている。"Jet Set Junta" のB面 "Love Goes Down The Drain" と "Noise" は1979年2月14日録音のBBCセッションから採られたものだったので、「BBCセッション」の括りで別扱いになっている。

 という訳で、ラジオ出演時の録音や没になった録音を集めた2枚目は、その2曲から始まる。座布団一枚。1979年2月14日録音のうち、"Fat Fun" と "Ici Les Enfants" はVCB1が初出、残りの "Expresso" はリッチモンドからのレアトラック集 "WHAT A WHOPPER!"(以下WAW)で日の目を見た。続く1979年8月21日録音もやはり "Viva Death Row" がVCB1で発表されたのち、残りがWAWにばらばらに収められた。1980年4月15日録音分は "Love Zombies" がVCB1に収録されたのち、"405 Lines" が "COMPENDIUM 75-95 (A HISTORY 1979-95)" に日の目を見た、のだが、このあたりになると編集盤に食傷気味でもしかしたら買ってないかもしれない。この日は、他に "B-I-D Spells BID" と "Apocalypso" を演奏しているけれど、今回も(もちろん)収録されていない。この後、BBCセッションとしては、1983年7月22日録音("THE LOST WEEKEND" 収録の "That Creepy Feeling (Cowboy Country)"、"The Twitch"、"Don't Touch"、"Sugarplum" を演奏)があるが、未収録。1980年6月にキャピタル・ラジオの「Nicky Horne Show」で放送されたという "The Man with the Black Moustache" もVCB1に入っていた。続く1981年3月にEMIで録音しながら没になったと思しき "Fun for All The Family" と "Avanti" もVCB1が初出だった。"Jet Set Junta" と同様Do ItレコードのためのデモでVCB1に収録された "The Ruling Class" がここに入っている。"Jet Set Junta" もこっちに入れたほうがよかったかもしれない。あとは難儀な編集盤 "WESTMINSTER AFFAIR" に入っていた "Andiamo" と "Cowboy Country"、"BLACK & WHITE MINSTRELS 1975-1979" の未発表録音の部の7曲(残りはラフトレードからのシングルなので、要するに "B&W" は全曲入っていることになる)、WAWの "Yo,Ho,Ho And Three Bottles Of Wine"("Jacob' Ladder" EP収録曲だけど別テイクかどうか確かめていない)、"COMPENDIUM" 収録の "Jacob's Ladder" デモとなっている。

 3枚目は解散記念に出たライヴアルバム "FIN"。これはCD(リッチモンドからしょうもないジャケットに差し替えられて出た)は持っていなかったので、よいかな、と。がっさがさの音だけど、イントロのフェイドインからして、かっこよい。イアン・カーティスが亡くなった3日後に行われたライヴからの録音が含まれていて、"B-I-D Spells BID" の最初に、イアン・カーティスに捧げるというビドの話も収められている。亡くなる前夜にカーティスとビドが会っていたという記事を読んだことがあるけれど、真偽は知らない。このレコードを確か京都で買ったあと、居住市の中心を歩いていて、道路を渡ろうとしたら左折してきたバイクに接触され、たいしたことはなかったのだけど、取り落としたこのレコードを手繰り寄せているうちに逃げられた、ということも…いや、いい思い出ではないです。ここにも "COMPENDIUM" 初出のデモ "Up" が追加されている。それとビドのシングル "Reach For Your Gun" の3曲。

 さて。それから、暖かくなってきたこともあり、運動不足解消のため、仕事場最寄駅から歩き出して、趣味の知らない道をひたすら歩く、を。少し肌寒くなってきたなと思い、時刻を確認すると、17時半。ちょうど、以前、あるイベントからの帰りに、歩くのをあきらめてバスに乗ったあたりだった。ということで、バス停を探したのだけど、なんと。16時で終わっていた…。しかたなく歩き始めたが、途中で場所を確認すると、いちばん近い駅に通じる道を見逃し、通り過ぎていた。しかたない。さらに歩いて、最近噂になっている中古盤店が近くにある駅まで行くことにした。
 ようやくたどりついて、その噂の店Kに。2階に至る階段に既に50円のレコードが積まれている。ビンテージのおもちゃやカードも扱っているというので、古物屋さんに少しレコードのコーナーがあるくらいかなと思っていたのだけど、とんでもなかった。LPの箱を10箱ほど見たところで、「7時までなんです」と告げられ、アラン・ベネット、ピーター・クック、ジョナサン・ミラー、ダドリー・ムーアの "BEYOND THE FRINGE"(1961年)のオーストラリア盤だけ購入。

 駅まで戻って、そこからは利用している線につながるバスが出ているはずなので探したら、またもや19時までで終了していた。「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」か。しかたなく電車で3駅戻って仕事場最寄駅まで。乗り継ぎ駅で途中下車して、書店で「レコードコレクターズ」4月号を。安田謙一さんがコルネッツ『乳の実+』の新譜レビュー記事を書かれていることと、シティポップ特集の続き80年代編ということなのだけど表紙に明らかにいわゆる「シティポップ」ではないものが含まれていたので気になって。70年代編と同じく、選を先に読んで、あとから意図を記事で確認するということになりそう。

 今週は先週に引き続き、ヤマ越え中。早くに眠ってしまい、夜中に起きて、また寝るのも同じ。二度寝していると言えなくもない。

目次に戻る

2018 Kijima, Hebon-shiki