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2018年3月4日〜2018年3月10日


3月4日(日) 【▼ぐりぐらメモ/2018年3月4日】
 自宅パソコンのUSBコネクタのひとつが突然不通になってしまった。ポメラやiPad miniを接続するために空けていたところだけど、抜き差しし過ぎたのだろうか。給電はできているようなので、そこをルーター用にして、本来はマウス用に配置されているところを空けることに。
 
 ゲンズブール、ジョン・バリー、コースターズ、ドビー・グレイのカバー入り、オリジナルもあやしげでへなちょこでお洒落というのが「WAVE」っぽかったディ・スターズのことがふと思い浮かび、移動中に聞ければ、と検索をかけてみた。定額制配信ことオンデマンド「ビート・オン・プラザ」で、最初バンド名ではひっかかってこなくて、代わりにミヒャエル・ホフマン監督 "DER STRAND VON TROUVILLE" のサントラに "Gay Lovers" が使われているのが見つかった。他に知っているものでは、ステレオ・トータルとコンバスティブル・エディソンが入っている。胡散くさい…他の曲も概ねキッチュさ全開で、ピンク・マルティーニは?と思ってしまった。WAVEで98年当時話題にならなかったのかな。

 劇伴を担当しているトーマス・ヴェンツェルとフランク・ヴィルは、ディ・シュテルネの人とのこと…ってSterneは英語でStarsやん、と思ったらヴェンツェルはディ・スターズの人でもあった。変名ユニットなのかと思いきや、他のメンバーは被らない。
 ディ・シュテルネは、80年代末から活動しているバンドで、独VirginやV2からリリースしていたこともある。ライヴ盤やDVD付きベスト盤も出ていて、現在も活動中のよう。少し聞いてみたかんじでは、私的参照で、モノクローム・セットに近い。好きなレコードだけど、1枚きりで、情報もなくそれっきりだった作品についてDiscogs等で検索かけたら、そこそこ活動しているひとの変名だった、ことが判明したのはルドヴィック・トリアーレに続いて二例目。トリアーレのアルバムも「WAVE」で買ったのだ。元のバンドがモノクローム・セットっぽいのも共通してる。…なんか恥ずかしい。というか、「WAVEっぽい」て、死語やな。

 ところでディ・スターズをツイターで紹介しようと思って、Youtubeでも検索をかけてみたら、あるにはあった(アルバム全曲!)のだが、地域制限がかかっていて、日本では視聴できない、のはあることとして、不思議なのが、3年前にアップされているのに視聴回数がどの曲も0回であること。謎。

3月5日(月)
[一回休み]
3月6日(火)
[一回休み]
3月7日(水)
[一回休み]
3月8日(木)
[一回休み]
3月9日(金)
[一回休み]
3月10日(土) 【▼ぐりぐらメモ/2018年3月10日】
 そんなに遅くまではやってないけれど、時間中はびっしり詰まっていて、頭を切り換えながらこなす一週間。鍼灸院と歯科の通院もあった。帰ると、母親がテレビを見終えて部屋にひきあげるまで起きていられず、夜中に目を覚ましては、NHK-BSで深夜やっているイギリスの音楽番組のアンソロジー『MUST BE UKTV』に誰が出るんだっけと確認してから、とにかく眠らないととなる毎日で、雨の日に届いたCDは聞けないし、毎日15分足らずの『越路吹雪物語』も見ていなかった。『越路吹雪物語』は今週から、瀧本美織と木南晴夏のコンビが大地真央と市毛良枝のコンビに代わったのでそれが理由で放置していたと言えなくもないが。

 きのうの夜は、『アンナチュラル』を見て、その流れで『越路吹雪物語』の未視聴回をまとめて見ることにした。『アンナチュラル』は事件の謎を解明したらそれで終わりではなく、それでうまく何もかも解決する訳ではなく、解決に向けて、言葉を探さなくてはならないというところで見ています。

 という訳で、きのうの夜でもよかったのだけど、今朝、早起きというか、仕事のある日のいつもどおりの時刻に起きて、雨の日に届いていた佐藤幸雄とわたしたち『わたしたち』を聞いた。佐藤幸雄さん、POP鈴木さん、それから柴草玲さんが加わってあまり経っていなかった2017年10月9日、神保町「試聴室」での公開録音。公開録音という成り立ちから、初めて聞くときはヘッドホンは避けたいと思い、聞き取りにくくなってテレビを爆音上映していた母親のために買ったBluetoothスピーカーで鳴らすことにしたのだ。母親が起きてくる前に。
 “わたしたち”の演奏はシンプルだけど即応的で、おおまかなアレンジはあるのだと思うけど、実際の演奏の場面ではそれぞれが「そこ」で鳴らすべき音を探ったり量ったり問いかけたりしているように思える。音の重力も瞬間瞬間で切り替わる。軽やかだったり、突き抜けたり、潜りこんだり、ずしんときたり。ドラムやピアノが滑り込むように聞こえてくることでどきりとさせられることもしばしば。歌に肚をえぐられたり、言葉が頭の中で回っていたり。相対主義でもまぜっかえしでも拘泥でもなく、伝えるだけでなく、共に考えるための言葉を探している。声も音も明瞭だけど、トレペに積み重なるように歌詞が印字されたブックレットを見ると、「聞こえていますか」と改めて問いかけられているような気もする。
 でも。かつてのすきすきスウィッチの楽曲が多くのバンドにカバーされていたように、「くるまにのって」はロックンロールとして、「新国立競技場での観兵式」はブルースとして、カバーされるといいなと思っています。

 自主制作物は身近なところで必要というかオモロイもんがあるから作ったり手にとったりするので、関西アンダーグラウンドというのがどうもなぁと迷っていたのですが、他からどう思われてるのか伺うのもええかなと思い直し、『日本のZINEについて知ってることすべて』刊行記念トークイベントに行ってきた。著者の野中ももさん、ばるぼらさんが、ガンジー石原さんと東瀬戸悟さんに関西事情を訊く、の回。会場の宗右衛門町「ロフトプラスワンWEST」に行ってみる、ということもあり。
 2時間の予定が、ガンジーさん、東瀬戸さんのプロフィール紹介で1時間ずつ費やすことになり、本編は延長で。ガンジーさんが雑誌編集に携わる経緯は知らなかったので、興味深かった。東瀬戸さんは、時折、本題である自主制作印刷物の話に戻ろうとするも、なかなか戻れず。話の流れで紹介するのは、流れが多岐に分かれているので難しかったかもしれない。延長時間での1点1点についての「これはどういう…」という切り口で通したほうが本題にはよかったか。面白かったけど。
 東京のひとのイメージとのギャップとしては、「プレイガイドジャーナル」が自主制作物の流通の役割を果たしていたこと、「月刊かえる」などこちらであたりまえのように手にしているものほど、別の地域では謎の存在であること。全国展開のようなことは考えていなくて、配れる、動ける範囲でやっているので、そうなる。そういうものだと思っていたのだけど、その点で「ZINE」はちょっとちがうように感じている。

 終わってから、歩いて、東瀬戸さんが居ない「フォーエバーレコード」に。ナース・ウィズ・ウーンドのスティーヴン・ステイプルトン、サラミ・ローズ・ジョー・ルイス他のインタビューを収録した「FEECO」Vol.1を買いに、だけど、レコードもつい、というか案の定というか、見てしまい。グルッポ・スポルティヴォ "BACK TO 78"、ウィリー・ロコ・アレキサンダー "THE DRAGONS ARE STILL OUT"、ヴォイス『VOICE』を。 

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2018 Kijima, Hebon-shiki