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2018年2月11日〜2018年2月17日


2月11日(日) 【▼ぐりぐらメモ/2018年2月11日】
 BS-TBSの番組表に『女王陛下の007』が放映されるとあった。そう言えば、ロキシー・ミュージックのファーストアルバムのカバーガール、カリ・アン・ミュラーが同作に出ていたという話があったなと思い出し、見直してみようと録画予約をした。で、役名を確認しようと、imdb他、映画データベースを見てみたのだけど、出演者に名前がない。出演当時と名前を変えている可能性もあるけれど、改名についての記載も見当たらない。その他大勢のひとりだと見つけにくいな、と思っていたら、そのことを検証したボンドファンの方のブログがあった。「レコードコレクターズ」誌の依頼を受けて調べてみたとのことですが、調査結果は、「出演していない」そうです。
▼For James Bond 007 Lovers Only
http://blog.livedoor.jp/ohmss007/archives/1834827.html

 『女王陛下の007』は、ルイ・アームストロングによる主題歌が好きなのだけど、映画のタイトル "ON HER MAJESTY'S SECRET SERVICE" を歌詞/タイトルにしにくいという理由から、主題歌というよりも、挿入歌になっている。タイトルバックに流れるテーマ曲はインストゥルメンタル。趣味の「007映画主題歌残し」はテーマ曲と主題歌(挿入歌)両方にした。

 カリ・アン・ミュラーのことを調べていて、彼女がモット・ザ・フープル "THE HOOPLE"(ロックンロール黄金時代)ジャケットのひとでもあることを知った。ロキシー・ミュージックのファーストでは、キャンプというより、キッチュなかんじを狙ったような、疲れた雰囲気の表情が採用されているけれど、モット・ザ・フープルのほうは華やかなイメージになっている(カーリーヘアの中にメンバーの顔があるという点は奇妙なものだけど)。"ROXY MUSIC" のフォトセッションではたくさんのカットが残されていて、これまでもボックスセットなどに使われてきたけれど、個人的にはキッチュな採用分より、"GREATEST HITS" に合わせて発売されたと思われる日本盤シングル "Virginia Plane" b/w "Pyjamarama" に使われたものが気に入ってます。これだけドレスもちがう。今回のセットでは、DVD編のジャケットに使われている。…この2曲がシングルになっていた(のは当時知らなかった)のなら、"GREATEST HITS" ではなく、それを買えば良かったのではないか、と今更。

 007の主題歌と言えば、いちばん好きな『007は二度死ぬ』は、クリアなトーンのエレクトリックギターがロバート・フリップを思わせて、ファズがかかったバージョンよりも好きやなと思っていたのだけど、どこでだったか、キング・クリムゾンの "I Talk To The Wind" が、その "You Only Live Twice" に影響されているのではないかという指摘を見た。思いも寄らなかったし、頭の中で比べてみても、似ているとは感じないのだけど、どこか通じるテイストはあるのかもしれない。

2月12日(月)
[一回休み]
2月13日(火)
[一回休み]
2月14日(水)
[一回休み]
2月15日(木)
[一回休み]
2月16日(金) 【▼ぐりぐらメモ/2018年2月16日】
 木曜日の帰り、「レコードコレクターズ」誌を買いに、ひさしぶりに乗換駅近くの書店に寄った。音楽雑誌のコーナーは、棚に密着している大きな柱の陰にあり、柱に沿って立ち読みしているひとでも居ればまったく手出しができないのだが、幸い、その場所には誰も居なかった。それでも、棚にないので、あれっまだか、と思ったら、いつもとちがって(柱の陰だが)平積みになっていて戸惑った。

 もう一冊気になっている雑誌があったので、ありそうなコーナーを見ると、文芸誌「MONKEY」誌の表紙に「特集 絵が大事」とあったので手にとったら、ウィリアム・ブレイクの "SONGS OF INNOCENCE AND OF EXPERIENCE" が掲載されているではないか。「うた 無垢と経験の」と題され、主宰の柴田元幸さんによる訳で。ブレイクの絵と原詩と訳文が大きめに配されていて、見たかんじで抄訳ではなさそう。54ページ+解説。アレン・ギンズバーグの録音が聞けるようになったことで、読みながら聞こうと思ったら部屋内行方不明だったものが。これは運命(インタントカーマ)だと、タイミングに降参して、買った。
 もちろん、それだけではなく、古田日出男氏による「グスコーブドリの伝記」リミックスや柴田氏によるカズオ・イシグロについての講演など読みどころが多そうだったので。

 「レコードコレクターズ」誌は、先にツイートで遊んでしまったPANTA & HAL『マラッカ』が本当にピックアップされてやしないかドキドキしながらシティ・ポップの名作百選を追うことになってしまった。出てこなかったけど。いや、出てきてもいいのだけど、「言うところの」シティ・ポップの文脈とは異なるし、同様に聞くには「歌」としては難しいだろうと思って。異なる切り口はかまわない。でも、作品に接すれば、作品の文脈に触れざるを得ないし、そのとき、作品の文脈を無視したり、軽視したり、それを見る目を曇らせるようなことは避けてほしいと思う。1973-1979年という区切りから、またしても音楽に親しみ始めた小学生高学年から中高生時代と重なるので、その感覚を抜きには読めなかったのだけど、とりあげられている作品は、あたりまえのことだけど、当時は「シティポップ」としては扱われていなかったものも含んでいて、要するに、ほとんどの作品や名前やジャケは当時、好むと好まざるとにかかわらず、傍らに流れていたものばかりなのだった。当時の文脈を切り離して「評価」するようなものではなくて、当時の文脈の中から今に至る要素を見直すようなかんじなので、よかった。当時聞いていたのは矢野顕子さんとか尾崎亜美さんとか。ポップなニューミュージックや歌謡曲としても聞かれていたひとたちは、視野見していた。惣領智子さんがとりあげられていて、おおっと。気にはなっていたけど、わたしには物足りなかったり、ぐっとくるものに出会えず、そのままになったひとだから。フュージョン寄りのひとたちは敵視…してたかな。敵視というたらなんやけど、上級生が、下級生との差別化を図るためのアイテムと化していて、それは行動様式や生活ともパラレルだったので、無縁だったということもあるし、なんやねんなと思っていたのだった。そう言えば、山下達郎「Bomber」が大阪のディスコで当たったという話は出てくるけど、その流れでか、族のひとやサーファーの文脈には触れられてない、ような。そう言えば、矢沢永吉は何処に。

 きょうの帰りは、自宅最寄駅前のコンビニで、通販到着物受け取り。沢井一恵さんの『目と目』。1987年作品だけど、当時は見かけることがなかった。聞きたいなと思っていたものの、きっかけがなくて検索もしていなかったのだけど、何故だか、動画投稿サイトのおすすめにその中の1曲があがっていて、聞いてみたらやっぱり良くて、それで検索。2010年に復刻盤が出ていたとは知らなかった。財団法人日本伝統文化振興財団というところからで、名称にたじろいでしまったけれど。筝奏者、沢井一恵さんのアルバムだけど、高橋鮎生さんとの共作と言っていい作品で、太田裕美さん、ピーター・ハミル、サラ・ジェーン・モリスがヴォーカルで参加している他、ガイ・エヴァンズ、ジェイムズ・ワレンらが参加している。ロビン・ウィリアムスンの委嘱曲もあり。録音はプロデューサー、エンジニアのデイヴィッド・ロード氏のクレセントスタジオで。ブックレットに掲載された写真を見ると、太田裕美さんもクレセントスタジオに行ってるんやね。

 通販と言えば。火曜日に、ザ・クリーナーズ・フロム・ヴィーナス選集第3集 "LIVING WITH VICTORIA GREY/NUMBER THIRTEEN/MY BACK WAGES/EXTRA WAGES" が届いた。以前、発注したものの入荷せずで手に入れられなかったものを、XTC "BLACK SEA" DX盤きっかけで再度検索して、海外サイトから取り寄せた。1986年発表のカセット "LIVING WITH VICTORIA GREY" に、アンディ・パートリッジ作 "Pearl" が収録されている。"NUMBER THIRTEEN" は1990年発表のやはりカセット。"MY BACK WAGES" は、2000年にCDで発売されたもので、1991年から1992年にかけて録音された未発表曲を集めたもの。で、"EXTRA WAGES" は、その続編となるレアトラック集で、この選集のために編集されたもののようです。

2月17日(土)
[一回休み]

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2018 Kijima, Hebon-shiki