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2018年1月7日〜2018年1月13日


1月7日(日) 【▼ぐりぐらメモ/2018年1月7日】
 土曜日は正月の代わりの家族行事。かるたとトランプ。トランプはすっかり忘れていたゲームをいくつか思い出させてもらった。これで団体旅行も大丈夫や。前に知人に教えてもらって、あちこち探してみたものの見つけられないでいて、年末の紙博でようやく遭遇した足し算を使った神経衰弱「トータス」も、姪のくいつきがよく、何回もやることになって、よかったよかった。外に出てのなわとびを含めて、たくさん遊んだので、魔窟と化している二階へもいちど行こうとせがまれたけど、その時点で時間切れ。助かった…。

 その二階の寒い部屋にパソコンは放置、タブレットは画面ガラス割れでやはり放置ということで、ネット接続をそこそこ遮断しているせいか、否応なしの12月が過ぎ、年賀状の返事も(投函は1月7日までという期限付きということもあったが)スムーズに書けたからか、休みの日も少し余裕があるかんじ。寝る前と起きた後の接続タイムではやはりだらだらしてしまうし、調べものがすぐにできないことで、先日の映画ハシゴ計画失敗のようなこともあるのだが、比較的平穏です。と思いたい。

 平穏と言えば。先月は帰宅途上で行き倒れに遭遇。意外と冷静に、声をかけ、目を覚ましたので、起き上がって歩き始めるまで様子を見て。今月に入ってからは電子機器を拾って交番デビュー。雨がぱらつき始めていたので、放置するのも忍びなく。しかし、交番の場所は見ているようで見ていない。駅の近くにあったような、と思いながら、結局ほぼ一周してようやく。権利は放棄。何か「拾う」星めぐりになっているのだろうか。

 きょうは吹田市「国立民族学博物館」にひさしぶりに。「みんぱくウィークエンドサロン 研究者と話そう」での菊澤律子さん、相良啓子さんによる「「数」をあらわす 音声言語と手話言語」(14時30分〜15時30分)を聞きに。年明けに公開されたイ・ランさんが手話とともに歌う「イムジン河」の映像を見て、この手話は韓国語手話なのだろうかと思っていたところだったので、数えかたに限定したものではあるけれど、音声言語に伴われる身振り(指折り)、手話言語、それぞれの地域による違いについての話は面白かった。日本の中でも地域によって違っていた、ということが興味深く。由来も数字の形に由来したり、見た結果に由来したり。会場にいた聴講者の中でも相違があった。言われてみて気づいたけど、ひとに向かって数える場合と自分のために数えるのとでは指の折りかたがちがっていた。意識したことがなかった。ひとに向かってだと、結んだ状態から人差し指を立てるところから始めるけれど、自分のためだと開いた状態から親指を折るところから始める。数えかたの手話でわかるのは、それが「数える」という行為そのものの修得にかかわるということで、「13」を「6」と「7」の組み合わせであらわしたり、「48」を「50から2を引いたもの」であらわしたりするという例が興味深かった。

 きょうは本展示は見ないで、あとはミュージアムショップにだけ。あれ、レストランがあったところがショップになっている?。ミュージアムショップはこんなに広かったっけ。年に数回行っている、はず、だけど、一日で回れないことを前提にしているので、特別展だけ見たり、変えたと告知があったところだけ見たり、外からショップだけ覗いたりとピンポイントのことが多く、変化を見逃しているのだと思う。ショップでは、「みんぱく」での展示ではないけれど、気になっていたものの見逃した(いちど足を運んだが閉まっていた)『文字の博覧会 旅して集めた "みんぱく" 中西コレクション』展の図録、マレウレウ『チカプニ cikapuni』を購入。発売の報を聞いて気になっていたのだ。店頭で見ないと思い出さないというのがなんともだけど。

 レストランで一服することも考えたけど、確かちょっと高めだったなと思ってスルー。出たところにある無料休憩所に初めて入ってみた。無料休憩所と言っても、自販機があるのではなく、ちゃんとした調理場がある。パンは売り切れていたけれど、ドーナツがあったので、コーヒーとドーナツで、のんびりぽかぽかと過ごした。今度、みんぱくに来たときは、また寄ろう。

 「みんぱく」は、万博記念公園の中央にあり、どこから行くにしても、そこそこ歩く。中央にバス停はあるけれど、茨木市方面とは通じていなくて、千里中央からのみ、しかも土日に一日二本くらいしかない。自家用車でなら、中央の駐車場に来られるけれど、自転車で入るのは難しそう。いつもどうにかもっと行きやすい方法はないものかと思っているのだけど。そんなこともあり、今回は自然文化園を通らずに、入り込む方法がないかと思いながら、行ってみた。「外側」の道は当然のことながらひと気なく、物悲しくなってしまったけれど。園内の移動手段については検討の余地があると思う。
 それにしても、かつてはその周辺に、美術館があり、ホールがあり、児童文学館があった。どこかに用事があれば、ついでに他にも寄るということをよくやっていた。政治の話は面倒だけど、港エリアの工場跡、倉庫跡を利用したアクセスしにくい商業施設は他にもあるのだから、あるものを活かすのなら、その近くに(エキスポシティがそうであるように)商業施設を誘致するという考えかたもあったのではないかと思う。何故、研究施設でもあった児童文学館に集客の責任を取らせるようなことをしたのか。生贄みたいに。

 茨木市に戻って、時間が合えばなんぞ映画でもと思ったけれど、ちょうどよい時刻のものがなく、帰宅。

 マレウレウのみんぱくでのコンサートの申し込み期限を忘れていたのはここ数年の数ある不覚のうちのひとつだけれど、その縁もあって置かれているのかな。『チカプニ』は、帯には「ファーストアルバム、全て最新録音で待望の再発!」とある。ん?最新録音?再発?となってしまうのだけど、解説は添付されておらず、盤だけでは詳細がわからない。ファーストアルバム収録曲を改めて録音した、ということで、再発盤というよりも、リメイク盤と言ったほうがよさそう。ボーナストラック4曲入りともあるのだけど、元の情報が無いと、どれがそうなのかわからない。うーむ。で、検索しました。ファーストアルバム『マレウレウ』(2010年)の収録曲は次のとおり。

[1] sonkayno
[2] hawsa
[3] sa oy
[4] aroro
[5] cikap
[6] arian
『チカプニ』(2016年)は
<1> sonkayno
<2> aroro
<3> sa oy
<4> arian
<5> hawsa
<6> tanatana *
<7> satcep *
<8> cikap
<9> ayoro *
<10> cupkito *
「hawsa」が2曲目から5曲目に、「arian」が4曲目から6曲目に、「hawsa」が2曲目から5曲目に、「cikap」が5曲目から8曲目になっています。6、7、9、10曲目がボーナストラック。と言っても、録音は異なるし、曲順もちがうし、「追加」されている訳ではないので、ボーナストラックとも言えない。「幻の(かどうかはわからないけれど、少なくとも絶版なのだろう)ファーストアルバム収録曲のリメイクを含む(改訂版)アルバム」と言ったほうがよいような。細かいか。細かいな。すみません。
1月8日(月)
[一回休み]
1月9日(火)
[一回休み]
1月10日(水)
[一回休み]
1月11日(木)
[一回休み]
1月12日(金) 【▼ぐりぐらメモ/2018年1月12日】
 火曜日。別に何かの祝いという訳ではないのだけど、休み中に発注したものが2枚届いた。一枚は藤井暁さんの残したテープを元にしたシリーズで、店頭で見かけることがなかった飯島晃さんのライヴ録音集『COMBO RAKIA'S』。『コンボラキアスの音楽帖』で示した柔らかなギターによる作曲作品を近藤達郎さん、向島ゆり子さん、関島岳郎さん、篠田昌已さんらと行った1990年11月13日(『音楽帖』発売記念ライヴ)、12月13日、1991年7月の演奏が収められている。発売からずいぶん経っているけれど、「ディスクユニオン」購入特典の楽譜コピーも付いていた。「いばらのサギ師」、「ロビン」、「砂まじり」、「月の谷のピレア」、「背広の男と象の庭」、「セラフィタの季節」、「約束」、「月に隠れて」、「旅人の木」が掲載されている。
 もう一枚はヘンリー・カウ "BEGINNINGS"。買いそびれたボックスセットが知らない間にバラ売りされて、知らない間にアウトレット対象になって安くなっていた、ので、1973年のデビューアルバム "LEGEND" 制作時期までの録音を集めたものを買うことにした。とりあえず。

 フランス・ギャルの訃報。7日に亡くなられたとのこと。60年代のヒット曲は好きで聞いていたけれど、70年代以降のものまでは手が回らなかった。いい編集盤があれば。

 水曜日。5日だと集まりがわるいということで、この日に年賀式。自分の会社から仕事場に戻る一時間弱、同僚とずっと話しながら。生誕月のサプライズか。彼女たちは知らないだろうけど。実は知っていて、どこからか指示があり…て、どんだけちっちゃい陰謀論やねん。ようやく『シャーロック4』を見始めたこともあり。本放送の折、いつも間に合わず、最後のほうだけちらっと見ただけだった(という訳で最終回は見ないことにしていた)『シャーロック4』は、石森章太郎『スカルマン』みたいな設定になっていた。

 木曜日。寒い朝。自転車のサドルに水滴が氷になって貼り付いていて、取れない。駅まで立ち漕ぎの刑。自宅最寄駅ホームで、しばらく見かけなかったひとをひさしぶりに。春から見なくなってたところ、秋に何度か遭遇して、また見なくなっていた。乗換駅では、やはり先月半ばから見かけておらず、辞めてしまったのかなと思っていたひとの姿を見かけて、ほっとした。なんにもないけど、見かけると、和む。そんな風に姿に和む通勤ミューズがあまりいなくなって、殺伐としがちだったので。これも生誕月のサプライズだったりして。

 帰宅すると、郵便受けに封筒が。火曜日のはまた内容物の何倍もの容積の箱で来てたけど、封筒だったので、「ご家族に知られず穏便に」回収できた。現在は作曲家として活動されている山口美央子さんが80年代に発表した3枚のアルバム、『夢飛行』(1980年)、『NIRVANA』(1981年)、『月姫』(1983年)の復刻CD。去年、海外から日本に来たひとを空港でつかまえて話を聞くテレビ番組『YOUは何しにニッポンへ』(テレビ大阪)で、スコットランドから日本でリリースされたレコードを探しに来たひとに密着する回を見たら、そのひとの探索リストの中に山口美央子の名があり、「これで火が点いて復刻されないかな」と書き込んだら、今回の復刻を手がけた松武秀樹氏のレーベル「pinewaves」からお知らせをいただいた。本当に知らなかったので、とても驚いてしまった。

 山口美央子さんについては、デビュー曲「夢飛行」を聞いて、面白く思い、最初はラジオで追いかけた。オリエンタリズムとシンセサイザーの相性はよく、典型的な意匠のひとつと言うこともできたけど、そうであっても、ぐっとくるかどうかは曲による。山口さんの曲は突き抜けたり、おどけたり、ふっとほほえんだりといった表情が豊かだった。少し鼻にかかる声の「弾けなさ」がいいかんじで。井上鑑さんの名を意識したのも、山口さんのレコードで、ではなかったか。井上さんが出演するラジオ番組もチェックして、「東京LOVER」について、デモからどのように仕上げたかといった話を聞いたりした。今回のご本人による解説によると、「東京LOVER」がデビューのきっかけだったのだそう。デモといっても、バンドサウンドは完成していたと記憶している。それをもとにメリハリをつける方法を解説されていた。録音しておけばよかった。
 2枚目の『NIRVANA』は何故か見落としてしまった。シングルの「夏」は聞いていた。「夏」とコーセー化粧品のキャンペーンソング「恋は春感」を含む3枚目の『月姫』も大好きなアルバムで、矢野顕子さんや尾崎亜美さんに連なるポップなシンガーソングライターとして知られていくのだろうなと思っていたのに、それ以降、ご本人の作品は出なくなる。いつまで経ってもCD化されないことも不思議に思っていた。作曲者として名を見ることはあったので、気にはしていたのだけど、当初から作曲家志向だったとは知らなかった。

 フランス・ギャルの訃報を聞いて、知人が "Attends ou va-t'en" を流した(正確には動画投稿サイトのリンクをツイートした)のを聞いて、鷲尾いさ子さんによるカバー「夜を待って」を思い出したのだけど、川村真澄さん日本語詞によるこのカバーを収録したミニアルバム『彼女の風』には、山口さん提供曲が2曲収録されている。制作当時はお蔵入りになった『20歳のデリカシー』やかしぶち哲郎さんとのデュエットを含む『雪』にも作家として参加されていた。

 金曜日。郵便物関係のトラブル続き。間違えて送ったり、間違ったものが届いたり、送ったものが理由不明で戻ってきたり。

1月13日(土)
[一回休み]

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2018 Kijima, Hebon-shiki