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2017年12月3日〜2017年12月9日


12月3日(日) 【▼ぐりぐらメモ/2017年12月3日】
 ひさしぶりに京都を自転車で横断するつもりだったのだけど、風邪の前兆か、軽く頭痛がするので、無理はしないことにした。家事も少なめだったので、早めに出て、のんびり京都に向かった。京阪電車で出町柳まで出て、そこから銀閣寺まで歩き。歩いているうちに頭痛が治まってきたのはよかったけれど、ひさしぶりに歩くと…古本屋でいちいち足を止めてしまうのであった。古い観光案内などつい買ってしまいそうに。なんとか抑えました。抑えたけれど、百円均一棚は一応覗く、のは、時間がないときはとりあえずそこだけでもというお試し版のようであり、その時の店のおおまかな品揃えを推し計るためでもある。そうした点で、移転した阪急梅田駅下の古本屋街は通路に棚が出ていないので、それができなくて困る。それだけで入りにくくなっている。

 前を通りがかることはあっても、入ることはないだろうなと思っていた銀閣寺近くの「白沙村荘(はくさそんそう)橋本関雪記念館」で望月めぐみさんの切り絵展示があるというので、よい機会だと思い。日本画の画家、橋本関雪の制作拠点であった庭園を保存した場所で、美術館も併設されている。「光ヲ彫ル」と題されたモチメさんの展示は、古木や紅葉に囲まれた「存古楼」と「倚翠亭」で。細かな切り絵が大きな紙に施されていること、背景が透けるという切り絵の特性から、見る位置によって、見えかたが異なる。龍を描いた一対の作品は特に龍を見ようとすると、周囲が霞み、龍から離れると、周囲の装飾が鮮やかに見えて、なかなかに悔しい。近寄りたい、触れたい、といった気持ちが掻き立てられる。あかんのですけど。紙の色や質感なども考えられていて、溜息。どこかモダンな鋭利さがあるのも楽しい。枯れてない。
 美術館での橋本関雪と堂本印象の展示も鑑賞。知らなかったのだけど、橋本関雪作品は、日本画でありながら、大陸の生活に材をとったものが多いんやね。不思議な躍動感がありました。堂本印象は抽象画も描いていて、静物画もなにか惹きつけるものがあって、面白かった。美術館を出ると、白沙村荘からも出てしまった。ひととおりぐるっとまわったつもりだったけど、狐につままれたような。モチメさんの展示は12月17日まで。

 左京区をぶらぶら。探しものは見つけられなかったけど、合田佐和子の『合田佐和子 光へ向かう旅』というカジュアルな作品集が出ていて、そう言えば出るような話があったと思い出した。店で見ないと忘れる。改めて教えてくれたことに感謝して、そこで買いました。

 気が付くと、16時を回っていたので、路線バス乗り継ぎの旅のようなことをしつつ、あわてて、目的地に向かった。のだが、開場時刻を30分間違えていた。
 「拾得」にて、bikke+近藤達郎+服部夏樹+かわいしのぶ「雪待つ窓辺の音楽会」(ゲスト 松永希)。bikke+近藤達郎デュオで1992年に制作された録音を発掘した『1992年』の発売記念ライブ、ということなのだけど、第1部は去年ラブジョイで披露された来るべき新作に入る予定だった曲を中心に、JBのレパートリーを含む現在進行形の姿でした。かわいしのぶさんがヴォーカルをがんばるところで、じんときてしまった。第2部は、タイトルのみ知ってはいたけれど聞いたことがなかった「Augenblick」から。松永希さんのコーナー(ラブジョイ「君の名を呼ぶとき」カバーと松永孝義さんソロに収録されていた「風のゆくえ」)をはさんで『1992年』の楽曲が続く。bikkeさんと近藤さんのデュオ時期は残念ながらすれ違っていて聞いたことがないので、二人だけだとどんなかんじだったのだろう(まだ聞いていないのだけど、録音はバンド編成になっているようです)と思っていたのだけど、しっかり4人で演奏。「いつかおだやかな心」はほんとうにひさしぶりに聞いたように思います。「桜のころ」もオムニバス収録のみなので、なんというか…ベスト盤が出るといいのだけど。『1992年』版も楽しみです。最後に「ゼロ」。ピアノが跳ねて、ロックンロール成分多めでした。
 それにしても、温和なキャラクターとともに、服部夏樹さんの演奏を一年に一回は見たいと思う。bikkeさんや近藤さん、かわいしのぶさんは他の機会もありそうだけど、服部さんはラブジョイでしか接する機会がなかったのでどうしたものか。というか、これからの活動は…いまは訊かないことにする。これでおしまいといった感じはまったくなかったから。アンコールで、松永希さんの晴れやかで力強い声で「野のひとの野のうた」。そして、意外なカバーをデュエットで。誰のカバーか書くと、ややこしいことになりそうなので、伏せますが、クリスマスソングのようなものとして、日本の唱歌も混ぜた楽しくも実験的な雰囲気もあるカバーでした。
 『1992年』を購入。西脇一弘さんによるカバーイラストは、以前描かれて、bikkeさんが個人的に所蔵していたものとのこと。

12月4日(月)
[一回休み]
12月5日(火)
[一回休み]
12月6日(水)
[一回休み]
12月7日(木)
[一回休み]
12月8日(金)
[一回休み]
12月9日(土) 【▼ぐりぐらメモ/2017年12月9日】
 水曜日は3か月に1回の歯科検診だったのだけど、前日に何かひっかかるな、魚の骨か、と思いつつ、ブラッシングをしていると、歯の欠片がポロリ、と。タイミングがよいのかわるいのか。今回、歯茎の状態は褒められたけど、該当箇所は年度末の道路のように掘り返されることに。麻酔が切れるまでの2時間飲食できないので、通勤時間に加えて、遠回りして、「ブックオフ」に。約1時間の滞在に対するチャージ料として、ずっと売れ残っていて、気にはなっていたけど、訳ありで見送り続けていたCDを1枚購入することにした。

 映画『結婚の条件 SHE'S HAVING A BABY』のサントラ(1988年2月発売)。準テーマ曲のカースティ・マッコールによるザ・スミスのカバー "You Just Haven't Earned It Yet Baby"、重要場面で流れるケイト・ブッシュ "This Woman's Work"、エヴリシング・バット・ザ・ガール "Apron Strings"、使われていなかったに等しいもののXTCの "Happy Families" といった曲が初収録されている。それぞれのオリジナルアルバムやシングル、編集盤に収録されており、それぞれで聞いているけど、アレンジやミックスが異なるものもある。優先順位は低かったけど、頭の隅の隅にはあった盤だった。
 そんな盤が安く出ていたのにずっと見送っていたのは何故かというと、男女で分けているオリジナル盤A面の最後に入っているヴァン・モリソンのカバー "Crazy Love" の演奏者が Kirsty Ferry と表記されているから。Bryan Ferry を誤記して。次に入っている Kirsty MacColl と見間違えたのだろうか。気になって、Discogsを見てみたけど、その範囲では各国盤とも Bryan Ferry となっている。まさか打ち直してはいないだろうと思うので、極東の地に版(88年当時だとフィルムかな)を送ったあとで誤記に気付いて直したのかもしれない。

 件の "Crazy Love" について日本盤解説には1985年作品と記されているけれど、これは1978年の "THE BRIDE STRIPPED BARE" セッションで収録されながら、アルバムには入らなかったもの。その後、"BOYS AND GIRLS" からのEP "Windswept" に収録された。そう言えば、"THE BRIDE STRIPPED BARE" はCDで持ってない。40周年記念で、まとめたものが出ないものだろうか。(と思っているところに、ロキシー・ミュージックの1枚目のDX盤の報が。ラジオで放送されたものをよく聞いているBBCセッションはもちろん、これはデモを聞きたい。うーん。)

 家族行事。寒いということもあってか、きょうは体力を使うことなく。でも、やっぱり弟たちが帰ってから、一眠りしてしまった。図書館が開いているうちに、読みかけの本を読み終えようと思ったのだけど、沈没しました。

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2017 Kijima, Hebon-shiki