目次に戻る

2017年11月19日〜2017年11月25日


11月19日(日) 【▼ぐりぐらメモ/2017年11月19日】
 ツイターでの書き込みは、なにかしら情報的なものがないと申し訳ないという気持ちがあって、感想はこちらにというかんじになっている。ツイターでの書き込みだけを見られていたら、スルーしてるみたいになるかという懸念もあるのだけど、なにかついでに伝えることがないと書きにくい。
 「いいよ」という発言が他のひとにとって情報になるのは、わたしが(実際に)良いものについて良いという判断をする能力があり、かつ正直であるということが共有されている場合であって、そうでない場合は「いいよ」というだけではなんということはない。だから、「いい」と思ったときにどこがそうなのかをできるだけ説明することで「情報」にいくらかでも近付けることができればと思っている。でも、それにもきっかけはいるんやけど。しかし、なんというか、ビートルズの全曲ガイドのような本が出るたびに "You Like Me Too Much" がひどい扱いを受けていることに「なんでやねん」と憤る奴の言うことなど信用したらあかんと思います、なんて巻き込み自嘲をするのはジョージに申し訳ないか。(というような主旨のことをツイターに書いてのち、きょう藤本国彦さんが最近出されたと思しき全曲ガイド本を見かけて、焦った。タイミング的に藤本さんの本を指しているように読めないこともない。これは炎上案件かと思ったのだけど、そんなことはなかった。ちなみに、藤本さんは世間の低評価を匂わせつつ、個人的には好きな曲と書かれていた。)
 ちなみになにかしら知っているひとの場合は、先の前提は要らないです。それは、そのひとの情報だから。ああ、いま楽しんでるんやな、そうかいいのか、ということを読むのは楽しい。「いいね」なんて合図を送るのはうざったらしいやろなと思うので、あまりしないけど。特に女の子には。でも、楽しませてもらっているし、参考にもしてます。

 先日通りがかったときに知った京都での「爆音映画祭」『マッドマックス 怒りのデスロード』を見に行ったのも、そうした縁からかな。ふだん見ないタイプの映画だし、爆音上映も初めてだったのだけど、ふだん見るタイプの映画をきょう見るのはしんどいことになりそうだったのでちょうどよかった。専制君主が君臨する砦からの女たちの脱走に巻き込まれる話で、ほとんどの時間ひたすら戦闘しながら走ってる、という。ヘビーメタルを演奏する担当の車両がおかしい。脱走の首謀者がたどりついた故郷も失われていたけど、生き残っていた女性たちがたくましくてかっこよかった。

 映画の前に。「タワレコ」で、きのう買わなかった石若駿さんの一枚目の『SONGBOOK』を結局。試聴機に入っていたブーム Poom の『2016』、"Bye Bye" の字足らずなメロディの曲がよかった。
「アーロントコ」で「美術手帖」1970年3月号。横尾忠則、クルト・シュヴィッターズ、植草甚一さんの『アリスのレストラン』についてのエッセイなど。マギー&テリー・ローチェ "SEDUCTIVE REASONING" LP版はCDが変なジャケットに変わっていたので見つけられてとてもうれしい。それとまだ聞いていないのだけど、クリームのインストゥルメンタルカバー集かな、ザ・ラバー・バンド "CREAM SONGBOOK"。裏面のライナーノートを見ると、19歳のマイケル・ロイドが中心になっているとあり、もしかして、ウェスト・コースト・ポップ・アート・エスクペリメンタル・バンドの、と思い。プロデューサーはロバート・フィッツパトリックとマイク・カーヴ。

 この土日。イヤホンを出勤用のスーツのポケットに入れっぱなしにしていて、外で音楽を聞かなかった。世間の冷たい風、ではなく、下世話な見方、考え方を浴びて、ぐったり。ふだんそれをシャットアウトしていることがよいことなのかどうか。しかし、カラダにはよくない。

11月20日(月)
[一回休み]
11月21日(火)
[一回休み]
11月22日(水)
[一回休み]
11月23日(木)
[一回休み]
11月24日(金)
[一回休み]
11月25日(土) 【▼ぐりぐらメモ/2017年11月25日】
 勤労感謝の日の木曜日、日曜日に京都でチラシをもらった「MOVIX堺」での「爆音映画祭」に。『ベイビー・ドライバー』を見てきた。「MOVIX堺」は堺北部の埋め立て地にある複合レジャー施設の中にある映画館。所要時間が読めなかったので、早めに出たのだけど、地下鉄「住之江公園駅」を出て、無料送迎バスの発着場所を探していたら、それらしいところにちょうどマイクロバスが停まっていた。横に書かれた文字を見て、確認できたので乗り込んだ。基本的に一時間に一本だったので、待たずに乗れたのはよかった。けど、上映開始時刻よりも一時間以上早く着いてしまって、持て余してしまった。古本屋があったらな、一時間くらいすぐなのに。駐車場と倉庫しか見えない周辺を少し歩いてみたり、コーヒーを飲みながらぼんやりしたりして、時間をつぶした。
 遠出だから、着いてから入れないと困るので、チケットはネット購入したのだけど、着いてすぐに発券しようとしたら、購入番号やらQRコードを転送しておいたiPad miniが点かない。再起動して、待つことしばし。無事に起動、発券もできたけど、焦った。危機管理ができてない。発券機は先週の「MOVIX京都」が初めてだったのだけど、発券番号と電話番号を入力する方法とQRコードをかざす方法がある。QRコードはiPhone画面でも可、ということはiPad miniでもいけるだろうとやってみたら、画面の上下が動いたりしててこずったけど、いけた。と、体験済みだったので油断していた。

 エドガー・ライト監督『ベイビー・ドライバー』は、ジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョンの曲が流れる予告編を見て、面白そうやなと思って気になっていた、ら、例によって見に行けそうなかんじになったので上映館を確認したら、もう終わっていた、という。映画の公式サイトは、「劇場 Theatre」のとこしか見てないな、そう言えば。
 主人公の青年ベイビーは、銀行強盗チームの逃走担当。危険をおそれず衝突をかわす運転技術を持っている。過去に麻薬取引絡みの車両を盗んだことから、その元締めに脅され、返済のために逃走担当に加えられていた。返済完了を告げられたベイビーは、足を洗い、シゴト明けにいつも言っていたダイナーで出会ったデボラと付き合い始めるも、元締めは彼を手放した訳ではなかった。ベイビーはデボラとともにひそかに遠くに逃れることを目論むが、その変化をチームの連中は見逃さなかった…。
 ベイビーは過去に乗っていた自動車の衝突事故で両親を失くしており、後遺症で耳鳴りを患っている。音楽を聞いているときだけ耳鳴りが収まるということで、ずっとiPodから流れる音楽をイヤホンで聞いている。問題は、この音楽。それは歌手でもあった亡くなった母親が誕生日プレゼントとして贈られたiPodと母親の形見であるiPodに収められているものである。誕生日プレゼントのiPodに入っている曲も、母親が選んだものだろう。ベイビーは他人の会話を録音してサンプリングして曲を作ることを趣味にしているが、その音楽とiPodに入っていて、彼が運転するときに聞く音楽とは異なっている。デボラに出会ったとき、彼女の名前をタイトルにした曲があるといって、Tレックスの "Deborah" をあげるのだが、最初、「トレックスの」と言い間違えて、デボラから「Tレックス?」と聞き返される場面があった。"Deborah" という曲はよく知っているし、好きになった女の子に聞かせるくらいだから好きな曲なのに、T.Rexの読みかたを知らなかった。iPodに表示される文字でしか知らなかったからだ。彼が聞いている音楽はどれも時代遅れというか、いまの時代には「かっこよくない」。母親の趣味だったのではないかと思う。で、そのかっこよくない選曲のことごとくがいい。ジョンスペ(なんて略されてたことを思い出した)、ジョナサン・リッチマン、ビーチボーイズ、ダムド、フォーカス!

 野暮を承知で言えば、彼が運転するときに音楽を聞くのは、それが彼の母親そのものだからであり、その音楽を途切れさせないために超絶運転技術が発揮されるのだと思う。タイミングを合わせるために曲を途中で止めて最初からかけ直したり、音に動作が合う場面はユーモラスだけど、ベイビー以外にその音楽は聞こえていない。現実が音楽に合わせている。そして、その音楽を守るために運転し、危険をかわすことで、母親の事故死の回避を繰り返し疑似体験しているのではないか。ラストで、ベイビーは聴力を奪われる。もうそれまでのように運転することはできないかもしれないけど、母親を守れなかったという無意識の自責から放たれることでやっと「ベイビー」ではなくなる。決してハッピーエンドではないけれど、ほっとさせられた。
 最後のほうで、それまでの選曲からしても、さらに異色なフォークが流れてきて、ん、と思って思い出した。サイモンとガーファンクルの "Baby Driver"。そのときまでサイモンとガーファンクルに "Baby Driver" という曲があったことすら忘れてた。ものすごい、やられた感。

 帰りは、終了と同時に、それこそ、ショッピングモールを逃走するベイビーのごとく、小走りに映画館を出て、送迎バスの発着場に。レジャー施設内には二か所発着場があり、始発のほうに行ったほうが確実に乗れると思うも、そこまで行くと入れ違いにバスが出てしまうかもしれない微妙な時刻。でも、なんとか乗れました。「住之江公園駅」からまっすぐ(乗り換えはとてもまっすぐとは言えないが)帰宅。堺も住之江公園も素通りしてしまって、もったいないような、申し訳ないような。

 書き忘れ。京都での『マッドマックス 怒りのデスロード』上映前に、台風クラブのCMが流れて、楽しかった。台風クラブは、いまのところ、そんなにピンときてはいないけど、映画館で大きなスクリーンと大きな音でかかるのはいいなと思った。

 木曜日。実は午前中に大掃除の準備の練習のようなことをしていて、階段のところで足を滑らせて、階段落ちをしてしまった。なんとか支えたつもりだったけど、右ひじ、腰、背中に打撲、左わきは痣になっていた。きょうは、それとは関係なく、出かける用意もしていたのに、二時の壁の前に崩れてしまい、遠出を断念したのだけど、休養をとるのはよかったかもしれない。夕方、ファクスとプリンターで使っているコピー用紙が切れたので、調達しに少し離れた家電量販店に。CDプレイヤーやBluetoothスピーカーも見てみる。コンパクトなCDプレイヤーでBluetooth対応というのは見当たらなかった。家電量販店にはプリンター用紙はあるけどコピー用紙は手に入らなくて、スーパーの文具売り場でも見つからなくて、結局、100円ショップで。

目次に戻る

2017 Kijima, Hebon-shiki