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2017年11月12日〜2017年11月18日


11月12日(日) 【▼ぐりぐらメモ/2017年11月12日】
 茨木市安威川ダムの建設現場見学ができる、駅前から無料送迎バスも出るということで、「安威川フェスティバル」に。着いたときには既に建設現場見学ツアーは締め切られていたのだけど。開場と同時に並ばないとあかんみたい。駅前のバス乗り場で締め切られていることがわかっていたら取りやめにしていたかもしれない。
 子供連れの家族多し。イベントも子供向け、家族向けのものが多かった。もう何回目かで、そうしたことが周知されているのだろう。一時間ほど展示を見たり、パネルを読んだり、動物・生物を観察してから会場を後にした。
 安威川ダムについては、その是非がずっと議論されている。水害をきっかけに構想されたのは確かだけど、40年の間には利用目的が変わってきていて、最新の「目的」は治水限定ということになっていた。どんな風に位置づけようとしているのかも気になっていた。単純になかなか行く機会がないところに行けるという楽しみもあったのだけど。

 京都に。いろいろ面白そうなイベントや展示があったのだけど、目的地に戻ることを考えると難しい時間帯だったのであきらめた。京都市中心部に限っても、東西というか左右を横断するのはそこそこ距離があって時間がかかる。

 西院「陰陽(ネガポジ)」に。(元?)ソラネコの木村健さんのバンド、球体のポーを聞きに。気になりつつなかなか機会がなかったのだけど、先日の冬支度のライヴの際に、キーボードの北里修さんが告知されたことで知ることができた。出演は、他にDAVID BOYS。DAVID BOYSは、シンセベース、ギター&シンセ、ドラムのトリオ。北摂テクノポップを彷彿とさせる骨格にヒップホップの要素もある、けど、歌詞はラブコメ。ステージアクションが若い。翻って、昔の(とほほ)ニューウェイヴのバンドはいかに韜晦した歌詞や皮肉な歌詞、老成したアクションが標準であったかと思う。
 球体のポーは、最初に知ったときと編成が変わっていて、現在は、ドラムにゴールデン・シロップ・ラヴァーズ、ソラネコの野村大史さん、ベースに水田十夢さん、キーボードに北里修さんの4人編成。豪快なグラムロックの趣き。歌とギターがぴったりと合いすぎて、ベースがメロディをリードしているような気すらする。変幻自在なドラムも際立つ。キーボードは隙間に沁み入るように鳴っていて、慎ましく、でも着実にメロディを煽っている。いや、なんというか、煽られるロックでした。財布に既に札がなく、CD-Rが買えなかったのが残念。

 幕間BGMがキンクス、アイドル・レース、ゾンビーズ、ジェネシスといったかんじで、非関係者客として藁をもつかむ思いでした。ライヴハウスでは音楽が鳴っていない時間がつらいときがあるもので。

11月13日(月)
[一回休み]
11月14日(火)
[一回休み]
11月15日(水)
[一回休み]
11月16日(木)
[一回休み]
11月17日(金)
[一回休み]
11月18日(土) 【▼ぐりぐらメモ/2017年11月18日】
 引き続き、通勤路の書店が開いている時刻に帰ることができず、帰宅してから起きていられない一週間。暗雲もたちこめてきた。話がちがう、というか。
 パソコンの光学ドライブのCDを取り付ける部分が取れてしまい、少しかけるとブーンと唸り、中で浮くようになってしまった。いま居間に常駐している関係で、CDを聞くのはパソコン+ヘッドホンが(不本意ながら)標準になっているので困った、と思うと同時に、持ち運びもできて、そこそこきちんとしたCDプレイヤーとBluetoothスピーカーをこの機会に導入すべきか、とも。

 きのうの夜は、HDレコーダーの光学ドライブ+テレビのスピーカーで、鈴木博文さんの『Wan-Gan King』40周年記念盤の2枚目をようやく聞いた。「Motel」を除く『Wan-Gan King』とEP「どん底人生」のデモが収録されている。曲の構成はできている段階のもので、演奏そのものは大きく変わるところはない。歌詞はついていなかったり、ちがっていたりしている。3曲ボーナストラックとして以降のソロやムーンライダーズ用のデモも収録されているのだけど、記憶がない。「どん底天使」までは覚えているのだけど。

 きょうは下調べをきちんとしていればいろいろ回れたと思うのだけど、予想よりも用事に少し時間がかかってしまったこともあり、回るに回れず、しかし持て余すというもったいないことに。とは言うもののマルビルの店にはなんだかんだで一時間くらい居たので相変わらずではある。アレシャンドリ・アンドレスとハファエル・マルチニの記事がある「ラティーナ」12月号を買う。特集は、"「視る」を楽しむ"と題して、ジャケットデザインや映像などに力を入れていて(なおかつ、もちろん)音楽が面白いひとたちを取り上げている。クラシック/ジャズのコーナーに、気になっていた石若駿さんの2枚目『SONGBOOK II』が出ていて、試聴してみたら、かっこよかったので買うことにした。1枚目も買えばよかったかな。ジャズだったのか。レジに向かおうとして、クラシック/ジャズのコーナーであることから思い出して探してみたらあった、エリック・フェンビー著『ソング・オブ・サマー 真実のディーリアス』。四肢と視力の自由を病でなくした作曲家フレデリック・ディーリアスの窮状を知り、アシスタントとなったフェンビー氏の回想録。ケン・ラッセルによる映画に触発されたと思しきケイト・ブッシュの "Delius" で知って、楽曲は聞いたけど、映画は未見で、歌に描かれている物語を知りたいと思っていた。「楽曲ではなく物語を聞く」のは控えたいと思うけど、曲が穏やかで美しいだけに、伝え聞く凄まじいやりとりについて知りたかった。
 マルビルの店をあがると、コンビニができていた。前にはなかった。が、前に何があったか思い出せない。

 南森町「音凪」に、「黒天紀 micromini japan tour」と題された小山景子さんのライヴを聞きに。ライヴ中のやりとりによれば、向井千惠さんはゲスト、とのこと。まず向井さんがピアノの弾き語りを。ソロで歌を聞くのは初めてかもしれない。緊張感はあるけれど、穏やかに時間が流れる。向井さんの即興演奏は厳しく、緊張させられっぱなしで、どちらかと言えば、畏れに近いものを感じていたので、意外だった。
 向井さんの演奏が終わると、割とすぐに、小山景子さんの演奏が始まった。小山さんの歌は断片的にしか聞いていなかった。ソロアルバム『記憶の水の運河』は噂のみで当時は見たことがなかった。何かの機会に数曲聞いて、これが、と合点した。トラディショナルフォークに連なる歌を湛えながら、奇妙な味の演奏ともしっくりくる。5年前に復刻盤『記憶の運河』が出たときは、準備段階から話題になっていたのにこれも店頭で見かけることなく。通販すればええやんかな話なのだけど、なんというか「知らない」レコードを通販することに心理的な抵抗があって。そんな訳で、現在の歌も聞きたかったし、復刻盤も手にできればという希望があった。小山さんの歌も、別世界の様相を呈しつつ、そこに居る小山さんはまったくの生身の人で、世界を作ってはいなかった。そのことがさっきの向井さんと同じく、緊張感はあるけれど、風通しがよく、息苦しくない音楽で、心地よかった。声が小さいのが悩みというようなことを話されていたけれど、とんでもない。声だけでも成り立っている音楽だった。時折、向井さんが呼び入れられて、胡弓と歌で参加。「花を埋める姉さん」という即興曲での絡みがとてもよかった。
 『記憶の運河』は持ってこられたのが3枚だったそうで、それを聞いた時点で諦めた(争うようなことをしたくない)のだけど、現在の歌も聞けたし、「知らない」ことはなくなったので、通販をお願いしようと思っている。

 帰宅すると、喪中はがきが届いていた。そういう年代だからと思っていたら、大学で一緒にサークルをやっていたやつだった。同じサークルの女の子と結婚して(付き合っているとは知らされてなかったし、在学中は知らんかったけど、うれしい出来事でした)、いっとき通勤途中で見かけることもあったけど、しばらくして、郷里に戻って実家を継いだ。もうかなり前になってしまったけれど、ひさしぶりに集まったときは実家の仕事で急に来られなくなったと会えなかった。二人で力を合わせてやってるんやなと思った。思ってた。なんやねん、この籤は。

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2017 Kijima, Hebon-shiki