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2017年10月22日〜2017年10月28日


10月22日(日) 【▼ぐりぐらメモ/2017年10月22日】
 秋雨前線からラン台風へのパスで、雨続き。土曜日は北堀江か河原町五条に出かけるつもりでいたのだけど、結局、出なかった。片付けをしたり、台風に備えて準備したりしながら、古いカセットをかけていた。ラブジョイのテープは、DATが多いことに、いまとなっては困っている。再生機、生きてるだろうか。録音されなかったいい曲、好きな曲がたくさんある。

 スーパーが開く時刻を待って、雨の中、衆議院議員選挙の投票所経由、買い物。初めて出口調査に遭遇。取材しているひとには申し訳ないけれど、回答には嘘を書いた。結果は変わらないのだから、結果を知るのは、開票が終了してからでかまわない。投票終了と同時に当確予想を出すのは、「ネットよりも早い」し、有象無象の素人にはできないことかもしれないが、報道機関の都合であって、それ以外に存在理由がない。当事者たちは早めに打ち上げたいところだとは思うが。バカバカしい。予想と実際の結果が食い違うことでバカバカしさが露わになればいいと思うのだけど、みんな真面目に回答してるんやろなぁ。

 立命館大学・茨木キャンパス内にある「いばらきフューチャープラザ」での元ちとせさんのコンサートに。南茨木駅が最寄駅だというので、先日、途中下車して、行ってみたのだけど、なるほど駅の出入口には看板が出ているけれど、矢印の方向に進んでいくと、「300m先を右折」とあり、300m進んで右折すると、今度は「700m直進」て、1kmと最初に示しておいてほしかった。何の罰ゲームなのか。で、そのルートをとるつもりだったのだけど、雨が強くなっている中、1km歩くのはつらい。自宅から駅も歩くしかない。という訳でJR茨木駅に。ところが。線路を隔てて向いにあるイオンのほうに行ってしまい、結局遠回りして余計に歩くことに。たぶん1km歩いていると思う。
 立命館大学・茨木キャンパスでは、「アジアウィーク」という催しをやっていて、元ちとせさんのコンサートはその一環として行われた。学生のジャズバンドの演奏などもあったのだけど、なにしろ雨が強まっていたので、身動きがとれないし、何を何処でやっているのかもよくわからない。どこまで立入可能なのかもわからないので、ふだん立ち入ることのないキャンパス内に少し触れた程度になった。

 元ちとせさんのコンサートのことは、先月の終わりに、たまたま駅貼りのポスターを目にして、知った。土星探査機カッシーニの任務終了(9月15日)のときに「カッシーニについて歌ってはったなぁ」と思ってyoutubeで聞いたりしていたところだったので、ひさしぶりに聞いてみたくなって。ひさしぶりに、て、ちゃんと聞いてたのは数年間だから、えー、すみません。十年経ってました(ただ、この十年間は、子育てもあってか活動は控えめだった模様。アルバムはカバー集とベスト盤のみで、時折配信限定で新曲をリリースされている)。
 というような具合なので、曲は「ワダツミの木」とカバー2曲(「百合コレクション」「腰まで泥まみれ」)以外は初めて聞く歌ばかり。「腰まで泥まみれ」がハードロックだったり、J-POP風のアレンジのものがあったり、「ワダツミの木」のイントロのアカペラで音程があやしくなったりして、とまどいもあったけど、そうした隙も含めて、変わらずおきゃんな女の子、でした。手慣れた大御所感がなかったのはよかった。バンドは、ピアノ、ギター、ベース、ドラムの4人編成。ドラムは、加藤千晶とガッタントンリズムにも参加している高橋結子さんでした。
 帰りに物販があれば何か買おうと思ったのだけど、見当たらず。少し残念。と言いつつ、雨と強風で冷えたからだを暖めようと、自宅最寄駅近くの「ドトール」に寄ったとき、定額制配信を確認してみたら、奄美時代の島唄作品集を含めて、あがっていたので、それで聞くことにします。初期の曲を聞くと、やはり、なんというか、位置に危うさを感じるのだけど、そこを歌だけで渡ろうとしているところがいいな、と思った。

 傘はひっくり返らなかったけど、骨は曲がってしまった。歩いていると、ヒューヒューとものすごく明瞭な音がする。電線が風でうなっているのだと思う。思わずiPad miniで録音してしまった。

10月23日(月)
[一回休み]
10月24日(火)
[一回休み]
10月25日(水)
[一回休み]
10月26日(木)
[一回休み]
10月27日(金)
[一回休み]
10月28日(土) 【▼ぐりぐらメモ/2017年10月28日】
 朝から雨。小降りになったとき、先週骨が折れた、が射せないことはない傘を持って、買い物とクリーニング出し。戻ってきて、少しうとうとしてしまったが、今日はゆっくりしている訳にはいかないのであった。15時から、京都造形芸術大学内の劇場「春秋座」で行われるハイナー・ゲッベルスとアンサンブル・モデルンの "Black on White" を見に行くことにしたため。チケットがプレイガイド/コンビニ売りではなく、サイトで申し込んで、コンビニ等で発券するというものだったため、とまどってしまい、そのままにしていたのだけど、今週に入って、やはり見ておきたいという気持ちになって、再挑戦。案の定、手続きの途中でしくじって、最初、前のほうの席が確保できたのに、失敗してやり直したら、もう埋まっていた。発券が二日後ということにも困った。忘れそうだった。仕事帰りに、いちど列車に乗り込んでから、思い出して、あわてて降りて、改札を出て、駅前のコンビニに向かったのでした。

 四条河原町に着いてすぐ、5系統のバス停に急ぎ、ほどなくしてやってきたバスに。そこから約20分。開場の10分前。雨はひどくなっていた。先週に続いて、大学構内に入るのだけど、雨なのでうろうろできないのがほんとうに残念。あまり時間もなかったのだけど。造形大には何度も来ているけれど、「春秋座」は初めて。
 まだ客席の灯りが点いている状態で、舞台に、こちらに背を向けて何か書いているひとがいる。ペンを走らせる音がかさかさ鳴っている。そこに朗読の声が被さる。やがて何人か楽器を持って現れる。普段着で。公園のベンチに腰かけるようなかんじで座る。やはり客席に背を向けているひともいる。演奏が始まる。普段着のひとたちがあちこちに散らばったまま。予備知識を入れないで行ったのだけど、"Black on White" は、アンサンブル・モデルンの楽団員自身が演奏するだけでなく、場面を構成する演技もする作品だった。しかも、普段の担当楽器だけではなく、管楽器なども演奏し、コーラスもする。

 朗読はフランス語だったり、ドイツ語だったり。ところどころ日本語/英語字幕が出るけれど、大半はわからない。エドガー・アラン・ポー『影』やモーリス・ブランショ『期待・忘却』から採られているという。わからないなりに、場面から受けるのは、普通に生活していたひとたちがいつの間にか居なくなり、変わっていく街の姿です。演奏される音楽は、彼らの日常とともにあった音楽のようでもあり、彼らの生活を描写する音楽のようでもあり。テニスボールを巨大な金属板や太鼓に離れた場所から投げてぶつけたり(結構みなさん外してた)。電子音が鳴り響く中、アンサンブルや日常音が重ねられる場面もあり、時間や場所を特定しない不思議さもあった。歌のない、BGMでもない、でも、登場人物たちが音楽で会話したり、呟いたりするという意味でミュージカルだった。
 ハイナー・ゲッベルスの音楽は、カシーバーなどでのバンド活動は聞いていたけど、その後のECM等での作曲作品は聞いていなかった。演劇作品ということも、積極的に聞こうとしなかった理由ではあった。今回、通常と異なる演奏で接することができた音楽は、登場人物たちそれぞれが発するものとして聞いてしまっていて、曲として聞いていなかった節があるけれど、ぐっとくる場面がいくつもあった。低いところを蠢いている何かがふっと姿を現すような、その姿に見とれるように聞いていた。
 それにしても、なんというか、まるで巨大なピタゴラ装置に人が入ってるみたいでした。上演後、ゲッベルス、ディートマー・ヴィースナー、キャサリン・ミリケン三氏によるトークも聞いた。そこで、緻密に作られた舞台だが、偶然を織り込んだ部分もあることに対して質問があったとき、サックス奏者が病欠されていたことが明かされた。また、テニスボールがもし客席に転がってきたら、客席から金属板に投げようと思っていたが、いいでしょうかというひとには今までそんなことはなかったが歓迎すると話されていた。

 雨は止んでおらず、バス停には列ができていた。そのまま歩いて、銀閣寺道交差点近くの好きなパン屋さんでパンを買い、食べながらさらに南下して「ホホホ座」に。気になっていた「早稲田文学増刊 女性号」があったので購入。他にもいろいろあったのだけど、ここではいつも迷う。錦林車庫前からバスに乗って、四条に戻った。河原町で降りるか、烏丸で降りるか迷って、烏丸にかけてみたのだけど、探しものはなかった。

 今週は、盆休み前には完了していたものの、調整や追加削除を重ねていた作業がやっと一段落した、と思っていたら、なにやら急にどやどやと新しい課題が出てきて、その対応に追われた。相変わらず、方針として残業しないようにしているけれど、ある作業の窓口は残業対象にならないぎりぎりの時刻まで開けている。それから片づけ始め、翌日の準備としてやっといたほうがええかなということをやっていたり、片づけ中に「窓口」に入ってきたことに対応しているするので、まぁ、そこそこの時刻にはなる。片づけに要する時間が長すぎる、んやな。

 火曜日の帰りに、ツイターを見ると、複数のひとがある人のことを話題にしているので、ざわついた。時間を遡っていくと、訃報にいきつくことが多いから。そうなのだろうか。と思っていたら、そのひとに近いひとが誤報である旨発表されていたので、少し安心した。水曜日の朝、出かける前に『史上最長寿のロックンローラー』(わたしが持っているのは「小さな」アナログ版)をひっぱり出して、「帰ったら聞こう」と思っていた。その朝早くに、遠藤賢司さんが亡くなられた、と仕事帰りに知った。
 エンケンさんのことをつらつらと思い出していたら、「おはよう朝日です」で「宇宙防衛軍」を歌ってたなぁ、とか、レコードでは「水金地火木土天海冥」だったのを発売後は「水金地火木土天冥海」と歌ってたなぁ(99年以降はどうだったのだろう)、とかカラオケで「ザ・ガードマン」が遠藤賢司名義になっていたのでうれしくてつい歌ってしまった、とか、要するにわたしにとっては『東京ワッショイ』(1979年)と『宇宙防衛軍』(1980年)がいちばん近しいんやなと改めて思った。ライヴにもよく行ったけど、このところは行ってなかった。ある時期、忙しかったり胃痛がひどかったりして、行けないことが続いて、敷居を高くしてしまったのでした。

 10月18日には、マッチング・モウル、ハットフィールド・アンド・ザ・ノース、ナショナル・ヘルスのギタリスト、フィル・ミラーが亡くなっている。ジャズの要素が強い迷路的な入り組んだメロディやハードロックな粘り気のあるリフが印象的で、個性としてはそんなに惹かれてはいなかったのだけど、それらの狭間のように、"Calyx" や "The God Song" といったリリカルな曲もある。前述のバンドの音には不可欠だった。

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2017 Kijima, Hebon-shiki