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2017年2月12日〜2017年2月18日
2月12日(日) | 【▼ぐりぐらメモ/2017年2月12日】
先週の通勤読書の一冊は「スペクテイター」(特集=赤塚不二夫 創作の秘密)。いちばん印象に残ったのは、吹き出しの中の文字について、枠との隙間を計って書いていたという話(河口仁氏へのインタビュー)。そのことをおそらくアシスタントたちに、指示としてではなく、心得のようなものとして伝えていたことがうかがえる。編集者との共同作業がよく知られているひとだけど、絵や漫画そのものについては編集者任せにはしていなかったのではないか。そうした視点での質問と応答はないけれど、スタッフやアシスタントとの連携で絵が仕上げられていく様子をいろんなひとが語っている。自分ひとりでできたであろうこともあえてやらなかったようだし、スタッフが作り出したものでも、結果として面白くなればそっちをとる。任せてしまう。ただただ作品のために。それがどうして晩年の失速につながってしまったのか。読んでいると、そのひっかかりがどんどん重くなっていく。 トキワ荘グループの石森章太郎、藤子不二雄に比べると、うちには赤塚不二夫作品はほとんどない。でも、漫画をよく読んでいた1975年までは『レッツラゴン』や『天才バカボン』をよく読んでいたし、小さな頃は『もーれつア太郎』時代であって、いっときニャロメの言葉遣いが伝染ってしまって親を心配させたことはいわゆる黒歴史としてある。一回きりでも強烈なインパクトがあったから、単行本を買うということを考えなかったのだと思う。 午後から京都に。探しものをしたり、「かもがわカフェ」で一服したりしつつ、三条から丸太町、神楽坂通から黒谷通をつたって、寺がたくさん建っている小山を越えて、白川通に。京都市バス錦林車庫向かいの「外」でのNRQのライヴを聞きに行った。 去年の秋に、空間現代が制作工房兼公演会場としてオープンさせた「外」は、「ホホホ座」に行く前に前を通りがかるものの、中に入るのは初めて。細い通路を通って、案内された小部屋の扉を開くと、50人ほどのスペースが。天井は低いけど、整然としているので圧迫感はない。
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2月13日(月) |
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2月15日(水) |
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2月16日(木) |
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2月18日(土) | 【▼ぐりぐらメモ/2017年2月18日】
自宅最寄駅の前のイートインコーナーがあるコンビニが通販の受け取りに指定できるようになっていた。何も買わないでコンビニで通販物を受け取るのが申し訳ないので、イートインコーナーがあると、少なくともコーヒーは飲めるので助かる。家の近くにもう一軒、片隅にわずかにイートインコーナーがあるところもあるのだけど、ほんの少しではあるけれど遠回りになる。という訳で、そこを指定して頼んだものが到着したので、金曜日の帰りに寄った。のだけど、ちょいと残業で遅くなってしまい、改札を出ると、既にイートインコーナーが暗くなっており、椅子が机にあげられていた。コーナーが開いているのは21時までなのでした。紙コップコーヒーを飲みながら、証拠隠滅をはかり、手にしたものをしげしげと眺めるという計画成らず。ざんねーん(倉地久美夫さんの「ベストカメラ」に出てくる「ばんざーい」の節で)。 届いたのは、ナナ・ヴァスコンセロスがサラヴァから出したアルバム2枚をカップリングした "NANA VASCONCELOS"、ロビン・ギブがビー・ジーズを一時脱退していたときに発表したソロアルバム "ROBIN'S REIGN" に、未発表作 "SING SLOWLY SISTERS" のための録音、デモやアウトテイク、BBC出演時の録音などを集大成した "SAVED BY THE BELL: The Collected Works of Robin Gibb 1968-1970"。 後者は輸入盤が安くなっていたのでそれをと思ったら、日本発売盤も少し割引になっていて300円ほどしか変わらないので、そっちにした。ライナーノートの翻訳のほか、"ROBIN'S REIGN" の当時出た日本盤『救いの鐘』の独自カバーをあしらったカードが付いている。ロビン・ギブのソロアルバムのことを知ったのは、そんなに昔ではなく、「MOJO」誌で紹介されているのを読んで。アルバムに収められていたのが実は抜粋版で、今回初めて全貌が収められた曲もある。45年なら、まだなんとか当時のファンのひとも聞いているかもしれない。 前者は、ナナ名義の1972年のアルバム "AFRICADEUS" と、ネルソン・アンジェロ、ノヴェリとのトリオによる1974年の "NANA-NELSON ANGELO-NOVELLI" に、1974年のライヴ録音2曲が追加されている。2016年3月9日に日本公演を前にして亡くなった彼の一年遅れの追悼になってしまったけれど、このCDは来日を記念して再発されたもので、帯にはエグベルト・ジスモンチとのデュオの公演の告知が掲載されている。以前発売されたCDは、2枚のアルバムカバーをオーバーラップさせたデザインで、そのことで買うのを躊躇っていたのだけど、今回はブックレットの表1、表4にそれぞれの表を配したかたちになっている。ただ、内側はそれぞれの裏ではなく、どうも "AFRICADEUS" の一部であるように思われる。フォロンのイラストをあしらった "NANA-NELSON ANGELO-NOVELLI" の裏はネットにあげられているものからすると、どうも赤一色らしい。それにしても、フォロンのイラストはかつて何故あんなに馴染みのあるものだったのだろう。好きだったのに、何がきっかけだったのか思い出せないでいる。ボーナストラック2曲のうち、1曲は "DITES 33 VOL.1" として発売された "VAISON-LA-ROMAINE/CARPENTRAS 72" に収められていた "Kirie Elei Son" だけど、もう1曲の "Improvisation" はそこには収められていない。ここが初出なのだろうか。 きょうの行き先は五条ということで、あまり行くことがない五条を西から東に向かって歩くつもりにしていたのだけど、二時の壁に阻まれ、出るのが遅くなってしまった。しかたなく、河原町から。
河原町通から2本東の筋、五条通を少し「上がった」ところにある「CAFEすずなり」での「ぐぜり野音楽会」に。出演は、冬支度+藤江隆トリオと長野友美さん。冬支度にエレクトリックギターの藤江さんが加わったトリオ編成はしばらくお休みということで、その前に聞いておきたくて。企画した長野さんによると、「ぐぜり」というのは子供の鳥の練習中の鳴き声のことだそう。練習という訳ではなくて、春を迎える準備のような意味あいを込めて、名付けられたとか。
休憩をはさんで、長野友美さん。去年、よしこストンペア企画で聞いたときにぞくっときた歌は、「めばるつり」という歌でした。3月1日に発売される新しいアルバム『時のたてがみをつかんで』にも収録されているようで、うれしい。最初、マイクを通さずに(どうも意識せずに、らしい)1曲歌われたのだけど、いちばん後ろにいたわたしにもしっかり届いていました。その曲、「海の中の海」もとてもよかったのだけど、それは入ってないみたい。長野さんの歌に「再会」するきっかけになった「春への落下」も聞くことができた。そう言えば、「再会」は、冬支度の安田さんが演奏映像をツイターで紹介されていたことからでした。歌の世界がものすごくしっかりしているだけに、途中で思い立ったかのようにアルバム発売記念ライヴのチラシを配り始めたりする素の部分のなんの計算もない正直さも楽しい。
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2017 Kijima, Hebon-shiki