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2017年1月29日〜2017年2月4日


1月29日(日) 【▼ぐりぐらメモ/2017年1月29日】
 きのうの書き忘れ。KBS京都「レコ室からこんにちは」の選曲担当はアーボリスト/樹木医の小林仁氏。木曜日は、小笠原諸島で仕事をされていることから、小笠原諸島の風景に合う曲ということで、「レモン林」がOkeiさんという歌手のバージョンで。リング・リンクスのバージョンで知った曲です。本土と小笠原諸島を結ぶ船が着くときに流れるのだそう。最後にかかった東風(こち)の「春待恋花」は沖縄のひとたちのようだけど、小笠原でもライヴをされているのかな。そんな書き込みも見かけた。

 14時からのFM大阪「山下達郎 サンデー・ソングブック」は、面白いだろうとは思うのだけど、ふだんは睡魔に勝てず眠ってしまっているか出かけているかで聞いてない。のだけど、今日は“『NUGGETS』で棚からひとつかみ”ということで、ガレージパンクについての山下達郎さんの話は聞いてみたい、と。最初はやはり出かけるつもりで、留守録をしかけていたのだけど、出るタイミングを逸してしまい、ちょうど老母もその時間帯に部屋に引っ込んだこともあって、スピーカーで鳴らして、聞いた。押しあるのみの連続に「疲れた」と苦笑しながら次々にかけていた。いや、その、この番組でかかる古い曲を山下達郎学校課題曲のように「習得」するひとたちがいるのだろうなと思えることも積極的に聞けない原因のひとつなのだけど、ガレージパンクだとそうしたひとたちを意識しなくて済むのが痛快で。ラジオの向こうのリスナーを想像する必要はまったくないのだけど。
 最近、"NUGGETS" の復刻盤が廉価版で日本発売されたばかりということで、その関連プログラムだったのだけど、今回は、新たな独自編集の2枚が同時発売になっている。そこからも1曲、アレン・パウンズ・ゲット・リッチ "Searchin' In The Wilderness" がかかったのだけど、彼らはイギリスのバンド。なんで?と思ったら、アートウッズやクーバス、キング・クリムゾンの前身のひとつ、ブレインなんてところも入っている。あれこれ見ていたら、新編集の追加盤はどうやら当初、アメリカ編2枚、イギリス編1枚が予定されていたものの、イギリス編が企画中止になったみたい。それでイギリス編の中から数曲が2枚に振り分けられて収録されたということのようだ。

1月30日(月)
[一回休み]
1月31日(火) 【▼ぐりぐらメモ/2017年1月31日】
 ファミリー、キング・クリムゾンのベーシスト、ジョン・ウェットンの訃報。"RED" でのにやにや顔のせいか、72年クリムゾンの中では異分子の印象がある。学究肌ではなく、フィジカルに張り合うタイプで、"EARTHBOUND" に記録されているフリップと他のメンバーの離反を思うと、離反組に近い。にもかかわらず、72年クリムゾンの叙情面を担う中心的存在だったことが不思議でした。

 ファミリーの音を知ったのは、もともと、ラジオのクリムゾン特集でウェットンが参加していたバンドとして紹介されたことから。そのときにかかった "Coronation" のエレピとヴァイブラフォン、スライドギターやシンセサイザー、ストリングスが慎ましく絡むゆったりとした優雅なリズム&ブルースに痺れた。ファミリーではメインで歌うことはほとんどなかったけど、ウェットンが参加した "FEARLESS" と "BANDSTAND" は、ファミリーの音楽の良さが、無駄なく、繊細かつ力強いかたちで凝縮された作品になっていると思います。
 定額制配信にあった "BANDSTAND" 40周年記念版には没テイクが収められていて、なんというかベーシックトラック録音後だからさまになっているものの、やるにはやってみたけどいまいちだったので途中で止めてほったらかしにしたと思われる「出さんでもいい」ものではあるのだけど、最終形がいかに取捨選択して詰めて仕上げられたものかを実感することになった。"Bolero Babe" だけは "Holding The Compass" からの展開であることを思わせるリハーサルテイクで、まったくちがうメロディの管楽器で奏でられているのが面白かった。

2月1日(水)
[一回休み]
2月2日(木)
[一回休み]
2月3日(金)
[一回休み]
2月4日(土) 【▼ぐりぐらメモ/2017年2月4日】
 先々週に続いて、「難波ベアーズ」へ。いかめがねすーすー企画「Aini-IKA-Night Vol.4」。出演はいかめがねすーすー、オール電化ひょうたん、カラフトワーク、丸首兄弟、PIPONS。テクノポップ…とはなにかを問う、いや、問うてはいないのだけど、幅の広さやいろんな角度を楽しむことになりました。
 いかめがねすーすーは、ハードコアなパンクをやってるのかなと思っていたのだけど、ポストパンクを下敷きにして、目に見える範囲の出来事を、動物やあれやこれやを擬人化して描いていて、ということは、やはり、つぼたくんの漫画と地続きというか、変わりないのでした。でも、ポストパンクのツボを踏んだり、踏み切れなかったりするのも楽しく。
 自家栽培したひょうたんを加工した自作ひょうたん楽器を使ってクラフトワークの曲を演奏するオール電化ひょうたん、「冒涜」と言うのがいいな。「リスペクト」よりも。好きなもので好きなものを鳴らしたいという結果を考慮しない潔さもありました。
 カラフトワークも、クラフトワークの曲を、こちらはグランジ風に。クラフトワークの曲は実はメロディは馴染みやすいので、どうやってもクラフトワークでありつつ、そっち方面の演奏も生きる、ということを改めて。

 PINPONSは、さっぽろももこ(ex. RIKA)さんのバンドで、大阪でのライヴはPINPONSとしては初めて。ゲーム仕事で作られた楽曲などを収めた自作盤をコミケで発表されているのだけど、その名義でバンド活動もされていることを知ったのはいつだったか。RIKA名義で発表していた曲もレパートリーにされていたりして、動画を見ながら、見たいなと思っていました。
 今回はギター、ベースとのトリオで、一部カセットから起こしたカラオケも使いつつ、最近の曲、RIKA名義の曲、ゲーム提供曲と新旧取り混ぜて。フランスのポップスやロシア民謡といった異国情緒、クレイジーキャッツのユーモアの影響が感じられるメロディ、微妙なところにあえて踏み込む詞の匙加減など、持ち味は変わらない。ステージも、落としつつ、さっと切り換えるスマートさ。楽しかったです。

 難波に向かう前に、梅田に寄って、買おうと思っていたシングル盤を探しに行ったのだけど、どうも買い逃したみたいだ。うーん。そこで別の店に行ったりしたため、時間がなくなり、予定がぐだぐだになってしまった。書籍コーナーが縮小されていたマルビルの店で、「スペクテイター」38号(特集 赤塚不二夫 創作の秘密)購入。バスで移動して、北堀江の南端「アオツキ書房」に寄り、「三ツ沢通信」栗鼠冬号と、読もうと思いつつ後回しになっていたデイヴィッド・グラブス『レコードは風景をだいなしにする』を。
 北堀江から難波に移動。最初は、いつもとちがう、西から「ベアーズ」に至るルートを行ってみようと思っていたのだけど、先々週の難波からの帰りの積み残しを思い出して、いったん東側に。ひとつは「なんばCITY」の「新星堂」、オーマガトキから発売されたピアソラが残っていないか、と。なかったけど、ピエール・バルー "VIVRE " のジャケ違いがあったことにぴっくり。それから南に向かいつつ、途中の古本屋でジル・ドゥルーズ『差異と反復』をピックアップ。読んだことは読んだので持ってる気になっていたのだけど、図書館で借りて、だったみたいで。

 今週は年明け最初のヤマでした。次期の準備はは全部後回しにして、なんとか収めた、つもりが、全体的な遅れから、最終の検印に至らず。家の用事のために月曜日は休みをとったのだけど、用事が終わり次第、出社して、検印後の処理だけやることになってしまった。

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2017 Kijima, Hebon-shiki