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2016年11月13日〜2016年11月19日


11月13日(日) 【▼ぐりぐらメモ/2016年11月13日】
 隣市での片渕須直監督『この世界の片隅に』の午後の回にすべり込みで間に合う。主人公が見たもの、過ごした時間が、積み重なっていて、あるとき、ぎゅっとよみがえる。見ているこちらも、同じように。よみがえることに焦点があるのではなくて、そのときどきがあるということがそのことでわかる、でも、それもひとつの「そのときどき」であるということが実感できる映画でした。
11月14日(月)
[一回休み]
11月15日(火) 【▼ぐりぐらメモ/2016年11月15日】
 きのうの朝、世を忍ぶ仮のApple Musicで、ピンク・フロイド "CRE/ATION (THE EARLY YEARS 1967-1972)" を、でかすぎる携帯音声ファイルプレーヤー(またの名をiPad mini)に仕込んで出勤。落ち穂拾い的集大成ボックスセット "THE EARLY YEARS 1965-1972" のダイジェストで、ひさしぶりに、というか、聞き始めてから初めて手に入れやすい形で再発された "Point Me At The Sky" 他の初期のシングルからいくつか、BBCセッション、映画『砂丘』のための未発表録音、『ラ・ヴァレ』サントラからいくつか、それとライヴ録音を収録している。行き帰りで、2枚組をほぼ聞き終える。聞いてしまうなぁ。40年前と変わらずというのはどやねんと思うけど。シングルは網羅されている訳ではないけど、それだけに "Paintbox" が採られているのがうれしい。初めて買った彼らのレコード "RELICS" で出会って大好きになった曲だから感慨深くて。ビートルズ関係以外で買った最初のレコードでもある。中三になって同じクラスになった容姿端麗、頭脳優秀、運動神経抜群のしーちゃんには「ええのが他のやつに先に買われてしまったから(それを選んだの)か」なんて言われてしまったけれど。ちがうんよ、最初に買うならこの廉価盤的な編集盤と決めていたのだ。ラジオで聞いて入れ込んでいた "See Emily Play" や "Careful That Axe, Eugene"、"Julia Dream" が入っているし、その時点では聞いたことがなかったけどデビュー曲ということで興味津々だった "Arnold Lane" が入っているのだ。アルバムからの選曲もとてもよかった。
 で、帰宅したら、大きな箱が玄関に置かれていた。落とし前シーズンというか、レコード買い始めて40周年記念ということで許してください。て、誰に許しを乞うているのか。会社にバレたら、それで代休に振り替えなかったのかと疑われそうだ。

 大きな箱。早割があるというのでずいぶん前に発注したときはイメージできていなかったのだけど、それは通販会社も同様のようで、いつものようにコンビニ受取にしていたら、先週の金曜日にメールが来ていて、コンビニ受取はできない、別の配達先を三日以内に連絡せよ、でなければキャンセルするという。一時は、いや、もうええわ、縁がなかったということだとなすがままのキャンセルも考えたのだけど、思い直したのでした。
 本体はそんなにでかくない。業務用ビデオテープのようなケースが7個並んでいて、それぞれにCD、DVD、BDが数枚ずつ収められている。別に当時のポスターやパンフレット、シングル盤4枚の複製が入った箱があり、その二つを組み合わせることででかくなっているのだ。シングル4枚はうれしいけれど、メモラビアは複製より資料として本にまとめられているほうが好きなので、溜息。

 CDが10枚、DVDが9枚、BDが8枚。CDの最初の2枚がシド・バレット在籍時のもので、シングル、アルバムからの抜粋に加えて、1965年の録音、BBC出演時の録音、ライヴ録音、未表録音から成る。CDの3枚目はデイヴ・ギルモアが加入して再始動した1968年編。"Point Me At The Sky" 他シングル曲、未発表録音の他はBBC出演時の録音。CDの4枚目と5枚目が1969年編で、映画『モア』用録音の未発表分、BBCセッションにアムステルダムでのライヴ録音で1枚、文字のみで知っていた "THE MAN/THE JOURNEY"ショウのライヴ録音で1枚。CDの6枚目と7枚目は『原子心母』と『砂丘』の1970年編。ライヴ録音とBBCセッション、『砂丘』の没曲が収められている。CDの8枚目、1971年編は "Echoes" の原型のひとつとBBCセッション。9枚目の1972年編は、既に "THE DARK SIDE OF THE MOON" の制作に入っていて、素材が少ないためか、"OBSCURED BY CLOUDS" 全曲のリミックス版のみ。最後のCD 10枚目は、流れから漏れた分の補遺編で、BBCセッションや1974年のライヴ録音を収録している。それとプレスミスらしいのだけど、9枚目に間違って "LIVE AT POMPEII" の音が入ってしまったとかで、外に正しい盤が付けられて交換するようになっていた。つまり、11枚目として "LIVE AT POMPEII" が入っている勘定。ほんまにミスなんかなぁ。
 映像編も、時期に合わせて、集められていて、音楽を担当した映画『モア』『ラ・ヴァレ』『コミッティ』まで全編入っている。東芝盤に付いていた立川直樹氏作成の年表に記されていて、どんなんやろなぁと想像していたあれこれが実際に手元にあるというかんじで、不思議な気がしています。

 書き忘れてたこと、というか、書き忘れていても差し支えないのだけど、先週の水曜日に、右手の中指の爪の先がはがれてびっくりした。少しのびていたのは確かだけど、布団のほつれた糸がひっかかって、そこから。

11月16日(水)
[一回休み]
11月17日(木)
[一回休み]
11月18日(金)
[一回休み]
11月19日(土) 【▼ぐりぐらメモ/2016年11月19日】
 たくさんレコードが届いたので、とりあえず帰るのが待ち遠しい。帰っても、すぐに音楽が聞ける訳ではないのだけれど。母親は気軽に外出できず、ひとと話す機会があまりないので、わたしが居る間は、できるだけ話すようにしているけど、インプットが限られてくるからか、勘違いや思い込みが多く、「ちがうよ」と答えることになるのがつらい。なんでそう思ったの、と訊ねるのもなんだかイジワルなかんじになってしまうし。このひととこのひとを混同しているからではないか、とか、役者に対する先入観で言ってないか、とか思い当たる節を解くことを試みたりもするものの。外に向かって何かを話す訳ではないひとが、勘違いしたり思い込んだりしていても、何の支障もないのに、訂正せずにはいられない。うーん。(ただ、身内に、わたしについての勘違い話をされて、困ることはある。ひどいときは、みなの面前で否定しなければならず、またつらい。)
 興味がひろがるかと思って、「このひとは、あのドラマに出ていた誰それさん」てな話を振ってみるのだけど、見ていたはずのドラマや役どころを覚えていないことも多く、「あんた、そういうこと、よぉ知ってるねぇ」と感心されるのだが、なんだかテレビばかり見てるやつみたいではないか。

 ひさしぶりに京都で自転車を借りて走り回る予定にしていたら、雨の予報。路線バスの旅をするとして、どのルートでと思い巡らしながら用意をして、さて、出ようかという時に揺れた。大きくはないけれど、長く。収まるのを待って、外出。
 出るときには雨は止んでいた。電車の窓から外を見ていて、京都に近づいても大丈夫そうなので、やはり西院で自転車を借りることにした。

 最初の目的地は、「左京図書館」。「カナート洛北」の少し南にある。そこで、西院から西大路通を北上し、金閣寺近くで北大路通に入り、そのまま鴨川、高野川を渡ることにした。ところが案の定、高野橋を渡ったところで、南に行くべきところ、北に向かってしまい、途中で気づいて戻ったが「カナート洛北」からどれくらい離れていたかの感覚を失ってしまっていた。しばし周辺をぐるぐるすることになってしまった。
 ようやく見つけた「左京図書館」で、切り絵作家のモチメさんこと、望月めぐみさんが表紙を担当された宇野日出生著『京都 左京 あゆみとくらし』を受け取った。ウェブからPDFが入手できるのだけど、できれば冊子のかたちで手にしたいと思い。

 ひさしぶりなので、「恵文社一乗寺店」に。遅い昼食をとったのち、百万遍の交差点経由で、「トランスポップギャラリー」へ。今日はやけに学生が多いなと思ったら、学祭やったんですね。「トランスポップギャラリー」では、「ポポタム」発行のマンガ誌「ポポコミ」に参加されている作家の展覧会。嶽まいこさんやさかたきよこさん、ますこえりさん、高橋由季さんら、よく見かけるひとたちの作品を展示。嶽さんの静謐な絵が好きです。ますこえりさんのぼんやりした佇まいも。「ビール冷えてます」ポストカードを買ってしまった。さかたきよこさんが画を担当されたダーチャ・マライーニ著(望月紀子訳)『ひつじのドリー』(未来社)も購入。

 それから、浄土寺の「ホホホ座」に。いつもとちがうルートで。少し南に行き過ぎてしまった。「ホホホ座」では、コロイドのミニアルバム『粒粒』、森元暢之『「ぴあ」の時代II』(湯気カンパニー)、見つけたらそこで買うと決めていたのに店頭で見かけることがなかったGUIROの『ALBUM』を。

 白川通を下って、河原町通、四条通を回避して、西院に戻ろうと思ったのだけど、東山通に入らないと離れていってしまうので、動物園のところで、西へ。しかし。東山通も、観光地のオンパレードなのであった。歩道はひとで埋め尽くされ、停留所では身動きとれず、側道を進むのもままならず。ようやく七条で西へ逃れ、となれば、大宮のブックファーストに寄ろうと大宮通で北へ。途中、ヒゲの未亡人のライヴが行われている「ブルーアイズ」の前を通った。こっちでもよかったか、と思いつつ、大宮「ブックファースト」に寄って、そこからは空いている四条通を通って、西院へ戻った。

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2016 Kijima, Hebon-shiki