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2016年11月6日〜2016年11月12日


11月6日(日) 【▼ぐりぐらメモ/2016年11月6日】
 なんやかんやの用事が2時過ぎに落ち着く標準仕様の日曜日。「2時の壁」にへたりこんでしまわないうちに、気晴らしに出かけることに。
 知人から「ディスクユニオン」大阪店で2千円以上買うとホセ・ゴンザレスのライヴ招待に応募できるという耳寄りな話を聞いて、ちょうど11月3日の「レコードの日」アイテムで、坂本慎太郎・VIDEOTAPEMUSIC「バンコクの夜」12インチやVIDEOTAPEMUSIC「Kung-Fu Mambo」7インチが出ていたはずだと、「ディスクユニオン」へ、まず。この12インチと7インチの発売はまだだったのだけど。豆異℃の二枚目にして最後のアルバム『豆異℃ II』があったので、それを。それと、ずっと買おうとしては個人的に設定した条件が整わず見送っていたキング・クリムゾン "DISCIPLINE" の40周年記念版が中古で出ていたので、それも。しかし。二千円以上のはずが、レジで何も渡されず。店内で告知を探してみるも見当たらず。対象商品が限られているのか。もう終了しているのか。会員でないとダメなのか。

 茶屋町のマルジュンに寄って、「フリースタイル」33号を購入。いつも何処に置いてあるかわからないくらいなのに、今日は、平積みされていた。森卓也さんの『コラム・クロニクル 1979-2009』発刊に合わせて、森卓也さんへのインタビューと刊行に寄せられたエッセイがメイン記事。

 十三に移動して、「第七藝術劇場」で江口純子監督『過激派オペラ』を。「スカパー」の無料放送での『帰ってきた時効警察』『深夜食堂』で、続けて、小出さんを見たこともあり。江口監督は劇団「毛皮族」主宰。見たことはないし、よくは知らないのだけど、「毛皮族」ファンが身近に居たので、気にはなっていた。この映画は、劇団「毛布教」の共同作業や確執の顛末を描いたもので、小出さんは後先をほとんど考えずに突っ走って、結果として劇団を崩壊させてしまう主宰者を演じている。ひたすら突っ走ってる。ダメな男のように見えるところもある。役者の女の子に迫っても、センシティヴなところがまったくなくて、ほたえてまくっていて。小出さんの魅力とは言えないかもしれない。この役にだけ絞り込まれた人物像だから。物語の中では懲りている様子もない。暗雲がたれこめているはずなのに。「過激派オペラ」は、劇中で制作される演劇のタイトルだけど、内ゲバのような崩壊に向かっていく点で図らずも(登場人物たちにとっては)自分たちの姿を映し出した題材になっていた。

 帰宅途中で、コンビニに寄り、到着してしまった通販注文品の受け取り。コリン・ニューマンの初期ソロアルバム3作 "A-Z"、"provisionally entitled the singing fish"、"NOT TO" の増補版。まとめて買ったらかなり安くなったから。

11月7日(月)
[一回休み]
11月8日(火)
[一回休み]
11月9日(水)
[一回休み]
11月10日(木)
[一回休み]
11月11日(金)
[一回休み]
11月12日(土) 【▼ぐりぐらメモ/2016年11月12日】
 週の前半は綱渡りだったけど、後半はバタバタしつつも比較的余裕があり、あれこれ準備するモードになってました。最近起きたミスを防ぐための対策を協議した結果、「最後にきじまが見る」ことで合意したということで、担当業務が少し増えることが決まりましたが。わたしが自分と同僚のためにこっそり作っておいた内部資料が、釈明の際に、わたくしになんのことわりもなく先方に渡されていて、それが決定的だった模様。そうやって苦しまぎれのように渡してしまうところが信用なくすとこだと思うのだけど。

 という訳で、金曜日に定刻であがれそうなかんじになったので、行くかもしれないツイートを水曜日の夜に。ツイーターは本人が同層に居るので、なかなか迂闊なことができない。イベント告知の回覧(リツイート)にしても、ああ、これは知り合いなら行くかもしれないと思い、知らせるつもりでするのだけど、回覧というよりは呼びかけのように受け取られがちで、「俺はこれに行くぞ」という宣言のようになってしまう。予約したのに会議が長引いて行けないわ、断りの電話も入れられないわということが何度かあって以来、目処が立ってからでないと予約を入れないようにしているのだけど、情報回覧の時点で同じことが起こってしまうのでした。

 ともあれ、金曜日は定刻であがり、通勤路は使わずに京都三条に。それにしてもつなぎがわるくて、途中なんども乗り換えることに。木曜の夜にあまり眠れなかったので、電車の中で一眠りしておきたかったのだけど、ようやく座ることができたと思ったら、うつらうつらし出したところで到着。開演時刻にはわずかに遅れるけれど間に合ったと思ったら、19時からではなくて、19時半からで、「わからん屋」にはいちばん乗りになってしまった。

 「おばのさいふとはなんぞや2016秋」は、富山在住の大谷氏&とっちゃんデュオを迎えたよしこストンペア企画で、長野友美さんも出演されるということで、ちゃんと聞いたことがなくて、ちゃんと聞いてみたいと思っていた大谷さんを聞くのにとてもよい機会だと思い。よしこストンペアもしばらく聞いていなかったし、「わからん屋」はひさしぶりだし。
 最初に、よしこストンペア。たくさんのひとが親しめるポップスのフォーマットを踏まえながら、そこからはみ出るひらめきのあるメロディーがそこここにあって、はっとさせられる。声や演奏にとどまらないからだの動きもとても楽しい。ピアノの音にはっとさせられたのだけど、思えば、よしこストンペアをライヴハウスで見るのは初めてなのでした(最初が茨木市の商店街、次が高津宮、それからなかい山)。ライヴハウスにはライヴハウスならではの自由度があるのだなと実感しました。
 長野友美さんも、場所に合わせてか、古謡を思わせる曲が多かった印象。迷宮に居るかのごとくなのだけど、佇まいに迷いがなくて、わくわくする。それでいて、とぼけたかんじもある、という。
 大谷氏&とっちゃん。氏とちゃんが折り込み済みだと呼びにくいですが、ギターとキーボードのデュオ。とっちゃんもソロで、大谷氏とはまたちがった歌を持っていて、そのコーナーもありました。ふと言いかけた言葉、聞きかじった言葉が謎で、言い終わるのに聞き入ってしまうということがあるけれど、大谷さんはその言いかけたかんじを、ま、いいやとは終わらせずに、歌にされていいます。流麗ではないけれど、なぜだか気になってしまう。まさに「なんぞや」の世界でした。特に気になった「セロテープ」と「クローン牛」が入った『保存盤』を購入。楽しい秋の夜になりました。

 きょうもいろいろ迷ったけど、ひさしぶりに井上智恵さんとチチ松村さんを聞きたいと思い、「アオツキ書房」での「珍味スペシャル」。知らなかったのだけど、既に何回か行われている企画で、良元優作さん、泊の山田参助さん、武村篤彦さん、それに井上智恵さんの四人によるユニットで、曲はそれぞれの持ち寄りだけど、仕込みをきちんとやって披露する会なのでした。そこにゲストでチチ松村さんが入る、という味な企画。知ってる曲も初めて聞く表情がうかがえるかんじで、楽しかった。特に、井上さんが間違えて、早いうちにやってしまい、アンコールでもういちど演奏された「#8」。あのメロディーが良元さんの骨太ギターで奏でられ、山田参助さんが歌うというかっこよさ。チチ松村さんの緑がらみの暗い歌シリーズも、哀しくツッコミたい曲ばかりで、なんとも言えないかんじに。なんともいえないけど、くせになるから珍味なんやね。

 水曜日、インフルエンザ予防接種を受けるために午後にクリニックに行くと、テレビでアメリカの大統領選の開票中継をやっていた。その時点で、トランプ候補が大勢を占めていた。夕方、携帯電話のワンセグテレビで確認すると、トランプが次期大統領に決まっていた。これ以上悪くなりようがないという考えに取りつかれているひとたちに、これまで積み上げてきて、彼らをも助けてきたはずの事柄を語り、それらを許しがたい状況とともに葬るのは、さらに悪くすることになるかもしれないと語ったとしても、聞いてもらえそうにない。大統領が言ってるんだから、といっても、ではいままでの大統領の言うことに従ってきた訳ではないだろう。これからこそ、配慮や階層を示すものとしてではなく、コレクトネスについてきちんと考えて、表明していかなくてはならないのではないか。メッセージと、支持政党・勢力の表明とは別。メッセージを出すことと実現することのどちらが大切か。出すことのほうだ。実現のために、メッセージを出すことを封じるのはナンセンスだと思う。

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2016 Kijima, Hebon-shiki