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2016年10月30日〜2016年11月5日


10月30日(日) 【▼ぐりぐらメモ/2016年10月30日】
 朝早くに目が覚めて、夜が似合うウィークエンドの "LIVE AT RONNIE SCOTTS" のチェリーレッド版CDを聞いた。よかった。ウィークエンドのCDは、発売されるたびに編集が異なり、そのときどきの思惑と反りが合わなくて、逃し続けていた。アナログ盤を持っているからいいや、と。中古盤で安かったからという消極的かつ申し訳ない理由だけど、少し前に "LA VARIETE" を手に入れて、CDが揃ったので、複数の編集について整理しておく。

 1986年に徳間ジャパンから出た "LA VARIETE" のCDは、LPに2枚のシングル "The View From Her Room" と "Past Meets Present" の7インチバージョンAB面の4曲を追加したものだった。最初のシングル "Drumbeat For Baby" はAB面ともアルバム収録曲なので、12インチバージョンを除けば、スタジオ録音は揃うのだけど、"LIVE AT RONNIE SCOTTS" は見送られた。
 1990年に本家ラフトレードからようやく "LA VARIETE" のCDが発売されるもオリジナルフォーマットを崩した編集盤だった。最初に前記のシングル2枚AB面を収録、さらに "Drumbeat For Baby" の12インチバージョンが入っている。続いてアルバム本編に入るはずが、"The End Of The Affair" を何故かカット。最後に "LIVE AT RONNIE SCOTTS" から1曲 "Where Flamingoes Fly" が収められている。
 2000年にヴィニール・ジャパンから発売されたCDは、LPに、やはりヴィニール・ジャパンから発売された "THE '81 DEMOS" の4曲を追加したもの。ヴィニール・ジャパンからは2003年に補遺として "ARCHIVE" が発売されている。これは "LIVE AT RONNIE SCOTTS" の5曲に、3枚のシングルから"Weekend Off" を除く5曲("A View From Her Room" と "Drumbeat For Baby" は12インチバージョン)を追加、BBCセッション6曲を初収録している。発売時も、上記と同じように検討していたのに、何故だか、買っていない。見つけられなかったのだろうか。

 チェリーレッド版は、"LA VARIETE" に "THE '81 DEMOS" から "Drumbeat For Baby" を除く3曲、"ARCHIVE" 同様、3枚のシングルから"Weekend Off" を除く5曲("A View From Her Room" と "Drumbeat For Baby" は12インチバージョン)を追加。"ARCHIVE" 収録のBBC録音のうち4曲は、チェリーレッド版の "LIVE AT RONNIE SCOTTS" に収録された。謎なのは、"LA VARIETE" と "LIVE AT RONNIE SCOTTS" の両方に、"A View From Her Room" と "Drumbeat For Baby" の12インチバージョンが入っていること。後者に入れるのであれば、前者では、"A View From Her Room" 7インチバージョンと "Drumbeat For Baby" のデモ版を収録すればよかったのに。

 …といい気になって整理してみたけど、"THE '81 DEMOS" を聞き返そうと、箱を見て、絶句。"LIVE AT RONNIE SCOTTS" のCDがそこにも。5年前に買ってた。やってもたー。

 きょうも体調いまひとつのため、スカパー無料放送で『あまちゃん』やら『帰ってきた時効警察』やら『深夜食堂』やらを見たり、ここ数日で気になっていたCDを取り出して聞き直したりの一日でした。

10月31日(月)
[一回休み]
11月1日(火)
[一回休み]
11月2日(水)
[一回休み]
11月3日(木) 【▼ぐりぐらメモ/2016年11月3日】
 10月は外出(遠出)を控えていた。仕事が忙しいとか、節約しなくてはとか、夜遅い帰宅に気が引けるとか、理由はいろいろあるけれど。おかげで、というのもなんだけど、衣替えをしそこなっています。部屋では寒ければ、毛布をからだにまきつけておけばいいし、買い物に出るくらいなら薄着でもなんとかなる。風邪の前兆はあり、それが外出を控える理由のひとつになっていたことを思うと、大丈夫とは言えないのだが。

 10月は、東京・小川町のレンタルスペース「NEXT SPACE 御茶ノ水」で、佐藤幸雄さんが一か月間「基本毎日」と題して、基本毎日、19時(開錠)から20時(施錠)まで演奏を行っていた。演奏曲目が翌日には公開されていた。演奏した、聞いたものがなんだったのかを思い返せるように、ではないかと思う。
 佐藤さんが活動を再開し、『ここへきてはじめて』『それでもはじめて』をすきすきスウィッチとして発表したとき、すきすきスウィッチを聞いていたひとと話をしたら、「昔と変わっていない。昔と変わっていないのなら今のを聞く必要はない」と返されて、困惑した。昔と変わっていない、とは思えないのだけど、それは活動再開後の演奏を見ていることが影響している可能性もあるから。活動休止前の演奏は見ていない。変わっていないのか、変わっていないことはないのかという話はほんとうのところはできない。ただ、記録されたものからでも、いまの演奏を聞きたいと思った、だけ。ライヴは違うよ、というようなことはほんとうは言いたくない。でも、目の前で演奏しているのを見て、聞いて、記録されていたものに気付かされることはある。佐藤さんの歌は、そこで鳴らされる音、うたわれる歌というものを、考えて、感じ取って、選んで、試して、組み立てて、ようやっと、そこに在る、そんな歌だと思う。「基本毎日」は、その基礎力作りのようなかんじだったのではないかと、その場に立ち会えなかったけれど、想像している。

 10月8日に発売されたオトミ・チエさんの『Super Stainless』を月曜日に入手。4曲入りのミニアルバムだけど、電子音と自然音、緻密さとぼんやりした風情が綯交ぜの状態からそれぞれ取り出したかんじになっている。電子音からだんだんナマに近くなるような流れかな。ライヴで親しんでいた「金色の馬」と「あなたにだけ」(アルバムでの表記はアルファベット)も入ってる。わたしの中のピンク・フロイド/シド・バレットに培われた感覚が反応してしまうのだけど、移り気のように見えるし、突拍子もないメロディの連なりのようでもあるけれど、それらを突きうごかすものの力強さがある。

 月曜日、火曜日と、水曜日に出稿するもののチェックを遅くまで。先週の金曜日までに出てくれれば、と土曜日出勤の届け出もしていたのだけど、届いたのが月曜日の15時に半分、残りが火曜日の火曜日の15時半。何かあったらどうするつもりなのか、と怖くなったり、いろいろ算段が気になったりして、火曜日の夜はほとんど眠れなかった。水曜日、昼過ぎに提出して、一段落したたものの。水曜の帰りには鍼灸院に。バタンキュー(死語)で、湯呑のお茶もそのままに、眠ってしまった。きょうもその延長のようなもの。遅くに、買い物ついでに、こうの史代の特集ページがあるらしい漫画雑誌を探したけど、見当たらず。ふだん漫画雑誌を買わないので、一見さんみたいなもので、しかたない。

11月4日(金)
[一回休み]
11月5日(土) 【▼ぐりぐらメモ/2016年11月5日】
 Lavender Pillowに参加されているひとたちやコハク、オトミチエさん、バチカさんたちが出演するピクニック的なライヴが奈良公園であるということで、行ってみることに。以前にもあったのをツイートで見ていたのだけど、演奏するひとたちのピクニックというかんじかなと思っていた。今回は観覧のみでも大丈夫とあったので、知ってるひともいるし、なんとかなるかと。
 13時に間に合わせるため、午前中の用事を大急ぎで片付けた…つもりが図書館にきょう期限で返却しなければならない本を一冊持って出るのを忘れたことに気付いて、出がけに再度図書館に寄ることになり、ひと駅を自転車を飛ばして、ぎりぎりになってしまった。

 広い奈良公園の片隅に場所を取り、総勢十数組が数曲ずつ演奏。数曲ずつだけど、気になっていたひと、知らなかったひと、名前だけは見たことがあるひと、ソロは聞いたことがないひとを聞くことができて、よかった。ロケーションからアコースティックギター率が高かったけれど、みな「フォーク」を手本にしている様子がない。それと、仲間内と言うと語弊があるけれど、知っているひとの間で名曲と位置づけられ、愛されている歌があることに接すると、いいなと思う。自分がいい曲だと思っているだけではなくて、いい曲であることがわずかでも共有されていることが。
 日没でお開きかと思っていたのだけど、日がすっかり落ちても続行。最後は、新婚さんを祝って。yumboの「サーフィン」をおぼえていて、演奏できたらよかったのだけど。

 奈良公園なので、鹿が居ます。奈良には行っても、鹿が居るエリアにはひさしく行っていなかったので、少し感慨が。それにあんな風に鳴くことをすっかり忘れていた。演奏に反応したのとちがうか、と思いたくなる絶妙のタイミングで合いの手を入れる場面も。

 スティーヴ・ヒレッジ "BBC RADIO 1 IN CONCERT 1976"。1976年9月の"L" 発売から間もない11月11日に「パリスシアター」で公開収録され、12月4日に放送されたもの。NHK-FM「ヤングジョッキー」で放送されたのは、ウェブサイト「11月の舟」に掲載されている「NHK-FM 渋谷陽一の「ヤングジョッキー」オンエア・リスト」によれば、1978年3月4日。とすれば、同番組で "MOTIVATION RADIO" を聞いた(1977年12月4日)のよりも後ということになる。それまでにも "L" から2曲かかっているけれど、記憶にない。「ヤングジョッキー」は76年くらいから聞き始めていたけれど、毎回は聞けていなかったのかもしれない。

 記憶では、雑誌広告で気になっていた "L" の収録曲を聞いたのは、このBBCのコンサート録音での "Hurdy Gurdy Glissando" が最初だった。放送されたのは、"The Salmon Song" と "Hurdy Gurdy Glissando" の2曲。番組開始時刻には間に合わず2曲目だけをエアチェックすることができた。この演奏が気に入っていて、しばらくして「阪急32番街」の「Daiga」で "L" を買ったのだから、やはり1978年に入ってからだ。それで、スタジオ録音の "Hurdy Gurdy Glissando" を聞いたら、エンディングが回転速度をあげながらあっという間にフェイドアウトされてしまい、呆気にとられることになった。しかも。1992年にウィンドソング社から発売された "BBC LIVE IN CONCERT" では、やはりエンディングがカットされて、無理矢理1979年放送分の "Unidentified (Flying Being)" との疑似メドレーに編集されていて、がっかりしたのでした。

 という訳で、ヒスノイズに埋もれそうなエアチェックテープは手元にあるもののきちんとした形で聞き直したかったこの日の録音を収めた盤から聞き始めることにした。ウィンドソング版にも2曲しか収録されていなかったことから、放送も2曲のみと思っていたけれど、実際には続けて、ギターソロ "Meditaion Of The Dragon"、"It's All Too Much" が演奏されていたらしい。今回はさらに放送されなかったアンコール曲 "Not Fade Away" も収録されている。
 ボーナストラックとして1977年3月26日「レインボウシアター」の演奏から3曲、"Afterglid"、"Electric Gypsies"、"Not Fade Away"。この日の録音は、公式ライヴアルバム "LIVE HERALD" の主要な部分を占めているので、"LIVE HERALD" のボーナストラックと言ってもいい。"LIVE HERALD" 復刻時のボーナストラックを含めると、計8曲が公開されたことになる。

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2016 Kijima, Hebon-shiki