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2016年10月2日〜2016年10月8日


10月2日(日) 【▼ぐりぐらメモ/2016年10月2日】
 前半は先週の積み残しを綱渡りで、後半は突発仕事をやりつつ長期課題のまとめ。ここ数年、以前のように繁忙期は固定していないし、担当する範囲も広がっているので(ひとが減っているから)、重なるのは偶然の要素が強いのだけど、9月は忙しかった。締めまでの半月で二日代休をとれるだろうか。
 4年前に「不要」とされた項目について、残しておいても影響がないので放っといたものについて、今回機会を得て削除したら、「不要」と指示したご本人から「要るんじゃないか」という話が出た。あ、ちがいましたか、すぐに元に戻しますんでと早急に幕引きを図るも、他のひとからも「どこからそのような指示が出たか」という追求の声があがり、穏便には済まないかんじに。不要と大きくバツをつけたPDFを持っているのだが、どうしたもんじゃろのぉ。

 てな訳で金曜日も遅くなってしまい、ラジオ関西「夜のピンチヒッター」今シーズンの最終回だったのだけど、仕事場最寄駅でWi-Fi+ラジコでつないだときにはおわりから二番目のドゥワイト・ヨーカムのカントリー版 "Purple Rain" の途中だった。ツイターで確認すると、今シーズンのお礼がてら添えたリクエストがかかり、メールも読んでいただいたようだった。
 翌朝、半日遅れで聞き始めた。リクエストしたのは、再来日が決まったスラップ・ハッピーの "Strayed"(ツイターでの紹介は20時15分)。西部講堂でのコンサートは、並んでいる間の列も楽しかったなということを思い起こしつつ。

「暮らしの手帖」の大橋鎮子さんをモデルにしたNHK朝の連続テレビ小説『とと姉ちゃん』は、ちぐはぐさが最後まで拭えず、残念な結果に。思想の問題以前に、まるで未来に行って、ウィキペディアにまとめられた説明を見て、そうかそう言えばいいのねとあまり考えないで言ってるようなかんじがダメでした。物語の中では当人が語っていることになっているはずなのに、後付けでしかなくて。花森安治をモデルにした編集長氏の「ものわかりのよさ」はそれを悪びれる様子もなく描いたものになっていた。

 土曜日は映画の日ということで、『ザ・ビートルズ エイト・デイズ・ア・ウィーク』を。アメリカをはじめとしてツアーに明け暮れていた時期を追った記録映画。知ってる話にはちがいないのだけど、"ANTHOLOGY" 発掘以降のデモ録音やライヴ録音を使って、「進行中」のかんじを出していた。大きな音ということもあるけれど、立体的に感じられるところもあった。編集からは、彼らの聞き手を選ばない姿勢とそれを可能にした結束に、女の子たちの熱狂に対応させるかたちで、焦点を当てていた。
 本編終了後に、よく知られたシェイスタジアムの記録フィルムを修復したものが上映された。最初「劇場限定」の意味がわからなくて、上映される映画館とそうでない映画館があるのだろうかと思ったのだけど、劇場限定というのは、DVD/BDには入っていませんよという意味だった。本編を見てから、記録フィルムを見ると、舞台裏や心理を連想してしまって、困った。映像が終わるよりも先にエンディングBGMの "She's a Woman" が終わってしまうことにも困った。変な緊張感が館内に漂っていた。

 きょうは昼前に出て、四条畷市の「深北緑地」へ。仕事以外で四条畷市に入るのは初めてだし、「深北緑地」も知らなかった。もちろん、そこで行われている「ふかきた音楽祭」も知らなかった。知らない町を歩いてみたい、という気持ちもあって行ってみた、のだけど、調査不足やなにやらが重なって、歩かされました。乗ったバスは目的のバス停に着く前にちがう方向へ行くことがわかり途中下車、案内の通りに向かった場所は広い緑地の中央で、音楽祭が行われていた北の広場へはかなり歩かないといけず。帰りはバスの本数が少なくて途中まで歩き、さらに電車代を少し浮かそうと駅をひとつ歩いてみたりと。

 かすかに聞こえてくる声と音をたよりに会場にたどり着いたら、ちょうどグラサンズの演奏が始まるところだった。田渕徹さんの歌は聞いたことがあったけど、グラサンズは聞いたことがなかった。パンキッシュなアイルランド音楽の趣き。
 前川サチコとグッドルッキングガイも、前川サチコさんのソロは聞いたことがあるけど、バンドはナマでは初めて。レコードでは、洗練されたファンキーな演奏のように聞いていたけど、レゲエ/ダブがベースになっていた。演奏や歌のかっこよさから、歌い終わるとすっと離れる前川さんのステージングも楽しかった。最後は、お客さんが暑い中聞いているのに、屋根のついたステージで歌っているのは申し訳ないと、前に出てきて。いいひとと思われたいから、という物言いに笑ってしまう。
 ひさしぶりに浦朋恵さんのナマ演奏を聞いた。浦朋恵とバイユー・ブルーバーズというバンドでの演奏で、ブルースからロックンロールになった頃のかんじをぶりぶりと吹きまくっていた。わからんひとはほっときますよ 義務教育とちがうんやからという声が聞こえてきそうでした。
 杉瀬陽子さんはピアノの弾き語りで、「遠雷」から。さっきちらっと書いたけど、きょうはとにかく暑くて、場所によっては蝉がどこにいたのか復活してるくらいで、「遠雷」をどこか望んでいるところがありました。手を怪我されたそうで、グッドルッキングガイのギタリストがゲスト参加する曲も。

 聞きたかったひとたちが続けて出てくれたことで、休憩なしとなってよかったようなしんどかったようなですが、杉瀬さんが終わった時点で引き上げることにした。それにしても、かき氷がうまかった。というか、助かりました。

10月3日(月)
[一回休み]
10月4日(火)
[一回休み]
10月5日(水)
[一回休み]
10月6日(木)
[一回休み]
10月7日(金)
[一回休み]
10月8日(土) 【▼ぐりぐらメモ/2016年10月8日】
 出かけられる状態にあったのに、午後から睡魔に勝てず、立てなかった。雨が降りそうな空だったこともあるけれど。

 午前中、クリーニング出しと買い物のついでに、通販到着物を受け取りに遠回り。ブリジット・セント・ジョンの新しい編集盤 "FLY HIGH: A Collection of Album Highlights, Singls and B-Sides, Demos, Live recordings, Sessions and Interviews" を。今度こそ、EPテイクの "Fly High" が正式発掘されるかと期待していたのだけど、かなわず。Apple Musicでも聞けたので、聞いてから発注すればよかったのだが。
 2枚組で、1枚目はダンデライオンからの3枚のアルバム(追加トラック含む)から選曲されたベスト盤、2枚目が2009年のアルバム再発時に行われたインタビュー番組を再構成して、時系列に沿って、10吋 "FIRST CUT" に入っていたデビュー前の録音4曲、オムニバス "JOHN PEEL presents TOP GEAR" 収録の4曲、テレビ番組「オールド・グレイ・ウィッスル」出演時の1曲、EP "FLY HIGH" のB面2曲、Youtubeで見られるフランスのテレビ番組に出演した際の3曲、さらにBBC録音1曲をはさんでいる。最後には、インタビューの際に演奏されたマイケル・チャップマンとの2曲が収められている。ケヴィン・エアーズとの "If You've Got Money" は "THANK YOU FOR..." CD化の際に追加されたライヴ録音が、1枚目のほうに入っている。フランスのテレビ番組出演時の録音や2009年の録音が初商品化ということになるのかな。

 月曜日、というか、日曜日に届いていたのを見落としていた郵便物。yumboの新しい作品『鬼火』と2003年の『小さな穴 le petit trou』再発盤。『鬼火』は2枚組(38分と41分)で、時間をとって、通しで聞きたい…と思っていたら、なかなか時間がとれず。夜は眠ってしまうし、夜中に目が覚めても眠ってしまうだろうし、朝4時台に目が覚めて「4時以降なら朝」とあきらめられる時刻でないと。という訳で、通しで聞いたのは木曜日の朝になってしまった。
 『鬼火』は、2011年3月に「火星の庭」で収録された映像で聞いたタイトル曲、2010年12月の『これが現実だ』公演で聞いた「馬男」、岩淵弘樹監督の映画『サンタクロースをつかまえて』でテーマ曲のようになっていた「嘘の町」など、5年の間に映像やライヴで、あるいは澁谷さんのソロアルバムなどで耳にしてきたたくさんの曲がyumboの演奏で収められている。ひとつひとつはそんなに強くない、柳のような音がそよぎながら自然に編まれて、語りを支え、力強い印象を残す。さまざまなものが降りかかる中にあって、ただ佇む、たち尽くすための身のこなし、というか。

 今週は多少落ち着くはずだったけど、次の仕事の準備を進めていて、いろいろ改めてわかってきたことなどあり、ずっと準備したり、調査したり、整理したりで忙しく。請求額が多かったことから、会社の人が「今月はがんばったんだな」と話していてたと漏れ伝えきいたけど、それだと、まるでいつもはがんばってないみたいではないか。残業を控えろと言うから残業しないように「がんばっている」のに。今月は、がんばりようにも、前段階でトラブルが発生したり段取りがわるかったりで、残業せざるを得なかったらこうなっただけで。プンスカ。おかげで、調査研究分野の作業がかなり進んだのはよかったのだけど。…ふだん残業しないように調整できているのは、日々処理する必要がある作業のほかに調査研究分野の作業があり、それは特に締切があってないようなもので、ある程度自分の裁量でコントロールできるから、であって、やることがない日はない。日々処理するものも日々発生する。だから、イレギュラーな休みはほとんど取っていない。という訳で、プンスカついでに、振り替えもしないことにした。今月のように祝日が多いと、振り替えようにも日にちがない。むりくり振り替え休暇をとったことが二回あるけれど、全然楽しくなかったし。

 夜になって、うれしいニュース。オトミチエさんのミニアルバム『Super Stainless』がようやく発売に。やわらかで、かたどおりでなくて、突拍子もないというか、素っ頓狂だったりもするけれど、愛すべきポップさがあって。サイケデリックと言えなくもないけど、放縦さはない。"ATOM HEART MOTHER" B面の穏やかな空気に通じるものがあります。ラフトレードジャパン編集のオムニバス『クリアカット4』にこっそり混ぜときたい気持ちも。届くのが楽しみです。

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2016 Kijima, Hebon-shiki